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起業の天才! の商品レビュー

4.6

127件のお客様レビュー

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2021/05/08

リクルートを創業し、巨大企業に育て上げた江副浩正の生い立ちから、死去までの栄枯盛衰の経緯を、丹念な取材をもとに明らかにした力作。 一定の年齢以上の方であれば、「リクルート事件」として江副の名を記憶しておられると思うが、本書ではそれについても詳細な経緯を、江副に対する検察の取り調...

リクルートを創業し、巨大企業に育て上げた江副浩正の生い立ちから、死去までの栄枯盛衰の経緯を、丹念な取材をもとに明らかにした力作。 一定の年齢以上の方であれば、「リクルート事件」として江副の名を記憶しておられると思うが、本書ではそれについても詳細な経緯を、江副に対する検察の取り調べの模様までも含め明らかにしている。 本書によれば、江副自身に企業経営のとびぬけた才能があるわけではなく、優秀な人材を見抜き自分の周りに置くことに長けていたことがわかる。 一方で、情報社会となっていくであろう将来を見据えるカンは鋭く、やり方によってはリクルートが日本のGAFAになっていた可能性があったことも本書は明らかにしていて、もし、そうなっていれば「日本の失われた20年」(30年?)もなく、ICTの分野においても日本のプレゼンスを強くできたかも、と思うと非常に残念でならない。 本書によれば、江副の暴走は、他の成功したベンチャー企業と違い、創業者の暴走を抑えるエンジェル投資家がいなかったことにより起こったとしている。 残念ながら、日本からは今のところ世界的な企業になったベンチャー企業は登場していないが、全てのベンチャー企業経営者、およびこれから起業を目指す人たちはぜひ本書を読んで今後の指針とされてみてはいかがだろうか。 もちろん、私のような一般の読者にとっても本書は、現在も続く巨大企業の裏側を知れる貴重な読み物として十分に楽しめるものであることは間違いない。

Posted byブクログ

2021/05/05

事件は名前くらいしか知らず、リクルート出身者の異様なまでの営業力や今現在でもある各媒体の印象しかなかったため、それらを詳細に知ることが出来た。 江副氏の番頭になるような人物がいれば、違った未来があったように感じる。

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2021/05/04

引き込まれて一気読み。 恵まれているとはいえない生い立ちから学生運動を斜めに見ながらの学生新聞広告営業、そして起業。 私の周囲のリクルート出身者はだいぶ前に軒並み「卒業」しているが、彼ら彼女らの中にもこの本の中にあるどこか学生のサークルのような勢いが感じられたことを思い出した。時...

引き込まれて一気読み。 恵まれているとはいえない生い立ちから学生運動を斜めに見ながらの学生新聞広告営業、そして起業。 私の周囲のリクルート出身者はだいぶ前に軒並み「卒業」しているが、彼ら彼女らの中にもこの本の中にあるどこか学生のサークルのような勢いが感じられたことを思い出した。時価総額7兆円企業となってもなお大企業病とは無縁な組織のあり方は、イノベーションを志向する成熟した大企業にとって学ぶところばかりだ。

Posted byブクログ

2021/05/02

小学生の頃に、「リクルート事件」がマスコミを賑わせていたことを記憶していたので、リクルートひなマイナスなイメージが強かった。しかし、この本の書評が軒並み良かったので手に取ってみた。 江副氏には、日本人がなかなか持っていない創造力に富み、先を読むことに秀でていたことがよくわかった。...

小学生の頃に、「リクルート事件」がマスコミを賑わせていたことを記憶していたので、リクルートひなマイナスなイメージが強かった。しかし、この本の書評が軒並み良かったので手に取ってみた。 江副氏には、日本人がなかなか持っていない創造力に富み、先を読むことに秀でていたことがよくわかった。ただ、謙虚さがないと、その野心というものが恐ろしい力を帯びていくのだということも学べた。特に起業を考えている方には非常に参考になると思う。

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2021/04/28

帯の「おまえら、もっといかがわしくなれ!」って江副氏の言葉なんかなと思って読んでたら全然違っててウケた

Posted byブクログ

2021/04/22

Japan as No.1の時代を振り返り「もしかしたら日本からGAFAが生まれていたかもしれない」という主張を見るたびに冷嘲していたが、「江副氏だったらひょっとして」と思わせるビジョナリーさと行動力がある。まさに起業の天才。彼の周りに集う人々もジェフベゾス、中内㓛、稲盛和夫、土...

