1,800円以上の注文で送料無料

僕とぼく の商品レビュー

3.6

8件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/07/17

小説のようだけど、現実なんだよね。 家族の太陽のようなお母さんを亡くし、娘さん(妹)も亡くしてしまうなんて。 一家の悲しみや苦しみが読むごとに迫ってきた。 これがフィクションだったらどんなによかったことか。 こういう本を小中高でとりあげたらよいのに。 人を傷つけたらどうなるか...

小説のようだけど、現実なんだよね。 家族の太陽のようなお母さんを亡くし、娘さん(妹)も亡くしてしまうなんて。 一家の悲しみや苦しみが読むごとに迫ってきた。 これがフィクションだったらどんなによかったことか。 こういう本を小中高でとりあげたらよいのに。 人を傷つけたらどうなるか、本人だけでなく家族や友人に取り返しのつかない傷を与えてしまう。 大事な人を失う前の生活には二度と戻れないんだということを、小さい頃から知るべきだと思う。

Posted byブクログ

2024/05/09

川名壮志(1975年~)氏は、早大卒、毎日新聞社の記者。 初任地の佐世保支局で小六女児同級生殺害事件(2004年6月に佐世保市で起きた、小学校6年生の女子児童が同級生の女児をカッターナイフで殺害した事件)に遭遇したが、被害女児の父親は同佐世保支局長であり、大手新聞社の地方局という...

川名壮志(1975年~)氏は、早大卒、毎日新聞社の記者。 初任地の佐世保支局で小六女児同級生殺害事件(2004年6月に佐世保市で起きた、小学校6年生の女子児童が同級生の女児をカッターナイフで殺害した事件)に遭遇したが、被害女児の父親は同佐世保支局長であり、大手新聞社の地方局という環境から、子供たちとも毎日顔を合わせる、極めて近い存在で、後に取材を重ねて『謝るなら、いつでもおいで』、『僕とぼく』等を記す。 『謝るなら、いつでもおいで』は、2014年に出版、2018年に文庫化。大宅壮一ノンフィクション賞、開高健ノンフィクション賞の最終候補にもなった。内容は、第一部が、事件当時の状況を著者の立場から振り返ったもの、第二部が、事件から時を経て、被害女児の父親(当時の佐世保支局長)、加害女児の父親、被害女児の3歳上の次兄の三者の思いを聞き書きしたものである。 本書『僕とぼく』は、2019年に出版、2021年に文庫化。内容は、9歳上の長兄「僕」と(前著にも出てくる)次兄「ぼく」が、妹(被害女児)が生まれた頃から、母親をがんで失い、この事件に遭遇して、その後10年を超える時間、どのような心の変化を伴って生きて来たのかを、一人称形式で記したものである。 私は、前著は文庫化直後に読んだが、そのときのレビューには次のように書いている。「本書を読了して、他の多くの本を読んだ後とは異なる、極めて居心地の悪い心境になった。というのは、大抵の本は、読中あるいは読後に(場合によっては読む前にさえ)、その作品に対する自分の立ち位置が明らかになるものであるが、本書の読後は、それが定まらなかったのである。起こってしまった、信じられないような事実と、その事実に深く関わった人たちのそれぞれの思いがどのようなものであったのかを読みつつ、同情や怒りのような安易な感情は湧きにくかったし、何らかの教訓やメッセージが得られたわけでもない。本書から読み取ることができたのは、事件によって、全ての関係者が、それまでの生活を永遠に失い、苦しみを味わうことになってしまったということであり、更に付け加えるなら、人の心というのは誰にもわからないものなのかもしれない(もしかすると、本人にさえ)ということである。」 そして、本書についても、文庫化当時から気にはなっており、今般読んでみた。上記の通り、本書の主人公は9歳上の長兄と3歳上の次兄なのだが、長兄は、9歳の年齢差があり、事件当時は四国の大学に通うために別居しており、また、外向的・活発な性格で、一方の次兄は、歳が近くて双子のように(と長兄が書いている)仲が良く、事件当時まで毎日共に暮らし、性格は内向的・穏やかで、二人は非常に対照的である。そして、おそらくそれ故に、二人は、事件の受け止め方も、その後の歩みも、大きく異なるのだが、いずれも、犯罪被害者の家族が、普通の生き方を(ゆっくりと、僅かずつでも)取り戻し始める記録として、心を揺さぶるものである。そういう意味では、前著よりも、読み手としてのスタンスは明確になり得るし、また、同じ兄二人が非常に異なる歩みをする(根本的な悲しみに違いは無かろうが)ことが、心をより強く揺さぶるのだ。(少々不謹慎な言い方になるが、本書は、僕一人でも、ぼく一人でも、作品になりにくかったのではないかと思う) 私はノンフィクションが好きで、犯罪事件を扱ったものも多数読んでいるが、この連作は稀に見る作品と思う。 (2024年5月了)

Posted byブクログ

2023/05/05

私の記憶にも鮮明に残っているこの事件。 こんな事がもし自分の家族に起こってしまったら、、その後のことは想像もつかない。 でも、この本を読んで、時間の経過や新しい人との出会いに救われることもあるのだと伝えてくれて、救いがあった。

