JR品川駅高輪口 新装版 の商品レビュー
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読書欲がほぼ無くなってしまった中で手に取ったこの作品に、ぐいぐい引き込まれた。 学校での友人関係に疲れ、家庭では居場所がなく、唯一の救いは亡くなってしまった祖母との思い出。 自殺サイトを覘き、書き込みもする。 だが、彼女に悲壮感はない。圧倒的な虚無感が漂う。 駅のアナウンス、車内での他人の会話、学校での友人の会話。否応なしにランダムに耳に入ってくるそれらの言葉は、届かない。 唯一届いたのが祖母の声。 死ぬことに引き込まれていた彼女が生に留まり、生きていることを実感したラストは圧巻。
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生きるって何でしょうね 仲間外れの学校、父親の不倫、母親は弟の受験でべったり じゃぁ私は? 波長合わせに苦労していたクラスメイトから仲間外れ・・・学校がつまらない 両親の愛情ってなんでしょう、、私ここにいる意味あるのかしら? 自殺掲示板で知り合った4人と山奥で集団自殺! ...
生きるって何でしょうね 仲間外れの学校、父親の不倫、母親は弟の受験でべったり じゃぁ私は? 波長合わせに苦労していたクラスメイトから仲間外れ・・・学校がつまらない 両親の愛情ってなんでしょう、、私ここにいる意味あるのかしら? 自殺掲示板で知り合った4人と山奥で集団自殺! するはずだった・・が!私だけ逃げた そう私だけ そしていつものようにつまらない日常へ 一緒に自殺しようとした3人は今頃どうしているのか? 遺体で発見されたのか?生き延びたのか?
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知らなかったのだが、『JR上野駅公園口』は、山手線の駅を巡るシリーズの実は第5作目であり、過去に4作品のシリーズ作品があるという。本書は2012年に出版された第4作にあたる作品であり、当初は『自殺の国』と題されていたものを、今回の文庫化に際して改題したものとなる。 筋書きは当初...
知らなかったのだが、『JR上野駅公園口』は、山手線の駅を巡るシリーズの実は第5作目であり、過去に4作品のシリーズ作品があるという。本書は2012年に出版された第4作にあたる作品であり、当初は『自殺の国』と題されていたものを、今回の文庫化に際して改題したものとなる。 筋書きは当初のタイトル通り、家族や学校での行き場を無くして亡き祖母との思い出だけが唯一自分を慰めてくれる少女が、ネット掲示板で出会った自殺志願者たちと自殺を計画する・・・という筋書きである。その出発点となるのが、品川駅である。品川駅は環状線の1駅でありながら、東海道に抜けていくターミナル駅であり、そこが本書での重要な舞台背景となる。 さて、肝心の小説の完成度は・・・と言うと、これはよくある自殺小説、という印象を拭いきれず、特段の強い印象には残らなかったのが正直なところではある。そういう点で、やはり著者の作品との相性は、あまり良くないのだということを再確認させられた。
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危うい心の動きが電車のアナウンス、乗客の会話をバックに表れている。車窓の風景や匂いさえ感じてしまうから、余計に百音の幾層にも膨らんで萎れた気持ちが切ない。
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主人公が周囲の人達に向ける冷静な視線が印象的でした。 遅く帰宅した父親に対する母親の怒りの度合を、母親がドアを閉めるときの音量で測っていたり、「イツメン」からなんとなく距離を置かれていることにも気づいてしまったり、その冷静さで他者から一歩引いてしまう。 けれどその冷静さのおかげで、彼女は死なないで済んだわけで、そのことに気付いて、「あのとき死なないでよかった」と思える日がいつか彼女に訪れてくれることを願います。
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生と死の違い。がテーマかな。 情景の描写が多く他人の会話で話が小説のいたるところで出てくるけど、特別な意味を持ってるとも思えない。けど、最後に聞こえてくる音だけは防げないっていう説明があって確かにそうかも、と思った。居場所のない少女。悲しい話
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私には難しかったし、読んでいて疲れた。 上野恩賜公園で生活している東北地方出身のホームレスが主人公で、その主人公の回想と現在がごちゃごちゃして、今なんの話になっているの?と思うことが多々あり、読んでいて疲れた。 これ、あとがきから先に読んだほうが良かったかも知れない。
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絶句した この小説を表す言葉を僕は多分持たない 生と死の境界はどこにあるんだろう なぜ私は生き、そして死ぬのだろう 果たしてこの世界に生きる価値なんてあるのだろうか 苦しいだけの友人関係 家族からの疎外 追い込まれる、孤独 死ぬのは簡単だ 黄色い線を踏み越えればいい はたまたわ...
絶句した この小説を表す言葉を僕は多分持たない 生と死の境界はどこにあるんだろう なぜ私は生き、そして死ぬのだろう 果たしてこの世界に生きる価値なんてあるのだろうか 苦しいだけの友人関係 家族からの疎外 追い込まれる、孤独 死ぬのは簡単だ 黄色い線を踏み越えればいい はたまたわざわざ死ぬ価値なんてあるのだろうか 僕は百音だ ここはいるべき場所ではないのかもしれない それでもこの世界は生きるに値する 居場所のない全ての人へ 百音の確かな歩みがそのことを力強く教えてくれる
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一年振りに小説を読みました。 10代の少女の現在に対する怒りと憤り、将来に対する無希望さが丁寧に描写されていて、10代の頃の不安定な気持ちを思い出しました。 やはり、小説は自己の気持ちの整理ができて良いものですね。
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『JR品川駅高輪口』柳美里 死にたい、と思ってみてるだけ。 わたしは、いま、生きている。 どんなに残酷でも、人生は生きるに値する。 ------ 山手線シリーズ。今回は女子高生が主人公。女子高生あるある描写が辛辣でよい。イツメン。 ああ、「自殺」を書いた柳美里さんなら...
『JR品川駅高輪口』柳美里 死にたい、と思ってみてるだけ。 わたしは、いま、生きている。 どんなに残酷でも、人生は生きるに値する。 ------ 山手線シリーズ。今回は女子高生が主人公。女子高生あるある描写が辛辣でよい。イツメン。 ああ、「自殺」を書いた柳美里さんならではだなあ。 最後に救いがあってよかった。 やはり雑踏の描写が抜群。読みながらぼんやりと私も山手線に揺られている。すれ違う名前も知らない人々の人生を垣間見る。
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