Japan as No.1の時代を振り返り「もしかしたら日本からGAFAが生まれていたかもしれない」という主張を見るたびに冷嘲していたが、「江副氏だったらひょっとして」と思わせるビジョナリーさと行動力がある。まさに起業の天才。彼の周りに集う人々もジェフベゾス、中内㓛、稲盛和夫、土光敏夫、真藤恒、牛尾治朗、飯田亮、森稔、盛田昭夫など超一級の起業家たちだ。しかしそこにあったのは「銀の匙を加えていない者」の焦燥感と孤独であったように思う。リクルート事件を江副氏個人の責にするのは簡単であるが、エスタブリッシュメントやレガシーが日本の趨勢を握っていた(そして今も)結果と解すことができよう。 前半の血沸き肉躍る勃興物語に反して、不動産にのめり込みロビー活動に精を出し、そうした結果リクルート事件により中内氏に保有株を委ねる姿は何とも痛まれない。ダイエー配下になったあとの、河野氏らの創業者江副氏に対する態度は裏切られた思いが強い愛を強い憎しみに変えてしまったように思う。 江副氏という傑出の起業の天才の高揚と悲哀を本書で感じてほしい。

Posted byブクログ

2021/04/20

個人的な関心もあってすごく読んでみたかった作品。自分は1990年から社会人を始めたのだけど江副さんが逮捕されたのが1989年。ちょうど自分が就職活動をしていたタイミングがリクルートという会社が世間からめちゃくちゃに叩かれていた時期だった。まだバブルの尻尾くらいの時期で売り手市場だ...

個人的な関心もあってすごく読んでみたかった作品。自分は1990年から社会人を始めたのだけど江副さんが逮捕されたのが1989年。ちょうど自分が就職活動をしていたタイミングがリクルートという会社が世間からめちゃくちゃに叩かれていた時期だった。まだバブルの尻尾くらいの時期で売り手市場だったので面白半分といっては怒られるけどもいろんな会社を受けたのだけどリクルートも受けていて、当時も超人気企業で例年だったらすぐ落とされちゃう自分みたいな者にも内定をくれたのだった。結局、製造業志向だったこともあってIT会社を選択したのだけれどそういう因縁もあって非常に興味深く読んだ稀代の起業家である江副浩正の一代記。アメリカのベンチャーの話を読んだ時に世の中にあるべきなのに無いものを俺が作る、という起業でないと成功しない、とあってなるほどな、と思ったのだけど正にそういう起業の物語。帯にジェフ・ペゾスの上司だった、とあるけどこれも本当でペゾス(さらっと触れられているけどやっぱり優秀さが尋常ではない)が勤めていた国際決済のベンチャー企業をリクルートが買収した時期があったらしい。求人情報から始まり様々な情報を商売のネタにして会社を拡大したところは実はGoogleのかなり先を行っていたし、大型の電算センターを作ってAWSのかなり先を行っていた、というあたり稀代の起業家の名に恥じないだろう。また、創業期の社員たちの〜時には今ならアウトだろみたいなことも含めて〜活躍も読んでいてすごく楽しい。製造業志向ということともう一つ、自分にはリクルートで活躍できるバイタリティが無いな、と思ったことも選ばなかった理由の一つ。そして…入ったら金融関係を…と言われていたがこれを読んでやめといて良かったとつくづく思った(笑) 後半のリクルート事件について作者の見立ては既得権益を奪われたマスコミをはじめとする古い体制に半ば嵌められたという印象なのだがそれが正しいとすると自分も同感。周囲の敵意に気がつかず不用意に脇腹を晒してしまったところが失敗なのだろう。読んでも何があれだけの人を有罪にした犯罪だったのかいまいち分からない。そして本筋ではないが検察の取り調べが酷い。まるで古い映画に出てくる特高警察そのものでこんな取調べがまだ行われているのなら後進国そのものではないかと思った。江副さんのDVみたいなこともきちんと書いてあって公平な評伝といった印象。とにかく面白かった。おすすめです。そういえば俺の中内功の評伝借りたまま返してない奴いるな…ということも思い出した(笑)

Posted byブクログ

2021/04/18

リクルート創業者の江副氏の伝記。 自分も(直系ではないが)亜流?のリクルート系に所属した身として、 江副さんの話は色々聞いたことがあったけれど、 体系的に江副さんの話を聞いたことはなかったし、 リクルート事件がどういったものだったのかもしっかり理解していませんでした。 帯のジェ...

