1,800円以上の注文で送料無料

福岡伸一、西田哲学を読む の商品レビュー

4.2

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2025/12/31

知の現場感がすごい。 緊張感のあるやりとりで、刺激的で甘美で尊くて、涙が出る。 科学と思想が統合され、未来を感じる。 星5つじゃ足りないです。

Posted byブクログ

2025/08/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 本書は、生物学者の福岡伸一氏が、哲学者で西田哲学の継承者である池田善昭氏を相手に対話形式で進められるもので、難解とされる西田幾多郎の思想を、福岡氏の提唱する「動的平衡」の観点から読み解く構成になっている。  本書において特に印象的な議論は、時間の捉え方に関する議論と、学問の統合についての議論である。福岡伸一氏は、現代物理学で一般化されているミンコフスキー空間の枠組みによって時間を一本の軸として定式化することに、ある種の抵抗を示している。それは、生命が数直線の上で均質に流れる時間とは異なる、不可逆性や質的変化を伴う時間を生きているという直感に基づく。この抵抗は、西田幾多郎の哲学が説く「場所」や「絶対矛盾的自己同一」といった概念と響き合い、時間を"存在"としてではなく、"実在"として再考させる契機になっている。  また、福岡氏が強調する「学問の統合」の議論も本書の大きな魅力である。西田哲学が志向したのは、自然科学と人文学を隔てる垣根を越え、世界を全体として把握する思考の枠組みであった。福岡氏は、生物学の立場からこの理想を継承し、生命を理解するには分子レベルの分析だけでなく、歴史的・文化的文脈や哲学的考察を不可欠とすることを示す。ここには、専門分化が進む現代の学術環境への批評が込められており、知の断片化を超えて統合的な視座を取り戻すべきだというメッセージが読み取れる。  全体として、本書は科学と哲学の出会いが生み出す思考の豊かさを示す一方、既存の学問体系が抱える限界にも鋭く触れている。時間を一元的な物理空間の中に閉じ込めない視点、そして知を分断せず統合するという姿勢は、専門領域を超えて共有されるべき示唆を含んでいるように思う。

Posted byブクログ

2025/05/03

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1918466058815717523?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

Posted byブクログ

2025/04/05

西田哲学における「絶対矛盾的自己同一」と福岡氏が提唱した「動的平衡」は、実は同じことを指しているのではないか。 本書では池田氏と福岡氏の対談形式で、哲学と科学の融合の可能性を探っている。 「逆限定」「包みつつ包まれる」「分解と再生」「円環」「先回り」などといろんなキーワードが出て...

西田哲学における「絶対矛盾的自己同一」と福岡氏が提唱した「動的平衡」は、実は同じことを指しているのではないか。 本書では池田氏と福岡氏の対談形式で、哲学と科学の融合の可能性を探っている。 「逆限定」「包みつつ包まれる」「分解と再生」「円環」「先回り」などといろんなキーワードが出てくるが、こんなふうに手を変え品を変え同じ理論を畳み掛けられると、なるほど理解が進むように感じるから不思議。 ただピュシスや実在を真に理解したと言えるかどうかは疑問だ。そもそも「理解」ではなく「感得」すべきものとすると、本で辿り着ける境地ではないのかも。 そういえば鋼の錬金術師でも、錬金術で何かを合成する前に分解しているなあと思うなどした。意外とみんな直感でわかっているのでは。

Posted byブクログ

2024/11/11

西田哲学の入り口にようやく立てた感じ 年輪の話のやり取りは自分も理解しづらかったが、能動態と受動態ではない関係性の例えは分かりやすい 動的平衡という考え方、とても興味深い 次は、「生物と無生物のあいだ」を読んでみたい

Posted byブクログ

2023/12/23

西田幾多郎は野中先生の本でいくらか知った程度で間主観性とか知のありようを説いた人だと思っていた。福岡先生の動的平衡は読んでいないが直感的に納得できる話で、この二人がどう重なるのか興味深いと思って読んだ。多と一、分解と合成、過去と未来、いろんな対立概念の同居、同時発生が生命的な現象...

