1984 の商品レビュー
言わずと知れたディストピア小説の金字塔(だよね?)。推しが推薦していたので読んでみた。 内容は難解なんだけど、新訳版はそれでもかなり読みやすくなっているらしい。この本の感想として、1949年に書かれたなんて信じられない、というのをよく目にして、その通りなんだけども、こういうことは...
言わずと知れたディストピア小説の金字塔(だよね?)。推しが推薦していたので読んでみた。 内容は難解なんだけど、新訳版はそれでもかなり読みやすくなっているらしい。この本の感想として、1949年に書かれたなんて信じられない、というのをよく目にして、その通りなんだけども、こういうことはもしかしたら時代を問わず繰り返されているのかもしれない、と思った。ただ、取り巻くデバイスや環境が違うだけで。 「自分」はどこまで「自分」なのか、知ることは難しい。もしかしたら、ある日目が覚めたらこれまでの全ては夢かもしれない。そういう根源的な不安が詰まった本。 でも、チャリントンの部屋があれば人は生きていけるのかもしれない。全編を通して灰色っぽい雰囲気だったけど、あの部屋だけは暖かさを感じた。
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「現実」は「真実」と言えるか、 「現実」は操作されていないと誰か自信を持っていうことができるか ナショナリズムの醜さと利用する為政者の見え透いた嘘、それを実現させるのは、自ら喜んで操作される立場になろうとするものたちの存在が故。 支持率の高いプーチン あのトランプを再選しよう...
「現実」は「真実」と言えるか、 「現実」は操作されていないと誰か自信を持っていうことができるか ナショナリズムの醜さと利用する為政者の見え透いた嘘、それを実現させるのは、自ら喜んで操作される立場になろうとするものたちの存在が故。 支持率の高いプーチン あのトランプを再選しようとするアメリカ国民 兵士や兵器を行進させ自国の強大さを鼓舞し、他国を威圧することが、唯一の手段とする為政者たちがいるのは、そこに熱狂して手を振る国民の存在があるから。 「1984」は1949年にジョージ・オーウェルにより書かれた〈ディストピアSF〉小説の代表作。 作中の「テレスクリーン」による情報操作は「スマホ」に流れる「ネットニュース」や「SNS」からの情報のようで、「小説著述機」「作詞機」などは、現代における「生成AI」を連想させる。 既にハヤカワ文庫で翻訳されたものが、市場に多く出回っており、今更ではあるがカドカワから新訳出版された。 名作だけに「新訳」のたびにその世界観に圧倒される。 特に、終盤の拷問の描写、ウィンストンとオブライエンの問答は圧巻。 「真実は虚偽であり、虚偽こそまさに真実である。」
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読むのめちゃくちゃ疲れた。作中作含め思想の説明のパンチラインがすごい。量的なボリュームも質的なボリュームもとても豊富でした。
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語彙の量を意図的に少なくする新言語を人々にワザと使わせることで、人々の思考能力を低下させて、支配を盤石にする下りがこえぇ〜って思いました。
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怖い。現代社会と同じ構図。ある意味完全管理監視された方が安全に楽に生きれるのかもって一瞬でも思ってしまうのが怖いけど、それが自由=隷従、生きづらい情報過多、氾濫社会!
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大学生の頃ハヤカワ文庫版を読み、再読したいと思って別の翻訳を読んでみた。 前に読んだ時は読解力が足りなかったか、あまり面白いと感じられなかったが、再読した今回はとても面白く感じ、ディストピアSFの傑作に相応しい作品だと思った。 本書は本編においてはじめから終わりまで救いがな...
大学生の頃ハヤカワ文庫版を読み、再読したいと思って別の翻訳を読んでみた。 前に読んだ時は読解力が足りなかったか、あまり面白いと感じられなかったが、再読した今回はとても面白く感じ、ディストピアSFの傑作に相応しい作品だと思った。 本書は本編においてはじめから終わりまで救いがない。誰かが党に消されても最初からいなかったように扱われるし、ビッグブラザーが間違った発言をすれば、そんな事実はなかったとして全ての証拠を正しいものにすり替えてしまう。主人公もそうした党の活動の一旦を担う存在だが、党が信じさせたいものが間違っていると信じた結果、訪れる結末も絶望以外の何物でもない。 ただ、そんな救いようのない物語の舞台も現代社会において一部実現しつつあるように思う。事実よりも自分が信じたいことを信じ何が本当かがわからなくなってしまったら向かう先は物語のオセアニアのような社会だと思う。 様々な方が書いているが、本書がいつまでもディストピアを描いたフィクションとして存在し続ける世界であって欲しいと思う。
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難しくて、読み進めるのが若干苦痛。頑張って読み進めてました! 監視社会。情報社会。思想犯罪。洗脳。1948年に書き下ろしとは、先見性がありすぎる!
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全体主義社会の恐ろしさを描いたSFディストピア小説です。監視社会のリスクは現代のSNS社会の危うさにも通じるところがあり、1940年代に描いたのは先見の明がすごいと思いました。 拷問などの残酷な描写もあり、いかに人間が洗脳されていくか生々しく記されています。
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ジョージ・オーウェル氏が1949年に刊行したSFディストピア作品 半世紀以上前のSF作品ではあるが、今の現実社会と紙一重のところにあるような、なんとも言えないリアリティがある作品。 私たちの社会も気がついたら「2+2=5」みたいになっているのかもしれない…
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ディストピア作品というのを初めて読みました。こういった作品は社会的な問題や現実の悪化に対する警告や批評として用いられることがあるそうです。この作品も政府の監視と個人のプライバシーの侵害を描くなかで、個人の自由や民主主義の危険性について警告しています。 徹底的な監視や拷問や洗脳な...
ディストピア作品というのを初めて読みました。こういった作品は社会的な問題や現実の悪化に対する警告や批評として用いられることがあるそうです。この作品も政府の監視と個人のプライバシーの侵害を描くなかで、個人の自由や民主主義の危険性について警告しています。 徹底的な監視や拷問や洗脳などの管理下においても「人の心の中にまで入り込めやしない」とジュリアが言い切ったシーンが印象的でした。彼女はとても強かに生きていて、そんな彼女の態度と言葉にジョージも、読んでいる私も勇気付けられました。 ところが最後の結末。人の心も砕ききって都合の良いように再生させてしまう政府の恐ろしさよ。実際、洗脳ってこういうふうに行われるんだろうなとリアル味がありました。 『夜と霧』の中でフランクルは「生きる希望」を説いていましたが、過酷な状況下でそれを保つのは本当に難しいことなのでしょう。それでも生きる希望を持つ人たちが革命を起こしてきた歴史はあるわけで、その真実に希望を抱きつつ、中国ではごりごりの監視システムが浸透してきているけど...大丈夫なの?と思ってしまいます。 表紙はルネ・マルグリットの「緑のリンゴで隠された男」で、マグリットのコメントによると、「 私たちが見ているものは、一方で他の事を隠してしまいます。私たちはいつも私達が見ることで隠れてしまうものを見たいと思っている。人は隠されたものや私たちが見ることができない事象に関心を持ちます。この隠されたものへの関心はかなり激しい感情の形態として、見えるものと見えないものの間の葛藤となって立ち合われるかもしれない。」 ジョージが「方法はわかるが理由がわからない」と情報を得ようとするところとリンクしています。
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