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十の輪をくぐる の商品レビュー

4.1

86件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    1

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2024/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

パリオリンピック中に読むつもりだったのにすっかりおそくなってしまった。辻堂ゆめさんの本は途中までの境遇が読んでて苦しいなと再度思う。今回はかなり後半までしんどかった。というか主人公(?)の母親の人生壮絶でした。実の母親からの扱いとか酷すぎてこっちが辛くなる時代とか土地柄もあるのかもですが九州恐ろしすぎました。自分の恵まれた境遇に感謝の思いです。途中この人発達じゃないのと思ったらADHDのお話でしたね。

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2024/07/30

認知症の母親が発する言葉を聞くうちに自分の過去を見つめ直すようになった息子は、実はADHDという病気だった。 病気と認識してから物事がスムーズに回り始める。 物語は、息子の日常と母親の過去を交互に流れる。感動の一作。

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2024/07/18

『山ぎは少しあかりて』が素晴らしかったので、同じ三世代の大河小説のこの話もぜひ読みたいと思いながらしばらく積読してしまった。 パリ五輪が始まる前に読まないとと思って読んだのだが、いやあ素晴らしい、圧巻だった。 万津子は夫の暴力にも耐え、出戻った実家でも、やんちゃで育てにくい泰介...

『山ぎは少しあかりて』が素晴らしかったので、同じ三世代の大河小説のこの話もぜひ読みたいと思いながらしばらく積読してしまった。 パリ五輪が始まる前に読まないとと思って読んだのだが、いやあ素晴らしい、圧巻だった。 万津子は夫の暴力にも耐え、出戻った実家でも、やんちゃで育てにくい泰介のせいで、家族に疎まれ母親にも暴言を吐かれる。 思う通りに言うことを聞いてくれない泰介を、絶望したり投げ出したりしない万津子に、母の深い愛と強さと、昔の人の生きていくことに対しての力のようなものを感じた。 1960年代と現在を行ったり来たりしながら話が進んでいくのだが、母万津子が頑なに昔のことを語らなかったこと、泰介の秘密が次第に明らかになっていき、感動のラストも期待を裏切らない。 暴力や暴言、ADHD、認知症など、重い話も確かにあるが、妻の由佳子の明るさや強さ、娘の萌子の親思いで性格の良さ、泰介が自分の性格の癖を克服していく様などが、オリンピックという世界に羽ばたくイメージと重なって、光に満ちていて心が暖かくなる。

Posted byブクログ

2024/07/08

思ってた以上に良い小説でした。辻堂ゆめの文章はどの作品もすーっと入ってきて、どんどん読み進める事が出来ます。 このお話は"辻堂ゆめの新境地となる圧巻の大河小説!!"との事ですが、まさにその通りの作品でした。「十の輪をくぐる」と言う題名がしっくりきました。凄く良...

思ってた以上に良い小説でした。辻堂ゆめの文章はどの作品もすーっと入ってきて、どんどん読み進める事が出来ます。 このお話は"辻堂ゆめの新境地となる圧巻の大河小説!!"との事ですが、まさにその通りの作品でした。「十の輪をくぐる」と言う題名がしっくりきました。凄く良かったです!

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2024/07/12

このところ辻堂ゆめさんの作品続けて読んでて5冊目になりますがこの人凄いですね。1992年生まれの作者とは思えないようなリアリティで1960年代を描いているのですが、この方きっと転生者じゃないかって思えるほどでした。 彼女の取材力と変幻自在に時間軸を操る構成力は見事ですし当時の状況...

