三体 Ⅲ(上) の商品レビュー
ううん、面白い。前作がとても美しい終わり方をしたので、続きがどうなるのかと思ったら、予想を上回る展開が次々に襲ってくる。三体人の現実的で容赦のない態度を見ていると、地球人はなんて楽観的なのかと思える。主人公の優しさも、この局面では邪魔なだけだ。あと1冊でどう決着がつくのか楽しみ。
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また新たな主人公を迎えてのもう一つのストーリー。同じ「三体」の物語なのに、もう一つのストーリーでありつつ、どこかつながっている。さて、次はついに最終巻。これまでの数百年、そして数々の主人公たち、そして未来の科学技術理論がどのようにストーリーの終わりを描いてくれるのか楽しみです。世...
また新たな主人公を迎えてのもう一つのストーリー。同じ「三体」の物語なのに、もう一つのストーリーでありつつ、どこかつながっている。さて、次はついに最終巻。これまでの数百年、そして数々の主人公たち、そして未来の科学技術理論がどのようにストーリーの終わりを描いてくれるのか楽しみです。世界観が大きすぎて、最後、どうまとめていくのか想像もつきません。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前2作に比べて、プロットは格段に分かりやすく、娯楽小説として大変読みやすいインターフェイスとなっている。 四次元空間や宇宙都市群、いわゆるワープのことと思われる曲率推進などなど、シンボリックなギミックが次々と登場して、単純にプリミティヴなワクワク感がある、少なくとも中盤までは。 シリーズを通して、SFとしてのあらゆる創造性が凝縮されているという言い方もできるだろうし、まさに大作と呼ぶにふさわしいスケールを備えている。 でありながら(あるいは、であるからこそ)、完結編のこの「死神永生」について言えば、ソフト路線に転換して読みやすくなったトレードオフとしてなのか、全体的にロジカルな穴が目立ち、またストーリーとしてのまとまりや様式美にも欠け、作品としての完成度は決して高くない…ように私は感じた。 まず、抑止が壊れるプロセスの描写に説得力がない。 まるで酉島伝法氏の書く世界に出てくるような若干コミカルでさえある謎の知的生命体が登場し、そこからどう展開していくのか…と注目していたら盛大に肩を透かされるし、それに端を発する”宇宙の二次元化”を取り巻くくだりには、素人でも首を傾げたくなるような矛盾がいくつも見受けられるし、何より冗長に過ぎる。 程心が度重なる失態を経ても人類の中で優越した特権を失わないことについて、読者が納得するような理屈も示されない。 “小宇宙”とやらに智子が出てきたりして、もうすっかりハチャメチャだ。 そもそも日本刀を背負って現れた当初から、智子の作中における存在はかなり危うかったが…。 色々気になり出すと? 物語の閉じ方までしっくりこなくて、前2作までを読み終わった時に抱いていた大きな期待は文字通りしゅわしゅわと萎んでしまった。 結局のところ、三体人や三体世界のヴィジュアルがまったく描かれなかったのは残念だ。 「陸に上がった魚は、もはや魚ではありません。同様に、実際に宇宙に出た人間は、もはや人間ではないのです。」
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圧倒的技術力を持つ異星文明・三体世界の地球侵略に対抗すべく立案された「面壁計画」の裏で、極秘に進行する「階梯計画」―三体艦隊に人類からのスパイを送る―があった。しかし地球の科学技術では、送り込める質量はほんのわずか、” 脳”ひとつ分だけだった。この計画を実現に導いたのは、若き航空...
