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未来は決まっており、自分の意志など存在しない。 の商品レビュー

3.5

31件のお客様レビュー

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2022/07/25

会社で辞めることになった部下が感銘を受けたらしく勧められたので読んでみたものの…なんかツッコミどころ満載。、 138億年前から決まっていた、と言いながら説明はある状況に置かれた時の判断は予測精度が上がる、という話しばかりでそれはどちらかと言うと認知バイアスの話なのでは?と疑問。...

会社で辞めることになった部下が感銘を受けたらしく勧められたので読んでみたものの…なんかツッコミどころ満載。、 138億年前から決まっていた、と言いながら説明はある状況に置かれた時の判断は予測精度が上がる、という話しばかりでそれはどちらかと言うと認知バイアスの話なのでは?と疑問。運命論としての話ではないのでは? E=mc2が光速度不変の法則として紹介されているがこれは質量とエネルギーの等価性の法則ではないのか?何で過去へのタイムスリップの可能性が見つからない事が決定論の正しさを証明するのか? 第二次世界大戦が東條英機がいなかったら防げたか?という社会の流れをもってだから運命が決まっているというのもナンセンスだろう。社会の流れはひとりくらいの力ではどうにもならないこともあるが、それは個人の運命が決まっていかことの総和ではないだろ。 2章に入っても違和感が。「意志には行動をコントロールするような力はない」というが、例えば人を殺したいという感情が生まれること自体は防げないが、それを意志で持って実行に移さないというのが社会生活であろう。それを意思が発生するから運が悪いは論点が異なると思う。規範が未熟なケースはあっても殺人がOKの規範は生まれない。それらもLGBTQと同列で語るのもどうかと思う。 万引きするのが多数派であれば犯罪にもならない社会、も認識として間違ってる。啓蒙主義以降、個人の人権意識が定着し基本自由だが他人の自由と干渉する場合に決められているのがルール。決して多数派が当たり前と思う事を規定したものではない。 親の暴力性が遺伝するという表記もあるがこれはどうなのか?それを言いだすと犯罪者の子は犯罪を犯す可能性が高いということか?経済環境は影響あると思うが本当に犯罪性が遺伝すると言いたいのか? 最後の「心理学的決定論の悪用はしないで欲しい」というのも訳がわからない。 4章の最後で語られる宗教の話も、一神教が多神教の発展形でそれがもはやそれでは支えられないくらいの世界規模になったから、とあるが宗教団体の問題は社会がもっと小さい頃からあるはず。揉め事は一神教である事が原因で規模の話ではないとも考えられるのでは?でもここは妙に一方的に決めつける。 6章の量子論においては、なぜか量子論は世界が神のプレイするVRゲームを示唆するとして全て事前に決まっている、とする。さらにそのプレイする神は無自覚な神である自分かもしれない、って。じゃあその神の意志は自分の意志じゃないのかな?そもそも量子論こそ確率的にしか未来は決まっていないというものではないのか?もう馬鹿らしくて途中からメモるのも嫌になった。 まぁ結論的には、意識と言ってもさまざまな外的要因への反応として生まれるものなので、自由意志と思っているのは実は幻想で環境への反応を後付けで自由意志と思ってるのだ、ってとこなんだろうけど、もしもそうだとしても表紙の帯にあるように138億年前から全て発生事象が決まってるわけではなくあくまでも確率的に決まっているだけなので個々人がどうなるかまでは決まっているわけではないだろう。 何がガッカリってそもそも未来が決まっているという事を何も説明できてない事。学者を名乗るならもうちょっとちゃんとしたら説明をしてほしい。 せいぜい居酒屋での与太話としてならまぁアリかもね。

Posted byブクログ

2022/05/27

心理学者である著者は「脳科学には逃げたくないし、哲学にも逃げたくない」という。ということは、この問題(自由意志と決定論)に関しては、3者は隣接領域であり重なる部分があるということだろう。心理学を「科学」とするならば、その実証性から脳科学に近い領域にも思えるのだが、著者は心理学に留...

