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主権者のいない国 の商品レビュー

3.7

18件のお客様レビュー

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2023/10/25

主権者たるためには、個々人の責任意識が必要 日本って、いたるところで責任のなすりつけあいがされてる社会だなと、だから、究極的には政治に関心がないんだなとなんとなく納得した

Posted byブクログ

2023/09/10

この本を読むまで、この国の〝国体“について真剣に考えた事は無かったような気がする。昭和天皇は国体護持という命題の虚構性、そしてこの虚構を成り立たせるためにどのような代償が払われたのかを熟知していたという。本著が言うように、日本国の象徴とされた天皇制のありようは明らかに戦前とは異な...

この本を読むまで、この国の〝国体“について真剣に考えた事は無かったような気がする。昭和天皇は国体護持という命題の虚構性、そしてこの虚構を成り立たせるためにどのような代償が払われたのかを熟知していたという。本著が言うように、日本国の象徴とされた天皇制のありようは明らかに戦前とは異なるが、日本人の精神性は、それが徳川家であれ、天皇陛下であれ、拠り所としての君主をすげ替えたのみで、戦後は、対米従属体制が国体化したに過ぎない。究極的にはアメリカが事実上の天皇の役割を担うことを意味するという論説は、決して誤りでは無い。 そうした理由もあるだろう。政権支持率にも大して意味はなく、日本人は大人しく増税を受け入れ、政府の言いなり。不満を募らせても、政権交代の受け皿となる野党に期待もできず、投票行動も変わらない。こうした閉塞感の中、相互監視、同調圧力や忖度により社会行動を制限する事で、地道な集団生活を送るのが特性となっている。強いリーダーシップというより、周りを見ながら、社会全体で合議を図るように、炎上や村八分、自警団により軌道修正していくシステムだ。 随分偏った本だ。安倍批判が見苦しい。著者自身も大衆をB層としか見なしていないから、選択の誤りそのものに対し、馬鹿が馬鹿を選んだという構図で論をエスカレートさせていく。他方で以下のような韓国擁護の論拠も示される。 フランスがナチスドイツに降伏しヴィシー政権が成立した時、フランスは敗戦国だった。しかしドイツの傀儡と化した祖国政府を認めないド・ゴール将軍がレジスタンス運動を司る自由フランス政府を結成し、それがやがてフランス共和国臨時政府、第4共和制のルーツとなる。フランス人が自国を独力で解放したとは言えない。しかしフランスは戦勝国の立場を得た。戦後のフランスはヴィシー政権のフランスに接続したのではなく、亡命政権に接続したのだ。大韓民国臨時政府とどのような差があるか。 この国の主権者が不在する問題は、戦争に至る前からポイントオブノーリターンとして、不可逆的に突入した出来レースでもある。米国依存を脱するには核を保有すべきだろうし、疑似的な一党独裁体制を是正するには利権構造を崩さねばならず、警察権も御用学者も中間業者もそれらを票田とした互恵的な構図にも、ありとあらゆる経路依存に破壊的なイノベーションが必要だ。 安倍政権を批判するまでは誰もが可能な行動だが、この国を良くするには、韓国擁護などを並べる前に、自国第一でのオルタナティブが必要だ。国益を損なう議論と政権交代が混ざるから、左派は信用ならず、大衆は自ず、権威主義や利権、そのおこぼれを目指すしかなくなるのではないか。エリート層にも、マスコントロールの気概見えず。右も左も嫌ならこの国から去れ、の末路か。

Posted byブクログ

2022/05/24

 読み終えて、「時事」に対して、もう、あほらしくてついていけないという気分で、関心を失っていることについて、正座させられて叱られている気分させられましたが、それはそれで、結構面白い体験でした。 「白井先生のおっしゃっていることについては、ほぼ、異論はありません。でも、まあ、国なん...

 読み終えて、「時事」に対して、もう、あほらしくてついていけないという気分で、関心を失っていることについて、正座させられて叱られている気分させられましたが、それはそれで、結構面白い体験でした。 「白井先生のおっしゃっていることについては、ほぼ、異論はありません。でも、まあ、国なんて滅ぶなら滅べばいいやという気分もあるし、直接の戦争こそ知りませんが、地震とか津波とか、原発のメルトダウンとか、想像を絶した出来事も、それなりに体験しました。トランプとかアベ某とかの、まさかのふるまいも目にしました。こうなったらゴジラ出現も悪くないなという気分なんですよね。」  まあ、とかなんとかいいながらブログにもあれこれ書きました。そちらもよろしく。   https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202107130000/

Posted byブクログ

2022/03/20

出版されて話題になったので買ってはみたが積読になっていた 出版直後に読めていたらもう少し面白く読めたのかもしれないが、1年後の今読むと少し議論が雑に感じられる 著者の安倍菅政権に対する評価の表現が辛辣を通り越して感情的な嫌悪感全開で、私も安倍菅政権の政策を評価しないだけでなく、...

