傷痕のメッセージ の商品レビュー
引き込まれて一気に読み終えた。描写が繊細で、警察官や病理医の世界がとても具体的にイメージしながら読むことができた。 残忍な殺人事件という一面だけではなく、親子や友人の間に生まれる愛情や人間模様も、事件が解明されるのと一緒に深まっていて、読みながら心が温まった。読後の後味の良いミス...
引き込まれて一気に読み終えた。描写が繊細で、警察官や病理医の世界がとても具体的にイメージしながら読むことができた。 残忍な殺人事件という一面だけではなく、親子や友人の間に生まれる愛情や人間模様も、事件が解明されるのと一緒に深まっていて、読みながら心が温まった。読後の後味の良いミステリーだった。
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病理解剖したら胃壁にメッセージ。掴みはバッチリ。後半、それぞれの登場人物が個々に活動してるところに誰かが現れるたびに「この人が犯人なんじゃないだろうな…」と疑心暗鬼になったりもした。決着まで良かったんだけど、胃壁にわざわざメッセージを残した理由が弱いのと、エピローグの陣内の話が蛇足で綺麗事過ぎてちょっと興ざめだった。
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3.8 大学病院の外科医・水城千早の父・穣が、末期の肝内胆管癌の為自分の勤める病院で死亡する。 すると時を置かずに弁護士が現れ、事件性の無い事案にも関わらず、本人の遺言に従って病理解剖を行うと言う。 千早は激しく反対するが法的効力は絶対で覆す事はできず…。 病院の方針で、病理...
3.8 大学病院の外科医・水城千早の父・穣が、末期の肝内胆管癌の為自分の勤める病院で死亡する。 すると時を置かずに弁護士が現れ、事件性の無い事案にも関わらず、本人の遺言に従って病理解剖を行うと言う。 千早は激しく反対するが法的効力は絶対で覆す事はできず…。 病院の方針で、病理部への一年間の出向中であった千早は、同期でありながら指導医となった刀袮紫織の執刀する解剖に立ち会うと… なんと、穣の胃の内部に明らかに意図的に刻まれた暗号が見つかるのだった。 「死者の想いを受け取る」という使命に燃える紫織と共に、暗号の謎に立ち向かう千早。 やがて… 父の知られざる過去が次々と暴かれ、 実は凄腕の刑事だった穣の、昔のバディ・によって父の真実の顔が見えて来る。 穣の死と同時に再会された過去の未解決連続殺人事件。 その意味する所は…
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医師であり小説家である知念実希人さんの小説。 コロナ禍でたくさんの医療関係者をTwitterでフォローすることになり、その中で医師の1人として気になってフォローしていた知念実希人さん。Twitterでの発言だけではなく、ちゃんと小説も読もう、と、まずは1冊目です。 主人公は外...
医師であり小説家である知念実希人さんの小説。 コロナ禍でたくさんの医療関係者をTwitterでフォローすることになり、その中で医師の1人として気になってフォローしていた知念実希人さん。Twitterでの発言だけではなく、ちゃんと小説も読もう、と、まずは1冊目です。 主人公は外科医の千早(ちはや)。研修で病理部に異動。末期がん患者として入院していた千早の父親が亡くなったことから物語が動き出す。 父親が隠していた暗号メッセージ、28年前に終わったと思われていた連続殺人事件の再開。犯人は誰?父親との関連は? と、どんどんと興味を惹かれて、あっという間に読み終わりました。 最初からなんとなくわかってしまった謎とかはあったけれど、最後のミスリードには完全に引っかかりました。 病理解剖や、病理の視点からの考察など、医師である作者の知識なども組み込まれていて興味深かった。キャラの作り方が、なんだかちょっと気になったけどシリーズものなども書かれているようなので、個性のあるキャラを作るのが好きな作家さんなのかな。 他の小説も読んでみようと思いました。
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面白かった。 なぜって理由は割と早い段階で察しがつくので、その後のミスリードの文章がめんどくさい。一応28年前と今が連続しているって考えているのに、死者を疑うのは不自然でしょ。 解明の鍵がDNAじゃなく病理検査からってのがみそでしょうか。
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さすが元お医者さんの書く作品です。消化器内科で勤務してますが細部までわかるわかる、現実的。となる表現がたくさんあり読んでいて楽しかったです。知念実希人さんの作品は今回が初めてでしたが他の作品も読んでみたくなりました!
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叙述トリックにまんまと引っかかり、とても清々しい気持ちでいっぱいです。 それは多分、物語の軸が叙述トリックにあるのではなく、親子の愛にあるからだと思う。話がぶっ飛んでるから、色々と想像しにくいのだけど、そしてちょいちょい「いや、それは無理あるだろ」と思う箇所もあるけど、多分リアルであることよりもデフォルメされた物語展開によって伝わるエンタメならではのメッセージの方が大事にしたかったポイントだからだろうな。知念実希人、エンタメの帝王だなあ。筆致力があるからだろうか、外さないなあ。頭がいい人なのかな。多分、想像力がずば抜けてあるんだろうな。だから、読者のことをとこまでも念頭に外さず書けるんだろうな。羨ましいな。
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一気に読んだ。 医療ものは好きだけど、病理ってあんまり知られてない分野を上手く使ってだなと思う。 最後の最後で「あれっ⁈」っていう推理小説の醍醐味もあってよかったです。
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途中で主人公の素性は、予想がつきましたが、犯人はわかったつもりで読んでいたら、最後にどんでん返しがありました。 初版本に付属のスピンオフ小説も楽しめました。
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医師の水城千早30歳の父の水城穣は千早の病院に癌で入院していましたが「たんに血が繋がっているからといって親子になれるわけじゃない」という言葉を遺して容態が急変して亡くなります。母も癌で亡くしている千早は独りになってしまいます。 穣は弁護士宛てに自分の死亡が確認されたら、すぐに遺...
医師の水城千早30歳の父の水城穣は千早の病院に癌で入院していましたが「たんに血が繋がっているからといって親子になれるわけじゃない」という言葉を遺して容態が急変して亡くなります。母も癌で亡くしている千早は独りになってしまいます。 穣は弁護士宛てに自分の死亡が確認されたら、すぐに遺体を解剖して欲しいと遺言を遺していました。 病理医で同級生だった刀祢紫織と一緒に千早も父の解剖に立ち合います。果たして父の胃壁には内視鏡で書いた文字が残されていました。 そして桜井公康という刑事の登場で今までずっと警備員だと思っていた父が28年前まで警視庁捜査一課の刑事であったということを千早は初めて知ります。 28年前父は通称折り紙事件という、連続幼女殺人事件を捜査していて最後に殺された1歳の陣内桜子の遺体だけが発見されていませんでした。 紫織は「胃壁のメッセージの相手を探す義務がある」「生きている間は誰にもその情報を知られたくなかったのだろう」といいます。 そしてメッセージを送った相手は28年前、穣とコンビを組んでいた桜井であるとわかり三人で28年前の千羽鶴の事件を危険な目にも遭いながら解決しようとしていきます。 これは、私は犯人は途中で半分判り、穣が千早にだけは知られたくなかった真実も予想がつきました。 でも、話の誘導がやはり大変面白かったので、読んでいてあきることなく、家族のドラマとしても秀逸ではないかと思いました。 読者にも謎解き成功の快感を味合わせてくれる物語も、読んでいて達成感がありました。
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