1,800円以上の注文で送料無料

砂の家 の商品レビュー

2.9

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2021/11/04

犯罪被害者の家族がテーマとなった暗く重い内容だった。しかし、人間どんな過酷な状況に置かれても立ち直れるという、一筋の光を見いだすことを予感させるものだった。スリリングな文章構成に引き込まれた。

Posted byブクログ

2021/10/18

父が母と妹を殺し、辛うじて助かった浅野健人が苦労して食品会社で順調に生活している中で、社長に脅迫状が届き、それに対処する健人の苦労話だが、20年前の出来事から現在までのエピソードを刻々と並べて、映画を見ている感じの構成だった.弟の正俊の存在が事件と大いに関連が出て来るが、社長の竹...

父が母と妹を殺し、辛うじて助かった浅野健人が苦労して食品会社で順調に生活している中で、社長に脅迫状が届き、それに対処する健人の苦労話だが、20年前の出来事から現在までのエピソードを刻々と並べて、映画を見ている感じの構成だった.弟の正俊の存在が事件と大いに関連が出て来るが、社長の竹内一正からの信頼もあり、健人の対応がある程度功を奏する.恋人の有希子と過ごす時間の存在が、殺伐としたストーリーの中でほっとするものを感じた.

Posted byブクログ

2021/08/22

途中から健人が社長を守る為に考えていいる事が、よからぬ事だと感じられ読むのが辛かったです。 最後がどうなったんだろう?とスッキリ出来なかった。

Posted byブクログ

2021/05/01

私は物語はハッピーエンドで終わって欲しい、といつも思う。 もちろんイヤミス、ホラー、その他の本を読まないことはないわけではないが、どこかに救いを求めてしまう。 現実の追体験だけでは苦しいから。 さて、そんなことをいうのだから、本書が(私の心とは反対に)少し不本意な終わり方になっ...

私は物語はハッピーエンドで終わって欲しい、といつも思う。 もちろんイヤミス、ホラー、その他の本を読まないことはないわけではないが、どこかに救いを求めてしまう。 現実の追体験だけでは苦しいから。 さて、そんなことをいうのだから、本書が(私の心とは反対に)少し不本意な終わり方になってしまったのは十分香らせられたかと思う。 犯罪者の子供は犯罪者か? 子供の人生はどう変わるか、がメインテーマだが、なんとも苦しい結末となった。 主人公の弟正俊が不憫でならない。 もう、大人になってしまった彼は変わらない、かもしれない。 きっとこういうことは往々にして起こる。 主人公の浅野健人は苦しいながらも勤務先の社長と出会ったことで学費やその日の糧を得られ、「普通」の生活を送っている。 社長には多大な恩を感じている。 これが社畜の始まりで、これが終わりまで続く。 男女の違いを簡単に言うのは時代にそぐわないかもしれないが、男性的な生き方だと思った。 会社が存続してくれればいい、自分はどうなってもいい、自分はなんとか立ち上がった、迷惑をかけないように生きてきた…。 なんだか息苦しい。 恩はあっても会社に人生を捧げたいとは思わない。 物語の本質はそこじゃない、のはわかっているが、主人公の行動は理解し難い。 子供の頃の環境が大事なことも、救ってくれる大人がいたら依存してしまうことも、頭では理解できる。 だが、せめて小説の中は夢を見せてよ。 現実には助けてくれる大人が少なくても、いないわけじゃない。 正俊が救われて欲しかった、その思いでいっぱいだ。

Posted byブクログ

2021/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

犯罪者の息子としてのハンデを背負いながら何とか自分の人生を立て直すために懸命に生きてきた健人。 そして兄を恨めしく思い、破滅させようと画策する弟・正俊。 バッドエンドでありながら、最後はほんの少しの希望を残して終了。 父親と兄弟、それぞれの心情に思いを馳せるとスッキリしない部分はあり。

Posted byブクログ