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春待ち雑貨店 ぷらんたん の商品レビュー

3.4

26件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

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2021/05/04

『子供を授かれない人。耳たぶがない人。何ら欠けたところのない完璧な人なんてきっとこの世にいなくて、たとえ外からではわからなくても、誰しも体や心のどこかにいびつなものを抱えながら生きている。そうやって、自分という人間とともに歩み続けている。』 そう、人間に完璧はない。だから、それを...

『子供を授かれない人。耳たぶがない人。何ら欠けたところのない完璧な人なんてきっとこの世にいなくて、たとえ外からではわからなくても、誰しも体や心のどこかにいびつなものを抱えながら生きている。そうやって、自分という人間とともに歩み続けている。』 そう、人間に完璧はない。だから、それを口にした瞬間に言い訳になってしまう。 『幸せというのも、四つ葉のクローバーを探すみたいに、必死に四つん這いになって探すものなんだ。それで、幸せの象徴ってことになったんだよ。』 『歩き疲れてへたり込んだり、単にひなたぼっこがしたくてすわったり、そんなとき何気なく地面に目をやると、四つ葉のクローバーを見つけることがある。幸せも、そういうものじゃないかな。』 勝ち取るのも、偶然見つけるのも、本人が幸せだって思えば幸せなんだと思うよ。 『大事なものを守るためには、ほかの何か、たとえば価値観や考え方を、犠牲にするしかない場合がある。』 そして、大事なものと犠牲にするものを天秤にかけてしまい、大事なものを守るという選択を放棄してしまうことがあることもあるんだ。

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2021/04/25

* ー私は多くの人が思い描くような、普通の女性ではないのです * 文庫化を知りすぐさま購入。京都の小さなハンドメイド雑貨店が舞台。悩みを抱えた色んな人が訪れる中で、店主の巴瑠にも抱えているものがあって人と向き合っていくお話。 . 言葉が一つ一つ深くて、小さい身体ながら懸命に生きる...

* ー私は多くの人が思い描くような、普通の女性ではないのです * 文庫化を知りすぐさま購入。京都の小さなハンドメイド雑貨店が舞台。悩みを抱えた色んな人が訪れる中で、店主の巴瑠にも抱えているものがあって人と向き合っていくお話。 . 言葉が一つ一つ深くて、小さい身体ながら懸命に生きる主人公に、幸せになって欲しいと心から思った。当たり前と思って悪気なく放つ言葉でも、実はある事情を抱える人にとったら胸に刺さる一言になる。と分かる場面が多々あり、あぁ苦しいよな…笑顔で過ごしてる人も何かしら悩みを抱えてるんだなと少し視点を変えてみることも必要と思った。 .

Posted byブクログ

2021/03/23

過去作品で感じた,日常の謎解きだけでは物足りない,物語の骨子(あるいはテーマ)を,知的生命体としての生の有り様に置くことによって,本作は明らかに深みと渋みを備えた.

Posted byブクログ

2021/03/21

表紙に惹かれ手に取ったら、岡崎琢磨さん。 喫茶タレーランの作者さん。 娘たちも愛読しているので、これは気に入るだろうと内容を確かめず購入。 いきなりおもーい内容で始まり、ちょっとびっくり。 表紙の可愛らしさはどこへやら。 でも、いろいろ考えさせられました。 個性というか、生まれ持...

表紙に惹かれ手に取ったら、岡崎琢磨さん。 喫茶タレーランの作者さん。 娘たちも愛読しているので、これは気に入るだろうと内容を確かめず購入。 いきなりおもーい内容で始まり、ちょっとびっくり。 表紙の可愛らしさはどこへやら。 でも、いろいろ考えさせられました。 個性というか、生まれ持った宿命というか。 娘たちはどのように捉えるかな? 読み終わったあとの報告会が楽しみのようでもあり、怖いようでもある…

Posted byブクログ

2021/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

京都御苑近くにある手作りアクセサリー雑貨店が舞台の日常の謎、ってだけでもうわくわくしちゃうわ。 しかもこの表紙、かわいい(ネットで見るとなぜかもっとぴんくっぽい) 雑貨店ぷらんたんの店主の女性が主人公。彼女が抱える「秘密」と、彼女の目の前に起こる「謎」たち。 タイトルと表紙からは想像できない結構ハードな秘密と謎。 ふんわりほわほわ寝る前読書のために手に取ったけど、逆に頭がさえてしまった(苦笑 自分に向けられる悪意たちと対峙するにはそれ相当な覚悟が必要だ。

Posted byブクログ

2021/03/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ちょっと面倒くさい性格の店主が経営する,手作りアクセサリーショップ「ぷろんたん」にまつわる連作短編. 「ひとつ、ふたつ」 店主と彼女の恋人の秘密についてのお話.いや,わかるんだけどさ,めんどくさい女だなーという印象. 「クローバー」 確かに,「はいつくばって探す」より「思いがけない瞬間に見つかるから」のほうがステキかな.卑怯な男とのことは吹っ切れたようで,めでたしめでたし. 「レジンの空」 クズの先輩のせいで引き起こされた騒動の話.本当にクズヤロー.傷害罪で訴えるべき(と思うが,それを難しく感じさせる日本の社会が問題か). 「手作りの春」 ぷろんたんが嫌がらせを受ける話.すり替えのトリックはいろいろ考えてみたのだけれども,結局謎解きされるまでわからなかった. どれも良質なミステリーで楽しませてもらいました.

Posted byブクログ