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JR品川駅高輪口 新装版 の商品レビュー

3.2

30件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

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2022/09/26

「でも、上とか下とかないから、アレは別にいいんだよ。でも、まぁいちおう報告はしたからね、」 「それよかさ、店決めた? なにその顔、ぜ〜んぜん決めてませんって顔?」 すれ違った人々の会話の切れ端、そんなものが軽くて逆に古くさく感じるのは気のせいでしょうか。ものすごく早くあっさり読め...

「でも、上とか下とかないから、アレは別にいいんだよ。でも、まぁいちおう報告はしたからね、」 「それよかさ、店決めた? なにその顔、ぜ〜んぜん決めてませんって顔?」 すれ違った人々の会話の切れ端、そんなものが軽くて逆に古くさく感じるのは気のせいでしょうか。ものすごく早くあっさり読めた。2016年で6年前だから?あえて軽〜い薄っぺらい言葉にしてる? 上野駅や高田馬場の方が厚みとか重みを感じた。でもまあこれだけは救いがあるだけ良かったのかな。

Posted byブクログ

2022/08/27

なんだろ、普通。。。 達者な書き手ではあるけれど、10代のリアルの再現度はでは当然最果タヒとか桐島部活やめるってよの人には敵わない。 息を吐かせない読ませ力はあるけれど、読み終わってそんなに多くのものが残らない。 度々語り手=視点が微妙に変化したり聴覚情報が炸裂するけど、そういっ...

なんだろ、普通。。。 達者な書き手ではあるけれど、10代のリアルの再現度はでは当然最果タヒとか桐島部活やめるってよの人には敵わない。 息を吐かせない読ませ力はあるけれど、読み終わってそんなに多くのものが残らない。 度々語り手=視点が微妙に変化したり聴覚情報が炸裂するけど、そういった語りの変化が物語に作用したり深みを与えているわけでもない。 原発事故の話も、関西脱出的な話としか絡まないし。もうちょっとオシャレにできたんじゃないだろうか。 不倫も受験も集団自殺もわりと手垢のついたネタだよね。 ハブられと声をかけてくれるクラスメイトのくだりは嫌いじゃなかった。逆にいうと残るのってそれくらい。。。

Posted byブクログ

2022/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公は、自殺実行日になっても、コインロッカーの事を気にしたり、自分だけ睡眠薬を飲まなかったりと、死ぬ気があるようには見えません。 「死にたい」という強い欲求を持つ3人の自殺志願者。「生きたい」という健常者なら当然に持つ欲求がなくなってしまった主人公。そこの違いだと思います。これは、理解できる人とできない人がいると思います。 人は、誰かに認められないと生きていけないのですね。仲良しグループから浮いていて合わせるのに必死とか。両親不仲で、2人とも自分以外の存在に愛情を向けているとか。イジメには至ってなくても、衣食住満たされていても、人が生きる為には、他人に必要とされることが必須なのだと思います。 主人公が生の手網を手放した時に、それを引き戻したのは、皮肉にも淀川さんの心からの「ありがとう」なのでしょう。彼から承認してもらい、朦朧とした中で無償の愛を注いでくれたおばあちゃんを思い出し、主人公は生の世界に戻ります。 戻った世界は何も変わってなくて苦しいまま。それでも生きなければならないんだと思うようになった理由は、今の私にはまだ分かりません。作者は自殺未遂経験があるようなので、そこに至らないと分からない感覚なのかもしれません。多分理屈ではないのでしょう。 1年ほど前に読了した品川駅の退廃的雰囲気が好みだったので、衝動買いしましたが、10数年ほど前の時代設定であろうに「アゲアゲ」だの「サゲサゲ」だの、私が生まれてこの方言ったことすらない単語があたかも若者言葉のように多用されていて、萎えてしまいずっと積んでいました。 その後、色々あって鬱になり、希死念慮と戦う中で何となくこの本を手に取りました。元気な時に読んでたら、評価低かったと思います。

Posted byブクログ

2022/02/28

擬音の中の文章以外は概ね読みやすい。特に中盤〜終盤。あの文章は読まなくても差し支えないということ?現代文的に言えば読み飛ばし。 死にたいと言葉にしつつ行動との乖離が激しい主人公に苛々する。 死に向かって生きるっていうけど現実問題そんなこと言ってたらキリないよね。 女子ならわかるよ...

