デス・ゾーン の商品レビュー
ワンゲル部に所属していたため、栗城史多(くりき・のぶかず)さんの存在は知っていたが、この河野さんの本は面白かった。栗城さんは何をしたかったのか?売名行為か?山を劇場にする。エンターテイメントの舞台にする。誰もやったことがないからかそ、みんなから注目された。しかし、山は劇場になるよ...
ワンゲル部に所属していたため、栗城史多(くりき・のぶかず)さんの存在は知っていたが、この河野さんの本は面白かった。栗城さんは何をしたかったのか?売名行為か?山を劇場にする。エンターテイメントの舞台にする。誰もやったことがないからかそ、みんなから注目された。しかし、山は劇場になるような場所がなかったことが1番の栗城さんの誤算だったと。それを綿密な取材と裏どりで事実として練り上げていっただ河野さんの筆致に拍手。面白かった。
Posted by
ビジネス登山家といっても過言ではないし、 彼は本当に山が好きだったのか、そこを確認する術もない。 そこまでしてエベレストに挑戦する必要があったのか。 もうそれ以外の生き方しか、選択肢がなかったんだろう。 凍傷で指4本全てを綺麗に切断しなければならないケースは、あまりないらしい...
ビジネス登山家といっても過言ではないし、 彼は本当に山が好きだったのか、そこを確認する術もない。 そこまでしてエベレストに挑戦する必要があったのか。 もうそれ以外の生き方しか、選択肢がなかったんだろう。 凍傷で指4本全てを綺麗に切断しなければならないケースは、あまりないらしい。ならば、彼は自ら…? そこまでしなくてはいけない生き方を選んだ彼は幸せだったんだろうか。幸せだったのかもしれない。 人は何を求めて生きるんだろう。
Posted by
一気に読み終えた。 登山を趣味としている自分から見ると読後山に何を求めてたのか?が考えさせられる 彼自身の弱さと闘ってたのかな
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一世風靡した登山家 栗城史多氏を追ったノンフィクション。 単に一人の登山家が登山中に殉職しただけという話ではなく、マスメディアの闇と承認欲求に飢えた現代人が招いた死とも言える。
Posted by
登山家ではなく、演出家と言われたことがテレビマンの視点から語られる。 行動力はすごいが礼儀がなってない?何かを成し遂げようとする人はそうなるかもだが。。 思い込みもあり、危なっかしい人の印象。結果論だが、その通りになってしまったのか?TVでは表面しか見ていなかったのかも。 ...
登山家ではなく、演出家と言われたことがテレビマンの視点から語られる。 行動力はすごいが礼儀がなってない?何かを成し遂げようとする人はそうなるかもだが。。 思い込みもあり、危なっかしい人の印象。結果論だが、その通りになってしまったのか?TVでは表面しか見ていなかったのかも。 誇大広告する人は個人的には好きではないけど、みんなから好かれた人だと思った。
Posted by
角幡さんの『書くことの不純』からの流れで、読もうと思って読めてなかった本書を借りてきた。ほぼ一気読み。 栗城史多という人は、巷で騒がれていた当初、私の認識は「登山家のすごい人」。それがある時、滑落死のニュースが流れてきて、えっ、と驚いていたらなんとそれに伴って聞こえてきたのは「...