圧倒的技術力を持つ異星文明・三体世界の地球侵略に対抗すべく立案された「面壁計画」の裏で、極秘に進行する「階梯計画」―三体艦隊に人類からのスパイを送る―があった。しかし地球の科学技術では、送り込める質量はほんのわずか、” 脳”ひとつ分だけだった。この計画を実現に導いたのは、若き航空宇宙エンジニア・程心。彼女の学生時代の友人・雲天明――莫大な資産を手に入れながら不治の病に侵された孤独な男――は、程心に星を贈り、やがて脳だけの存在となって宇宙へと旅立ち、消息を絶った。 一方、三体文明が太陽系に送り込んだスーパーコンピュータ・智子(ソフォン)は、女性型ロボット、しかも日本人に姿を変えて時に地球人の憧憬を誘い、時に冷徹に支配する。 三体艦隊接近により、いっそうの混乱を極める地球。誰もが自分のことしか考えず、身勝手を極めて他人の足を引っ張り合う。三体文明によらずとも、すでに地球上の国家の機能は失われ、理性は踏みにじられ、文明は地に墜ちた――かに見えたその時、空を照らす光があった。 それは三体星系滅亡、最期の光輝。そして地球人類は、新たな危機に直面することになる――。 智子(ソフォン)が日本人の姿で人類を監視する設定……。これはなんの毒饅頭なんだろう? なんて勘繰り、雲天明のスケールの大きな報われなさと程心の肝心の時の決断の悪さに悶えている間に、まさかの三体滅亡――!! 凡庸な読者としてはイマイチ怒涛の展開についていけてないのですが、読むにつけ読者を置き去りにしてガンガン進むのは、もはや著者・劉先生の計算通りという感じ。 我々の理解なんてどんどん置いていって我が道を進んでほしい。他文明と理解し合って手を取り合って平和に生きていく、そんな気持ちの悪い物語には絶対ならない、安心感あふれるシリーズ完結編の上巻。
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・葉分潔が引き起こした惨事の影響で数百年後の愛がこんなにも儚いものになるとはなんてドラマチックだ。彼らの会談が行く末を今後の未来を決めていくのか。 ・暗黒森林理論は馴染みがなく、とても信じることはできなかった。しかし、物語の中ではあっさりと事が起きてしまう。法則として経済的であ...
・葉分潔が引き起こした惨事の影響で数百年後の愛がこんなにも儚いものになるとはなんてドラマチックだ。彼らの会談が行く末を今後の未来を決めていくのか。 ・暗黒森林理論は馴染みがなく、とても信じることはできなかった。しかし、物語の中ではあっさりと事が起きてしまう。法則として経済的であるというのも印象的だ。地球の自然界とも通じる弱肉強食の世界である。宇宙の無音な感じと森林の相和性を改めて感じる。 ・とても想像できない災害だが、現実のアナロジーになっている。冷戦を彷彿とさせる均衡状態や天に救いを求める市民、人間の一面しか見ない大衆など。 ・一番好きなシーンは程心が執権者になった後からのスピード感だ。決断の重さと流れる時間の迫力感を文のみにもかからわず非常に感じる。
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ようやく本書を読む気になった。早く読みたかったのに4ヶ月近くも積んでしまった。第Ⅱ部でまさかの苦戦を強いられたので臆病になったというのもある。夏バテ&急性ADHD(なんじゃそりゃ?)で集中力が続かず、本が読めなくなってしまったのも理由の1つだ。 本を開くと「これまでのあらすじ」が...
ようやく本書を読む気になった。早く読みたかったのに4ヶ月近くも積んでしまった。第Ⅱ部でまさかの苦戦を強いられたので臆病になったというのもある。夏バテ&急性ADHD(なんじゃそりゃ?)で集中力が続かず、本が読めなくなってしまったのも理由の1つだ。 本を開くと「これまでのあらすじ」があって、少しだけ記憶が取り戻せた。あとは一気読み。もうね、面白くてしょうがない。三体戦争の行方だけでなく、今回の主人公・程心がとても魅力的だった。
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知的生物の存在が知られたとたんに、他の知的生命から排除の攻撃を受けるという暗黒森林理論というのが、なかなか納得はできないのだが、これを軸に話は展開する。ひと昔前の小説みたいに、大柄な物語性があるので、結構読まされてしまう。地球を攻撃するなら、全宇宙に向けて三体世界の座標を知らせる...
