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1984 の商品レビュー

4.1

69件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

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2021/09/14

所々、説明的に長く読みにくいところもあるが、終盤の畳み掛ける展開は圧巻。一番最後の一文でゾッとしました。

Posted byブクログ

2021/09/09

全体主義という言葉も知らず、ディストピア小説であることも知らず、近未来の世界を描いた小説と聞いて読んでみた。 主義とか思想とか難しいことは分からないが、物語として楽しかったかと聞かれると、前半は面白かった。 後半は、大きな転機があったり奮起したり革命があったりとかはなく、少しがっ...

全体主義という言葉も知らず、ディストピア小説であることも知らず、近未来の世界を描いた小説と聞いて読んでみた。 主義とか思想とか難しいことは分からないが、物語として楽しかったかと聞かれると、前半は面白かった。 後半は、大きな転機があったり奮起したり革命があったりとかはなく、少しがっかりした。この言い方が正しいのか分からないけど、バットエンド。ただただ主人公が心を折られる描写が続くので、つまらないと言うか、気が滅入る。ストーリーの面白さを求めて読む本ではなく、主義思想のバイブルとして読む本なのかもしれない。 ちなみに2009年早川書房発行のものと比べると、角川文庫の方が読みやすい。早川書房の方は、読みにくさはあるが雰囲気あって良い。 以下、解説のメモ。 90年代にソ連が崩壊し、ディストピアは地上から消えたと思われた。「1984」もしだいに読まれなくなると思いきや、21世紀に入り、先見性がありすぎると評価されるように。 いま、1950年代に書かれたSF小説を読んでも、そこに出てくるタイムマシンや宇宙船にリアリティを感じることはない。しかしオーウェルが1948年に書き上げたこの小説は、それから70年以上を閲してむしろリアリティを増した。 物語の冒頭、ウィンストンの日常はどこかつくりもの感がある。しかし虚構がある時点から作家の手を離れリアリティを持ち始め、自動的に動き始める。 ニュースピークは言語の破壊。思想を表現する言葉がなくなりつつあるという1948年のオーウェルの実感。

Posted byブクログ

2021/08/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

事前情報なしで読み始めたが、「華氏451度」を彷彿させるディストピア感。 作りこまれている作品だけれども「華氏451度」よりもくどく、途中、危うく手が止まりそうになった。 1949年に刊行された本書。長く読み継がれているだけあるメッセージ性は強い。 描かれている支配と隷属の関係が、今の日本の現状と照らし合わせて考えたくなるものがあった。思想を表す言葉が失われていくこと、記録が失われていくこと、与えられる情報がコントロールされることにより知らぬ間に思考もコントロールされていくこと……。 ただ、この時代にオーウェルがこの本を書くことで訴えたかったことは十分の一も読み解けてないんだろうなぁと思う。当時の社会情勢を知って初めて感じられることがあるのだろう。 ―――― オブライエンがウィンストンに対して権力について講じるところは違和感。ウィンストンという中央にとってたいして重要ではなさそうな人物に対して、オブライエンが何度も足を運び一席ぶつ必要性が感じられない。 それと、狂ったように権力に執着しているのは伝わったが、いまひとつオブライエンや中央側の行動の根底にあるものか理解できなかった。。 これも、社会主義の国政や権力者のやってきていることを知っていくうちに腑に落ちるのかもしれない。  

Posted byブクログ

2021/08/14

新訳で、読みやすくなっている。 1984年に、どの訳だったかは覚えていないが一度読んだことがあるけれど、ものがたりの顛末はほとんど覚えていなかった。延々と拷問のシーンが続き、とどめはネズミだったという記憶だけがあったが、読み直してもそのとおりだった。プロットは退屈なのだけれども、...

新訳で、読みやすくなっている。 1984年に、どの訳だったかは覚えていないが一度読んだことがあるけれど、ものがたりの顛末はほとんど覚えていなかった。延々と拷問のシーンが続き、とどめはネズミだったという記憶だけがあったが、読み直してもそのとおりだった。プロットは退屈なのだけれども、卓越した世界設定があり、いま、我々は『1984』の世界を生きているではないか、と感じさせられるところはかわりない。 世界がこのままなら、これからも読まれるだろう。

Posted byブクログ

2021/06/25

監視社会を描いたディストピア小説。『ビッグ・ブラザー』が支配する世界では、寝言や表情、頭の中までもが徹底的に監視下に置かれ、過去も都合のいいように書き換えられてしまう。こんな状況の中でとうてい生活できるものではない。読んでいるだけでも、常に誰かから見られているという息苦しさでだん...

