ダンバー メディア王の悲劇 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
バッドエンド作品からは喪失感や悲壮感だけしか得られないのではないかと思っていたが、マイナスの感情や描写にこれだけ感嘆できたのは驚いた。 それぞれの思惑の描き方が(嫌なことに)全て共感できてしまう、共感させられてしまう。ダンバー逃走劇の盛り上がりも面白いし、とにかく秀逸な表現が、読み応えがあってどんどんページをめくってしまった。
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さすがシェークスピアの悲劇。救いが無い。先に読んだ本と設定同じなのに、むしろ娘を可愛い盛りに亡くす方が酷いのに、リア王の方が業が深いのかしら。途中でせっかく心入れ替えたのに、結局娘失うし。殺したいほど恨まれるような金も権力もいらないから、てっぺん掴みたい気持ちがさっぱりわかんない...
さすがシェークスピアの悲劇。救いが無い。先に読んだ本と設定同じなのに、むしろ娘を可愛い盛りに亡くす方が酷いのに、リア王の方が業が深いのかしら。途中でせっかく心入れ替えたのに、結局娘失うし。殺したいほど恨まれるような金も権力もいらないから、てっぺん掴みたい気持ちがさっぱりわかんない。それにしてもほんとになんで物語に出てくる上の子はろくでもないのか。
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現代作家は、超有名「リア王」をどうするのか。 「リア王」を戦国時代に変換した黒澤明監督映画「乱」では、億かけて作った城を燃やすシーンや鬼気迫る仲代達也の演技が、今も語り継がれる。 この物語では、現代でのメディア王ダンパーが娘たちの謀略により精神治療の病院へ「幽閉」された後から...
現代作家は、超有名「リア王」をどうするのか。 「リア王」を戦国時代に変換した黒澤明監督映画「乱」では、億かけて作った城を燃やすシーンや鬼気迫る仲代達也の演技が、今も語り継がれる。 この物語では、現代でのメディア王ダンパーが娘たちの謀略により精神治療の病院へ「幽閉」された後から始まり、ダンパーの脱走、娘たちの追跡、関連する人物たちの思惑などが、株主総会までの数週間に繰り広げられている。 原作では強烈な国王として君臨したリア王が、一代で大企業を築き上げたカリスマ経営者となり、老いて権力を子供に譲るときの未練と傲慢さがゆえに、怒り、裏切り、孤独を招き、荒地を放浪するところが、一つの見どころとなる。 現実と妄想のはざまを行き来する老いたダンパー 冷静さをダンパーに与え続ける道化師役のピーター、 悪役を演じても、どこか幼さが潜む長女と次女 巻末には「オリジナルストーリー」や「訳者あとがき」「解説」がついている。 先に「オリジナルストーリー」、物語と並行して「解説」を読み進め、読後の余韻に「訳者あとがき」を読むと、悲劇「リア王」をどのように同期させどのように差別化したかったかが、少し見えてくる。 悲劇は時に「後味の悪さ」を残す。 その残骸を読者はどのように昇華するのか……。 人によって、そのときによって、変化する……シェイクスピアだな~ぁ。
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リア王やシェイクスピアを読んだことがなくても、楽しめると思う。でも、読みながら、む?このセリフは確かあれの…とか、この関係性はこの構造はあれと似てるような…などとモヤモヤしていたものが、河合祥一郎氏の解説にて、そうだそうだった!とスキッとする。セント・オービンがいかに研究したか凝...
リア王やシェイクスピアを読んだことがなくても、楽しめると思う。でも、読みながら、む?このセリフは確かあれの…とか、この関係性はこの構造はあれと似てるような…などとモヤモヤしていたものが、河合祥一郎氏の解説にて、そうだそうだった!とスキッとする。セント・オービンがいかに研究したか凝ってるかがわかる。
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富と権力を奮っていたメディア王は娘達との骨肉の争いで何が大切か悟った。 カナダのメディア王''ダンバー・トラスト''の会長ヘンリー・ダンバーは娘2人と医者の共謀によって英国の療養所に入れられ、経営権を奪われようとしていた。 末娘のフ...
富と権力を奮っていたメディア王は娘達との骨肉の争いで何が大切か悟った。 カナダのメディア王''ダンバー・トラスト''の会長ヘンリー・ダンバーは娘2人と医者の共謀によって英国の療養所に入れられ、経営権を奪われようとしていた。 末娘のフロレンスは父親と会社経営で仲違いを起こし関係を絶っていたのだが父親への愛情か彼を探し始めた。 一方で医者のボブはアビゲイルとメガンの2人の娘に協力すると見せかけ競合社のユニコムと結託しダンバー・トラストを乗っ取ろうと画策していた。 そんな中、ダンバーは療養所を抜出し3日間飲まず食わずで山や谷を彷徨っていた。フロレンスに助けられた時には精神に異常がみられた。裏切った2人の娘と乗っ取りの競合社との戦いが急なテンポで進む。 本作は、シェイクスピアを現代の作家で語り直すプロジェクトの2作目で今回は''リア王"の現代版です。オリジナルは王様が娘2人に陥れられフランス王国に嫁いだ末娘と共に戦争をするが敗北、そして多くの仲間や王自身が亡くなってしまう。 リア王とハムレット・オセロー・マクベスの4作品はシェイクスピアの''4大悲劇''と言われる代表作で救いは無く、悲劇が続く作品です。 ダンバーは、権力を使い会社を拡大させる事のみに人生を掛けて来たが病院から逃亡劇で人の大切さ、亡くなった妻と末娘への愛情を募らせはじめた。権力を手放して残りの人生を穏やかに生きようと決心した。
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