アニメと戦争 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
戦争と時勢に沿ったアニメの関係性、どう表現してきたかを論じてくれた一冊。 他の本とリンクさせて読むことで、より一層知識として得るものは大きそうです。先に、『日本アニメ史-手塚治虫、宮崎駿、庵野秀明、新海誠らの100年』を読んでいたことで、戦中、戦後すぐのアニメの話も入りやすかったです。 さらに、この本から派生して当時の世相を把握する書籍も読んでみたいと思いました。 本自体は、とても面白く、みたことのあるアニメでも、別の視点、俯瞰する視点をもらうことができて、よかったです。 やっぱり押井守は神ーーッ! 『みんなの体験であった戦争が、個人的な趣味になっていくという流れの対比でいうなら、「パトレイバー2」は戦争をただ戦争として示そうとした作品といえる』 『スカイクロラ』も論じてほしかったですが、外れた位置にいたかな? 『この世界の片隅に』の立ち位置、すずの気付きのシーンは全然感じていなかったので、なるほどといった感じでした。 自分たちの食事、そういった生活実感を通して、自分たちの加害性に気付いた…… 確かに、最近、戦争はいけないことだはもちろんですが、日本も被害者……というわけではないというのがクローズアップされた作品が多くなってきている気がしますね。
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自分の好きな作品の解説は興味深く読めたが、知らない作品の解説は理解が難しかった。 この本で紹介されてる作品のいくつかは見てみたいと思う。
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宇宙戦艦ヤマトやガンダムのあたりは面白く読めたのですが、他の作品に対しては著者の考察が深過ぎて私には少々難しかったです(汗) しかしこれまで何も考えずに見てきたアニメにはそれを作った人々の太平洋戦争から続く価値観が反映していたんだということを知り、まだ見たことのなかった作品も鑑賞...
宇宙戦艦ヤマトやガンダムのあたりは面白く読めたのですが、他の作品に対しては著者の考察が深過ぎて私には少々難しかったです(汗) しかしこれまで何も考えずに見てきたアニメにはそれを作った人々の太平洋戦争から続く価値観が反映していたんだということを知り、まだ見たことのなかった作品も鑑賞してみたくなりました。
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アニメと戦争の関係の約100年を、濃密に解説した労作。 人類の「文明化」が始まって以来、人類社会の大事件は常に戦争だった。ならば、人類の創作物の中で戦争が大きなウエイトを占めるのは理の当然というべきだろう。 日本アニメは20世紀の初めから始まった(1917)。本格戦争アニメは...
アニメと戦争の関係の約100年を、濃密に解説した労作。 人類の「文明化」が始まって以来、人類社会の大事件は常に戦争だった。ならば、人類の創作物の中で戦争が大きなウエイトを占めるのは理の当然というべきだろう。 日本アニメは20世紀の初めから始まった(1917)。本格戦争アニメは「空の桃太郎」(1931)からだった。著者は成田龍一の「「戦争体験」の戦後史」のカテゴリーを借りて、戦争アニメ史がどのように推移したのかスケッチする。 ①1931-1946「状況」として語られた時代。 戦争プロパガンダとしてのアニメ(代表作「桃太郎 海の荒鷲(1942)」) ②1945-1965「体験」の時代。 戦争を体験した世代が体験した世代に語りかける。 ③1965-1990「証言」の時代。体験していない世代に語りかける ④1990以降「記憶」の時代。社会の中に形成されてゆく「集団的な記憶」が中心になる。 ②の例として「巨人の星(第1、9、125、177話)」と「ゲゲゲの鬼太郎第一シリーズ第32話」を挙げていたのはビックリ。リアルタイムで観ていたけど、そういえば戦争体験が「自明のものとして出ていた」。 ③の例として「サイボーグ009」の第一シリーズ16話、26話が挙げられる。②③共に、辻真先が脚本に関わっていた。「戦争から教訓を学ばない人類」への警笛を描き、今なお解決されていない矛盾の指摘まで踏み込んでいたらしい。 その後、「宇宙戦艦ヤマト」になると、著者の思い入れ深くかなり踏み込んだ説明になっている。 ④ヤマトから数年後、「ガンダム」になると、もはや作り手は「戦争を知らない世代」にバトンタッチされる。過去の戦争との繋がりは断絶する。 そこからは、「歴史的/非歴史的」「みんな/わたし」としての座標軸を示されて、歴史的・みんな「桃太郎」「巨人の星」「009」から、非歴史的・わたし「ガンダム」「マクロス」へ移り、非歴史的・みんな「パトレイバー2」「198X年」、わたし・歴史的「風立ちぬ」「この世界の片隅に」に移ってゆくと整理している。 専門家だけあって、目配りはしっかりしていて、書いてあることに関しては、多くは納得するものだった。 その上で、物足りないところを幾つか。 ・ここまで分析しているのだから、次に来るアニメの特徴や問題点をきちんと書いて欲しかった。言及したアニメの問題点は、ある程度は指摘しているので非常に残念だった。 ・20世紀のアニメ史における戦争を解説することで何が明らかになるのかまで踏み込んで書いて欲しかった。 ・あまり代表的なアニメとも言えないアニメ(「ラグダム」「ボトムス」「メガゾーン23」等)を分析していて、ちょっと目配りしすぎではないか?とも思った。 ・サブカルチャーアニメは扱わないと宣言しているが、「エヴァ」はサブカルチャーなのか?「進撃の巨人」はサブカルチャーなのか?そんなことはないはずだ。こんなにも影響力のあるアニメを何故無視したのか?1文字も言及していない。 結果的に当たり障りのない批評に落ち着いている。おそらく、左右に偏らない「中立」の評論を目指したのだろう。しかし、わたしに言わせれば、「そんな評論などあり得ない」。批評というものは、必ず自分の色眼鏡で対象を選ぶからだ。問題は、何の立場に立って物事を批評するのか?ではないだろうか。
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アニメの中で戦争がどう扱われているか、について整理した本。 もちろん、その意味でも有意義なのだが、私にとっては、賛否両論のあるセンシティブな話題を、どう整理していくか、の実例を見せてくれた本だと思う。 過去の事実や倫理的なステレオタイプがありうる、戦争というものを、多くの作品は...
