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神様には負けられない の商品レビュー

3.5

29件のお客様レビュー

  1. 5つ

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2021/10/09

義肢装具士を目指し専門学校に通う3人の若者たちの物語。勉強も実技も大変だが、夢に向かって進んでいく姿は応援したくなる。ヒロインは一度会社勤めをして辞めてから専門学校に入り直してその道を目指している。 知らなかった世界のことを知ることができて驚くことも多いし、社会はまだまだバリアフ...

義肢装具士を目指し専門学校に通う3人の若者たちの物語。勉強も実技も大変だが、夢に向かって進んでいく姿は応援したくなる。ヒロインは一度会社勤めをして辞めてから専門学校に入り直してその道を目指している。 知らなかった世界のことを知ることができて驚くことも多いし、社会はまだまだバリアフリーには程遠いんだなぁと思わされる。 清々しい話。

Posted byブクログ

2021/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いわゆる山本さんのお仕事小説なのかな。今回は「義肢装具」を作るお仕事、というか専門学校に通う人たちの物語。義肢装具ってなかなか間近で見ることがないせいか、専門用語が多くてわかりづらい部分はあるのだが何とか想像しながら読んでいた。障害を持っている人にはとても大切なもの。そしてそれを作ることの苦労や現実、バリアフリーについてなど勉強になることもたくさんあった。と言っても重い話にならないのが山本さんの持ち味だなとも思う。登場人物の明るさが気持ちを前向きにさせてくれる。他の作品の店名や登場人物も出てきて、山本作品ファンは更に楽しめたのではないだろうか。

Posted byブクログ

2021/06/10

何が神様に負けられないかというと、人体創造だ。 そう聞くとぎょっとなるが、 義肢装具士を目指す専門学生たちの物語。 利用者が痛みや不自由を感じず、 身体の一部分のように動かせる義肢装具を作ることは、 神のなせる業に近いということから来てる。 義肢装具士の仕事は、まるで職人のよう...

何が神様に負けられないかというと、人体創造だ。 そう聞くとぎょっとなるが、 義肢装具士を目指す専門学生たちの物語。 利用者が痛みや不自由を感じず、 身体の一部分のように動かせる義肢装具を作ることは、 神のなせる業に近いということから来てる。 義肢装具士の仕事は、まるで職人のよう。 基本的な知識を学び技術を体得するのはもちろん、 利用者ごとに義肢装具をつくる必要がある。 角度や大きさ、湾曲や水平・垂直を、 ほとんど手作業でミリ単位の誤差を整えていく。 「神様には負けられない」は、 そんな地道な作業を励ます言葉でもある。 業界特有の専門用語も多い。 物語にまぶしながら、キャラクターを活かしながら、 容易に簡潔に教えてくれる。 物語に引き込みながら、 業界の構造や課題をさらりと折り込む技に、 惚れ惚れとする。 そして何より、人と人の結びつきがいい。 メイン登場人物3人は、優等生タイプではないけれど、 義肢装具士にかけるそれぞれの想いを持っている。 事情や想いは違っても、熱の高さは共通だ。 こうした仲間に出会えることは、貴重で幸せだと思う。

Posted byブクログ

2021/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

山本幸久さんの小説が大好きです。他の作品のキャラクターがちょこちょこ出てくるのも、山本幸久さんファンのわたしには嬉しいけど、身内受けっぽくなって嫌な人もいるかな?と。 今回は義肢装具士がテーマで、全く触れたことのない世界の話だったけど、他の山本幸久さん作品同様キャラクターに愛着が沸きやすく、とても興味深く読めました。 タイトルの神様には負けられない、に込められた意味も良かったなぁ。

Posted byブクログ

2021/05/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

義肢装具士を目指す学生の物語。初めて耳にする職業、専門用語の羅列で内容がちっとも入ってこなくて何度も挫折しかけた。登場人物のキャラ設定が面白くようやく自分の中で確立してきた頃に物語が動きだし感情移入しまくりだった。闇討ちしちゃったのはかなりびっくり。登場人物が多すぎてとっちらかってしまいそうになりながらも読了できたのはよかった。面白かったけれどあれもこれもと盛り込みすぎだったような気がした。

Posted byブクログ

2021/04/15

 お仕事小説と簡単には片づけられない。新しい世界の存在を教えてくれた。  ただ、山本幸久にしては笑いが無いな。(笑)

Posted byブクログ

2021/03/22

二階堂さえ子は7年勤めた内装会社を退職後、義肢装具士を目指し医療福祉専門学校へ通う。クラスメイトは19、20歳と若い。26歳のさえ子は同じ班の戸樫、真純と一緒に義肢装具士になるため学んでいく。技術だけでなく、どうすれば義肢ユーザーのため〈ほんとのバリアフリーの世界〉に変えられるの...

二階堂さえ子は7年勤めた内装会社を退職後、義肢装具士を目指し医療福祉専門学校へ通う。クラスメイトは19、20歳と若い。26歳のさえ子は同じ班の戸樫、真純と一緒に義肢装具士になるため学んでいく。技術だけでなく、どうすれば義肢ユーザーのため〈ほんとのバリアフリーの世界〉に変えられるのか。いろいろな人と出会い、そこからしっかりと自分を見つめ直していく過程が良かった。

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2021/03/14

+++ 内装会社でバリアフリー店舗を手がけたのをきっかけに、25歳で義肢装具士の専門学校に飛び込んだ二階堂さえ子。苦手の製作実習を助けてくれたクラスのはぐれ者2人の熱にあてられ、芸者やカメラマン、人力車夫など多彩な義肢ユーザーと出会い、少しずつ見え始める「ほんとのバリアフリー」。...

