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実力も運のうち 能力主義は正義か? の商品レビュー

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122件のお客様レビュー

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2023/09/06

この人の本はいつも頭を殴られる感じ 固定概念が如何に昔の知識やいい加減な根拠を基に作られているか認識させられる タイトルは内容を端的に現していると思う

Posted byブクログ

2023/07/09

思いの外時間かかってしまったが読了 能力主義≒成果主義の平等性を部分否定しつつ、やはり共通善や機会の公平性について論じている。 日本のエリートは大したことないと思っているが、相対的に見ればその中にいるであろう人間としては 筆者指摘の通り疑問を感じたり、逆に感じなかったりしてしま...

思いの外時間かかってしまったが読了 能力主義≒成果主義の平等性を部分否定しつつ、やはり共通善や機会の公平性について論じている。 日本のエリートは大したことないと思っているが、相対的に見ればその中にいるであろう人間としては 筆者指摘の通り疑問を感じたり、逆に感じなかったりしてしまうことが多かった

Posted byブクログ

2023/07/01

能力主義(功績主義)への批判というテーマについては興味深いところであったが、いかんせん結論ありきで説得力に乏しい。 訳もこなれてなくて読みづらい。

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2023/05/03

高学歴のエリートは自分の努力で成功を手にしたと思ってるが、環境要因が大きい。低層は簡単には這い上がれない。彼らの事をわかってない。 という話をひたすら長々と伸ばした本。 かといって、実力主義、能力主義にすべき、というのは残酷な話で、能力の高低で存在価値が決まる社会を助長するといの...

高学歴のエリートは自分の努力で成功を手にしたと思ってるが、環境要因が大きい。低層は簡単には這い上がれない。彼らの事をわかってない。 という話をひたすら長々と伸ばした本。 かといって、実力主義、能力主義にすべき、というのは残酷な話で、能力の高低で存在価値が決まる社会を助長するといのは確かにそうだと感じた。

Posted byブクログ

2023/05/02

サンデル教授の共同体主義は(浅学ですが、、)なんとなく私たち。。主語がでかいな。。私の考える「道徳」に合致していると思います。それも踏まえてですが、結論の「共通善」、「共同体」は目指すべき理想だけどここまで乖離してしまった世界で本当に向かうことができるのか?を最後までイメージでき...

サンデル教授の共同体主義は(浅学ですが、、)なんとなく私たち。。主語がでかいな。。私の考える「道徳」に合致していると思います。それも踏まえてですが、結論の「共通善」、「共同体」は目指すべき理想だけどここまで乖離してしまった世界で本当に向かうことができるのか?を最後までイメージできなかった。。もしそれが叶えば今より良い世界になることは理解していても。 大学入試を必死に頑張ってきた人たち、競争で出世してきた人に果たして受け入れることができるのだろうか。

Posted byブクログ

2023/04/30

学歴主義と生産する労働の軽視への批判。 納得する内容でした。 人々の生活の実態を大切に、誰もが自分の生活に自信を持って幸せを感じられる世の中になりますように。 具体的な提案もたくさんあったけれど、なによりまず、GDPの増大が幸せにつながるという意味不明な方針を改め、労働への敬意と...

学歴主義と生産する労働の軽視への批判。 納得する内容でした。 人々の生活の実態を大切に、誰もが自分の生活に自信を持って幸せを感じられる世の中になりますように。 具体的な提案もたくさんあったけれど、なによりまず、GDPの増大が幸せにつながるという意味不明な方針を改め、労働への敬意と誰もが豊かでゆとりのある生活を送れることを目標にした政治が成立して欲しい。

Posted byブクログ

2023/04/26

文句なしに最高の1冊。 # 介護の経験から見る、「自己責任」の無情さ 自分は昔介護の仕事をしており、多くの障害者・高齢者と接してきた。 そのため、生まれつき重度の障害を負っていたり、事故や病気などが原因で健常者と同じように学び、働けない人にも多く会ってきた。 自分自身は健康で...