監視社会を描いたディストピア小説。『ビッグ・ブラザー』が支配する世界では、寝言や表情、頭の中までもが徹底的に監視下に置かれ、過去も都合のいいように書き換えられてしまう。こんな状況の中でとうてい生活できるものではない。読んでいるだけでも、常に誰かから見られているという息苦しさでだんだんと辟易してしまうほどだ。前半は動きがあまりなくまだマシだったが、後半はかなり過酷な展開へと変貌をとげる。とにかくはやく解放されたい、そんな気持ちにさせられる読みごたえ十分の重たい小説だった。

Posted byブクログ

2021/06/24

全人類に勧めたい本 難解なので先に『動物農場』を読むと世界観が入ってきやすい。 日本からは遠くない国で起こってるように錯覚(ではないと思う)してしまうくらいリアリティあるディストピア。読了した時は筆舌し難い気持ちに襲われました。

Posted byブクログ

2021/06/13

ようやくamazonレビューしました。 ジョージ・オーウェル著、「1984年」 最近読んだ、とあるディストピア小説で、巻末のあとがきにこの書籍の紹介があった為興味を持っていたところ、2021年3月に改めて新訳で文庫として出版されている事を知り、早速借りて読んでみた。 先の紹...

ようやくamazonレビューしました。 ジョージ・オーウェル著、「1984年」 最近読んだ、とあるディストピア小説で、巻末のあとがきにこの書籍の紹介があった為興味を持っていたところ、2021年3月に改めて新訳で文庫として出版されている事を知り、早速借りて読んでみた。 先の紹介で、「ディストピア小説の古典的傑作…」のような記述があったが、1949年刊行という事で興味半分に読み進めたのだが、生半可な興味は見事に裏切られた。もちろん良い意味に於いてである。 私個人的には、著者が戦後の混乱期に、或いは戦中から、著作活動を行って出版されたという過程が非常に興味深かった。また英国人独特のアイロニックで屈折した表現が随所で散見された。かといって退屈したり辟易したりするような内容では決して無く、色恋沙汰も随所にはあり決して飽きることなく読み進めることが出来た。 これから読もうとされる方の為に詳しい内容はあえて書かずにおこうと思う。ただ、この小説に描かれた世界と、「1984年」がすでに遠く過ぎ去った21世紀の現代とを重ね合わせてみると、日常生活でさまざまなテクノロジーに触れ、政治問題や国際問題をマスメディアを「通して」、知るごくごく一般的な私たちの日常生活が、逆にこの小説に書かれた世界と恐ろしく知らず知らずのうちに重なっていくようでぞっとする。 ここで私が言うテクノロジーとは、テレビジョンから異形進化しての現代のネット動画や検索エンジンなど「双方向」の「メディア」の事でありまた、監視カメラ等(を包括的に管理して個人の行動を監視することできる技術)、或いは政府による個人番号付け、の技術の事である。その行きつく先にあるものをこの小説は示唆しているというように思えてならない… いずれにしても傑作であることには間違いないと思う。繰り返すようになるが、1949年当時にその当時の社会情勢を踏まえながら1984年を思い浮かべて、さまざまなテクノロジーを連想し、この世界観を築き上げた著者の想像力、を大いに評価したい。

Posted byブクログ

2021/05/09

以前から気になっていましたが、新訳で平積みされていてようやく手にできました。全編を通して会話が少なく文章も長かったので読めるか心配しましたが、理路整然とした文章が多く内容が頭に入ってきやすかったので楽しめました。訳者あとがきが思ったこととか感想を代弁してくれていました。 こんな世...

以前から気になっていましたが、新訳で平積みされていてようやく手にできました。全編を通して会話が少なく文章も長かったので読めるか心配しましたが、理路整然とした文章が多く内容が頭に入ってきやすかったので楽しめました。訳者あとがきが思ったこととか感想を代弁してくれていました。 こんな世界は来ない、フィクションだ、と鼻で笑えないのが恐ろしいです。

Posted byブクログ

2021/04/03

主人公のウィンストンは、近代的な人格主義、科学的な合理主義が正しいという信念を持って、過去を改変し続ける党に対抗しようとしました。きっと著者のジョージオーウェルもそれらの近代の思想が正しいと信じてこの本を書いたのだと思います。 しかし、実存主義などの近代思想が批判...

主人公のウィンストンは、近代的な人格主義、科学的な合理主義が正しいという信念を持って、過去を改変し続ける党に対抗しようとしました。きっと著者のジョージオーウェルもそれらの近代の思想が正しいと信じてこの本を書いたのだと思います。 しかし、実存主義などの近代思想が批判されている今、党に「現実とは、頭蓋の中にあるものなのだ。」と言われても、私は一理あると感じてしまうと思います。この本に登場する党は、今や、完全に否定できるものではなくなっているのだと思います。 戦争状態が永遠に続くことが人々を党にとって都合の良い心理状態にする、というのは、緊急事態宣言だから北朝鮮がミサイル打つからと言って、政府に都合の良い政策を国民に流し込んでいる現代の日本の構図と似ていると思いました。

Posted byブクログ