心理学者である著者は「脳科学には逃げたくないし、哲学にも逃げたくない」という。ということは、この問題(自由意志と決定論)に関しては、3者は隣接領域であり重なる部分があるということだろう。心理学を「科学」とするならば、その実証性から脳科学に近い領域にも思えるのだが、著者は心理学に留まらず、生理学や脳科学、さらには哲学・アート・文学にまで用いて「心理学的決定論」を論証?しようとしている。という意味では、各領域に逃げてはいないが、助けは借りてるとは言えるだろう。この辺には心理学だけでは「決定論」の説得力が保てない著者のジレンマを感じる。 とはいえ、総じて各領域から恣意的に引用しているだけではないかという印象も否めない。特に「AIに意識が生まれる」ですら疑問を感じるのに「枯葉が落ちるのにも意思や意識がある」とまで言われると、ちょっと首を傾げたくなる。また、サブカル系の話題も冗長で読みにくい。 本書の結論は「意識とは情報であり、生命とはその情報をふやすために配置された「なにがしか」(存在)である」としているが、最後のまとめに出てくる「人生はプロレスである」の方がわかりやすくて、しっくりくる。著者曰く「トンデモ系」とのことだが、読み物としては面白い。

Posted byブクログ

2022/03/17

タイトルには面食らったが、最近心理バイアスについて興味があり、「ソーシャル・アニマル」や「ファスト&スロー」「サブリミナル・マインド」などを読んでいたため、意志に先立って行動しているという記述にはさほど驚かなかった。 読み通してみても、著者の主張することを簡単に肯定できない。仮説...

タイトルには面食らったが、最近心理バイアスについて興味があり、「ソーシャル・アニマル」や「ファスト&スロー」「サブリミナル・マインド」などを読んでいたため、意志に先立って行動しているという記述にはさほど驚かなかった。 読み通してみても、著者の主張することを簡単に肯定できない。仮説にすぎないことも多くある。しかし、だからといって著者の議論を否定することもできない。なぜならまだわからないことが多すぎるからだ。ただ知的好奇心をくすぐられ、全体的にとても楽しく読み通すことができた。 量子論、宇宙の話は、つい数ヶ月前に興味を持って少し齧っていた。5分前創造仮説も大学時代に学んで知っていた。それらがこの本に書かれており驚いた。「全てが繋がった!」という感覚すらある。それもこれも、全ては決まっていたことだからかもしれない。

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2022/01/30

クールな研究書というよりは、熱い世界観みたいな印象。決定論ということで、スピノザも時々引用される。 意識とは情報の変動に過ぎず、自然法則に従う。自由意思はなく、全ての情報の変動(つまり行動)は環境との相互作用によって事前に決まっている事である。 扱える情報量の多さに応じて自由意志...

クールな研究書というよりは、熱い世界観みたいな印象。決定論ということで、スピノザも時々引用される。 意識とは情報の変動に過ぎず、自然法則に従う。自由意思はなく、全ての情報の変動(つまり行動)は環境との相互作用によって事前に決まっている事である。 扱える情報量の多さに応じて自由意志の錯覚を強く与えられている。 なるほどーだけど、何となくショック。

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2021/12/05

難しいけど、読み応えがある。 哲学、心理学、宗教、アートなどから世界を考察する。 考えれば考えるほどキリがなくなってくるが、 自分たちがいる世界は神が作り上げたVRゲームの世界という知見や、自分こそが神だという知見は本当に面白いと思った。

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2021/12/02

なんだかな。正真正銘のトンデモ理論で著者自身がエンタメ本と認めているのだが、entertain(楽しませる)どころか怒りがこみ上げてくる。徹頭徹尾トンデモに徹していれば良いのに、自然科学でビミョーに権威付けするからイライラする。論理の飛躍、無理な一般化、果ては自説を宗教で説明する...