擬音の中の文章以外は概ね読みやすい。特に中盤〜終盤。あの文章は読まなくても差し支えないということ?現代文的に言えば読み飛ばし。 死にたいと言葉にしつつ行動との乖離が激しい主人公に苛々する。 死に向かって生きるっていうけど現実問題そんなこと言ってたらキリないよね。 女子ならわかるよね、って気味悪い雰囲気が節々に散りばめられている。やけにリアルでそこは好き。

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2022/02/09

家庭でも学校でも浮いた存在で 誰も自分を必要としていないと感じ 自殺サイトに書き込みをする日々。 それでも大事にしてくれたおばあちゃんを思い出し なんとか生に繋ぎ止められている。 若い頃の苦しみが伝わってくる。 娘たちがこんな思いをしていませんように。

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2022/02/05

柳美里の山手線シリーズの4作目?かな。僕にとっては『上野駅公園口』の次。16歳、女子高生の主人公が友人関係や家族の関係に疲れと失望を覚え、自死にいたろうとする話。物語の9割は主人公のモノローグで、情報のモザイクのような山手線内の情景を意識の流れと共に追う。ゆっくりと自死に向かおう...

柳美里の山手線シリーズの4作目?かな。僕にとっては『上野駅公園口』の次。16歳、女子高生の主人公が友人関係や家族の関係に疲れと失望を覚え、自死にいたろうとする話。物語の9割は主人公のモノローグで、情報のモザイクのような山手線内の情景を意識の流れと共に追う。ゆっくりと自死に向かおうとするのだが、決して重苦しくない。かなり客観的で明るい口調のモノローグとして、しかし確実に人生に失望し、それほど確信がない中でゆっくりと自死に向かっていこうとする。 このシリーズでは唯一はっきりと救いのある結末を迎えるそうだ。自死という生々しさは、実存を嫌な意味で浮き彫りにさせる。社会にとって、世界にとっての正しさとは何なのか。最近はすごく考えてしまう。

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2021/12/14

外見は明るく流行に敏感な一般的は女子高生。だが、実際は、自分には居場所がないと感じている。 駅のアナウンスや周囲のざわめきが描写に盛り込まれていた。そのことから、少女の世界が現実世界から隔離されていることが読み取れた。 思春期だったあの頃にタイムスリップしたかのような一冊だった。

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2021/10/17

「山手線シリーズ」第4作 もともとは、2016年に出版された『まちあわせ』を改題したもの。その経緯については、著者による「新装版あとがき」にて説明されている。 第5作があの『JR上野駅公園口』なので、遡って、逆回りの山手線にのっているような感じです。 『JR上野駅公園口』が時...

「山手線シリーズ」第4作 もともとは、2016年に出版された『まちあわせ』を改題したもの。その経緯については、著者による「新装版あとがき」にて説明されている。 第5作があの『JR上野駅公園口』なので、遡って、逆回りの山手線にのっているような感じです。 『JR上野駅公園口』が時間軸が長く時代背景の知識もある程度必要とされ、また観念的な記述も多く、決して読みやすくはなかったが、こちら『JR品川駅高輪口』はその点、わりと近い過去の話し、若き高校生が主人公でもあるので、すんなりと読めると思う。 家族間でも、学校内の友人関係でも、疎外感をいだき、表面上はつくろっているものの、死を、方法や手順は明確にではあるけれど、感情的には漠然と希求する主人公にハラハラさせられつつ読み終えた。

Posted byブクログ

2021/08/31

生きるって何だろうな、死ぬって何だろうな。 そんなことを思った時の車内や学校の会話の嗚呼煩わしさよ。 最後にユミリさんの作家としてのテーマがあとがきに凝縮されていたのでここに。 「小説家の仕事は、日々刻々とあらゆる出来事が生じ、目や耳に留める間もなく消えていくこの世界から、一人...

生きるって何だろうな、死ぬって何だろうな。 そんなことを思った時の車内や学校の会話の嗚呼煩わしさよ。 最後にユミリさんの作家としてのテーマがあとがきに凝縮されていたのでここに。 「小説家の仕事は、日々刻々とあらゆる出来事が生じ、目や耳に留める間もなく消えていくこの世界から、一人の人物を浮き立たせ、その存在を明るみに出すことである。」

Posted byブクログ

2021/08/25

山手線三部作の中ではこれが一番救いのあるような気がしたが、主人公の女子高生がなんというかおばさんっぽくて、リアリティーがないというか…。綿密な取材の上に成り立っている上野の方が面白かったし、リアリティーは高田馬場の方がもっとあって共感できた。

Posted byブクログ