三谷幸喜のありふれた生活(16) の商品レビュー
いにしえのオタクである。 たぶん"第一次声優ブーム"的な時代でもあった。 高校生の私はお小遣いを貯めて推しの舞台を観に行ったのである。 そこは恵比寿にある小さな劇場で、主に翻訳物の喜劇が上演されていた。 舞台演劇面白い、と知ったのはその場で、大学では劇団に参加した。学生劇団からス...
いにしえのオタクである。 たぶん"第一次声優ブーム"的な時代でもあった。 高校生の私はお小遣いを貯めて推しの舞台を観に行ったのである。 そこは恵比寿にある小さな劇場で、主に翻訳物の喜劇が上演されていた。 舞台演劇面白い、と知ったのはその場で、大学では劇団に参加した。学生劇団からスタートした人たちが華やかに活動をはじめていた頃だった。 ****** 三谷さんが脚本を書いたドラマを見た時の衝撃は忘れられない。面白くてユーモアとちょっとした毒と、おしゃれな(時々おしゃれになりそこなった)ドタバタ。緻密に組まれたストーリー。 遠方で舞台は観に行けないが、ドラマと映画を欠かさず観ている。 本書は和田誠さんへの追悼からはじまる。 シリーズの最初から挿し絵を描いてこられた唯一無二のイラストレーター。和田さんも大好きなクリエーターだった。 連載エッセイは、その時期ごとの話題がピックアップされるのでいつ頃何が起きたのか、思いもかけない事柄が繋がるのが面白い。 演出する舞台の話、ドラマの話、映画の話。 息子さんの話題は微笑ましく、しかしさすがに三谷さんの息子さんは目のつけどころが違う、と感心させられたりもする。 この時期の連載で私が楽しみに読んでいたのが、ちょうど当時放送されていた「ルパパト」の話題。 あの三谷さんがスーパー戦隊を楽しく観てくれている!って、すごいことじゃないですか? ウルトラマンについての回もある。 特撮オタクはもうドキドキである。 三谷さんの息子さんに感謝したい。 他にも、苦楽を共にしてきたサンシャインボーイズ時代からの役者さんとの絆を感じる回、ちょうど制作していた「記憶にございません!」についての回などなど、盛りだくさんの楽しさ。 わくわくである。 ****** 三谷さんのエッセイを読んでいるとしばしば登場する、稀代の名喜劇作家たちの名前。 それは、私がかつて通った恵比寿の劇場で上演されていた作品たちの作者だったりしていて。 勝手な縁を感じながら、好きなものをずっと好きでいられるって幸せだと思うし、押し活は若いうちからやっておくといいぞ!と声を大にして言いたくなるのだった。
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二〇一七〜二〇一九年頃。 和田誠さんお亡くなりに。 息子さんエピソードが増えてきて楽しい。 (引用) 「アナキンがどうしてダークサイドに落ちたのか、ぼく、よくわからないんだ」と悩んでいたから、「それは実はお父さんも、よくわからないんだ」と答えたら、少しほっとしたようだった。
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2018年とかの話なのですが、依然、仕事の幅を増やし続けている様子が現実と対比するとわかるのがスゴイ。すっかり子煩悩的なエピソードも多いところも時の流れか。映画や舞台の裏側エピソードももちろん満載ですが、お子さんとの攻防が目立つ第16巻。
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全部は読んでない。ダンゴムシの話が好きだった。あと自分の舞台に代役で出たときの、元宝塚娘役の子の反応が娘役らしくて笑った。
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気楽に読めて面白かった。私はこの方のテレビドラマは好きだ。鎌倉殿も毎週ワクワクドキドキ、次週が楽しみで仕方なかった。三谷さんの思う壺だろう。
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- ネタバレ
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年末これも読んだのに本棚に入れ忘れ。 これまでずっと装丁を担当されてきた和田誠さんが亡くなり、どうなるかと思っていたら、ご本人のイラストだった。(中身は和田さんのもの) まさかの舞台代役(しかも松岡茉優の!)コロナ禍での舞台や、リモートでの演劇など、いつもとちょっと違う内容も。 常に演劇と舞台と俳優さんのことを考えている三谷さん。 この役者さんをどう輝かせるか、役者さんありきでホンを作る、というのが良くわかる。
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松岡茉優の代役を務めたことのドキドキが綴られているが、まさかこの後怒涛の代役ラッシュが襲ってくるとは
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再読というか、買って読んでいたのに間違えて(忘れて)また買ってしまった。 何度読んでも面白い。 これまで挿絵や装丁をされていた和田誠さんが亡くなられ、連載をやめることも考えたそうですが、挿絵はたくさん保存されている和田さんの絵を採用し、表紙は三谷幸喜さん本人が自ら描かれている。 ...
再読というか、買って読んでいたのに間違えて(忘れて)また買ってしまった。 何度読んでも面白い。 これまで挿絵や装丁をされていた和田誠さんが亡くなられ、連載をやめることも考えたそうですが、挿絵はたくさん保存されている和田さんの絵を採用し、表紙は三谷幸喜さん本人が自ら描かれている。 模写をされていただけあって、雰囲気も和田さんの絵にどことなく似ていていい感じで違和感もない。 色んな才能がある人だと改めておもう。 エッセイの内容は主にミュージカル「日本の歴史」映画「記憶にございません」など他にも舞台の話など。 当たり前だけど、三谷さんは人をよく見ているし、ちょっとしたことでイメージが湧き上がる人。 佐藤浩市さんとの話は以前も書いてあった気がするけど、初めは自分とは縁のない俳優と思っていたというのが、やはり人の縁とは不思議なものと思う。 新選組はプロデューサーの意向でキャスティングされ、そこで初めて話をしたという。 その後何度も仕事を一緒にされている。 三谷さんから見た色んな役者さんの一面がクスッと笑えたりへぇと思ったり。 何度読んでも面白い。
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三谷幸喜さんのエッセイの最新作かな? 本屋でパラパラ見たとき、新しい地図の72時間ホンネテレビに出たときの話が見えたのでそのまま購入。 あのコーナーめっちゃ面白かったので、裏話的なことが読みたくて。
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和田さんが亡くなられたので表紙は三谷さん自身で描いたそう。本当になんでもやっちゃう人だね。すごいな。 息子さんのことや舞台、映画のお話。「記憶にございません」の石田ゆり子さん、おディーンさんのエピソードに笑っちゃった。
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