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出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記 の商品レビュー

3.5

50件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

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2022/05/24

書評に上がっていたので読んだが面白い! 基本単発のエッセイ集風なのだが、それも最後の出版社との戦いの事前知識を与えるための準備。 最後の出版社との戦いにはこちらも血液が沸騰するような怒りを覚える。 普段本を読んでいてもあまり気づかないが、翻訳家の方達の努力の上に成り立ってると再...

書評に上がっていたので読んだが面白い! 基本単発のエッセイ集風なのだが、それも最後の出版社との戦いの事前知識を与えるための準備。 最後の出版社との戦いにはこちらも血液が沸騰するような怒りを覚える。 普段本を読んでいてもあまり気づかないが、翻訳家の方達の努力の上に成り立ってると再認識する。 本を読まない人はAIで翻訳家は置き換えられる、なんて簡単に言うが論理構成から例え話まで全く違う土壌にある言語を翻訳するのはまだまだ人間でないとダメだ。さらにそれが読みやすい、分かりやすいと来ると作家的力量がモノを言う。 いやー面白い。

Posted byブクログ

2021/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

①新聞でこのシリーズが紹介されているのを何度か見かけたことがある。 ②私の周りに「このシリーズ面白い。続刊が出たら、次も読みたい」という方がいた。 ということもあり、試しにコチラを読んでみました。 出版社の不誠実な対応に著者の方が憤慨するのも理解できるし、1人で裁判に挑むなんて、さぞお辛かったでしょう。 私が出来ることといえば、正規の値段でこの本を買って、著者に印税が入るようにすること。そして、私が海外の本を読めるのは出版翻訳家の方がいてくれるおかげなので、感謝の言葉を伝えたいってことくらいでしょうか。本当にありがとうございます。 ただ、この本を読んでいて著者の方に対して「なんかめんどくさい人だなぁ」と私は思ってしまいました。 そして、このシリーズを否定するようなことになると思いますが、著者側の一方的な意見が多いのが気になりました。 私はこのシリーズの本を読むのに向いてないのかもしれません。

Posted byブクログ

2021/11/15

 自分も昔、語学を学びたくて海外留学をした経験があるので、語学を勉強して、その語学だけを職業にしていくことの難しさを感じた。また、翻訳家という職業が不安定で厳しい世界であることを痛感した。  このお仕事シリーズの本は、職業の闇の部分を知ることができるが、著者のグチを聞かされてい...

 自分も昔、語学を学びたくて海外留学をした経験があるので、語学を勉強して、その語学だけを職業にしていくことの難しさを感じた。また、翻訳家という職業が不安定で厳しい世界であることを痛感した。  このお仕事シリーズの本は、職業の闇の部分を知ることができるが、著者のグチを聞かされているような気分になる時がある。闇を知るためにはやむを得ないのか…。?    著者が結婚相談所で知り合った女性から言われた「そんな仕事ばっかりやってて、つまんなくないですか?」の一言にプライドを傷つけられた感が、著者の負けず嫌いな個性が出ていて面白かった。  p136のスペイン村の注釈の文章が、女性に対する無関心や怒りが込められているような気がして、クスッと笑いが込み上げてきた。

Posted byブクログ

2021/10/03

どんな仕事も賃金を得るというのは大変であるが、翻訳家もなかなか苦労が絶えないのだなと感じた。 自由業というより自営業と同じように自ら売り込みにいき、交渉し、作品を世に出す仕事。 すべての責任も一人で背負うこととなる。 信用して貰うためには期日までに間に合わせることも必要で体力、...

どんな仕事も賃金を得るというのは大変であるが、翻訳家もなかなか苦労が絶えないのだなと感じた。 自由業というより自営業と同じように自ら売り込みにいき、交渉し、作品を世に出す仕事。 すべての責任も一人で背負うこととなる。 信用して貰うためには期日までに間に合わせることも必要で体力、気力、も必要だ。 精神的にも苦労の様子がわかった。

Posted byブクログ

2021/09/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。契約書も交わさずやってはるのか、と驚いたけど、出版者側の姿勢というか雰囲気はすごくさもありなんというか。閲覧したという陳述書の内容も泣ける。

Posted byブクログ

2021/09/04

出版社や編集者にもいろいろあるのだろうが、結構ヤクザな世界に思える。 ハイリスクローリターンな出版翻訳家もいてもらわないと困ってしまう。 ビジネス書はほぼ読まないので、著者の翻訳本に触れることはなさそうだが。

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2021/08/17

三五館シンシャの日記シリーズ。 業界の適当さ (読んでいると、またかと思う。) 正しい行動だということは、良くわかるが、面倒な人だな。(本人からしたら、当たり前だろ ということになると思いますが。) が、よくわかる内容でした。

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2021/08/15

語学を勉強している者にとっては、すごくキラキラした憧れの翻訳家。その翻訳を職業にすることの、現実の難しさを痛感した。もちろんキラキラとした面もあるけれど、その裏にはどれだけの労力がかかっているのか知らなかった。今度、翻訳された本を見つけた時は翻訳者の名前もしっかりと見ようと思った...

