グラスバードは還らない の商品レビュー
想像してなかったラストでした。 全員の想いがとても悲しかった。 シリーズもので3作品目。 前の作品もおもしろいけど、これはさらにおもしろいと感じました。
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3作目。全2作ももちろん個人的に面白くて市川さんにハマっていったが、今作は特に凄いと感じた。本格ミステリトリック重視の人はもしかすると不満な部分があるかもしれないが、ストーリー性とか登場人物の心情とかも気になるタイプの私にとっては市川さんのこのシリーズはどツボもの。トリックが毎回...
3作目。全2作ももちろん個人的に面白くて市川さんにハマっていったが、今作は特に凄いと感じた。本格ミステリトリック重視の人はもしかすると不満な部分があるかもしれないが、ストーリー性とか登場人物の心情とかも気になるタイプの私にとっては市川さんのこのシリーズはどツボもの。トリックが毎回理系タイプなのでなかなか文系の自分的には理解に時間がかかるが、あんまりそこは気にならない。 今回は衝撃的な内容だった。グラスバードの正体を知った時の衝撃が物凄かった。このグラスバードが何なのかをいかに早く暴けるかが謎を解く鍵でもある。 他の方の感想を見ると、ミスリードが強引など色々細かい部分の指摘があったので先述したように本格のガチガチミステリー系として読みたい人よりかは、ストーリー性とかも楽しんで読みたい人にめちゃくちゃ向いている。 終わり方はやっぱり切なさを残す感じなので余韻が凄い。色々なことを考えさせられる結末を毎回残してくれるな、と感心。どこか儚く重く切ない美しさの潜む作品。
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* 舞台は高層ビル72階。 所有者の不動産王ヒューは娘と二人で住む。 ここにはメイドのパメラが常駐し、ヒューと 娘のローサの身の回りを一手に担っていた。 ヒューは別会社でも大きな事業を行い、 その会社ではガラスの透過性を利用した 商品開発が進められていた。 ジェリーフィッシュ...
* 舞台は高層ビル72階。 所有者の不動産王ヒューは娘と二人で住む。 ここにはメイドのパメラが常駐し、ヒューと 娘のローサの身の回りを一手に担っていた。 ヒューは別会社でも大きな事業を行い、 その会社ではガラスの透過性を利用した 商品開発が進められていた。 ジェリーフィッシュ、ブルーローズと同じく、 科学的な説明と論理、商品化への試行錯誤、 読者としての私は知識が皆無の科学だが、 読んでいてその発想には興味が湧くし、 惹きつけられるのは今回も同様でした。 大富豪ヒューの趣味として集められた幾多の 珍しいモノ、その中でもグラスバード(硝子鳥) は別格。 一眼見れば魅了され、手に入れたい欲求に 囚われ、狂わされる。 グラスバードのエレナとの出会いが、 一人の男と関わる人たちの運命を変えていく。 高層ビルでの爆発に巻き込まれるマリアが パニック状態、脱出不可能な高層の牢屋の中、 逃げ出せるのか。 並行して語られる、異様な環境にいる人たち、 こちらも逃げ出せるのか。 逃げ場の見つからない殺人の謎を解くのは マリアの閃きがヒントになるのだけど、 前後のない突飛な思いつきは警察というより、 探偵を連想させる。 ミステリーで逃げ場のない設定での殺人は、 おそらく王道のはずなのに、読んでラストまで しっかり引き込まれる私は、最も騙されやすい タイプの読み手なんだといつも思う。 ダメだな、成長しないな、と思う反面。 最後まで毎回まんまと楽しめて得だな〜 とも思って自分を慰める。 ジェリーフィッシュ、ブルーローズに引き続き、 市川憂人さんの物語をしっかりたっぷり、 堪能させてもらいました。
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読んでいてどこか気になるところはあったのですが、ラストには完全にやられました。マリア&漣はもちろん、これまでのシリーズに登場したキャラクターや要素も満載で読んでいて楽しかったです。市川さんの作品はミステリーと科学の両立だけでなく、心理描写と物語の構成が本当に素敵。 次回作...
読んでいてどこか気になるところはあったのですが、ラストには完全にやられました。マリア&漣はもちろん、これまでのシリーズに登場したキャラクターや要素も満載で読んでいて楽しかったです。市川さんの作品はミステリーと科学の両立だけでなく、心理描写と物語の構成が本当に素敵。 次回作も楽しみです。
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〈ここが好き〉 ・犯人当ては難しくない ・光学迷彩布を「ブランケット」 ・小説の土台(設定、背景)が緻密 〈ここが気になる〉 ・シリーズ物で過去作に登場していたキャラクターや創造物もあるので出来ればシリーズ通して読んだ方が面白い ・硝子鳥がいつ人間だと気付くかでこの作品の評価が変わりそう ・読者へのヒントが散りばめ過ぎられている ・理系過ぎる 1980年代だとDNA型鑑定やステルス機はまだまだ目新しい技術だったんですね。
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読了後に全体を振り返ってみれば、犯人が複数いることや動機の弱さ、メインとなるトリックの強引さなど、いろいろと残念な点は残る。 しかしながら、「タワー」と「グラスバード」という2つのシーンをサスペンスフルに交互に展開させていく構成、そして「硝子鳥」のおぞましい正体。前2作もよかったが、この著者は読者を話に引きつけるツボを心得ていると思う。 余談だが、読み進めていくときに登場人物の「性別」が気になって仕方なかったのは私だけだろうか。明らかにミスリードを誘うかのような(と私は受け取った)描写がちょこちょこあり、著者のいたずら心を感じた。
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マリア&漣シリーズ3作目。 今回もパート別にハラハラしながら話が進み、最後に全てが繋がる。同じテーマにまた挑戦するなんて、自分でハードル上げてるけどそこはさすがでした。 ジェリーフィッシュやブルーローズでのネタも出てくるので、1、2未読の方はぜひ読んでからのほうが良いです。 読んだ後切なくなるけど、ミステリーの要素てんこ盛りで面白かった!! 注 以下ネタバレ ただなー...グラスバードの件はムリがあるだろうと。監禁自体はまぁいいとして(良くないけど)、果たして見間違えるだろうか...。というのがちょっと引っかかった。
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このシリーズの、物語の構造がとても好き。 場所と時間をずらされるのが、最後に繋がるのがいい。 そしてメインに据えられるモチーフも毎回好み。飛行船、薔薇ときて、今回は硝子。 美しい「硝子鳥」の正体は衝撃的…というか、鳥ではないんだろうなあと思いはしたけど、そういう闇を出されるとは思ってなくて。 (他のレビューを読んで)なるほど形式美というやつなのですね…好き… 登場人物についてはあんまり掘り下げられると辛くなるのでこのくらいがちょうどいいのかな、と思うけど、物足りなくはある。 そんな中で明確にお出しされたジョン→マリアは発展するのかな??
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凄いネタバレです。読むときは、お気をつけて。 途中はマリアがどうやって脱出するのかどきどきでした。下がだめなら、上は常套手段ですが、ジョンが来るとはね。完全にレギュラーですね。 そして、金持ちが飼ってるものなんて、キメラか人だろうと思ってましたが、普通の鳥なのかー、まったく魅力が伝わってこないなー、と思って読み進めてました。なので最後、めちゃくちゃ悔しい思いで謎解きを迎えました。 グラスバードは、産まれもしないし、戻りもしないのね。悲しく終わりました。
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