文句なしに最高の1冊。 # 介護の経験から見る、「自己責任」の無情さ 自分は昔介護の仕事をしており、多くの障害者・高齢者と接してきた。 そのため、生まれつき重度の障害を負っていたり、事故や病気などが原因で健常者と同じように学び、働けない人にも多く会ってきた。 自分自身は健康ではあるが、取り立てて目立った才能や、頭脳を持ち合わせているわけでもなく、劣等感のようなものも人並みに感じてきた。 そういった自分のバックボーンがあるからか、自分の才能と努力次第で幸福な人生を得ることが出来るだとか、貧しい境遇は自己責任であるとは全く感じないし、感じることができない。 好成績で大学に入り、教員採用試験を突破して教員になった人は、そもそも優秀であるがゆえに勉強が出来ない子供の気持ちが理解できない、という話を聞いたことがあるが、それと同様に、恵まれた境遇と自分の努力で成功を勝ち取ったエリートには、そこから落第した人や、そもそもその競争にすら参加できなかった人の気持ちを理解するのは難しいだろう。 資本主義は分業や分断を加速させる。 その方が仕事の面では生産効率が高いし、 生活や人間関係の面では同じレベル・同じタイプの人と一緒にいる方が衝突やストレスが少なくて済むからだ。 しかしそうした分業・分断された社会では他者理解がさらに難しくなる。 他者理解が困難になれば、それだけ更なる分断や衝突が増える。 思い返せば、小学校のころは喧嘩やいじめなど諍いが絶えなかったが、 高校・大学と進むほどに同じレベル・同じ志向の人が集まった環境になっていき、とても快適になった。 もしかしたら、逆説的に、自分が理解できない人や嫌う人とも折り合いをつけて生きていくスキル、他者理解をその分失っていたのかもしれない。 生物が健康のために適度に雑菌を取り入れたりワクチンを利用するように、 社会というレベルにおいても異物と接する機会を設けた方が、エコシステムが磨かれて健全なのかもしれない。 また、異なる教育レベルや職種の人とも平和裏に関わり協働する媒介となる、 音楽や映画といった娯楽・芸術をたしなみ、趣味を持つこともまた有益だろう。 リベラルアーツに芸術分野が含まれるのもさもありなん。 ーーーー 本書に関しては思うところが多く文章が長くなるので全文はnoteにて。 https://note.com/ronnio/n/n4028629cef79

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2023/12/26

現代の学生は「良い大学」に入るために、自らの感情を押し殺し、塾に莫大なお金をかける。そして大学卒業後に「良い企業」に入るために選抜式のインターンシップに参加する大学生活を送っている。選ばれる側になり続けることが人生の目的となる。それが能力主義(メリトクラシー)的な社会である。近代...

現代の学生は「良い大学」に入るために、自らの感情を押し殺し、塾に莫大なお金をかける。そして大学卒業後に「良い企業」に入るために選抜式のインターンシップに参加する大学生活を送っている。選ばれる側になり続けることが人生の目的となる。それが能力主義(メリトクラシー)的な社会である。近代以前の生まれによって全てが決まる世襲の貴族制を打破し、自らの能力で機会を平等化しようとした近代社会は、結果として世襲の能力主義社会となってしまっている。豊かな家庭の子供は親からの莫大な教育への投資によって、「良い大学」に入り、「良い人生」を歩むことを人生の目的として常に勝ち続けることに執着する。 これの反動がドナルド・トランプというアメリカ大統領の誕生だ。民主党の掲げる誰もが機会を得られる(とされる)社会は、機会が平等にも関わらずに良い結果を得られなかった人自身に責任を負わせる。バラク・オバマの掲げた誰もが大学に入れるようにすることで機会を得られるという方針は、エリートの賢明な判断による「Smart」な政策を打ち出すことに繋がった。グローバリゼーションは、一部の金持ちがさらに金持ちになるのに役に立ち、多くの国民は仕事を奪われた。彼らにとって、グローバル化という「Smart」な政策は生活を豊かにするものではなかった。ヒラリークリントンが語った、教育の機会平等や、努力によって出世ができるといった演説は現代では力を持たなくなっていた。この裏返しとして、大学に進学していない「Smart」ではない人々の反感を買い、ドナルド・トランプの誕生に繋がっていった。 この状況が、普通の市民と、「Smart」な市民との分断に繋がった。「Smart」な市民は、高校生活や大学生活を犠牲にして「努力して」良い大学に入り、自らの能力で自分の人生を勝ち取ったという自負がある。一方で、普通の市民に対して、然るべき努力を怠った「愚かな人間」に汚名を着せている。 結果として、トランプ現象に加えて、アメリカでは平均寿命が減り、競争社会に疲弊した人間の自殺者が殺人の犠牲者より多いという状況になっている。 この解決策として、教育は「Smart」な人間を選別し、仕事に役に立つ素養を身につけさせるだけでなく、道徳的配慮のできる人間、有能な民主的市民になる心構えを教え、「共通善」について熟慮する力を育む場所とするべきである。そして、税制度は国家としての共通善への貢献として何を重んじるかを表現する方法と考えるべきである。