Posted byブクログ

2022/03/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長男の僕と次男のぼく。 2人が交互にあの時の気持ちを回想する。 ある日突然大切な妹を理不尽に奪われた兄弟。 血の繋がった兄弟なのに感じ方や行動がまるで違う2人。 兄は逃げる事で己を守り、弟は我慢する事で己を守った。 私的にはお兄ちゃんな考え方はちょっと理解出来なかったなぁ‥。 母と妹の死から逃げるように地元を離れ大学生活を送った長男の気持ちは分からん。 その反対に父親にも迷惑かけないようにと我慢し続けた弟が心配でたまらなかった。 年も近かった事から弟と妹は双子の様な関係だったのだ。だから学校でのトラブルも相談していて弟は知っていたのだ。だからこそ妹を守れなかった事にずっと悩み続けていたのだ。自分も殺人に加担していた1人なんじゃないかと苦しんで来た。 弟も被害者なのに‥。

Posted byブクログ

2022/02/27

「謝るなら、いつでもおいで」の著者による、佐世保女児殺害事件の被害者家族の兄「僕」と弟「ぼく」の目線で描かれた彼らの葛藤と再生の記録。 最初に感じたのは、同じ妹を亡くした兄弟でも感情の温度差があるなぁ〜ということ。 兄の方は妹と年も離れていたし、そもそも母親が癌で亡くなった頃か...

「謝るなら、いつでもおいで」の著者による、佐世保女児殺害事件の被害者家族の兄「僕」と弟「ぼく」の目線で描かれた彼らの葛藤と再生の記録。 最初に感じたのは、同じ妹を亡くした兄弟でも感情の温度差があるなぁ〜ということ。 兄の方は妹と年も離れていたし、そもそも母親が癌で亡くなった頃から、自分に被さってくる諸々から逃げ家を離れていたから、妹が殺されたことでさほど大きな影響を受けていないような印象を受けた。兄の方は語り口からか、語られる内容からか、子供っぽくてあまり好感を持てなかった反面、弟の方はかなり繊細で自省的で早くから大人になることを強いられる結果になったことが見ていて辛い。 事件の時に学校関係者など周りの大人が彼を精神的に支えてあげられなかったのが残念だけど、その彼が紆余曲折を経てやっと信頼できる人を得たことに心底ホッとする。 どんな事件にも被害者と加害者、そしてその双方の家族がいて、彼らの誰もがその後の人生を狂わされているんだろうなと思いを及ぼす一助になる作品でした。

Posted byブクログ

2021/06/29

自分が子どもだった頃にそういう事件があったことは記憶していて、それが理由で手に取ったのだが…。どうも文体なのか、構成が小説っぽくて違和感を感じた。中盤部以降、恋愛とか結婚の話が目について、恋愛小説なのかと錯覚するくらい。 兄本人も自覚してはいるが、弟と比べると妹の距離感が遠い。本...

自分が子どもだった頃にそういう事件があったことは記憶していて、それが理由で手に取ったのだが…。どうも文体なのか、構成が小説っぽくて違和感を感じた。中盤部以降、恋愛とか結婚の話が目について、恋愛小説なのかと錯覚するくらい。 兄本人も自覚してはいるが、弟と比べると妹の距離感が遠い。本では兄と弟の登場比が1:1くらいだが、兄の比率はもっ小さくてよかったような。

Posted byブクログ

2021/05/08

この事件が起こった当時、ニュースで見て、 自分と少し年上のこどもが人を殺すって現実?と 思ったのが微かな記憶。 被害者の2人の兄弟が、事件の前後の心境・状況を語った記録。兄弟が殺される感覚はその人になってみないとわからないけど、すさまじいものがあるんだなと感じた。 「そのとき...

この事件が起こった当時、ニュースで見て、 自分と少し年上のこどもが人を殺すって現実?と 思ったのが微かな記憶。 被害者の2人の兄弟が、事件の前後の心境・状況を語った記録。兄弟が殺される感覚はその人になってみないとわからないけど、すさまじいものがあるんだなと感じた。 「そのときキミはどうしていた?」 "弟"が問われた質問が、人生を変える。 ぼくが平穏に生きていくために、あの子には普通に生活してもらいたい。 あの子のため、というよりぼくのために。

Posted byブクログ

2021/05/01

川名壮志『僕とぼく 佐世保事件で妹を奪われた兄と弟』新潮文庫。 2004年に長崎県佐世保市で起きた小六女児同級生殺人事件を巡る被害者家族の姿を毎日新聞社の記者が被害者女児の二人の兄の証言から綴ったノンフィクション。『謝るなら、いつでもおいで 佐世保小六女児同級生殺害事件』の姉妹...

川名壮志『僕とぼく 佐世保事件で妹を奪われた兄と弟』新潮文庫。 2004年に長崎県佐世保市で起きた小六女児同級生殺人事件を巡る被害者家族の姿を毎日新聞社の記者が被害者女児の二人の兄の証言から綴ったノンフィクション。『謝るなら、いつでもおいで 佐世保小六女児同級生殺害事件』の姉妹作。 前作では被害者と加害者の双方に再生の微かな光が見えたが、本作には僅かばかりの救いも見えなかった。心が抉られるような被害者家族の苦しみ。 被害者となった新聞記者の長男『僕』と次男『ぼく』。母親が癌で亡くなり、以来、父親と長男、次男、長女の四人が慎ましくも、支え合いながら、各々の人生を模索する中で事件は起きる。四国の大学に進学していた長男と地元の中学に通う次男に突然の悲報がもたらされる。肉体的にも、精神的にも大きなダメージを受けた家族は再び前を向き始める。 しかし、失われた小さな命は戻らない…… 本体価格590円 ★★★★

Posted byブクログ