私の頭が正常であったなら の商品レビュー
この世の理の外にあるものがふっとこぼれ落ちてきたような場面。 死の影の上で弾んで、影の形を少しだけ変えるような。 自分と伴侶とまだ幼い子どもにまつわる喪失の物語。 死は人を苦しめるけど、人の人生に寄り添っている。だから少し、優しいと感じる時がある。 著者の正体を知り、いやーーー...
この世の理の外にあるものがふっとこぼれ落ちてきたような場面。 死の影の上で弾んで、影の形を少しだけ変えるような。 自分と伴侶とまだ幼い子どもにまつわる喪失の物語。 死は人を苦しめるけど、人の人生に寄り添っている。だから少し、優しいと感じる時がある。 著者の正体を知り、いやーーーーー納得。 いやはや寡聞にして知らずでした。名前は何度か目にしてたはずなんやが。 幽霊の存在がロジックの背骨になってるミステリだと麻耶雄嵩の『名探偵 木更津悠也』が大好きなんだけど、「世界で一番、みじかい小説」にちょっと上書きされたかも。 「トランシーバー」も良かった。
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ヒヤリとしたり、ゾクっとしたり、ホロっとしたり。この話はどこへいくのかな…とドキドキしながら読んだ短編集。
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山白朝子は乙一の別名義とのこと ホラーファンタジーとでもいうのか。 知らずに(最初に選んだ時は知ってたはずだけど忘れてた)読み始めて、なんだ苦手なホラーかよと思ったが、おどろおどろしいなんてことはなく、最初の話はユーモアもあり、サスペンス要素もあり、最後の話はファンタジーで、ほっ...
山白朝子は乙一の別名義とのこと ホラーファンタジーとでもいうのか。 知らずに(最初に選んだ時は知ってたはずだけど忘れてた)読み始めて、なんだ苦手なホラーかよと思ったが、おどろおどろしいなんてことはなく、最初の話はユーモアもあり、サスペンス要素もあり、最後の話はファンタジーで、ほっこり。 乙一のおすすめ1位になってた「失はれる物語」を読みたい本リストに入れておいた。
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面白かったけど、期待しすぎた感。 1番最初の【世界で一番、みじかい小説】が先が気になって仕方ないくらい面白い進み方だっただけに、結末がそんなに捻りがなくてガッカリしてしまった… 自分の中でその期待の差が温度差になってしまっただけで、切ない話も不気味な話もあって、良い1冊だと思う。...
面白かったけど、期待しすぎた感。 1番最初の【世界で一番、みじかい小説】が先が気になって仕方ないくらい面白い進み方だっただけに、結末がそんなに捻りがなくてガッカリしてしまった… 自分の中でその期待の差が温度差になってしまっただけで、切ない話も不気味な話もあって、良い1冊だと思う。 最後に知ったまさかの著者の正体!笑 なるほど言われてみれば。 個人的には 【子どもを沈める】 【おやすみなさい子どもたち】 が好き。
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初見の時タイトルで少しギョッとしたが、切なくも希望が持てる話だった。全体的に暗く辛い話で始まるが、最後には仄かに光が見えます。
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淡々と綴られた一つ一つの物語の完成度が高く、どれも楽しんで読んだ。 ホラーな要素を漂わせ、死を扱っていながらどこか救われる気持ちになる短編集。切なくなるし、悲しくて心が追いつかないものもあるし、泣きたくなる。でも生きていかねばならない気持ちに寄り添い、色んな人生を肯定し昇華させる。そういう慈愛に満ちていると思った。 表題作とラストの「おやすみなさい子どもたち」が印象に残っているだろうか。生きる者への慰めを感じるいい物語だった。
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図書館にて。 どの作品もものすごく良かった。 乙一さんの小説を夢中になって読んだ昔を思い出した。 「世界で、一番短い小説」のラスト近くのフレーズがすごく好き。そんな幸せな考え方を持ったことはなかった。ありがとう。 「子供を沈める」強烈だった。希望がある、力強い物語。 「トランシー...
図書館にて。 どの作品もものすごく良かった。 乙一さんの小説を夢中になって読んだ昔を思い出した。 「世界で、一番短い小説」のラスト近くのフレーズがすごく好き。そんな幸せな考え方を持ったことはなかった。ありがとう。 「子供を沈める」強烈だった。希望がある、力強い物語。 「トランシーバー」他のアンソロジーでも読んだことがあったけれど、何度読んでも名作。 「私の頭が正常であったなら」絶望の中の希望。私にも娘がいる。涙が止まらなかった。 この本が欲しい。ぜひハードカバーで。
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ホラー、ミステリー、SF的要素の混じった短編集。文章が、とても読みやすく変に文学ぶってなく、映画のように情景が目に浮かぶ。それぞれの話が、全然別のタイプながら展開が早くてひねりもあって、読み終えた後、なるほど、と納得感があった。通勤電車での暇つぶしには最高だった。 表題作は、特...
ホラー、ミステリー、SF的要素の混じった短編集。文章が、とても読みやすく変に文学ぶってなく、映画のように情景が目に浮かぶ。それぞれの話が、全然別のタイプながら展開が早くてひねりもあって、読み終えた後、なるほど、と納得感があった。通勤電車での暇つぶしには最高だった。 表題作は、特に良かった。今後思い出すと思う。 そのほか、トランシーバーや、天使や、布団もすごく印象に残った。
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表題作が本当によかった。少し泣いてしまった。失われた人は戻ってこないけど。主人公が頑張ってくれてよかった。 ほかのお話も面白く色んな仕掛けがしてあって好き!何回も読み返したくなる短編集。人間の嫌なとこ、素敵なとこが見えるお話たち。
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乙一さんに別のペンネームがあるとは全く知らなかった。 ブグログで知ることができて本当に良かった。 どうしてこの人の文章はハマるのだろう。 心地よい。 ちょっと不思議で切ない八篇の短編集。 特に表題作が素晴らしい。 読み終えてすぐに読み返した。
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