なんだかな。正真正銘のトンデモ理論で著者自身がエンタメ本と認めているのだが、entertain(楽しませる)どころか怒りがこみ上げてくる。徹頭徹尾トンデモに徹していれば良いのに、自然科学でビミョーに権威付けするからイライラする。論理の飛躍、無理な一般化、果ては自説を宗教で説明するとか科学をなめてンのか? 主張のコアは『この世に自由意思は存在せず、全ては予め決定されていた』ということらしいのだが、この論には偶然性をどう扱うかの視点が全く抜けている。ルーレットの比喩があったが、回転の初速度や摩擦係数、球の弾性など全てが事前に確定していれば出る目も『必然』と言えるかもしれないが、そこまで『必然』の意味を拡張すれば、そりゃ何だって必然になるよ。そこには初期条件を確実には決められない要素が必ずあり、それを人は偶然と呼ぶ。 また、やたらに量子論を持ち出すが、その本質は素粒子の位置(と運動量)は確率でしか求められないというもので、それこそ偶然性の極みではないか。文系の学者が自然科学を聞き齧るとこうなるという典型。

Posted byブクログ

2021/11/29

いや、これは面白かった。心理学というより哲学寄りの本。 説得力のある考察ではない、哲学本というには浅い。しかしこの本は熱い、文章に熱がこもっている。トンデモ本の極北。素晴らしい。

Posted byブクログ

2021/11/07

読みながら、きっと若い著者なのだろうなと思った。実際、後半で出てきたけど、俺より5歳ちょっと若い方だった。バカにしたわけではない。出てくる例がアニメやゲームといった俺世代か、俺より若い世代が接しているのだろうなというものだったということが一点。もうひとつは、ドラマ、映画、文学作品...

読みながら、きっと若い著者なのだろうなと思った。実際、後半で出てきたけど、俺より5歳ちょっと若い方だった。バカにしたわけではない。出てくる例がアニメやゲームといった俺世代か、俺より若い世代が接しているのだろうなというものだったということが一点。もうひとつは、ドラマ、映画、文学作品、ゲーム、アニメから古典的な哲学など、幅広い例を集めて、大学人らしい教養の深さを感じると同時に、幅が広すぎて浅く感じちゃったんだよね。もっと掘り下げれば、説得力のある、面白い展開ができるんじゃないか、とか思ったのだ。本書は新書。気楽に読めるということを考えれば、こういうアプローチが正しいのだろうけど。  心理学的決定論かぁ。読みながら、佐藤優がいうカルヴァン派の神のノートとかも、ある意味そうだよなぁ、と思った。決まっていればニヒリズムに陥るのではなく、決まっていればこそ、自分はここでがんばるはずだという展開にもなる。カルヴァン派とは、そういうものらしいから。であればこそ、心理学的決定論というのも、決してネガティブにはとらえられない。ただ、著者がいうほど、決定的なものであるとはちょっと思えなかったけどね。  読み物として、たいへん面白く読んだ。  それでよかったのだと思う。  マルクス・ガブリエルとか知りつつ、気になりつつ、手に取っていなかった著者についても、知ることができたしね。  リベットの実験、聞いたことはあるのだけど、このあたりはもう少し、知りたいところ。意志を持つ前に準備電位が発生していたというのなら、その準備電位こそが本来の意志ではないのか?とか、思うんだけど、それはちがうんだろうか。

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2021/11/04

こういうの弱いな~楽しい! ワクワク。 決定論を、いろんな実験結果から説明し、信憑性を高めて、そうなのかもと思わせてくれる。この手に詳しい人はどう思うか分からないけど、何にも知らない自分はとても楽しく読めた。 NOTE記録 https://note.com/nabechoo/n...

