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安いニッポン の商品レビュー

3.9

115件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    30

  4. 2つ

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2021/07/31

『2040年の未来予測』やそのほかの書籍で、日本の所得が伸びておらず、世界に比べても置いてきぼりを食らっているという状況は知っていたが、改めて本書を読むと暗い気持ちになる。 デービット・アトキンソン氏の書籍にもあるが、結局は生産性を上げて労働者の賃金を上げるということが必要なのだ...

『2040年の未来予測』やそのほかの書籍で、日本の所得が伸びておらず、世界に比べても置いてきぼりを食らっているという状況は知っていたが、改めて本書を読むと暗い気持ちになる。 デービット・アトキンソン氏の書籍にもあるが、結局は生産性を上げて労働者の賃金を上げるということが必要なのだろう。 そこに行きつかないと、優秀な人材ほど海外に出ていくし、日本の空洞化は避けられない。 危機感を持って、自身も進歩していかないといかんと思わされる。

Posted byブクログ

2021/07/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

安さを求めすぎるのは日本の衰退。 恐ろしい現実は既に起こっている。 物の値段はあまり上がっていないが、賃金もあまり上がっていないため、変化してないように錯覚しがちだが、世界を見渡してみれば圧倒的に差をつけられていた。 安い日本の給料ではインドの優秀なIT人材を雇えず、これからの時代必須ともいえるデジタル分野で圧倒的に遅れをとっている。 割安とみられたリゾート地ニセコは海外のデベロッパーに買い荒らされ、海外客向けの物価になり、家賃4割高、居酒屋のラーメンが3千円と異次元の価格になっている。 日本のお家芸であるアニメ産業においても、市場拡大を狙う中国から3倍の報酬を約束されてアニメーター引き抜きが行われている。長時間、低賃金労働の過酷な日本のアニメーター。待遇が良い方に行くのは必然だろう。 安さは正義!倹約は美徳!でやってきた日本だが、これからのことを考えたら、「良いものには適正な金額を支払う」ということを当たり前にしていかないと、産業も人材も流出してしまう。 ちょっと怖い内容だけど、これが現実だと知れた。 未来の日本のために、自分が何をできるのか考えてみたくなる気づきを得られた。

Posted byブクログ

2021/07/27

安ければいい!ってもんじゃないのが実感できる一冊 世界中の物価は上がっているのに日本だけデフレで取り残されている。それはなぜかということを考えさせられました。とはいえ、「ひとりひとりの心がけで~」といかないのが経済の難しいところ。なぜなら収入増加がデフレ脱却のカギだからです。 ...

安ければいい!ってもんじゃないのが実感できる一冊 世界中の物価は上がっているのに日本だけデフレで取り残されている。それはなぜかということを考えさせられました。とはいえ、「ひとりひとりの心がけで~」といかないのが経済の難しいところ。なぜなら収入増加がデフレ脱却のカギだからです。 ●ディズニーランドの入場料が世界一安いけど・・ 実感として「ディズニーランド安っ」と思ったことのある方は日本人であまりいないのではと思います。 でも外国人は「安っ」と思って来ます。この感覚の違いが「安い」ニッポンです。それはなぜかということが述べられています。 ●収入増加の大切さが実感できる 日本でいわゆる「爆買い」する外国人はあくまでも中流層。彼らは将来の収入増加が見込まれるため「爆買い」しても負担に感じない。一方日本人はここ30年来平均年収がほぼ横ばいでサービスやモノにお金を払えないためにデフレが起こってしまっている。しかしデフレ脱却に必要なのは節約よりも収入増です。でも企業は給料をあげる体力がないところも・・それはなぜ?どうやったらできる?ということが記述されています。年功序列型の職場にいることが辛く感じてきます。 ●東京の超高級ホテルやニセコは日本人を相手にしていない ニセコのラーメン1杯2000円。食べたいと思いますか?わたしは1500円以内が食べたいと思う限界です。そして食べたら、「1000円以下のラーメンのほうがコスパいいな」と思うでしょう。この感覚は日本人だけのようです。世界にはラーメン2000円を1500円感覚で購入できる層が中流層になってきているようです。海外の何気ないフードコートでの食事が「意外と高いな」と感じるのも世界の物価が上がって来ているからです。確かにこれは日本の食事のコスパが最高とも言えますが、どんなによいサービスでもそれに見合った賃金になっていないという「がんばり損」に近い状況になっているのではと感じました。 ●オススメの読み方 この話題に興味がある方は「貧乏国ニッポン」もオススメします。(レビューあります) 著者が違うのにほぼ同じことを警鐘しているのがとても興味深いです。「貧乏国ニッポン」の方が「なぜそうなるのか」という経済のメカニズムを説明する部分が多いです。 また本書は「中田敦彦のyoutube大学」でも話題だそうです。(わたしは見ていませんが)

Posted byブクログ

2021/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

雑誌とかで紹介されていた本。 感想。 物価の安さについての根拠が数多く描かれていて、気づきが多かった。 備忘録。 ・値上げは収益改善と客離れの諸刃の剣。ファストリテーリングや鳥貴族の値上げの失敗が、多くの企業に恐怖心を植え付けている。 ・日本人は安定を好むといわれているが、安定というより固定。 ・労働生産性を、時間当たりの付加価値とした時に、日本の労働生産性の低さは価格の低さによる影響が多い。 ・日本では賃金の話をする人はめんどくさい人というレッテルを貼られてしまう。賃金交渉をすることが難しいことが、賃金が上がらない理由の一つ。日本では賃金交渉をした経験がある人は3割。アメリカは7割超。(でも中国は6%、フランスは23%) ・日本は給与水準よりもやりがいを重視する国と言われたりするけども、アンケートでは、労働時間も 、やりがいも、給与も、余暇の充実度も、満足度が高くない。