知的生物の存在が知られたとたんに、他の知的生命から排除の攻撃を受けるという暗黒森林理論というのが、なかなか納得はできないのだが、これを軸に話は展開する。ひと昔前の小説みたいに、大柄な物語性があるので、結構読まされてしまう。地球を攻撃するなら、全宇宙に向けて三体世界の座標を知らせるという暗黒森林抑止の執剣者が羅輯から程心に譲渡されたとたんに、三体世界が攻撃を始め、たちまち地球を占領してしまう。程心の抑止の力は低くみられていたというか、なめられたわけだ。発信した地球の存在も知られてしまうので、程心はためらったのだ。地球が三体世界に支配された後の地球人たちの反応なんかは、きっと作者の書きたかったことなのだろう。四次元の入り口に遭遇した宇宙船の話や、程心と雲天明の純愛など、多くの要素で小説を彩っている。さて、三体世界から解放された地球はどこへ向かっていくのか。下巻に詳しく書かれるのだろう。文明へのいろいろな問題提起のある小説だと思うが、作者の手のひらで踊らされている感は強い。
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三体IIがキッチリ終わっていたので、ここからどう展開するんだろうと思っていたのですが、上巻は「唐突な手のひら返し」が続く展開で、「高低差ありすぎて耳キーンなるわ!」的な疲労感を感じました(笑 まず、ビザンツ帝国のコンスタンティノープル陥落の場面から始まるという点で意表を突かれ、た...
三体IIがキッチリ終わっていたので、ここからどう展開するんだろうと思っていたのですが、上巻は「唐突な手のひら返し」が続く展開で、「高低差ありすぎて耳キーンなるわ!」的な疲労感を感じました(笑 まず、ビザンツ帝国のコンスタンティノープル陥落の場面から始まるという点で意表を突かれ、ただ「終わりのない宴はない」という言葉はこの上下巻の展開を暗示させます。 相変わらずの大スケールだし、本巻においては文字通り次元の違う展開があったりして、疲れたけど楽しませていただきました。各方面にこれだけ大々的に風呂敷を広げておいて、下巻でちゃんと畳めるのかな?と心配になったくらいです(笑 展開について1点個人的にツッコミを入れるとすると、自分の仕事の引き継ぎだって、引き継いだらその瞬間にハイおしまい、とはならないので、展開的に仕方なかったのかもしれませんが、読んでいてちょっとモヤモヤしました。(ネタバレにならないように書くと、奥歯にモノが挟まったような言い方になりますね…) また、著者劉慈欣氏による未来世界の描き方も印象的でした。男性はナヨナヨ化し、過去から来た「西暦人」の男性は野蛮人扱いされてしまう。ここは本著の展開にも影響する訳ですが、著者があくまでフラットに描写していったのは抑制がきいていてお見事だと感じました。 ちなみに、「智子」という存在には本巻でアバターが与えられるのですが、日本的ですね…。 結局、著者を含め、中国の皆さんの日本観というのは、本著における地球人が三体世界に対して抱くものと一緒なのでしょうか。リスペクトはありつつも、最終的には敵、という位置づけ。 ジャパン・パッシングよりはだいぶ有難い扱いではありつつ、少し複雑な気持ちになります。 (ただ、過去イノセントだった三体世界が地球文明との出会いで変容する、というのは個人的には上記とあまり符合しない気がするので、穿った考えなのかなぁ。) 何にしても、下巻が楽しみです!
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三体Ⅱで 大団円だと思ったら 新しい主人公 チェン・シン(程心)と更なる危機に立ち向かうお話。当初主人公だと思ったユン・ティエンミン(雲天明)が初恋の人チェン・シンとの再会するくだりが、一人芝居が悲しすぎてメロドラマとして面白かった。三体Ⅱで大活躍だったルオ・ジー(羅咠(車編に咠...
三体Ⅱで 大団円だと思ったら 新しい主人公 チェン・シン(程心)と更なる危機に立ち向かうお話。当初主人公だと思ったユン・ティエンミン(雲天明)が初恋の人チェン・シンとの再会するくだりが、一人芝居が悲しすぎてメロドラマとして面白かった。三体Ⅱで大活躍だったルオ・ジー(羅咠(車編に咠))は、その後が可哀想で、涙ものです。ディズニーなら三体Ⅱでメデタシメデタシ、王子様はお姫様と幸せに暮らしました なのに、大活躍がすぎると幸せにはなれないものなのですね。 ルオジーやチェンシンに対する世論の馬鹿さ加減(手のひら返し)には辟易しますが、現実でも菅総理が世論調査の結果を受けた自民党議員の動揺の末に総裁選にさえ出られない状況をみると、世論の馬鹿さ加減って怖いと思う今日この頃です。
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オーディブル。 楽しく読んだ。 色々な説明が多くなってきた。作者の広大な思考世界が面白い。本当の宇宙はどうなってるんだろうと自分の想像力が刺激される。
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