リクルート創業者の江副氏の伝記。 自分も(直系ではないが)亜流?のリクルート系に所属した身として、 江副さんの話は色々聞いたことがあったけれど、 体系的に江副さんの話を聞いたことはなかったし、 リクルート事件がどういったものだったのかもしっかり理解していませんでした。 帯のジェフ・ベゾスは江副氏の部下だったというのは、 言い過ぎで(本を売るための商業的な匂いがして)好きにはなれませんでしたが、 本の内容自体はとても面白かったです。 江副さんの時代を読む目は天才的だったものの、 違法ではないギリギリのラインを進む価値観は 個人的には好きにはなれなかったです。 それが結果的にリクルート事件へと進むことになってしまうのかもしれません。 リクルート事件の解釈も難しいですね。 確かに検察のやり方も行き過ぎていたでしょうし、 江副さんのやり方も道義的・倫理的には黒に近いグレーのように感じました。 (ただ、今あのやり方をしていれば、無罪になっていたかもしれないですね。) 個人的には、リクルート事件で、あの人が逮捕されていたの…という驚きもありました。 江副さんのスティーブ・ジョブズばりの口説き文句や発言には、とても驚かされました。 バカ高いスパコンをNECから買って、「これは採用費です」と言い切ったり、 「学生の間は、歴史を学ぶが、社会人になってからは歴史をつくるんだ」とか、 こんなこと言われたら、身体に電流が走りそうですね。。 同時に興味深かったのは、今や古い日本企業の典型とも言えそうなNECやNTTのトップに未来を見る確かな眼があったということ。 リクルート事件がなければ、日本がネット時代の覇者になる可能性もあったんじゃないか、と 確かに思えてしまいます。 自分のまた聞いた江副ストーリーは、 亜流だからかこの本の中にはあまり書かれていませんでしたが、 江副さんってこういう人生を歩んできたんだな、というのはよく理解できました。 江副氏の伝記なだけあって、江副氏よりなストーリーになってはいると思いますが、 それを差し引いてもスリリングで面白い物語だと思います。

Posted byブクログ

2021/04/18

リクルート創業者の江副が、いかにして時価総額8兆円のリクルートを築き上げたのかをわかりやすく紹介してくれている。 紙媒体による広告が主流であった時代に、情報そのものが持つ価値に目をつけて、インターネット時代の到来を誰よりも早く予見していたことは、驚愕に値する。SUUMO、リクナビ...

リクルート創業者の江副が、いかにして時価総額8兆円のリクルートを築き上げたのかをわかりやすく紹介してくれている。 紙媒体による広告が主流であった時代に、情報そのものが持つ価値に目をつけて、インターネット時代の到来を誰よりも早く予見していたことは、驚愕に値する。SUUMO、リクナビ、とらばーゆなどの前身は紙媒体で、サービス開始時から情報の円滑化こそが付加価値であると江副は見抜いていたことが、興味深い。 江副はリクルートの歴史では創業者と言うよりも、リクルート事件の首謀者として語られることが多く、彼自身の生い立ちはリクルートでの振る舞いには注目されていない。本書では、リクルート社員のみならず、NTT、KDDI、パナソニック、ダイエーなど、大企業の経営者との繋がりも詳述しており、リクルートの歴史から見る日本経済の歩みも概観することができた。 今でも、リクルートといえば、「ビル倒し」「〇〇年以内に転職して起業」など積極的な営業スタイルや当事者意識の強い社風が想起されるが、こうした社風の根幹となっているのは、創業者の江副が常に現状維持に甘んじず、未来に目を向け続ける姿勢かも知れない。

Posted byブクログ

2021/04/16

 アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏も彼の下で働いていたことがある。その彼とは、リクルートの創業者江副浩正氏である。  江副氏といえば、起業家というよりも、「リクルート事件」の張本人として語られることが多いと思う。本書は起業家としての江副浩正という人間に焦点をあてて書かれており、と...

 アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏も彼の下で働いていたことがある。その彼とは、リクルートの創業者江副浩正氏である。  江副氏といえば、起業家というよりも、「リクルート事件」の張本人として語られることが多いと思う。本書は起業家としての江副浩正という人間に焦点をあてて書かれており、とても興味深く読むことができた。  彼は、いち早く「情報」が持つ価値に気づいた。また、性別や学歴に囚われずに人材を登用していった。彼の事業を「虚業」と評した経営者がいた。リクルートは得体の知れない会社と見なされていた。そして江副氏は脇の甘さをつかれ、潰されることになる。誰に。当時の日本人のメンタリティや企業文化に。彼の合理性と儒教的発想が相容れないのだ。ちなみにこれ、大河ドラマの渋沢栄一が作ったといわれる(論語と算盤か)。旧態依然の新聞やテレビといったマスコミ、検察に代表される「権力」。変わらぬ夢とを続ける者たち。  確かにリクルート事件がなかったならば、日本からGAFAに匹敵する企業が現れたかしれない。「リクルート事件」と「失われた30年」、この二つは密接に関係しているように書いているが、実際どうだったろうか?

Posted byブクログ