こういうの弱いな~楽しい! ワクワク。 決定論を、いろんな実験結果から説明し、信憑性を高めて、そうなのかもと思わせてくれる。この手に詳しい人はどう思うか分からないけど、何にも知らない自分はとても楽しく読めた。 NOTE記録 https://note.com/nabechoo/n/nc4b0a22b957d?magazine_key=m9672e1d4fe74 自由意志はないのか、すべて決定してる世界なのか? まあ、真実は分からないけれど、とにかく、興味深い話を分かりやすく説明してくれて、知的好奇心を存分に刺激してくれる楽しい一冊でした^^

Posted byブクログ

2021/10/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自覚的操り人形、この自覚も操られているのか みんな無意識な神様 仏教でいう色すべての世界は自分の意識 アイボやAIに、人間が人間味を見出せるなら、そこに心はある 我々は意志の力では生きていない。脳と環境の相互作用によって、自動的に体を動かされ、全て事前に決まっているプログラム通りに反射を繰り返しているだけだ。意志で作っているように見えても、全ての行動は環境からの刺激に対する、反射なのである。 脳の指令が行動に先行し、意思が劣後する 情報さえ手に入れば、未来は意志よりも先に確定されていることがわかる。ラプラスの悪魔は、人間の好き嫌いにまで当てはまりうるのだ(ちなみに下條らは、一方の女性画像に強制的に視線を向けさせると、その女性を選ぶ確率が上がる、選好判断にバイアスをかけられることも報告している。外から行動を操ることで自由意志を操れるのである)。 自由意志が効かなくても自由否定が付与されているのかもしれない 赤の赤さ 「ある日老人が、自分が青年であった時の夢を見ていた。その老人はその夢を夢だと気づいていなかった。そして老人は夢を見たまま息を引き取った。はたしてこの時に死んだのは老人なのか青年なのか?」 『まんが日本昔ばなし』で私の好きな話に「正直庄作の婿入り」がある。設定が面白くて好きなのだ。ある村には美男美女しか住んでおらず、庄作だけが不細工という地獄のような設定である。美男美女の村人は、庄作を邪険に扱い、庄作はいつも辛い目に遭っている(筆者はこの時点で激しい共感を覚え、この世界に没入した)。そんな庄作は、毎日お地蔵さんに素敵なお嫁さんが欲しいと、祈っている。ある時、素敵な女性が結婚してくれるということになり、幸せな生活を送ることになる。しかし実際には、それは夢で庄作はお地蔵さんの目の前で寝ていただけだった。村人は寝ている庄作を見て、以前にも増して庄作を馬鹿にするようになった。しかし、庄作はその夢以降、不思議と気持ちが楽になり楽しく一人で生きていきましたとさ、という話である。これはまさに「二次元の嫁」と同じで、結局幸せかどうかは脳が決めるということであり、リアルか非リアルかなど関係ないという教えだろう。自分の脳がリアルだと思えば、それが現実であるのかどうかは無意味なのだ。二次元の嫁には会えないし触れられないという反論が可能だが、それならば、遠距離恋愛の恋人にも、すぐには会えないし触れられないではないか。それに二次元の嫁に関しては10年経たず、触れることができるようになるだろう。もちろんVR技術でだ。Gateboxという会社では、VRキャラクターの初音ミクなどを召喚して一緒に暮らせる機械を発売している。またこの企業は二次元のキャラクターとの婚姻届を出せるサービスも行っており、二次元の嫁というものの存在を肯定している優しい企業である。そう遠くない未来がもう来ているのだ。 余談だが、役者の本木雅弘さんは演技に対して「気持ちを込める」ことよりもその演技の「見た目」がどうであるかを常に意識していることを述べている(『プロフェッショナル仕事の流儀』より)。演技にどんなに気持ちを込めたとしても、それが見た目に反映されていないならば優れた演技ではないと。見た目に気持ちが感じられているならば、役者の心のうちの感情が実際にはどうであってもよいのだと。悲しい気持ちが見た目から感じられるなら、役者は心で笑っていたってよいのである。彼の演技論はまさに心理学における行動主義であると私は思っている。

Posted byブクログ