+++ 内装会社でバリアフリー店舗を手がけたのをきっかけに、25歳で義肢装具士の専門学校に飛び込んだ二階堂さえ子。苦手の製作実習を助けてくれたクラスのはぐれ者2人の熱にあてられ、芸者やカメラマン、人力車夫など多彩な義肢ユーザーと出会い、少しずつ見え始める「ほんとのバリアフリー」。そして、未来の自分。 +++ 義肢装具士のお仕事小説で、知らなかったことをさまざま知ることができて、とても興味深かったが、決してそれだけではない。主人公のさえ子と仲間たちの奮闘と成長の物語でもあって、三人の関係性の変化や、それぞれが補い合って高め合っていく過程を応援したくもなる。さえ子のキャラは、初めはもっと消極的でいじいじしているように見えたが、次第に芯が固まっていくような印象だった。ただ、前職ではかなり手腕を発揮していたようなので、単に、装具士としての自信が持てなかったからだったのだろう。読み進めるほどに先を知りたい欲求が増していく一冊だった。

Posted byブクログ

2021/02/22

高校卒業後7年勤めた会社を辞め、義肢装具士の専門学校に入学したさえ子を主人公にしたお仕事小説。義肢装具士という職業はまったく知らず、その仕事の内容を授業を通して一緒に教わった。時期が時期だけにパラリンピック絡みの話になるのかと思いきやそんなこともなく、真面目一本なのかと思いきや随...

高校卒業後7年勤めた会社を辞め、義肢装具士の専門学校に入学したさえ子を主人公にしたお仕事小説。義肢装具士という職業はまったく知らず、その仕事の内容を授業を通して一緒に教わった。時期が時期だけにパラリンピック絡みの話になるのかと思いきやそんなこともなく、真面目一本なのかと思いきや随所に笑いも盛り込まれ、読んでいてとても楽しかった。

Posted byブクログ

2021/02/26

久しぶりの山本作品。 訳あって七年間勤めた会社を辞め、義肢装具師になるため専門学校に通っている二階堂さえ子。同じ班で学んでいる永井真紀、戸樫博文と共に奮闘中。七年間稼いだお金を授業料に注ぎ込み、恋人とも別れ、帰る場所もない崖っぷちのさえ子は気が焦るばかりで義肢作りの実習が上手く...

久しぶりの山本作品。 訳あって七年間勤めた会社を辞め、義肢装具師になるため専門学校に通っている二階堂さえ子。同じ班で学んでいる永井真紀、戸樫博文と共に奮闘中。七年間稼いだお金を授業料に注ぎ込み、恋人とも別れ、帰る場所もない崖っぷちのさえ子は気が焦るばかりで義肢作りの実習が上手く行かず…。 義肢装具作成の過程や授業の様子が結構詳しく書かれていて戸惑った。理解しずらいところもあり細部まで読み込むことは出来なかったが、オーダーメイドで手作業が殆どの大変な仕事であることは分かった。出来たらおしまいではなく、その後も細かな調整や修理もある。 利用者側にとっては費用も高く、自治体などに補助してもらうための手続きも煩雑で修理一つお願いするのにも時間も手間も掛かる。義肢装具師側からすれば大変な作業の割には決して給料は高くないし会社としての利益も良くはない。結局は当事者たちの妥協や善意や情熱や努力に大いに頼っている難しい業界なのだと分かる。 義肢装具の分野に限らず、福祉の分野が補助金や寄付金頼みではないビジネスとして成り立つ世界になれば良いのにと思う。 二階堂さえ子の前職が内装会社と書いてあり、もしかして?と思ったらやはり『カイシャデイズ』の〈ココスペース〉だった。その後も出るわ出るわ、『凸凹デイズ』『店長がいっぱい』『芸者でGO』『ジンリキシャングリラ』とのリンク。懐かしい面々に再会出来て、山本さん好きには堪らない。 しかし〈凹組〉の醐宮が何と義足になっていた。作品のテーマ上そのような設定にしたのだろうが、かなり驚いた。しかし性格は全く変わっていなかったけど。 さえ子が〈ココスペース〉を辞めた経緯については性急ではないかと思った。篠崎らが必死に止めたのも理解出来る。だがさえ子のキャラクターからして致し方なかったのかな。 同じ班の真紀や戸樫もなかなか個性的なキャラクターでハラハラするところもあるが、全体的には青春物の雰囲気。 写真家で義足の穂高と良い雰囲気になるのかとも思ったが、それでは短絡的過ぎるか。むしろさえ子と真紀、戸樫の関係が微笑ましかった。 そのうちに彼らも山本作品に登場してくれるかも知れない。その時は一人前の義肢装具師になっているだろうか。 ※「カイシャデイズ」レビュー https://booklog.jp/users/fuku2828/archives/1/4163268502#comment ※「凸凹デイズ」レビュー https://booklog.jp/users/fuku2828/archives/1/4163244301#comment

Posted byブクログ