Posted byブクログ

2021/07/24

納得できるんだけど、大切なのは"じゃあどうするか"なわけで 自分の行動としてどう捉えるか、まで踏み込んで考えないといけないと感じた。 もちろんそれは個々に考えることなので、書籍の趣旨ではないかもしれないが。

Posted byブクログ

2021/07/21

『安いニッポン』は豊かさにも影響を与える。 都内在住の私としては、豊かさが感じられない理由が分かりやすく記されているなという感想を持った。

Posted byブクログ

2021/07/19

そうなのか、海外に比べたら安く買い叩かれるようになってしまったのか、としみじみ思う。 終身雇用により雇用の流動性が乏しく人件費コストがかかり、投資に回りにくいこと、賃金が上がらないこと。 技術が海外に買い叩かれてしまうこと。 消費者も値段の安さを追い求めること。 背景事情がわ...

そうなのか、海外に比べたら安く買い叩かれるようになってしまったのか、としみじみ思う。 終身雇用により雇用の流動性が乏しく人件費コストがかかり、投資に回りにくいこと、賃金が上がらないこと。 技術が海外に買い叩かれてしまうこと。 消費者も値段の安さを追い求めること。 背景事情がわかりやすく説明されている。 ただ、新書は一般個人を対象としたコンテンツだと思うのだけど、で、私たちはどうしたらいいの?というのがわかりにくい印象はあった。

Posted byブクログ

2021/07/11

日本の常識は世界の常識ではない。 それぞれが考えねば。 グローバル 一物一価 リフレ政策や雇用政策 いずれにしてもベクトルは成長、新しい価値 昨今はDXだが 結局は各々がそれぞれの現場で一歩踏み出せるか 政治の決断まで選択が問われている

Posted byブクログ

2021/06/30

賃金が増えてないけど、物価も上がってないから、 別にいいのでは?と思ってたけど… 円の価値が低いと、食品の買い負け、人材の流出、海外旅行にも行きづらくなる… じわじわニッポンはいつの間にか、海外から見ると、お買い得な国になっている。 日本人が中国、東南アジアに出稼ぎに行く日...

賃金が増えてないけど、物価も上がってないから、 別にいいのでは?と思ってたけど… 円の価値が低いと、食品の買い負け、人材の流出、海外旅行にも行きづらくなる… じわじわニッポンはいつの間にか、海外から見ると、お買い得な国になっている。 日本人が中国、東南アジアに出稼ぎに行く日がくるかも?

Posted byブクログ

2021/07/04

日本がデフレスパイラルから脱却できないでいる間に、アジア各国は成長している。「新興国はそうならないように日本を反面教師にしている」との言葉が痛い。 コロナ前にインバウンドが多かったのは、日本に魅力があるからというより、単に安いから。 「アメリかでは物価が2%ずつ上がるが、給料は3...

日本がデフレスパイラルから脱却できないでいる間に、アジア各国は成長している。「新興国はそうならないように日本を反面教師にしている」との言葉が痛い。 コロナ前にインバウンドが多かったのは、日本に魅力があるからというより、単に安いから。 「アメリかでは物価が2%ずつ上がるが、給料は3%ずつ上がっている」のが羨ましい。 値下げをしないと売れないということは、その企業の製品は(値下げ前の値段では)社会に必要とされていないということ、というのは真理やと思う。 「解雇の金銭解決なども含めて機動的な人員調整ができるように法制度を整えた方が、貴重な経営資源の流動性向上にもつながるし、労働者自身の自己研鑽意欲も高まるのではないか。」本当に、そうなって欲しい。 日本人は安定を好むと言われるが、「安定」というよりは「固定」。安定とは上下しながら同じ水準を保つが、「日本人は何が起きても同じ場所に縛り付けておく節がある。」 バブル崩壊後、景気が良くなっても企業は価格を据え置くために、人件費を上げなかった。 政府の目標を物価から賃金にすり替えるだけで印象が変わり、「賃金が上がるんだ」と思えば値上げも受け入れやすくなる、とは目から鱗。 くら寿司の社長は、コストを省いて安さを提供するのがサービス業の原点だ、と言い、バイトの時給は最低賃金水準だ。 日本より物価の安い韓国でも、日本より平均年収が高いのはショック。 日本企業における人件費は95年から横這いなのに、内部留保がどんどん増えて倍増しているのが腹立たしい。 賃金が上がらないのは生産性が低いから。生産性が低いのは、学生や労働者が現代に通用するスキルを身につける環境を、大学も企業も提供していないから。 入社してからいろんな部署をたらい回しにされてたら、専門的なスキルなんか身に付かんわな。 優秀な人材は、高給を保証してくれる海外に流出する。国内企業もトップは外国人になり、日本人は使われるだけになる、というお寒い未来を本書に突きつけられた。 給料から天引きされる社会保障費を下げて消費税を上げることで、若者の負担を減らし裕福な年寄りに払わせる、というのはいいと思った。 個人としてできることは、専門的なスキルを身につけて生産性を高める事やけど、50歳目前で非正規雇用の私には、スキルアップに使えるお金がない。とりあえず、障害者向けの職業訓練に行こうかな。

Posted byブクログ