天才による凡人のための短歌教室 の商品レビュー
人気歌人・木下龍也氏による熱い短歌講座。 ほぼ全編命令口調でアジってきて、こちらをその気にさせるが、ご本人の優しさが隠しきれない。 この本を読んだ読者が、短歌に溺れないように、潰されないように、ちゃんと布石を打ち出してくる。 作歌のコツが数多く書かれ、悩めるものの指針となる。 歌...
人気歌人・木下龍也氏による熱い短歌講座。 ほぼ全編命令口調でアジってきて、こちらをその気にさせるが、ご本人の優しさが隠しきれない。 この本を読んだ読者が、短歌に溺れないように、潰されないように、ちゃんと布石を打ち出してくる。 作歌のコツが数多く書かれ、悩めるものの指針となる。 歌人としての心構えも、木下氏の実感から学べる。 ひとつひとつのトピックが短いので、気軽にパラパラと読み返せるのも利点。 『引き返すなら今である』内の言葉、「残念ながら短歌を作ることで幸福になることはない」に木下氏の短歌に対する覚悟を見たような気がする。
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10年近く前のエキチカか何かのイベントに出演されていて、この人が1番面白かったような記憶がある。内容覚えてないけれど。違ったっけ。 それで詩集買ったのですが、わかったようなわからなかったような。で放置していたのですが、池袋の丸善で新作に出会う。 今回の本はすごくわかりやすくて、紹...
10年近く前のエキチカか何かのイベントに出演されていて、この人が1番面白かったような記憶がある。内容覚えてないけれど。違ったっけ。 それで詩集買ったのですが、わかったようなわからなかったような。で放置していたのですが、池袋の丸善で新作に出会う。 今回の本はすごくわかりやすくて、紹介されている歌も綺麗で、短歌が好きになりました。なんなら詠みたいくらい。 ゆるふわart塾の話が、共感、納得、驚異の話に近いなと思ったら小林がこの本を紹介し始めたというすごい偶然。恋愛モチーフの話に持っていったけど、多分ここのこと言いたかったんじゃないかな。 しかも新刊でもないのに最近読んだというタイミングがぴったりなのがすごい。 あと、阿修羅ガール、私も大好き。 言いようもなくさみしいから好きばかりかけ算したような本が味方でいてくれるのが救い。 なぜ胃が痛いのかというと食べ過ぎだと思うけど。
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短歌初心者に向けて 様々な方法を具体的に説明してくれている 短歌の作り方だけでなく 歌人になるためのアドバイスもあり 特に推敲編が面白かった 投稿された短歌に対して どういう切り口にするとより素材を際立たせるのか 具体例を見ると納得しやすい また、著者本人の作品の推敲もあり...
短歌初心者に向けて 様々な方法を具体的に説明してくれている 短歌の作り方だけでなく 歌人になるためのアドバイスもあり 特に推敲編が面白かった 投稿された短歌に対して どういう切り口にするとより素材を際立たせるのか 具体例を見ると納得しやすい また、著者本人の作品の推敲もあり 半分の虹は地面の下にありその七色を死者は見ている という歌が 虹 土葬された金魚は見ているか地中に埋まるもう半輪を となるまでの変遷なども面白かった
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短歌って季語がいるのかと思ってたけど、いらなかったのか。そういえば、そうだったか。 促音と拗音の字数の違い等、独特のルールが目から鱗でした。短歌がつくってみたくなる本。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「天才による」と銘打っておきながら”はじめに”の冒頭で「僕は天才ではない」で始まる本書。 「僕にとっては僕の短歌がこの世でもっともつまらない」、「僕が披露できるのは手品であり、魔法ではない」、「タネも仕掛けもある僕の短歌は僕の胸をどうしても打ち抜くことができない」と自身の短歌への想いが続く。 一読者として読む身としては、わかりやすく、その中にはっとさせられる解釈を与えてくれる木下さん”天才”かもと思っていたが(だからこの一見傲慢なタイトルもことば遊びの一種かなと思っていたが)、その思いに反していきなり思ってもみなかった切実な心情を吐露される。 そして、この本は「僕には消すことのできない鳩を、どうか本当に消して欲しい」という思いでそのコツを未来の天才に伝えるための本とのこと。 そこから続く短歌づくりのコツ達は、今のところ詠まない読者である自分にとっても大変興味深いものであった。 