角幡さんの『書くことの不純』からの流れで、読もうと思って読めてなかった本書を借りてきた。ほぼ一気読み。 栗城史多という人は、巷で騒がれていた当初、私の認識は「登山家のすごい人」。それがある時、滑落死のニュースが流れてきて、えっ、と驚いていたらなんとそれに伴って聞こえてきたのは「登山家としてはどうなのか」というたくさんの批判的な声だったので、2度驚いた記憶がある。 角幡さんも、彼に対してはマイナスのイメージを持っていたようだったが、本書を読んで少し変わった、と書いていた。 私はそもそも、登山家としてどうとか、そんなことを偉そうに言えるような経験も見識も全くないので、彼についてここでどうこう言うつもりもないが、彼の言動や行動に、いわゆる登山家と呼ばれる人々から、あんなふざけた奴は、と思われるのも無理もないのかもしれない、とは思った。それこそ『書くことの不純』で角幡さんが自問自答していた書くため(栗城さんの場合は見せるため、か)なのか、自分の内面の渇望からなのか、なぜ登るのかというそもそもの出発点、そこがいわゆる登山家とは違うんだ、というところなのだろう。確かに、常識的に考えても納得できないこともたくさんしていたし、登山に掛け値なしに人生と命をかけている人々からすれば、呆れるようなことばかり。 ただ本書を読み終えると、したくはなかったけれど、こうせざるを得なかった、せざるを得なくなったのかもしれないな、という気持ちにさせられる。 彼の近くにいた人たちが、どれだけ本当の栗城史多という人をわかっていたのだろうかという思いにもなる。彼は、自分の本当の思いをどれだけ人に正しく伝えられていたのだろうか。 そして、メディアの在り方、その功罪、そんなこともいろいろ考えさせられた。 ある人が「批判されようが自分を貫き、ひとつの作品を作り上げることに人生をかける、そのプロセスに勇気づけられた」というようなことを言っていて、ああ、だからこそ彼は、批判もされたけど、彼を支え続けようとする人にも恵まれたんだなと。 自分を貫けるというのも一つの才能。それによって、命を削ることになったとしても。 追記 本書の中でも、彼が最後のエベレスト挑戦の前に、夢枕獏の『神々の山嶺』を読んでいた、少なからず最後の挑戦に影響を受けていたはず、というくだりが出てくる。やっぱり読まないと~。
Posted by
一気に読んでしまった。 栗城さんについて、単なる賛美や批判に終らずに 著者が当事者意識をもって、栗城さんと自分の関わり方を問いただす点が非常に印象的だった 賛否両論はあれど、 きっと、本当に魅力的な人だったのでしょう
Posted by
2018年、35歳でエベレストで亡くなった栗城史多さんについての本。筆者は2008年と2009年に彼を取材したテレビマン。 栗城さんが亡くなった日、登山系の話に興味があった自分は、「また山で若い人が亡くなった…なんで登山家は山に登るのか?」とネットサーフィンしていた。そこで彼に...
2018年、35歳でエベレストで亡くなった栗城史多さんについての本。筆者は2008年と2009年に彼を取材したテレビマン。 栗城さんが亡くなった日、登山系の話に興味があった自分は、「また山で若い人が亡くなった…なんで登山家は山に登るのか?」とネットサーフィンしていた。そこで彼についてのネット上の評価を知ることになり、同時に彼の不可解さに驚いた。だからこの本の批判でよく言われる「悪く書きすぎ」という印象は受けなかった。むしろ栗城さんに対するというか孤独な人間への愛情みたいなのを感じたのは自分だけか… この本を読む前は、「無邪気な陽キャの若者がでっかい野望をぶち上げて世間をあっと驚かせようとしたけど、そこにアンチやらファンやらお金儲けを企む大人やらが寄ってたかって集まってきて、引くに引けなくなりエベレストに登らされた」と思ってたけど、読んだあとは「孤独だったのかもしれないな」という感想に変わった。指を凍傷で失ってから登山家の人と懇意になって、エベレストとは別の8000メートル級への登頂を果たした件を読んで、「誰か純粋に一緒にいてくれる人がいたら違った結末になってたのかもしれないな」と感じた。 登山家の本、というよりは、人間についての本だと思った。
Posted by
栗城さんについては生前は名前くらいは知っていたが、いろいろ見るようになったのは亡くなったあとだ。 色々うさんくさい話や誹謗中傷も見るが、筆者が多面的に取材し丁寧に栗城像を描いているのが好印象。読みやすくわかりやすい。テレビ業界の人の文章は読みやすいが薄味のものが多い印象なのだが、...
栗城さんについては生前は名前くらいは知っていたが、いろいろ見るようになったのは亡くなったあとだ。 色々うさんくさい話や誹謗中傷も見るが、筆者が多面的に取材し丁寧に栗城像を描いているのが好印象。読みやすくわかりやすい。テレビ業界の人の文章は読みやすいが薄味のものが多い印象なのだが、本書は読みごたえがありなかなか良い。
Posted by
何度もエベレストに挑戦したのは、彼にとって本当にやりたいことだったのか…?という感想を持った。 本書ではあくまでも作者から見た栗城さんが描かれているだけなので、ほかの視点から描かれた栗城さんについても知りたくなった。
Posted by