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失われたものたちの本 の商品レビュー

4

81件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

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2024/09/11

久しぶりに壮大なファンタジーの世界に引き込まれ、夢中で読んだ。思った以上に血生臭い表現も多かったが、それはファンタジーの世界、許容範囲だ。 少年の生きる世界は第二次世界大戦下のイギリス。彼の抱く感情は誰でも思い当たることのあるものばかり。怒り、孤独、迷い、恐怖、信頼、勇気。彼が少...

久しぶりに壮大なファンタジーの世界に引き込まれ、夢中で読んだ。思った以上に血生臭い表現も多かったが、それはファンタジーの世界、許容範囲だ。 少年の生きる世界は第二次世界大戦下のイギリス。彼の抱く感情は誰でも思い当たることのあるものばかり。怒り、孤独、迷い、恐怖、信頼、勇気。彼が少しずつ成長していく様子は頼もしいし、私の知っているものとは違うストーリーの童話がいくつも出てきて面白い。いろんな気持ちを思い出させてくれる、面白い冒険譚だった。

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2024/08/31

うーん、私にはちょっと合わなかったデス。 冒頭をはじめとして、物語を通して全体的に暗く、つらい描写が多い。グリムなど童話のモチーフがたくさん出てくるのは楽しいんだけれど、どれも解釈が捻くれているというか…。 たぶん少年の心の葛藤や成長を読み取るべき物語なんだろうけれど、私には...

うーん、私にはちょっと合わなかったデス。 冒頭をはじめとして、物語を通して全体的に暗く、つらい描写が多い。グリムなど童話のモチーフがたくさん出てくるのは楽しいんだけれど、どれも解釈が捻くれているというか…。 たぶん少年の心の葛藤や成長を読み取るべき物語なんだろうけれど、私にはつらい方が強くて、半分まで読んで残りは超飛ばして読んでしまった。 続編はたぶん読まないです。

Posted byブクログ

2024/08/31

終盤ぐっと輪郭が見えてきたような、見方が変わるような感覚になった。空想世界を作りながら読むとか、自分だけの物語になるとか、そんなのを感じて凄くよかった。自分の通り過ぎてきた物語を...って言葉なんか好き。

Posted byブクログ

2024/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

予想していたよりダークなファンタジーだった。 宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」という作品は、本書を結構モチーフにしているというレビューを見かける。先にこの本を読んだが、いずれ映画も観たい。 有名な童話(白雪姫やヘンゼルとグレーテルなど)が色々と登場するのももちろん好みなのだが、主人公・デイヴィッドを助けてくれる謎の国の良い人たちが命懸けで救ってくれたり、おかしな世界ではあるが現実的な考え方をしていたり(それがむしろおかしさを感じるが)、キャラクターが魅力的だ。 ねじくれ男が執拗い狼を始末し、デイヴィッドは私だけのものだ、という場面はゾクッとした。 ねじくれ男の正体がほとんど明かされない中で、たまに現れては嫌なことをして去っていくので、敵か味方か、という謎さ加減が強めで面白い。 また、3人の医者を奴隷にした女狩人がやること自体がなかなか残酷で、人間と動物のキメラを、頭と胴体を切り落とし繋ぎ合わせて作るというのを生き甲斐としており、デイヴィッドも狐と合体させられそうになったが、ケンタウロスの話をするとその気になって自身が馬と合体しようと考え、デイヴィッドに手伝わせる〜が、女狩人の首を切断した時に逃げ出そうとし、鍵がかかっておりすぐ家から出ることができないでいるも、水薬で止血して慌てて追いかけてきた女狩人。 女狩人が失敗作と呼ぶ、頭が動物で身体が人間のキメラたちがいつの間にか家の前に集まっており、出てきた女狩人を取り囲んで報復するという。 また、ヘンゼルとグレーテルもどきの童話も魔女が焼かれて死ぬのは原作通りではあるが酷く、その後、弟は母が恋しい余り姉と一緒に暮らすのが嫌になって出ていくも、母のような包容感のある女性に招かれて家に入るも、二度とその弟の姿を見たものはいない〜と〆るなど。 本当は怖いグリム童話のような、そんな話がチラホラあった。 話の出だしの取っ掛りが、実の母親が死んで再婚相手が先生で、どれだけ優しく接してこようとも僕の母親には決してなれないんだ!(むしろ優しくされるほどイラつく。パパは本当のママのことを忘れてしまったのか?あんなに仲が良かったのにそんな女とベタベタしやがって…)という複雑な子供心の話でありながら、そこまで展開はないので、話が長く感じた。 時どき、人を失う恐怖に囚われてしまうあまり、彼らが生きている現実を心から享受できていないのではないかと自分を疑うんだ。p276 最後まで読んでみて、これは大人向けではなく子供向けだなと感じた。道中のグロさはあるが、少年の精神的成長は子供にこそ読んで欲しいと思った。が、子供にそのことがどのくらい汲み取れるかどうか。そう考えると大人向けなのか? ねじくれ男は完全なる悪役だった。 人に近い狼は王様の想像の産物だった。 木こりが実は生きていたのは凄く嬉しかったし、デイヴィッドもこの世を全うしてまた再会するというのもとても良い世界観だと思ったが、躊躇なく剣で人を殺すようになったデイヴィッドの姿であったり、読後感がなんともどろっとした濃厚な大人の童話を読んだような感じだった。

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2024/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

