安いニッポン の商品レビュー
先進国だけじゃなく、新興国にもどんどん抜かれていく日本の凋落ぶりが、ビッグマックの値段や、年収、観光地のホテル価格など分かりやすい例えで解説された一冊。「なせか学生の頃に思い描いていたような昇給ペースじゃないなぁ…。」という疑問が本書を読むことで理解できた。社会で働く中で、非論理...
先進国だけじゃなく、新興国にもどんどん抜かれていく日本の凋落ぶりが、ビッグマックの値段や、年収、観光地のホテル価格など分かりやすい例えで解説された一冊。「なせか学生の頃に思い描いていたような昇給ペースじゃないなぁ…。」という疑問が本書を読むことで理解できた。社会で働く中で、非論理的で腑に落ちない、無駄だと分かってるのに無くならない作業etc...こういった日本独特の無駄をどんどん削ぎ落としていかないと世界から更に置いてかれてしまう。危機感も感じたし、日本の中だけ、労働だけの所得、をフィールドとして捉えてはいけないと改めて思いました。まる。
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今後の日本、自分自身の身の振り方を改めて考えさせられる一冊となった。 私自身この日本でどう活躍できるのか? そのためにどのようなスキルが必要でいま自分にはどのようなスキルがあると言えるのか。 今後、そのような考える機会を定期的に設けて、自分という価値を高めていきたいと思います。
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マルハニチロ池見社長のインタビューにあった「ミクロでは合理的でもマクロではそうはならない『合成の誤謬』」という言葉が最も端的に日本の現状を表しているように思えた。 賃金が上がらない中で少しでも安いものを求める消費者。 消費者離れを防ごうと価格を抑えることに躍起になる企業。 その...
マルハニチロ池見社長のインタビューにあった「ミクロでは合理的でもマクロではそうはならない『合成の誤謬』」という言葉が最も端的に日本の現状を表しているように思えた。 賃金が上がらない中で少しでも安いものを求める消費者。 消費者離れを防ごうと価格を抑えることに躍起になる企業。 その結果、賃金が上げられない。生産性を上げるためには投資ではなくいかに固定費を減らすか=非正規に切り替えていくか、という視点でしか語られない。 これがここ30年の日本なのではないかと思う。 企業、消費者、経営者、労働者。一人一人の観点では効率化、最適化しているのかもしれないが、その結果グローバルで見た時には遅れを取ってしまっている。 停滞することは日本という一国で見れば「安定」なのかもしれないが、右肩上がりの世界の中で見れば「遅れを取っている」のである。 マクロで見た時に我々がすべきことは「安かろう良かろう」ではなく「良いものには適正な評価をすること」すなわち「価値あるものには適正な価格を転嫁すること」なのである。 こうしたマクロの観点から最適化を考える時に常々考えるのは、果たして私たちはこの国を、そして自分をどうしていきたいのかということである。 本書の中では繰り返し「賃金が上がらなくても物価が安ければ幸せに生きていける」という考え方が示される。また、海外企業に買収されたことで生き残りを図る中小企業の例もいくつか出てくる。 「日本」という国が経済的に拡大していき、日本国の国籍を持っている人たちが幸せになることを目指していくのが良いのか。そしてこの少子高齢化が進む社会で、今なおそうした「国を基準とした幸せ」はあり得るのか。そんなことばかり考えてしまう。 そうだとするのならば、やはり「日本はどうすれば競争力を付けていけるか」ではなく、「自分はどうすれば『日本』という枠組みが世界で負けたとしても、その世界の中で戦っていけるか」という視点になってしまう。 私は筆者とほぼ同世代であるが、生まれた頃から停滞し、イノベーションが起きてこなかったこの国に、どうしても、何をしても、この先の未来に「安いニッポン」が再生する姿は描けない。
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非常に興味深い本であった。 ディズニーランドやマクドナルドを例に出し、日本のモノやサービスがいかに安いかを解説。また、物価だけではなく給与も低水準である、との論を解説している。 以前から思っていたことだが、海外ではスタバもマックも5ドルくらいするので、今の為替レートだと日本は...
非常に興味深い本であった。 ディズニーランドやマクドナルドを例に出し、日本のモノやサービスがいかに安いかを解説。また、物価だけではなく給与も低水準である、との論を解説している。 以前から思っていたことだが、海外ではスタバもマックも5ドルくらいするので、今の為替レートだと日本は割高ということになる。この書籍の論はそれを裏付けてくれた。 『デフレ』は、日本経済の長年の課題と言われ、アベノミクスではデフレ克服のため『大胆な金融緩和』が実施されてきた。 一方で、『物価が安いのはありがたい』という考えもある。私もどちらかというとそちらの考えであったが、この本を読んで考えが変わった。 特に印象的だったのは労働生産性の話。 労働生産性 = 生み出した付加価値 / 労働量 で計算されるが、日本はこの労働生産性が低いとの指摘が多い。 私はてっきり長時間労働で分母が大きいための結果だと思っていたが、この書籍では、デフレにより分子が低く抑えられていることも要因であると指摘する。目からうろこであった。 デフレにより『日本が買われる』『優秀な人材は引き抜かれる』などの弊害がある、という指摘も印象的であった。 デフレは克服すべき社会の課題であることはよくわかったが、経済全体が低迷する中、いきなり物価だけを上げるのは難しいだろう。 果たして『デフレスパイラル』を抜け出すことはできるだろうか。
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日本は「安い」から外国人が来るようになった。つまり常にデフレの国へ。 ・日本の初任給はスイスの3分の1以下」 ・日本のディズニーの入園料は、世界でもっとも安い水準 →日本が8,200円に対して、アメリカのフロリダ州は14,500円、カリフォルニアやパリ、香港でも10,000円超え...