アニメの中で戦争がどう扱われているか、について整理した本。 もちろん、その意味でも有意義なのだが、私にとっては、賛否両論のあるセンシティブな話題を、どう整理していくか、の実例を見せてくれた本だと思う。 過去の事実や倫理的なステレオタイプがありうる、戦争というものを、多くの作品はどうやって語っているのか。 いろいろな切り口や思いがあって、それを今の捉え方から、簡単に切るのは違うのだなと、改めて思った。 また、戦争を扱った作品がアニメだけでもこんなにあることを知り、もっとそれらを見て、勉強というか、自分の中の戦争というものを考えたいと思った。 いろんな気づきができる、良い本だと思う。
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借りたもの。 アニメ表現から見る戦争体験の伝承の変化、ないし、ポスト戦後の戦争をどの様に表現されたかを検証する一冊。 しかし、その全てはクリエイターの“リアリティの表現追求”に集約されるのではないだろうか? 著者は成田龍一『「戦争体験」の戦後史』( https://booklo...
借りたもの。 アニメ表現から見る戦争体験の伝承の変化、ないし、ポスト戦後の戦争をどの様に表現されたかを検証する一冊。 しかし、その全てはクリエイターの“リアリティの表現追求”に集約されるのではないだろうか? 著者は成田龍一『「戦争体験」の戦後史』( https://booklog.jp/item/1/4006004230 )を読み、そこで指摘されている「状況」「体験」「証言」「記憶」という語りの変化を、アニメ表現における背景にあることをベースに検証している。 戦時中のプロパガンダとしてのアニメ作品にも触れるが、そこから見えるリアリティの追求があること。 戦後から「自分たちの歴史をアニメで子供に伝える」〝自画像〟の意識がある一方、「エンターテインメントとして」の表現への欲望があることを見出す。 第二次世界大戦――というより太平洋戦争――以降、幸いにも日本は戦争“当事者”になる事はなく、結果、戦争“体験”がメディアを通して得るものとなっていることを指摘。 どうしても発生してしまう世代交代による戦争解釈(温度差)。を垣間見る。そして時事ネタ反映したものまで。 冷戦期の「未来の戦争」に対する可能性・不安を当時リアリティをもって描写されたり、冷戦崩壊により起こらなかった“戦争”に乗せる過去と未来の戦争に対して“生き残った亡霊”の苦悩とつかの間の平和、“ニンテンドーウォー”とも言われた湾岸戦争のヴィジュアル的影響などを指摘。 硬派なリアリティの追求をする押井好きとしては『パトレイバー2』の話と、冷戦後の「アニメと戦争」の世代に相当するので、9章を興味深く読ませてもらった。 国家間の安全保障、テロリズムといった時事ネタが織り込まれるものの、記号化した戦争、ドキュメンタリーアニメとして描き出される戦争、自衛隊アニメ……抽象化され細分化されつつもリアリティであってもリアルではないようにも思う。 また、テロの世紀において冷戦までのイデオロギー(価値観)など幻影に過ぎないという身も蓋もなさは、戦争関係なく不安と絶望を突きつけるように、私は思う。 エヴァについて言及されていないのが不思議…… 旧劇場版では戦略自衛隊が「セカンドインパクトを起こさせない」ために投入されるも、それが「セカンドインパクトを引き起こす」結果になる点も、外交と命令とその結果の理不尽さに、任務遂行と戦争?の理不尽さを見たりもするのだが。 また、NERV側の防衛設備が対人迎撃システムではないためあっという間に制圧されている点も、戦争のリアリティを見てしまう……
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・日本のアニメにおける、主にアジア・太平洋戦争の描かれ方、あるいは距離のとり方について考察した1冊。いろろと考えさせられた。読む価値のある本。 ・改めて思うのは、僕が子供の頃から観てきたアニメの大半は、何かと戦ってる作品だった。この本で取り上げられている作品も少なくない。 ・それ...
