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スモールワールズ の商品レビュー

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762件のお客様レビュー

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    212

  2. 4つ

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2024/08/07

初めて読む一穂ミチさん作品。好きになってしまう予感アリ。 シチュエーションは異なっているのに、どこか通底するものがある、短編の連作。ぞくっではなくぞわっとする、ぶわっではなくじわっとくる、読み続けられないほど重くはないはずなのに何故か、一つ読み終わってすぐに次を開くのが躊躇われる...

初めて読む一穂ミチさん作品。好きになってしまう予感アリ。 シチュエーションは異なっているのに、どこか通底するものがある、短編の連作。ぞくっではなくぞわっとする、ぶわっではなくじわっとくる、読み続けられないほど重くはないはずなのに何故か、一つ読み終わってすぐに次を開くのが躊躇われる。 自分では一度も経験したことのない状況に、違和感なく心が重なっていく不思議。特に、何気ない光や空気や色や音の描写が、驚くほどくっきりと、まるで蘇るように実感・体感され、描かれている世界を自分がまさに見ている感覚があった。これはクセになるヤツだ。

Posted byブクログ

2024/08/06

一穂ミチさんは初読と思っていたが2冊目。『パラソルでパラシュート』は、出会いのシチュエーションが素敵で、きっとこんなことが実体験としてあったんだろうな…と思いを馳せたりして楽しくてワクワク、そして切なくなる話でしたが、一転して今作は悲しくて切ない。 好きなのは「花うた」と「式日」...

一穂ミチさんは初読と思っていたが2冊目。『パラソルでパラシュート』は、出会いのシチュエーションが素敵で、きっとこんなことが実体験としてあったんだろうな…と思いを馳せたりして楽しくてワクワク、そして切なくなる話でしたが、一転して今作は悲しくて切ない。 好きなのは「花うた」と「式日」。 ネオンテトラ、トラック運転手、DVの父親…と繰り返し出てくる単語の存在には気づいていたのに、話がつながっていることには気づかなかった。読み浅。 「スモールワールド」というタイトルの作品は6編の中にない。小さい世界の中で巡る物語的なものだと理解していたけれど、これは家庭。 「式日」は書き留めたいような、書き留めたくないようなフレーズがいっぱいあった。 装丁もよい。

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2024/08/12

孤独が創ってしまう、私だけの世界。 そんなこと、考える訳ない。 そんなこと、する訳ない。 そんなこと、理解できない。 理屈では分かってる。 でも、ずっと孤独だったら。ずっと誰にも相談できなかったら。意を決して相談したのに取り合ってもらえなかったら。そう思ったら、誰でも起こり得...

孤独が創ってしまう、私だけの世界。 そんなこと、考える訳ない。 そんなこと、する訳ない。 そんなこと、理解できない。 理屈では分かってる。 でも、ずっと孤独だったら。ずっと誰にも相談できなかったら。意を決して相談したのに取り合ってもらえなかったら。そう思ったら、誰でも起こり得る身近な世界なのかも。 6編からなる短編連作。 伊坂幸太郎の作品みたいに、 他の話の登場人物がさらっと出てくる。 怖っ!ほっこり!怖っ!怖っ!怖、ほっこり、怖、ほっこり!無!みたいな感じで、感情を、かなり揺さぶられる。 「愛を適量」が身にしみた。 反抗期を迎えた自分の娘が愛おしくなった。 「魔王の帰還」は、ほっこりする。この本のオアシス。キャラは全然違うけど、「成瀬は天下を取りにいく」ぽいなって思った。 「ネオンテトラ」「ピクニック」「花うた」は女の怖さを思い知らされる。男は、理解できなくても知っていた方がいいと思う。にしても「花うた」の行動は今でも全く理解できない。「花うた」を読んでいたら、大昔に読んだ「アルジャーノンに花束を」を急に思いだして懐かしくなった。

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2024/07/30

ネオンテトラで始まりネオンテトラで終わる 誰かの光を受けて輝ける 各々の人生、自ら輝くことはなく、関わる人々によって照らされるのかも 誰かを照らす光になれているのだろうか 式日の二人の関係、付かず離れず、けれど大事な支え 良い関係だ

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2024/07/30

短編集ってなんとなく尻切れトンボになりがちだけど、この作品たちはどれも読み応えあって凄く良かった!時にはウルッと、ちょっとホラーもあり…おすすめしたい作品。

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2024/07/29
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第165回直木賞候補作 2022 本屋大賞ノミネート 6編の短編集 現代の生きづらさ、LGBT、犯罪被害者など世相をテーマに、ハートフルな話、ややダークな話など、素晴らしい構成で引き込むストーリーテラー 最後の短編だけは駄作だったけど、他は秀逸

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2024/07/21
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※このレビューにはネタバレを含みます

短編集 ネオンテトラ ネオンテトラとの絡みはちょっと嫌 有紗の子供は引き取らないでしょ 魔王の帰還 お姉さんなかなか良い魔王 ピクニック 結局 子供を殺してるでしょ なんかスッキリしない 花うた 兄を殺した人を世話するにしても結婚しないでしょ  手紙のやり取りでのストーリー展開は斬新 愛を適量 娘が男になる やりすぎよくないな 式日 後輩である ショウの父親 葬式に呼ばれる 気持ち悪くて読後感よくない

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2024/07/10

どの話も、身近に起こっていてもおかしくないと言うか、その話に引き込まれてすいすい読んでしまいました。 中でも適量がわからないという部分はとても共感できて、他人とは思えない。

Posted byブクログ

2024/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろかった。花うた、愛を適量、式日がとくにおもしろかった 愛を適量がいちばんすき 国語教師でやりがいも生きがいもなく不摂生に暮らす父と、離婚により離れていた性同一性障害の娘との話。

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2024/07/02

6編からなる連作集。それぞれが少しずつリンクしていて小さな世界を築き上げている。ピクニックではぞわぞわした怖さを、花うたでは「アルジャーノンに花束を」を彷彿させる展開に涙して、愛を適量では不器用な父と子にクスッと笑ったり、どれも飽きなかった。

Posted byブクログ