特に「歌人になる」、「歌人として生きていく」の章はさながらビジネス署、自己啓発書かのような確固たる生き様・姿勢を示してくれており、短歌を離れても日常との向き合い方にも応用できそう。 巻末に掲載されている「あなたのための短歌展」の歌を読んで、ああやっぱり自分は読みが浅いなと実感。 お題があるのとないのとで歌の面白味が全然変わる。 逆に言うと、歌だけだとそこに潜む真意に辿り着けていない。 奥が深い。 ことばって面白い。 〇気を抜けば平凡になる人生へ西荻窪という劇薬を 〇どこへでも行けるあなたの舟なのに動かないから棺に見える 〇あきらめの吐息でもいい銀色の冷めた身体に熱をください 〇花束をほどけば薔薇のそれぞれにかけがえのない傾きがある 〇とびきりな容姿のせいでたましいを見てもらえない美女も野獣も
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ここで注意しなければならないのは、短歌を始めたばかりのあなたが考えるべきは「短歌」であって「短歌について」ではないということ。 . 短歌に限らず人生ほんとこれだなと思った
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短歌をこれから始める人、 始めたばかりの人は読むべきだと思う。 短歌の基礎が載っていて勉強になる。 推敲のやり方が一番勉強になった。
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「有隣堂しか知らない世界」で芝課長がオススメしていたので購入。本書は、俳句を独学で勉強している人のバイブルである藤田湘子の『20週俳句入門』の短歌版のと言った位置付けだと思う。木下龍也さんの短歌は、俳句の池田澄子のような歯切れの良さがあり、かつ、明解なので親しみやすい。普段短歌に...
「有隣堂しか知らない世界」で芝課長がオススメしていたので購入。本書は、俳句を独学で勉強している人のバイブルである藤田湘子の『20週俳句入門』の短歌版のと言った位置付けだと思う。木下龍也さんの短歌は、俳句の池田澄子のような歯切れの良さがあり、かつ、明解なので親しみやすい。普段短歌に触れていない私のような人間にも本書はオススメである。 一点だけ残念なのは、木下さんがカルチャースクールなどで一般の人を教えた経験がないために、凡人が優れた歌を作れない苦しみへの理解が少し欠けていることだ。 気に入った歌人を2人自分にインストールし、定型を守った作歌を日課にし、日常生活での観察、あらゆるメディアからの情報収集せよ、木下さんの推敲の実践例を紹介しているが、それでは短歌のセンスのない凡人が上達するのは少し難しいと思う。『凡人のための短歌教室』という題名なのだから、この点をもう少し改善して欲しい。
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読み終わる 頃には僕も 一端の 歌人になると 思ってたのに そもそも、本気で歌人になりたいと思って手に取ったわけではない。アメトークの読書芸人でピックアップされてたから手に取ってみただけだ。 だけど最初のページをめくった瞬間目に飛んできた歌に心臓を撃ち抜かれた。 この人が詠む歌...
読み終わる 頃には僕も 一端の 歌人になると 思ってたのに そもそも、本気で歌人になりたいと思って手に取ったわけではない。アメトークの読書芸人でピックアップされてたから手に取ってみただけだ。 だけど最初のページをめくった瞬間目に飛んできた歌に心臓を撃ち抜かれた。 この人が詠む歌詠む歌、どれもぶち抜かれてばかりだった。 自分でもこんな歌が詠めるようになりたい。そんな気持ちにさせられる一冊だった。 今はこんなポンコツな歌しか詠めない。でも、いつか。
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「短歌」と入ってるけど、マンガ・小説など何かを生み出したいと思っている人に響く箇所があると思う。 私がぐっときたのは「作歌を日課に」「短歌に触れない日をなくそう」 著者は仕事から帰ってきてから時間を決めて取り組まれていて、仕事で遅くなった日は食事時間をなくしてその時間に充てている...
「短歌」と入ってるけど、マンガ・小説など何かを生み出したいと思っている人に響く箇所があると思う。 私がぐっときたのは「作歌を日課に」「短歌に触れない日をなくそう」 著者は仕事から帰ってきてから時間を決めて取り組まれていて、仕事で遅くなった日は食事時間をなくしてその時間に充てているそう。 やっぱり各々のレベルでだけれど、量の先に質があるんだなぁ。
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