このところ辻堂ゆめさんの作品続けて読んでて5冊目になりますがこの人凄いですね。1992年生まれの作者とは思えないようなリアリティで1960年代を描いているのですが、この方きっと転生者じゃないかって思えるほどでした。 彼女の取材力と変幻自在に時間軸を操る構成力は見事ですし当時の状況が辛いほど伝わってきます。一方向にゆらゆらと流れる時間感覚とは違って現代と過去ビュンビュン飛ばされて7回もピストンしたので時間酔いしそうでした。 1960年代と2020年って60年も開きがあって、過去では母・万津子の辛い半生が描かれており、現在では子・泰介も定年間近で何かと肩身が狭そう・・・ 2度目の東京オリンピックの始まる2020年、まだらボケの80歳の母・万津子がTVの五輪特集を見ていて「私は・・・東洋の魔女」とか謎の言葉を発して呆けてしまう。この一家は3代にわたるバレーボール家族で妻の由佳子との出会いは大学時代バレーボール部だし、妻はバレーオタクのようで鮎原こずえの「木の葉落とし」や朝丘ユミの「稲妻落とし」に「X攻撃」真似て遊んでた感じですね。子の萌子にも英才教育を施して実業団からお声がかかるアタッカーに成長しているので、お祖母ちゃんが東洋の魔女と関係があっても不思議じゃなさそう。 てか、秘密があるようで息子に自分語りしてないとか、ここらの事情に触手が動きました。 万津子の話は辛すぎる。酒乱の夫と死に別れてからも情緒不安定で問題の多い息子を躾けながら上京し必死に養っていく母の姿。 現代では、認知症になり苛立ちながら介護する息子に、それをなだめる出来た嫁、そして無茶良い子の萌子。この対比を織り交ぜながら綴られていくストーリー。 発達障害は先天的なもので3つに分類されるとか、その一つのADHD(注意欠如・多動性障害)は社会に出てから周囲との摩擦で生きづらく思うこともがあるようです。反面、すぐに行動にうつしたり決断力や発想力が高いとゆう利点もあるようで周囲の理解とともに特性を生かす場所や役割を見つけるのがいいとか。 そんな感じのエンドでした。 発達障害とカテゴライズされたら居場所を見つけやすいのかもしれないけどグレーゾーンにいる人のが多いですよね。陰キャでコミュ障なだけでは中途半端な防御力と周りに迷惑かけるだけの攻撃力もないので萎えそうです。てか、私の友達だいたいがADHDな気がする。

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2024/04/11

最初、泰介の態度や言動にイライラし、万津子の苦労話も読むのがキツかったが、後半、萌子が泰介にある出来事を話してから、ぐーーーっとおもしろくなった。万津子の母親として子供を信じて育てた強さに涙する。

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2024/04/10

2024年22冊目 息苦しい物語の展開だったけれど、ラストは大号泣。 戦後すぐの日本では、旦那から暴力を振るわれても実母に「おまえが悪い」と言われ、離縁して実家に戻ってくるなんてとんでもない話だった。 女性の権利などまったくないこの時代。今朝の朝ドラで「結婚は罠!」ってセリフがあ...

2024年22冊目 息苦しい物語の展開だったけれど、ラストは大号泣。 戦後すぐの日本では、旦那から暴力を振るわれても実母に「おまえが悪い」と言われ、離縁して実家に戻ってくるなんてとんでもない話だった。 女性の権利などまったくないこの時代。今朝の朝ドラで「結婚は罠!」ってセリフがあってこの物語と繋がった。 自分が見る事も経験する事も出来ないこの時代、本を読む事によって知る事もできて想像する事も出来る。 とても学びが多い1冊だった。

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2024/03/10

前半は泰介の言動に嫌気がさし、万津子の若い頃の章にも辛くしんどくなり、なかなか読み進めるのが大変でしたが、後半から一気に盛り返しました。読み続けて良かった。 萌子ちゃん、めちゃくちゃいい子やな。

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2024/01/07

万津子の愛情深さが印象的。私はあそこまで子供を愛し、信じ、味方でいられるだろうか?と自問自答しながら読んだ。 泰介も、今までの生きづらささえそれが日常で、辛い、とも認識できずもがいていたのが、 診断されることで納得し、自分を認められ、生き方をより良く変える努力をする。 娘の活躍も...

万津子の愛情深さが印象的。私はあそこまで子供を愛し、信じ、味方でいられるだろうか?と自問自答しながら読んだ。 泰介も、今までの生きづらささえそれが日常で、辛い、とも認識できずもがいていたのが、 診断されることで納得し、自分を認められ、生き方をより良く変える努力をする。 娘の活躍も含め、この親子は、それぞれ光るものを持っているなぁと感動。

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2024/01/01

万津子の人生がなかなか壮絶で、読み進めるのが苦しくなる場面も多々あった。 この時代の人にとっては「普通」のことだったの? だとしたら、辛すぎる…。 でも、バレーボールとの出会いがあって、それが助けになったところは良かった。 それと、必死で育てた息子泰介の妻由佳子と孫の萌子がとにか...

万津子の人生がなかなか壮絶で、読み進めるのが苦しくなる場面も多々あった。 この時代の人にとっては「普通」のことだったの? だとしたら、辛すぎる…。 でも、バレーボールとの出会いがあって、それが助けになったところは良かった。 それと、必死で育てた息子泰介の妻由佳子と孫の萌子がとにかくいい人というところは救い。 自分の親とも話が出来るうちに、昔のことを色々聞いておきたくなった。

Posted byブクログ