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自由になるための技術 リベラルアーツ の商品レビュー

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50件のお客様レビュー

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2022/03/13
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※このレビューにはネタバレを含みます

VUCAの時代と言われるいまでも、多くの企業がコンサルティング会社や広告代理店に巨額の費用を支払って、「何年先にどうなるのか?」という未来予測を依頼しています。はっきり言ってそんな発想が時代遅れなのです。未来を他人に聞くのではなく、「あなたは、一体どうしたいのですか?」と、そろそろ問いそのものを変えなければならない時期に来ているのだと思います。 複雑で不安定な現代社会では、「分析」「論理」「理性」といった、これまで絶対視されてきたサイエンス重視の意思決定や方法論が限界にきていることを述べ、このような時代には、経営の判断にも、自らの「真」「善」「美」の感覚、すなわち「美意識」を鍛え、拠り所としていくことこそが重要だと訴えました。同書が幸いにも多くの読者に受け入れられたのは、私と同じような問題意識を持っている人が多かったからでしょう。(p.20) パブル経済の崩壊から三○年近くが経ったいまなお、戦後の高度経済成長があまりにも成功したために、ご指摘の製造業モデルから脱皮するのに苦労しています。一方、世界は大きく様変わりし、まったく異なる成長モデル、成功モデルが次々と生まれています。 いま、日本が行き詰まっている理由は、モノづくり信仰の一方でGDPに占める製造業の構成比が二割程度、雇用者数は約一〇○○万人で全体の一七%程度となったことからわかるように、もはや製造業では社会全体を引っ張れない状況になっていることが主因です。代わって伸びているのはサービス産業です。 また、この三〇年間、日本の正社員の労働時間はほとんど減らず、年間二〇〇〇時間前後で推移しています。にもかかわらずGDPの平均成長率は一%にとどまっている。日本と同様に少子高齢化が進行している欧州では、年間労働時間は一三〇〇~一五〇〇時間程度で平均二·五%近く成長しています。 なぜ日本でこのように成長率が低迷しているのかというと、製造業からサービス産業へと産業構造が変化しているのに、人材も働き方も製造業の工場モデルを続けているからです。サービス業で問われるのは、与えられた課題をこなす力よりも、課題を見つけ出す力、新しいサービスにつながる独創的なアイデアを生み出すカです。APUが評価されているのは、 そうした力を養うには、 とがった個性を尊重する教育に転換しなければならないということに、社会が気づき始めた証左かもしれません。(p.87,88)

Posted byブクログ

2022/02/01

そんなに面白くない。 山口氏が本書のインタビュアーなのだが、上手く言葉を引き出せてないように感じる。そのため、よく話せる出口氏では口数が少なく、その他ではしゃべりすぎ。会話の中に教養を入れようとして必死感が感じられる。特に住職との会話は成り立ってるのか?編集者がカットしたのか? ...

そんなに面白くない。 山口氏が本書のインタビュアーなのだが、上手く言葉を引き出せてないように感じる。そのため、よく話せる出口氏では口数が少なく、その他ではしゃべりすぎ。会話の中に教養を入れようとして必死感が感じられる。特に住職との会話は成り立ってるのか?編集者がカットしたのか? 本書の貢献は出口氏と橋爪氏が9割か。筆者である必要はないと思った

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2022/01/20

リベラルアーツを学ぶ必要性がわかった。 多様性をもつことや、誰が言ったかではなく、何を言ったのか理解する必要があることなど、先人たちが発したことを知ることが大事だ。

Posted byブクログ

2022/01/13
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※このレビューにはネタバレを含みます

読んでよかった対談本。各対談のあとに著者の振り返り、解説があるのが良い。「あぁ良い話を聴いた」で終わらず、理解を深められる。 対談相手は出口治明氏やヤマザキマリ氏など専門分野もしてきた経験も様々だ。それぞれがコロナ禍をどう見つめ、何を考えているのか。この一冊で知ることができた喜びがある。内容が濃い。正解のない時代を生きるため、自分の選択を正解にしていくために今後も考え続けたい。

Posted byブクログ

2022/01/03

山口先生の対談を中心とした著書。他の著書と大きく内容が被ることはなく、一方で参考文献としてポイントでは上手くReferしながらテンポ良く対談が進む。文体は平易ながら非常に得るものが大きい。 お得な一冊。

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2021/12/04

これまで対談型の書籍を敬遠していたけど、この書籍は非常にためになった。どの方のセクションも参考になるが、個人的には菊澤教授のセクションが一番刺さった(リーダーの条件、主観的、価値判断)。 随所にリベラルアーツに関するおすすめ書籍が載っていたので、読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2021/11/27

専門家以外の話を聞かないのは思考停止。このフレーズに尽きる。芯となるリベラルアーツ(教養)が身に付いていれば、常識の疑い方も変わってくる。

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2021/11/21

古典を読んで人生の士台を築かねばと思いました。多様性を支える数字、ファクト、ロジック。人・本・旅に学ぶこと。知識と思考、特に情報がスマホで手に入る時代だからこそ、自ら考えることが大切。自らの思考を超えるには本を読むこと。

Posted byブクログ

2021/11/03

専門化が進む中で、各専門領域を横断するためのリベラルアーツの重要性を説いた書。「理論理性」と「実践理性」の差をどう扱うかが人間の見せ所という記述が特に印象的だった。 リベラルアーツを身につけるために何をすべきかは明示されていないが、まずは「古典」を読めということだと理解した。

Posted byブクログ

2021/09/22

山口周さんと7名の知識人とのそれぞれの対談をまとめた本。 1章と終章は山口さんの書き下ろしであり、終章に関しては、必読である。ここ数年、流行っているが、なにかとぼんやりしていた「リベラルアーツ」が見事に定義され、かつそれを学ぶ意義を綺麗なロジックで組み立てている。 以下、響いた...

山口周さんと7名の知識人とのそれぞれの対談をまとめた本。 1章と終章は山口さんの書き下ろしであり、終章に関しては、必読である。ここ数年、流行っているが、なにかとぼんやりしていた「リベラルアーツ」が見事に定義され、かつそれを学ぶ意義を綺麗なロジックで組み立てている。 以下、響いた箇所。 185 日本における組織の不条理は、決して無知や非合理的な考え方のために起きているのではなく、むしろ一人ひとりがこのように取引コストのような見えないコストを忖度して損得計算し、合理的に行動した結果として起きています。(菊澤) ☆終章激アツ 268 現代をしたたかに生きていこうとするのであれば、リベラルアーツほど強力な武器はない。何らかの形で組織やシステムに関わる立場にある人であれば、リベラルアーツを学ぶことは、おそらく人生において最も費用対効果の高い投資になるであろう。(山口) 271 イノベーションには"相対化"が不可欠だから 273 重要なのは、よく言われるような「常識を疑う」という態度を身につけることではなく、「見送っていい常識」と「疑うべき常識」を見極める選球眼を持つということなのです。 275 目の前の世界を、「そういうものだ」と受け止めてあきらめるのではなく、比較相対化する。そうすることで浮かび上がってくる「普遍性のなさ」にこそ疑うべき常識があり、リベラルアーツはそれを見るレンズとしてもっともシャープな解像度をもっているのです。 282 リーダーの仕事は、異なる専門領域の間を行き来し、それらの領域の中でヤドカリのように閉じこもっている領域専門家を共通の目的のために駆動させる事にあります。

Posted byブクログ