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父を撃った12の銃弾 の商品レビュー

4.2

34件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

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2024/07/21

主人公に感情移入してしまい、のめり込んだ作品だった 親子の愛を作中ずっと感じられルーも、ホーリーも大好きになれる でも、やっぱりマーシャルは嫌いかな笑

Posted byブクログ

2024/05/20
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残酷で素敵な本でした。 今亡き母リリーを思いながら、父ホーリーと娘ルーの二人の主人公の話が交互に進んでいく物語。ホーリーの人生を、撃たれた12の銃弾と共に知ることができました。ルーは学校、恋愛、仕事など10代ならではの生活を追うことができました。 人は自分だけの世界で生きていて嬉しさ、悲しさ、孤独などを抱えていくし、それはときどき他の人とも重なり合うってルーが言っていた話は、私の世界にも言い表せて、孤独を感じても人はどこかにつながりがあって一人じゃないんだって思いました。 なかなか感想が言葉で表せないけれど、本に出てくる情景は壮大で綺麗でした。

Posted byブクログ

2023/09/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『ザリガニの鳴くところ』や『このやさしき大地』を彷彿とさせる、北アメリカならではの雄大なる自然を背景にした、父から亡き妻、忘形見の娘に捧ぐ愛の人生の物語。 なぜか銃が前面に出てくる作品(狙撃手ものとか)が苦手で、タイトルからして苦手な気がすると勝手な印象を持ってしまい、これまで避けてしまっていた。 全然そんなことなかった、むしろ好き、読んで良かった一冊。 銃痕だらけの身体の父ホーリーと、娘のルー。 ひとところに落ち着くことのない放浪の生活を送っていたが、娘が12歳になったのを機にそろそろ根を張る頃合いとばかりに祖母の住む町、マサチューセッツ州オリンパスに腰を落ち着けた生活を始める。 稀有な家庭環境から、学校でも浮く存在となりがちなルーと、なんとか娘を普通の少女として社会に馴染ませたいホーリーの想いが交錯しつつの町での暮らしを描くルーの成長物語としての現在と、今や堅気の漁師だが、いわくありげなホーリーの身体に穿たれた銃痕のいきさつを巡る過去のパートが交互に語られるロードノベル的な展開。 過去が明らかになるにつれ、その過去に足を掬われそうになり、またホーリーの妻、ルーの母親であるリリーの死の経緯が2人の乗り越えるべく壁として立ちはだかってくる。 身から出た錆とも言うべき、のっぴきらない境遇、不確かな未来を歩まざるを得ないホーリーへは、本来であれば因果応報の言葉を投げつけて終わりになるところだが、改悛のきっかけが、いい思い出ばかりではないが何をおいてもぶれない最愛の亡き妻への想い、残された娘への愛情であるが故に、彼に赦しをお与え下さいと思えてくる。 歯ブラシと歯磨き粉に扮したハロウィンの2人のエピソードはほんとしんみりとぐっときた。 そして、過去が追いついて迎える結末は。。。 こんな展開にあってもそこにある大自然の美しさ、場面の詩的な情感が強調される流麗な文章で、描写が全然頭に入ってこなくて、でももうとにかく読み進めたが、そういうの全部ひっくるめてこの世界観といった体で完成度高し。 訳者の松本剛史さんのあとがきで語られた、「小説の技巧を熟知した作家の力量が感じられるが、しかしあとに残る深い読後感と感動はやはり、ひとつの作品に込めた当人の思い入れの強さがもたらすものだろう。本当にすぐれた小説は、この両者が組み合わさったときに初めて生まれる。そんな当たり前の事実を、訳出を終えたいま、あらためて感じさせられている。」にも唸らされた。 映画でも観たいと思わされる作品だが、意外にもそんな話は出ていなそう。

Posted byブクログ

2023/08/19

「父」で始まり「娘」で終わる物語。2人の「時間」と「心」が少しずつ近づいていく。 そして何より、アメリカの大地や自然があるからこそ紡がれる物語。 ただ、こんな酷い「児童虐待」の物語はない!