・日本のアニメにおける、主にアジア・太平洋戦争の描かれ方、あるいは距離のとり方について考察した1冊。いろろと考えさせられた。読む価値のある本。 ・改めて思うのは、僕が子供の頃から観てきたアニメの大半は、何かと戦ってる作品だった。この本で取り上げられている作品も少なくない。 ・それで、僕が戦争について考えるとき、『ガンダム』や『銀英伝』『パトレイバー』などをイメージすることは確かにあって、それはニュースや歴史の勉強で学んだことと、同じように大きな影響力を持っている。 ・今、ロシアのウクライナ侵攻のニュースに接して、確実に自分の中の価値観が揺らいでるのを感じている。
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ガンダムは独立戦争、宇宙戦艦ヤマトは異星人 の侵略に対する戦争が描かれています。 アニメでは多くの「戦争モノ」が題材にされて います。 本来戦争を表現することは非常にデリケートな 事柄であり、今もドラマの太平洋戦争のシーン には、製作者側は大いに気を使うといいます。 しかし...
ガンダムは独立戦争、宇宙戦艦ヤマトは異星人 の侵略に対する戦争が描かれています。 アニメでは多くの「戦争モノ」が題材にされて います。 本来戦争を表現することは非常にデリケートな 事柄であり、今もドラマの太平洋戦争のシーン には、製作者側は大いに気を使うといいます。 しかしアニメでは何となく遠い世界の出来事の ように描かれています。 それは製作者側の年齢によるものと、本書は説 いています。 ガンダム、ヤマトの製作者の年齢は、すでに戦 争体験者ではなく「物語」であったのです。 その前の世代にとっては「体験」として戦争を アニメに取り込んでいました。 つまり、どの時代にどの世代に作られたかによ って、アニメの中で戦争の捉え方が大きく異な るのです。 そんなアニメの歴史と共に時代の変遷がわかる 一冊です。
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1 『ゲゲゲの鬼太郎』という“定点” 「妖花」が生まれるまで原作の「妖花」 第一シリーズの「妖花」 一四年後に再び映像化された「妖花」 アシア・太平洋戦争の語り方 大胆に脚色を施した第四シリーズ 「記憶」の時代の第六シリーズ 2 『桃太郎 海の神兵』の同時代性と断絶 「状況」の時...
1 『ゲゲゲの鬼太郎』という“定点” 「妖花」が生まれるまで原作の「妖花」 第一シリーズの「妖花」 一四年後に再び映像化された「妖花」 アシア・太平洋戦争の語り方 大胆に脚色を施した第四シリーズ 「記憶」の時代の第六シリーズ 2 『桃太郎 海の神兵』の同時代性と断絶 「状況」の時代のアニメ 『桃太郎海の荒鷲』の制作 『桃太郎海の神兵』はどのような作品か 評論家・大塚英志による評価 同時代性と戦後との断絶 3 少国民世代、「戦争」を描く 60年代に誰が戦争を語ったのか 1930年代生まれ=少国民世代 『巨人の星』に刻まれた戦争 『サイポーグ009』の祈り 戦記ブームとアニメ ロボットアニメと第二次世界大戦の記憶 類例のない『遊星仮面』 4 『宇宙戦艦ヤマト』の抱えた分裂 リアルなメカ描写はどこからきたのか 特撮の影響により深化する表現 「戦艦大和」から「宇宙戦艦ヤマト」へ 軍艦マーチに象徴される価値観の対立 ストーリーの下敷きはドイツ軍史 10代と40代、ふたつの世代の「ヤマト」 5 誰も傷つかない「戦争ごっこ」の始まり 『ヤマト』と『ガンダム』の距離 過去の「戟争」との”繋がりと断絶“ 「未来戦争」の位置づけ方 『ガンダム』のリアルを構成する要素 誰も傷つかない「箱庭」の戦争 戦争を描くことへの反響 6 「ポスト戦後」時代の戦争アニメ 戦争のサプカルチャー化 「リアルロボットもの」というジャンル 高橋監督はなにを描こうとしたか キリコという主人公像 「なにもない」世代の描く戦争 「消費」と「等価」 1960年前後に生まれたスタッフ 教条的反戟主義者、カイフン たわむれのひとつとしての「戦争」 7 ポスト戦後の中の「過去の戦争」と「未来の戦争」 児童文学として執箪された戦争文学 『火垂るの墓」が現代に送る視線 『メガゾーン23』が描く新冷戟の空気 第三次世界大戦を“リアル“に表現 8 『紅の豚』の苦悩、『パトレイバー2』の現実 冷戦を描いたアニメ 