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2023/03/12

貴族のみが大学に通えていた時代には庶民に成功の道は無かったけれど、現代は能力さえあれば誰でも大学に行き良い仕事に就き成功できるようになった。本書は一見すると平等で良い事のように思えるこの"能力主義"の問題点を指摘する。 小難しい文章も多く、その辺は理解しよう...

貴族のみが大学に通えていた時代には庶民に成功の道は無かったけれど、現代は能力さえあれば誰でも大学に行き良い仕事に就き成功できるようになった。本書は一見すると平等で良い事のように思えるこの"能力主義"の問題点を指摘する。 小難しい文章も多く、その辺は理解しようとせず軽く読み流したけれど全体的には目から鱗の面白さ。 まず成績は親の収入に比例する傾向があるという身も蓋もない不平等な現実。勉強ができたのも努力できたのも生まれた環境によるものが大きいのに、人は運による成功でも、自分の努力によるものだと思い込む習性があり傲慢になる。そしてそれが富裕層と貧困層の断絶を大きくする。これは分かる気がする。 現代のアメリカでは親の経済状態を子供が引き継ぐ率が高いので、貧乏で将来の見込みがない若者がアメリカと中国にいる場合、中国の若者の方が大成功する可能性は高いらしい。アメリカンドリームは今のアメリカでは中々起こせないという残念な話。 じゃあ親の収入に左右されない完全な能力主義社会を仮に実現したらいい社会になるのかというと、成功しなかった者は能力が低い者という決定的な烙印を押されることになり、金の格差ではなく実力の格差を生むだけになるだろうと。その場合も結局、成功する能力を持って生まれるかの運勝負っていう。 収入の高さこそが絶対と考える風潮にも釘を刺していて、需要と供給の関係で高い給料が貰えているだけで、高収入者が教師や清掃員よりも偉いわけではないっていう当たり前で忘れがちな正論も。成功者の傲慢化の話とも繋がっていて、確かにいわゆる成功者が収入でマウント取る姿はネットとかで見る。

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2023/02/28

日本でも有名なマイケルサンデルさんの著書。彼の他の作品と同じように現代社会に対する疑問を問いかけ深く考えさせられる本。 本書ではメリトクラシー、能力主義の社会は本当に平等なのか実力で成功を掴み取ることができるとしているがそれは正しいのだろうかと言う問題提起 現在は世襲制ではなくて...

日本でも有名なマイケルサンデルさんの著書。彼の他の作品と同じように現代社会に対する疑問を問いかけ深く考えさせられる本。 本書ではメリトクラシー、能力主義の社会は本当に平等なのか実力で成功を掴み取ることができるとしているがそれは正しいのだろうかと言う問題提起 現在は世襲制ではなくて自分の努力と能力に応じて地位や富を与えられるなので平等だというのが通説であるが、それは成功者は自分の力で成功したと言うおごりを深めることになりそうでないものは自分の能力が劣っていると言うのがありがたい現実を突きつけられる

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