日本は「安い」から外国人が来るようになった。つまり常にデフレの国へ。 ・日本の初任給はスイスの3分の1以下」 ・日本のディズニーの入園料は、世界でもっとも安い水準 →日本が8,200円に対して、アメリカのフロリダ州は14,500円、カリフォルニアやパリ、香港でも10,000円超え ・港区の平均所得1,200万円はサンフランシスコでは『低所得』 ・日本の30歳代IT人材の年収はアメリカの半額以下 その原因は、日本は長いデフレによって、企業が価格転嫁するメカニズムが破壊されたから ・労働生産性の停滞(他国では人件費が上昇しているが、日本は横ばい) ・賃金交渉メカニズムの欠如 「安くて良いものが手に入りやすい国」であれば、そこから出なければそれなりに幸せか? しかし、日本の「安さ」や「給与体系」のせいで、素晴らしい技術を持つ中小企業が買収されたり、IT業界の若いエンジニアが海外に流出している。
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Amazonのキャンペーンで購入しましたが、非常に参考になりました。 日本に住んでいるだけでは感じられない、「世界から見た日本」を感じることができました。 内容は日本に住んでいる自分にとっては耳の痛い話でしたが、今後の生き方、働き方を考える意味では、まだ若い今の時期に読むこと...
Amazonのキャンペーンで購入しましたが、非常に参考になりました。 日本に住んでいるだけでは感じられない、「世界から見た日本」を感じることができました。 内容は日本に住んでいる自分にとっては耳の痛い話でしたが、今後の生き方、働き方を考える意味では、まだ若い今の時期に読むことができて本当に良かったです。
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「えっ、まじでか❕」となる読後感でした。 バブル期には、「銀座は世界一高い土地!」などと言われ、物価が高いのが日本だと思っていましたが、大きな間違いでした。 ディズニーランドの入場料は、6カ国で1番安く、ダイソーの商品を100円で売っているのは日本くらいで、タイでは210円、イス...
「えっ、まじでか❕」となる読後感でした。 バブル期には、「銀座は世界一高い土地!」などと言われ、物価が高いのが日本だと思っていましたが、大きな間違いでした。 ディズニーランドの入場料は、6カ国で1番安く、ダイソーの商品を100円で売っているのは日本くらいで、タイでは210円、イスラエルでは320円だそうです。 バブル期には、「東南アジアは安いから買い物し放題!」とやっていた立場が、全く逆転しているのです。 物が安いのはいいことなんでしょうか?? めちゃくちゃ衝撃を受け、また参考になりました。 ぜひぜひ読んでみてください
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日本の給与の安さと物価の安さは、かなり異常だと常々思っていました。 残念ながら、解決の糸口を求めて読み進めましたが、全くわかりませんでした...
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
東京ディズニーランド8200円は世界一安い パリ10800円 フロリダ14500円 ビッグマック 日本390円、アメリカ5.66ドル≒600円 ダイソー タイでは200円 要因は人件費 為替では説明できない価格差 長期デフレにより購買力低下、価格を上げられず、賃金が上げられない スーパー主要商品の半数が20年前から値下がり メーカー値上げが店頭価格に反映されない ステルス値上げ 原材料を減らす 年収13万9400ドル≒1400万円は低所得者(米住宅開発省) 毎年1万ドル上昇 港区の平均所得は年1217万円(2020年) 日本の生産性の低さ =価格付けの安さ 賃金の低さ 中高年の給料低下、若手へ再配分 ユニクロ2020年大卒初任給25.5万円 企業にとって45歳以上がボリュームコスト 大卒1年目年収 日本は終身雇用前提で262万円 アメリカ629万、ドイツ531万、フランス369万、韓国286万円 アメリカのIT人材年収はどの年代でも1000万以上、 30代で1200万円超、日本の30代は520万円、最高の50代でも750万円 NTTは研究者の3割が30代までにGAFAなどに引き抜かれる ジョブ型雇用 ↔ メンバーシップ型雇用(生涯賃金) 日本品質の内製化 中国企業によるM&A シコー、神明電機 カラードペンシルアニメーション(彩色鉛筆動漫) 日本の子会社スタジオ 日本の安さの弊害 海外旅行や海外のサービスが高くて使えなくなる。 世界的資産(魚や輸入食材)が高くて買えなくなる。 日本企業がリーダシップをとれなくなり、企業トップは外国人に。
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日本人に植え付けられたデフレマインドの弊害がこれからどんどん表面化してくるリスクについて述べられている。 デフレマインドから脱却するには、まずは労働生産性を向上させ、賃金をあげることが必要で、そのためには企業のIT投資が必要。 安くてもそれなりの品質の物が手に入る日本。その意識を...
日本人に植え付けられたデフレマインドの弊害がこれからどんどん表面化してくるリスクについて述べられている。 デフレマインドから脱却するには、まずは労働生産性を向上させ、賃金をあげることが必要で、そのためには企業のIT投資が必要。 安くてもそれなりの品質の物が手に入る日本。その意識を変えるには相当難しそうだ。
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