1984 の商品レビュー
ジョージ・オーウェル氏が1949年に刊行したSFディストピア作品 半世紀以上前のSF作品ではあるが、今の現実社会と紙一重のところにあるような、なんとも言えないリアリティがある作品。 私たちの社会も気がついたら「2+2=5」みたいになっているのかもしれない…
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ディストピア作品というのを初めて読みました。こういった作品は社会的な問題や現実の悪化に対する警告や批評として用いられることがあるそうです。この作品も政府の監視と個人のプライバシーの侵害を描くなかで、個人の自由や民主主義の危険性について警告しています。 徹底的な監視や拷問や洗脳な...
ディストピア作品というのを初めて読みました。こういった作品は社会的な問題や現実の悪化に対する警告や批評として用いられることがあるそうです。この作品も政府の監視と個人のプライバシーの侵害を描くなかで、個人の自由や民主主義の危険性について警告しています。 徹底的な監視や拷問や洗脳などの管理下においても「人の心の中にまで入り込めやしない」とジュリアが言い切ったシーンが印象的でした。彼女はとても強かに生きていて、そんな彼女の態度と言葉にジョージも、読んでいる私も勇気付けられました。 ところが最後の結末。人の心も砕ききって都合の良いように再生させてしまう政府の恐ろしさよ。実際、洗脳ってこういうふうに行われるんだろうなとリアル味がありました。 『夜と霧』の中でフランクルは「生きる希望」を説いていましたが、過酷な状況下でそれを保つのは本当に難しいことなのでしょう。それでも生きる希望を持つ人たちが革命を起こしてきた歴史はあるわけで、その真実に希望を抱きつつ、中国ではごりごりの監視システムが浸透してきているけど...大丈夫なの?と思ってしまいます。 表紙はルネ・マルグリットの「緑のリンゴで隠された男」で、マグリットのコメントによると、「 私たちが見ているものは、一方で他の事を隠してしまいます。私たちはいつも私達が見ることで隠れてしまうものを見たいと思っている。人は隠されたものや私たちが見ることができない事象に関心を持ちます。この隠されたものへの関心はかなり激しい感情の形態として、見えるものと見えないものの間の葛藤となって立ち合われるかもしれない。」 ジョージが「方法はわかるが理由がわからない」と情報を得ようとするところとリンクしています。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
党の主張には嫌悪感を覚えるものの論理的には納得してしまう。特に"人間が観測しなければ客観的現実は存在しない"というくだりは私自身の考え方と一致しているため、主人公の反論に期待していたが…
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ディストピア小説の古典。1949年に発表され、オーウェルが、全体主義への批判的作品として、作り上げたものであるが、テレスクリーンという設備を登場させて、国民を集団洗脳させたり、歴史を改竄し、いわゆるフェイクニュースを流したりと、全然古くなく、むしろ、まさに今、読み返してみるべき一...
ディストピア小説の古典。1949年に発表され、オーウェルが、全体主義への批判的作品として、作り上げたものであるが、テレスクリーンという設備を登場させて、国民を集団洗脳させたり、歴史を改竄し、いわゆるフェイクニュースを流したりと、全然古くなく、むしろ、まさに今、読み返してみるべき一冊となっている。
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ディストピアの世界に没入出来る良い作品でした。 他国の情報統制、情報監視といった現実が1984に近づきつつある今だからこそ是非読んで欲しい作品
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これも卒論につかう。 Googleとかが情報を都合よく操作したら、、、とか現代視点だと考えられて、未来予知すぎて怖い
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“全体主義”という言葉を聞いたことはあったけれどもそれが何を指すのか、どういう影響を人々にもたらすのかを深く知ることはなかった。1984で描かれる生活は、健康的かつ文化的とは正反対の世界である。また、文化も何もなく人間は機械の歯車のように生かされ創造性を失う。“全体主義”がなんだ...
“全体主義”という言葉を聞いたことはあったけれどもそれが何を指すのか、どういう影響を人々にもたらすのかを深く知ることはなかった。1984で描かれる生活は、健康的かつ文化的とは正反対の世界である。また、文化も何もなく人間は機械の歯車のように生かされ創造性を失う。“全体主義”がなんだか怖いイメージ という印象を持ってしまうのは仕方のないことであるが、1984の世界観を理解し、恐怖してしまうということは、誰でも全体主義に流されうる可能性を持っていることの裏返しだと思う。2023年においても褪せない本質を描いた作者はすごい
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救いがない… 近未来、いやすでに現代を現しているようで苦しかった。訳がわかりやすかったので、どんどん読み進めることができたけれどツラかった3.7
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1949年にイギリスで発表されたディストピア小説。 主人公ウィンストンが住む国は、党の言うことが絶対であり、過去すら改変されてしまう世界。テレスクリーンという装置を通じて国民一人ひとりが監視され、反政府的な思想や運動を働けば、党によって「もとから」存在しなかったことにされてしま...
1949年にイギリスで発表されたディストピア小説。 主人公ウィンストンが住む国は、党の言うことが絶対であり、過去すら改変されてしまう世界。テレスクリーンという装置を通じて国民一人ひとりが監視され、反政府的な思想や運動を働けば、党によって「もとから」存在しなかったことにされてしまう。そんな中で、ウィンストンは愛する女性ジュリアと出会う。彼女との逢瀬を重ねる生活の中で、彼のもとにとある本が送られてくる。その本には、この世界の真実をが記されていた。 そんな中で、考えたことを。 ・思考するには言語が必要 「ニュースピーク」というこの世界で用いられるようになった言語は、徹底的に語彙を省き、簡略化を進めている。言語が簡略化されることで、反政府的な思想を想起することすら難しくなる。 →単純な言葉を使い続けることで思考力すら失われていることを実感。言語化しなければ思考は頭には残り続けないと思うし、権力が思考を操作できることへの恐怖を感じた。 ・「二重思考(ダブルシンク)」が成立するまでの過程 正反対のことが同時に存在するという「二重思考」。主人公自身への拷問を通じて、「二重思考」が彼の身にしみていき、洗脳される過程が描かれていた。 →一見ありえない・おかしいと思うことでも、特定の環境においては、それを心の底から信じることができるようになるのことが可能であると実感した。
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