『紅の豚』の背後にあったもの 湾岸戦争から『バトレイバー2』へ 『バトレイバー2』が描いた三つの戦争 柘植による戦後日本の批評 体験、趣味、そして…… 9 冷戦後の「アニメと戦争」を構成する三要素 「新しい戟争」を描く作品 サブカルチャー化の極点 『ガルバン』の立っている場所 ”自衛隊アニメ“の歴史 ポスト冷戦の「アシア・太平洋牲争」 人気シリーズのその後 10 二一世紀にアジア・太平洋戦争を語ること 『風立ちぬ』の描こうとしたもの 二郎たちを待つ「近代化の破産」 戦争責任をめぐる批判 徹底した考証をもとに画面を作る 変更された台詞をめぐって 「被害」と「加害」の関係
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アジア・太平洋戦争の戦時下の日本で、アニメは新聞やラジオと同様に戦意昂揚のプロパガンダを担い、「桃太郎海の神兵」などで戦争を描いた。この時代を生きた人びとは、戦時の「状況」を知り、出兵の見送りや空襲を「体験」した世代である。戦後復興を経て、1960年代に至り、泥沼のベトナム戦争を...
アジア・太平洋戦争の戦時下の日本で、アニメは新聞やラジオと同様に戦意昂揚のプロパガンダを担い、「桃太郎海の神兵」などで戦争を描いた。この時代を生きた人びとは、戦時の「状況」を知り、出兵の見送りや空襲を「体験」した世代である。戦後復興を経て、1960年代に至り、泥沼のベトナム戦争を背景に、再び戦争や米平連などの反戦運動が取り上げられるようになる。それは、少国民として生きた世代の戦争体験をした水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」の「妖花」に代表されるシリーズとして戦争が「証言」される時代になる。1970年代に入ると、宇宙戦艦ヤマト、機動戦士ガンダム、時空要塞マクロスなど、実在の戦争から架空の戦争へという大きな変化が生まれる。一方で、1970年後半から「ガラスのうさぎ」や「対馬丸」など、太平洋戦争を題材にした作品が多数制作公開される。1990年代に入り、冷戦終了の世界情勢の影響を受けた作品として「紅の豚」などが上映され、「萌えミリ」や「艦隊コレクション」など、美少女とミリタリー要素を組み合わせた作品へと移行していく。2010年を迎えて、あらためて「記憶」の時代としての、宮崎駿監督作品の「風立ちぬ」、や片渕須直監督の「この世界の片隅で」などの作品で、戦前の生活を丁寧に描き出し、記憶考証を行う。 普段何となく見ている映画、動画のアニメなど、あらためて歴史的背景とした時代考証としてのアニメを整理する上で、読むと納得の1冊ではないだらうか? なお、ここからは、個人的な話しになるが、宮崎駿監督の「風立ちぬ」を映画館で見て、なんとも理解しがたく、結局5回映画館に足を運んでも理解が深まらなかった。そこで、エンディングに感謝の言葉が流れる、堀辰雄の「風立ちぬ」「菜穂子」を2度読みし、堀越次郎の自伝と戦争指導部批判を読み込んで、やっと消化できたように思う。映画「風立ちぬ」は、縦横に難しくも、平和を大切にした作品であると再確認した。 また、本編で指摘がある通り、宇宙戦艦ヤマトの第1作で、ガミラス帝国の街並みを壊滅的にした破壊した直後の甲板で、雪は叫んぶ。「私たちは何ということをしてしまったの。私にはもう神様の姿が見えない」。古代はつぶやく。「勝つものもいれば、負ける者もいるんだ。負けた者はどうなる。負けた者は幸せになる権利はないというのか。今日まで俺はそれを考えたことはなかった。俺は悲しい。それが悔しい。ガミラスの人も、地球の人も、幸せに生きたいという気持ちに変わりはない。なのに、我々は戦ってしまった。我々がしなければならなかったのは、戦うことじゃない。愛し合うことだった。勝利か、くそでもくらえ!」」と戦争の愚かさを訴える。しかし、帰路にガミラス・デスラーの再攻撃を受け、徹底交戦を行い撃破する。以降、シリーズは、敵に打ち勝つ、戦死による自己犠牲、自爆・自沈と言った、特攻とも言える攻撃も継続する。さらば宇宙戦艦ヤマトでは、日ロ戦争の二百三高知で肉弾突撃をする際の白タスキ隊を編成して艦上白兵戦を行うなど、戦争美化の要素が少なからずあることも付け加えておきたい。
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