西田幾多郎は野中先生の本でいくらか知った程度で間主観性とか知のありようを説いた人だと思っていた。福岡先生の動的平衡は読んでいないが直感的に納得できる話で、この二人がどう重なるのか興味深いと思って読んだ。多と一、分解と合成、過去と未来、いろんな対立概念の同居、同時発生が生命的な現象であるということのよう。生命の見方が変わる。最後のベルグソンの円弧もとても面白かった。 包まれつつ包むを福岡先生は本当に納得したのかなと思ってたら、最後の新書へのあとがきで触れられていた。でもまだよくわからず。生命は時間を作るというが、カイロスとクロノスのこと?環世界的にそれぞれの生物の時間はあると思うが。包まれつつ包むはガイア理論、システムオブシステムズ的に理解してみたのだが違うのか。ロゴスに偏ってるのだろうか。 いま生命現象に興味があるので福岡先生の本を何冊か買うことにした。

Posted byブクログ

2023/02/17

西田哲学と福岡科学の融合試行。しかし、池田さんは年輪に固執しているように感じた。けれどこれは本当にそうなのか、あるいは読解が至らないためかかはわからない

Posted byブクログ

2022/09/01

生命とは何か?という人類未踏の難題に、福岡生物学と西田哲学を重ね合わせて、解き明かした一冊。理系と文系のあるべき統合の姿。 2人の賢人が素直に分からないところは「分からない!」と明言してくれる対話形式のおかげで、難解過ぎる西田哲学のコンセプトに、一歩一歩、挑んでいける名著。 一...

生命とは何か?という人類未踏の難題に、福岡生物学と西田哲学を重ね合わせて、解き明かした一冊。理系と文系のあるべき統合の姿。 2人の賢人が素直に分からないところは「分からない!」と明言してくれる対話形式のおかげで、難解過ぎる西田哲学のコンセプトに、一歩一歩、挑んでいける名著。 一点、不満点としては、西田哲学と切っても切り離せない仏教(あるいは東洋思想)が、ほぼ言及されていないこと。

Posted byブクログ

2021/09/20

福岡氏と一緒に西田哲学を学べる。大半が対談形式なので読みやすく、なんとなくわかった気にはなった。 ただ、池田氏によって、おそらくわかりやすい例として出された「年輪」の話が、逆にわからない。福岡氏も、これを理解されるまでには随分苦労されて、色々と質問をしてくれているのだが。結局、...

福岡氏と一緒に西田哲学を学べる。大半が対談形式なので読みやすく、なんとなくわかった気にはなった。 ただ、池田氏によって、おそらくわかりやすい例として出された「年輪」の話が、逆にわからない。福岡氏も、これを理解されるまでには随分苦労されて、色々と質問をしてくれているのだが。結局、自分にはピンとこず、置いていかれた気がした。時間即空間、空間即時間というとき、年輪も他のものも変わりなく、それだけが特別扱いされる理由もなさそうだが…。 また、「生命が時間を作る」という言い方もしっくりこなかった。エントロピーに逆らう生命というものがなければ、エントロピー自体が存在しえない(流れに逆らうものなければ、流れがあるかどうかわからない)。そして、エントロピー=時間と考えれば、結局のところ、生命がなければ時間が成立しないことになる、という理解でいいのだろうか? いずれにせよ西田哲学について、もう少し学んでみたい、と思わせる内容ではあった。それにはパワーが必要そうだが…。

Posted byブクログ

2021/08/18

『福岡伸一、西田哲学を読む 生命をめぐる思索の旅 動的平衡と絶対矛盾的自己同一』紹介動画 https://www.youtube.com/watch?v=kGXRsnU7jio

Posted byブクログ