Posted byブクログ

2023/06/23
  • ネタバレ

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うーん,良い本なんだろうけど,そこまで好きになれなかった。分厚いので急いで読んじゃった自分が悪いのかもしれないが,設定として共感できるところがないのが要因かと。

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2022/12/31

錆びた鉄の匂い、水の匂いが本から溢れてくる。もし私に銃を撃った経験があれば、その匂いも、きっと感じた。 12の銃創のある父の過去の物語と、十代の娘の現在の物語が交互に語られて、父が何を恐れているのかわかっていく。物語はシビアだけど、語られるものはリリカルで美しい。読み終わった後、...

錆びた鉄の匂い、水の匂いが本から溢れてくる。もし私に銃を撃った経験があれば、その匂いも、きっと感じた。 12の銃創のある父の過去の物語と、十代の娘の現在の物語が交互に語られて、父が何を恐れているのかわかっていく。物語はシビアだけど、語られるものはリリカルで美しい。読み終わった後、すぐにまた、さらにゆっくり読み返したいと思った。

Posted byブクログ

2022/12/27

もっとストーリーにのめり込むことができれば、ラストも号泣しちゃいそうなのに。何かが足りない感じ。3.4

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2022/11/11

父と娘のロードムービーのような作品。父のホーリーが受けた銃弾の履歴が娘のルーの人生を作ったかのようだった。読んでいて「ザリガニの鳴くところ」の空気感に似ているなあと思っていたら、訳者後書きでそう触れられていた。こう書くと分かりにくい作品のように思えるが、そうではない。ホーリーとル...

父と娘のロードムービーのような作品。父のホーリーが受けた銃弾の履歴が娘のルーの人生を作ったかのようだった。読んでいて「ザリガニの鳴くところ」の空気感に似ているなあと思っていたら、訳者後書きでそう触れられていた。こう書くと分かりにくい作品のように思えるが、そうではない。ホーリーとルー、そしてルーの母親との絆が様々な表現で綴られている。銃創に命が宿るというのだろうか、そこに父親の強さを感じることができる。

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2022/11/05

やっと読み終えた……。父親、銃で撃たれすぎだし、娘を育てられる環境でもない、と思ったけど、訳者の解説で神話に絡めて触れられてて、そういう側面もあるのかと。下地の無い私にはなかなか見出せない感覚であった。 父親の過去と娘の現在の成長を交互に綴って話を展開していくのは良かった。 『少...

やっと読み終えた……。父親、銃で撃たれすぎだし、娘を育てられる環境でもない、と思ったけど、訳者の解説で神話に絡めて触れられてて、そういう側面もあるのかと。下地の無い私にはなかなか見出せない感覚であった。 父親の過去と娘の現在の成長を交互に綴って話を展開していくのは良かった。 『少女の成長』と言う点では、確かに『ザリガニの鳴くところ』と重ねながら読めると思う。しかし、父親がハードボイルド過ぎたし、祖母の個性強いというのも、米作品によく見かける設定だなと。

Posted byブクログ

2022/10/04

ハンナ・ティンティ。父娘で転居しながら暮らしてきた二人がとある港町に落ち着き暮らし始める。物語は娘が主役の現代編と若い頃の父親が主役の過去編が交互に繰り広げられ、やがて本の後半に父親の過去の友人が訪ねてきて物語が動き出すが、その動き出すまで長くまた退屈で何度か読むのをやめようと思...

ハンナ・ティンティ。父娘で転居しながら暮らしてきた二人がとある港町に落ち着き暮らし始める。物語は娘が主役の現代編と若い頃の父親が主役の過去編が交互に繰り広げられ、やがて本の後半に父親の過去の友人が訪ねてきて物語が動き出すが、その動き出すまで長くまた退屈で何度か読むのをやめようと思った。  ハードボイルド、青春、クライムと詰め込みすぎている印象でまたタイトル通り父親は過去編ごとに12回撃たれるが、1発は整備時の事故で、また3発まとめてのときもあり、弾数減らせばいいのにとさえ思った。   文章自体は読みやすく、登場人物も個性的だったがストーリーの続きが気にならず、ただ惰性で読み終えただけだった

Posted byブクログ