出版されて話題になったので買ってはみたが積読になっていた 出版直後に読めていたらもう少し面白く読めたのかもしれないが、1年後の今読むと少し議論が雑に感じられる 著者の安倍菅政権に対する評価の表現が辛辣を通り越して感情的な嫌悪感全開で、私も安倍菅政権の政策を評価しないだけでなく、宰相としての安倍・菅にも嫌悪感を感じていたが、飲食店などで隣の席の人が他人の悪口を大声で話しているのを聞いてるような苦痛を感じてしまいよても読み辛さを感じた 著者の評価のタイミングが、安倍退陣前が前提だったり菅就任後の視点だったり一貫しない。評価の対象となる出来事も、どんな事件かに言及せずに事件名としてしか紹介しないので、執筆のタイミングが分からないことと相待って、どんな事実を前提とした評価なのか分かりづらい。 評価の基準も明示されておらず、何がその基準から逸脱しているのかの説明もないので、単なる悪感情の発露となってしまっているように思える。 「主権者のいない国」というタイトルの「主権」が国民主権の「主権」のことで、日本で民主主義が機能してないことがメインテーマの本かと思っていた。読んでみたら違って、その戦後から菅政権に至るまでのその時々の為政者が取った外交方針から読み取れる思想を著者なりに解説してるだけのように思える。それが政治学者の研究対象なのかもしれないけど・・・「なんとかこれからの社会をよくしたい」という気持ちが感じられず、為政者の悪口ばかりを言ってるだけのように感じられる。 カールシュミットを引用してるけど自由主義、民主主義という概念の使い方も私の理解と違う。 「主権」と意味も「憲法制定権力」「国家権力を正当化する権威」という意味ではなく、国家の対外的独立性の意味で使ってるみたい。 要するに勉強不足の私には本書を面白く感じられなかった。

Posted byブクログ

2022/02/23

 いつも利用している図書館の新着書リストの中で見つけていたのですが、予約待ちで、手にするのが遅くなってしまいました。  白井聡さんの著作は以前「永続敗戦論」を読んだことがありますが、本書においても、白井さんはとても明晰で鋭利な立論を展開しています。(ところどころ“哲学的思索”が登...

 いつも利用している図書館の新着書リストの中で見つけていたのですが、予約待ちで、手にするのが遅くなってしまいました。  白井聡さんの著作は以前「永続敗戦論」を読んだことがありますが、本書においても、白井さんはとても明晰で鋭利な立論を展開しています。(ところどころ“哲学的思索”が登場すると、私の理解力が全くついて行けなくなるのが情けないのですが)  期待どおりとても刺激的で首肯できる論考でした。ただ、読んで “なるほどそうだね” ではダメですね。必要なのは “行動” です。

Posted byブクログ

2022/01/25

ためになった これまできちんと考えてこなかったので 未消化の部分が多い また時期をあらためて読み直したい

Posted byブクログ

2021/12/22

コロナで騒ぐ国民に、本書でその前提を考えてほしい。 「コロナが落ち着いてから」とかでなく、どうなったら騒がなくて良いと自分が判断するか、軸の無い、考えない、怠惰な国民性をよく表している。

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2021/12/18

「無責任の体系」(丸山眞男)は福島原発でも全く同じ 日本人の体質 日本社会の「反知性主義」専門知の軽視、政治への阿り、権威主義的性格 上にはヘコヘコ、下には辛くあたる 内向きの超ストレス組織 §1 戦後体制の矛盾 安倍政権が最終局面 自己破壊へ §2 新自由主義批判 日本社会の劣...

「無責任の体系」(丸山眞男)は福島原発でも全く同じ 日本人の体質 日本社会の「反知性主義」専門知の軽視、政治への阿り、権威主義的性格 上にはヘコヘコ、下には辛くあたる 内向きの超ストレス組織 §1 戦後体制の矛盾 安倍政権が最終局面 自己破壊へ §2 新自由主義批判 日本社会の劣化 資本論へのガイダンス §3 現代天皇制 「令和」改元は安倍政権による私物化 §4 戦後レジームの崩壊 日韓関係 沖縄問題に典型 §5 戦後の記憶利用 オリンピック・万博 公金の収奪

Posted byブクログ

2021/10/18

自分自身の社会との関わり方を反省しました。 自分は、社会に無関心な国民の一人であり、主権者であろうとしない態度が「憲政史上最悪の政権」を継続させている一因であるということを自覚することができました。 日本の国家体制や新自由主義が結びついて無関心を生み出し、政治の質低下や文芸的感...

自分自身の社会との関わり方を反省しました。 自分は、社会に無関心な国民の一人であり、主権者であろうとしない態度が「憲政史上最悪の政権」を継続させている一因であるということを自覚することができました。 日本の国家体制や新自由主義が結びついて無関心を生み出し、政治の質低下や文芸的感性の劣化などの問題につながっていく流れは非常にわかりやすかったです。 岸田首相の動向など、直近のニュースもその流れを踏まえると、新しい捉え方ができるように感じます。 衆院選の前に勉強ができてよかったです。

Posted byブクログ

2021/10/17

同じことの繰り返しが多いように思ったが、後半の朝鮮半島情勢、満州国に関する論考はなかなか興味深かった。

Posted byブクログ