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みんな水の中 の商品レビュー

4.1

25件のお客様レビュー

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2026/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

598.4 ASD(自閉症スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動性)を診断された大学教員の「私」という人間の体験を伝えた本。(僕の見る世界を水に例えている) ASD,ADHDはそれこそ多様な特徴を持つため、「私」のような考え方、感じ方に共感できない可能性もあるがそれも含めて「脳の多様性」であるという。 本の中で、さまざまな文学、芸術等の著作が取り上げられている。その著作らが、「私」へのケア、セラピー、リカバリーの見通しになるものとして、医療や福祉について考察していく。 脳に特徴を持った人たちだけでなく、すべての人が「水の中」にいて、それぞれのることを実感してくれるよう願って書かれた本です。

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2025/12/07

 「わかるわかる!」「そこまでじゃないかな⋯」「⋯まったくわからんわ!」のどれかを、ページをめくるごとにかわるがわる感じた。「わかるわかる」な言説は、はじめのうちは逐一メモしていたが、そのための中断がだんだんと煩わしくなってきて、途中からはメモをやめた。全体の感想として残しておき...

 「わかるわかる!」「そこまでじゃないかな⋯」「⋯まったくわからんわ!」のどれかを、ページをめくるごとにかわるがわる感じた。「わかるわかる」な言説は、はじめのうちは逐一メモしていたが、そのための中断がだんだんと煩わしくなってきて、途中からはメモをやめた。全体の感想として残しておきたいのはそうした個々の共感エピソードではなく、“「わかるわかる」は「おなじおなじ」とは少し違う感覚だった”という点。  本書の中で、「母語は自分語、第一外国語が標準的な日本語」という横道さんの実感が語られる箇所がある。そして、自分語で考えたことは、標準的な日本語に変換して話さないと「多数派」には伝わらないのだが、それどころか、「少数派」同士の間でも相互に通じない、ということも述べられている。  当事者研究(※これについてもまだまだ勉強不足だが)という文脈において、少数派すなわち発達障害者を「私たち」、多数派すなわち定型発達者を「彼ら」と呼んで語ることには便宜上の利点があり、むやみに忌避すべきことではないが、少数派同士がなんでも同じわけではない。もちろん多数派同士だって同じなわけではない。そのグループ分けも本質的には無意味だと思う。そんなことは言葉にすれば当たり前なんだけど、「ふつうは」「たいていは」「みんなだいたいわかってることだけど」という認識を場で共有することにより物事がスムーズに処理されていく、という仕組みになんとなく疲れている今、誰と誰も同じじゃない、誰と誰も相応の努力をしないと分かり合わない、みんな等しくひとりぼっちだ、ということを噛み締めるとなんだか安心感を得られた気がしたので、今日の気付きとして強調しておきたい(未来の自分へ向けて)。  以下はますます自分向けの備忘メモ。 ・予測不能な出来事がやってくる魔法の世界 ・数々のライフハック、「雑談サバイバー」等 ・目を見て話さないことがもっと受け入れられて欲しい ・「想像力が、世俗の生活の役に立ってくれない障害」→ニヤニヤを禁じ得ない ・他者が自動的にダウンロードされる「キマイラ現象」→私はこれの良い面を、PS時代のRPG『サガフロンティア』でいう「モンスター」型成長と呼んでいる ・過集中はゾーンでフローで感覚の飽和で過剰適応なの? ・解離とは。 ・当事者の体験的知識は専門的知識に匹敵する ・医学と福祉の限界、夢のDSM-10

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2025/10/05

なかなか読み進めるのが難しかった。でも、読みたい、と踏ん張って読みました。「当事者として、体験的知識を語った」本書は簡単ではなかったけど興味深かった。あとがきにあった「発達障害の特性は、それ自体では「障害」にはならない」「「健常者」とは異なる発達特性、あるいは発達凸凹を持っている...

なかなか読み進めるのが難しかった。でも、読みたい、と踏ん張って読みました。「当事者として、体験的知識を語った」本書は簡単ではなかったけど興味深かった。あとがきにあった「発達障害の特性は、それ自体では「障害」にはならない」「「健常者」とは異なる発達特性、あるいは発達凸凹を持っているだけで、それが「健常者」ベースで作られた社会環境と摩擦を起こすことで、「障害者」になっている。」「「脳の多様性」に思いをめぐらせて」を繰り返しぐるぐる考える。

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2025/07/14

『酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話』から派生して手に取りました。 (↑こちらの本もレビュー済) 文学研究者、横道誠氏の書籍です。 発達障害自助グループを主催しており、自らも当事者(ASDとADHD)だそうです。 ところどこ...

『酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話』から派生して手に取りました。 (↑こちらの本もレビュー済) 文学研究者、横道誠氏の書籍です。 発達障害自助グループを主催しており、自らも当事者(ASDとADHD)だそうです。 ところどころ、理解が及ばなくて「???」となってしまい、読み飛ばした章がありました。 読む前に意識しておけたら良かったなと思った事が、 横道氏には、ネイティブ言語の「自分語」があり、それを他の人に通じるように翻訳したものが「日本語」なのだそうで、Ⅰ部の詩は「自分語」、Ⅱ部は「日本語」として書かれている、とのことでした。 つまり「自分語を日本語に訳したものがⅡ部」という感じ。 そこまで読んで思ったのですが、「私が理解できない箇所があったとしても、それは些細なことなのではないか」ということ。 Ⅰ部が横道氏にとってのネイティブ言語なのだとしたら、Ⅱ部はその翻訳作業が入った後のもので、そこに若干の疑問や齟齬があったとしても、それは自然なことなのかな……と感じました。 我々は脳の多様性を生きている。 一読したところ、私と横道氏の距離はとても遠いような気がするのに、こうして文章として著者は自分の中の世界を、世の中に差し出してくれている。 そう思うと、この本がとても貴重な一冊のように思えてきました。 本書の中で取り上げられていた『コンビニ人間』を再読してみたくなりました。

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2025/07/01

定型発達からの発達障害者は心が読めないというレッテル貼りの不当性を始めて感じられた好著。当事者による、発言。私からみると不思議な構成だが、だからこそこちら側に届けてくれる工夫と努力が感じられた。 転記多数。

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2025/04/13

ASD、ADHDのひとの内側から見えている世界観について学んだ。芸術や文学について、それは技巧だと思っていたけれど、ある種の人たちにとってはそれが世界の見え方や感じ方についての自己表現なのだなと学ぶ。二ユーロダイバーシティ。

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2024/08/06

3種類の様式で書かれたASD、ADHD当事者の体験の記録。 たいへん豊かな内面世界を覗き見ることができる。 私がASD(自閉スペクトラム症)に興味を持ったのはオリヴァー・サックスの「火星の人類学者」からだったが、これほどまでに豊かな内省と表現を見ると、当時の世の中的な認識とは隔世...

3種類の様式で書かれたASD、ADHD当事者の体験の記録。 たいへん豊かな内面世界を覗き見ることができる。 私がASD(自閉スペクトラム症)に興味を持ったのはオリヴァー・サックスの「火星の人類学者」からだったが、これほどまでに豊かな内省と表現を見ると、当時の世の中的な認識とは隔世の感があるし、私自身の認識もかなり変わってきている。これは、ASD当事者達が繰り返し自分たちの物語を語ってくれたおかげだと思う。 ところで著者はたぶんネイチャーアクアリムが好きなんじゃないかと思いながら読んでいたところ、250ページで水草水槽に関する蔵書が話に出てきて嬉しかった。良いですよね、水槽。

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2024/05/08

この本に書かれていることはASD、ADHD当事者としての一例に過ぎない。前者に力点を置いて書かれているし、著者の出自もやや特殊であるので、例えばADHDに関心があって手に取った人にとって、果たして相応しいかどうか…とはいえ、著者の棲む世界については豊富な人文知と文学をはじめとする...

この本に書かれていることはASD、ADHD当事者としての一例に過ぎない。前者に力点を置いて書かれているし、著者の出自もやや特殊であるので、例えばADHDに関心があって手に取った人にとって、果たして相応しいかどうか…とはいえ、著者の棲む世界については豊富な人文知と文学をはじめとする芸術的体験を駆使することによって見事に描かれており、一読の価値がある。なかでも〈エス〉をキーワードとした、中動態が基調となる世界観にはハッとさせられた。

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2023/10/22

思っていたのと違ったが、例えるならTwitterでもブログでもない、SNSへの投稿を散漫と眺めているような良さがあった(伝わるか不明な説明) パッと読んで、ふむと思う、また引用される作品の多岐さも面白い。良書

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2023/01/15

当事者研究とは言うものの、自分のことをこれだけ見つめて言語化し、なおかつ、それを読者がドン引きするレベルで公開する、その勇気と言うか、勢いが凄い。言っていることは極めて真っ当で勉強になる。特に、「エス」についての指摘は目から鱗だった。それがフロイトの無意識の概念とハイデガーの存在...

当事者研究とは言うものの、自分のことをこれだけ見つめて言語化し、なおかつ、それを読者がドン引きするレベルで公開する、その勇気と言うか、勢いが凄い。言っていることは極めて真っ当で勉強になる。特に、「エス」についての指摘は目から鱗だった。それがフロイトの無意識の概念とハイデガーの存在論、更には中動態的な世界の捉え方に通じるものであること。言われてみればなるほどだ。

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