語学を勉強している者にとっては、すごくキラキラした憧れの翻訳家。その翻訳を職業にすることの、現実の難しさを痛感した。もちろんキラキラとした面もあるけれど、その裏にはどれだけの労力がかかっているのか知らなかった。今度、翻訳された本を見つけた時は翻訳者の名前もしっかりと見ようと思った。

Posted byブクログ

2021/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一般に内情を知ることができない職業の人たちの「日記」のシリーズ。交通誘導員を読み始めて、あまりの現実に脱落。こちらは出版に携わる人間として、おもしろく読めるかと手に取った。 が。 途中まではやはり愚痴が連ねられており、脱落しそうになる。その反面、こんなに論理立てて相対することができる著者を尊敬もする。出版社側からしたら「めんどくさい」人なんだろうなと思ったりもする。 最後に、裁判に勝って満額回答を得た後に、精神のバランスを崩してカウンセリングを受け、涙を流す場面では 胸に来た。自分の損得だけを考えるのではなく、翻訳者全体のことを考えながら行動する態度も尊敬する。 惜しむべくは、彼が翻訳の筆を折ってしまったこと。いつの日にかの復活を願う。 出版業界の端くれにいる身として、本当にこんな編集者がいるのかな? 出版社がこんな態度を取るのかな? というのが疑問でもあった。私の近辺にも、見聞きする範囲にもないから。見聞したことがないから、「ない」というわけではないが。著者は大げさなんじゃないの?と途中までは思ったけれど、結末を読むと真面目で正義感にあふれる彼の性格から、そんなことはないんだろうなということがわかる。 読後感は、悲しい。出版関係者として。そして、晴れやかな気持ちにもなる。こういう文筆家がいるということに。 このシリーズの挿画、とてもきらい。

Posted byブクログ

2021/08/11

一般人には分かりにくい仕事に携わる人びとによる告白「XXXほにゃらら日記」シリーズの一つ。このシリーズは売れているようで立て続けにシリーズ化されている。 本書では、出版翻訳を専業にしていた宮崎伸治さんが、出版翻訳家を目指した修行時代、念願の翻訳書を出版した売れっ子専業時代、そして...

一般人には分かりにくい仕事に携わる人びとによる告白「XXXほにゃらら日記」シリーズの一つ。このシリーズは売れているようで立て続けにシリーズ化されている。 本書では、出版翻訳を専業にしていた宮崎伸治さんが、出版翻訳家を目指した修行時代、念願の翻訳書を出版した売れっ子専業時代、そして理不尽な出版社との戦いを経て疲れ果てて筆を折るまでの過程が描かれている。大変な人生だったと思うが、軽妙な語り口でとても読みやすかったしおもしろかった。 種々の仕事に就いたり留学をしたり、目標に向かって一歩ずつ歩みつつ、どうすればなれるのか良く分からない出版翻訳家となるために試行錯誤していく著者の歩みは勉強になる。出版翻訳家でなくとも、なりたい将来の自分をがある人にとってはその挑戦はとても参考になると思う。また、出版業界に特有な事情もあるだろうが、納得いかない理不尽な仕打ちには泣き寝入りせずに後に続く人びとのためにもしっかりと戦う姿勢も重要だと感じた。本書後半に描かれる、出版者相手の調停や本人訴訟の過程などのノウハウはもっと詳しくハウツー本として出してくれてもおもしろい。 著者はとても真面目な性格なのだろうと思う。普通の人なら自分の損得を考えて適当に手を打つところでも引かずに訴訟まで持ち込んで戦っているなと感じた。そして勝利を勝ち取ってはいるが、やはり精神を病んでしまったようだ。普通に人にとって、理不尽な仕打ちに徹底的に戦うというのは難しことであり、トータルで見れば逃げることも重要かもしれない。 著者は出版翻訳家としては筆を折ったようだが、是非これからもエッセイなどを出し続けて欲しいと感じる一冊だった。

Posted byブクログ