がちむず がち読みにくい アリス殺しの序盤みたいな感じ 終盤ギリギリまで読みにくすぎて全然身が入らなかったけど最後は大満足。なにこれ〜 デイヴィッド良かったね勇敢だったね ループ=人狼 ループたち=人狼の群れ リロイ=人狼の長 狼=ただの狼 ブルード=ハルピュイアの群れ ハルピュイア=人面の翼獣 神話 トロル=ずんぐりとした象みたいな肌の顔は醜い猿 シンデレラAバージョン、めっちゃ面白い

Posted byブクログ

2024/08/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

既視感があった。なんだろう…?戦時中の子どもがトリップするお話?物語の中に入ってしまうお話? とても訳がすーっと入ってきた。優しい語り手という感じがした。原文読んでみたいなぁ。ただもう再読はしないかな。 子どもが母親を失って、継母に敵意を持って、子どもが受け入れるのが難しいという問題。時間が解決してくれるのかなぁ。そういう問題ってたくさんあるよね。親の忍耐試されるよね。本を読む視点が子どもをなんとかしてあげられるかなという養育者の視点になっているな。これが親になって変わったところだなぁ。

Posted byブクログ

2024/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」から。 読んでみると分かるが、かなりインスパイアされているなという印象。大まかな枠組み殆ど一緒じゃないかな。 中には、これ「もののけ姫」では…と思うシーンもあった。 児童書好きの私は、とても大好きな本になった。物語は読まれたがっている、という言葉に胸をぎゅっと一掴みにされた。物語の持つ無限の広がり、それは子供の頃から地続きで、今も広がり続けているのだ。今夜はデイヴィットと行った王国や、失われたものたちの本のことを考えながら眠りにつこう。

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2024/07/19

宮崎さんはこれを原作として提示しないといけなかったよね。 帯におすすめ書いてる場合じゃないよ.. という設定のパクリぶり。 原作の核心要素をしっかり取り入れたならオマージュと見るだろうけど、正直これは...設定のパクリとしか。 しかもこの原作の完成度に遠く及ばない。 1番の違...

宮崎さんはこれを原作として提示しないといけなかったよね。 帯におすすめ書いてる場合じゃないよ.. という設定のパクリぶり。 原作の核心要素をしっかり取り入れたならオマージュと見るだろうけど、正直これは...設定のパクリとしか。 しかもこの原作の完成度に遠く及ばない。 1番の違いは、思春期観。宮崎作品ではズバリ少年少女は清廉一徹。だから成長と言っても精神修養というか...すごく「子供らしい」成長の爽やかさと解釈してることがほとんど。まあそれが魅力でもあるんだけど、原作がある場合は原作の要素を勝手に殺してしまうことが度々。 ゲド戦記や魔女の宅急便でも思ったけど、はっきり言って思春期の成長の中にある性への目覚めを極めてはっきり拒絶する傾向がある。 この原作でさまざまなお伽噺を通して語られる成長過程は残酷で性的。それが外界の戦時下とうまくリンクしてる。 この残酷と性という核心部分を全て漂白したうえでお伽噺の少年の冒険譚にしたいわけなので宮崎版がただもう一つの少年戦記ものになってしまうのはわかってたことというか... この原作で1番感心したのは、子供を無垢もしくは神聖に描いていないこと。 この王国はそもそも悪意と恐怖という大人に変わりゆく際の子供達の極めてダークな感情を喰らうことで生きながらえている設定。嫉妬によって次の生贄を連れてくるのも悪役ではなく子供達自身。 そういうダークな欲望の世界の旅を終えるからこそ、デイビッドは自分もそして父母たちも欲望を持つ個々の人間にすぎないことを受け止めることで大人になっても帰ってこられる。 そういうこの本の魅力を骨抜きにしておいて、設定だけはそっくりなんだから本来で言えば、この手のやり口って1番卑劣というか... ただ宮崎さんは無自覚なのか.. ともかくどちらも見たことない方には、この本の方こそお勧めできます。

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2024/07/06

映画「君たちはどう生きるか」まんまの展開で、あれ?原作こっち???特に序盤は読んでいるのが辛かったけど、中盤からは一気にファンタジー色強めになって面白かった。文体と物語のテーマからから「児童文学なのか?」と思ってたけどしっかり大人向けでびっくりした。生きていくってことは、1人では...

映画「君たちはどう生きるか」まんまの展開で、あれ?原作こっち???特に序盤は読んでいるのが辛かったけど、中盤からは一気にファンタジー色強めになって面白かった。文体と物語のテーマからから「児童文学なのか?」と思ってたけどしっかり大人向けでびっくりした。生きていくってことは、1人では完結しないんだなとしみじみ感じた。

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2024/07/06

有名なおとぎ話のパロディを連ねながら少年の成長物語になっている。読んでいて物語の世界に入り込んでしまう 戦争が背景になっているところ、片親が亡くなって再婚するところ、暗くて残酷な雰囲気と不安感、主人公の夢とも現ともつかない世界で話が展開するところ、「パンズ・ラビリンス」によく似...

有名なおとぎ話のパロディを連ねながら少年の成長物語になっている。読んでいて物語の世界に入り込んでしまう 戦争が背景になっているところ、片親が亡くなって再婚するところ、暗くて残酷な雰囲気と不安感、主人公の夢とも現ともつかない世界で話が展開するところ、「パンズ・ラビリンス」によく似ている。ほぼ同時期の作品である みじかい解説を読んで「あー、ここはこう読むのか」となった

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