ガラスの50代 の商品レビュー
50代前半の独身、子なしの筆者が、同世代が置かれている状況や50代になって思うこと、自分の変化などについて綴ったエッセイ。 夏目漱石が満49歳で亡くなったことに触れていて、当時は人生50年の時代だったそうだが、現代の40代との違いに、本の読み始めから衝撃を受けてしまった。 5...
50代前半の独身、子なしの筆者が、同世代が置かれている状況や50代になって思うこと、自分の変化などについて綴ったエッセイ。 夏目漱石が満49歳で亡くなったことに触れていて、当時は人生50年の時代だったそうだが、現代の40代との違いに、本の読み始めから衝撃を受けてしまった。 50代は、世間では、いつまでも心は若く、好奇心を持ち続けることを求められつつも、精神的には成熟であれと言われる世代。 だが皆、心では老いているとは思っていないわけで、年齢で老いを判断するのも馬鹿馬鹿しいように感じてしまう。 筆者は本人が言うように心が実年齢よりも老けこんでいるような印象を受けた。50代は初老で、もう年寄りに近いのだから。もっと自覚しろと言っているように感じると同時に、必要以上に若作りせず、好きに老いよと言ってるようにも感じた。 淡々と穏やかに語りつつも、所々にクスッと笑いを誘う表現(貫頭衣って?と思い調べてニヤリ)や鋭いツッコミ、みんなが心の奥底で、ぼんやりと思っているのだが、言葉にできない事だったり、言いにくい部分を上手く掬い取って形にしている。 筆者の表現を借りれば、頚椎が痛くなるほど頷き共感する部分が多い。 なんとなく辛酸なめこ、と切り口が似ている気がする。 巻末の読者アンケートを読んで意外と、はっちゃけた人もいて、他の国の50代って、どんな感じなのだろうと思った。 印象に残ったのは以下の部分。 懐かしむというレジャー 母を嫌いになりたくないのに。 母親にとって息子はいつまでも面倒を見てあげたい存在だが、娘は実用品(介護要員)。昔は母親のことを娘は実用品と見ていたが、年を取ると娘が実用品化する。 相手と特別な愛情を育んでいないのについ「して」しまった関係性について、相手からしたら「身体だけが目当て」などではなく「据え膳感覚」「珍味感覚」だったのではないか。 50代の女に必要なものは、 お金、筋肉、近所の友達の3つのキン 心の老化を隠さず、自然のままにふけていきます宣言。 グレイヘア宣言をした近藤サトは、白髪を隠さないが心は若い。自分は白髪は隠すけれど心は老けている。
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50代に入った著者が、自身を含めた世の50代が現代をどのように過ごしているか、を考察したエッセイ集。特に面白かったのは、現在のセクハラ問題に関する『セクハラ意識低い系世代』の章と、50代から(の女性に)必要なものは、「お金」「筋肉」「近所の友達」の三つの「キン」である、とする『三...
50代に入った著者が、自身を含めた世の50代が現代をどのように過ごしているか、を考察したエッセイ集。特に面白かったのは、現在のセクハラ問題に関する『セクハラ意識低い系世代』の章と、50代から(の女性に)必要なものは、「お金」「筋肉」「近所の友達」の三つの「キン」である、とする『三つの「キン」』という章。私自身、著者の酒井氏と同年代なので、とても興味深く読めた。
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ローラースケートを履いて歌いたくなるタイトル。 現在54歳になられた酒井さんのエッセイ18篇と巻末には「50代読者大アンケート」9つが収録。 夏目漱石が亡くなったのは満四十九歳の時。 その頃は人生五十年の時代だったが、今は人生百年時代。 そう考えると50代はまだ人生半ば。 そ...
ローラースケートを履いて歌いたくなるタイトル。 現在54歳になられた酒井さんのエッセイ18篇と巻末には「50代読者大アンケート」9つが収録。 夏目漱石が亡くなったのは満四十九歳の時。 その頃は人生五十年の時代だったが、今は人生百年時代。 そう考えると50代はまだ人生半ば。 そんな中、肉体の衰えを感じつつも、仕事や趣味、子供や孫の事、親の介護、性欲、老後など、考える事が尽きない50代の日常がリアルだ。 印象に残ったのは「母を嫌いになりたくないのに」 「再会と再開の季節」数年前に参加した高校の同窓会を思い出してニンマリ。
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もっと軽くおちゃらけた感じなのかと思ってたら、意外と読み応えがあって、何度もウンウンと頷きながら読んだ。
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著者の負け犬の遠吠えを読んで、面白い視点を持っていたり表現をする方だなあと思い。自分の母親世代が何をどう考えてるかを知りたくて読んでみた。自分の今後の人生をぼんやり考えるにも、少し参考になった。我が母も頑張って生きてきたし今も生きているんだなあと思う。
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久々に酒井順子さんの本を手に取りましたが、面白かったですね! 30代の自分が読んでも退屈せずに読めたのは著者の文章力のおかげでしょうか…? 社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー 酒井さんも50代になってようやく「そんなに若さというものに比重を置かなくて良いのではないか…?」と...
久々に酒井順子さんの本を手に取りましたが、面白かったですね! 30代の自分が読んでも退屈せずに読めたのは著者の文章力のおかげでしょうか…? 社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー 酒井さんも50代になってようやく「そんなに若さというものに比重を置かなくて良いのではないか…?」と思い始めたみたいですねぇ…。 確かに日本は若さが何よりの武器! と捉える風潮が強く、女性に対しては今も昔も変わらないような感じがしていますねぇ…。 成熟した女性? とかに興味を持つメンズっていないですものね…皆、若い女性が好き…社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー そんなアレで暇つぶしには最適な一冊でしたねぇ…巻末に酒井さんの読者のアンケート結果があるのですが、皆さま50代になって色々と挑戦されてますね! 正直、すげーな、と思いましたよ…自分が50代になったらアレですね、きっと今よりももっとダラけてボーっと生きているような気がしてしょうがありません… さようなら…。 ヽ(・ω・)/ズコー
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負け犬の〜の他に2、3冊読んでつくづく合わないと思い以来ずっと避けてきた。ホントに久々に読んでみたが、1ミリも変わっていなかった。内容にはうなずけるし共感する部分もあるのだがひたすら文章語り口が嫌い。
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そう!その通り! 共感の嵐と これからそうなるのかというブループリント。 成人式も3度目になるのね。 そういえば、自分にも転機がいくつかあったし、 懐メロで盛り上がる。 50歳から 年をとって自由になるってこういうこと。 私も 好きに老けさせてと思います。
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2022年10冊目。 大好きなポットキャストで紹介されていて手にした一冊。それはもう頷きか止まらない。 巻末付録のガラスの50代読者大アンケートまでも面白い!!!読み終えたばかりだけどまたすぐに読みたい一冊。
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負け犬の遠吠え以来の酒井順子さんのエッセイ。unlimitedだったので手を伸ばした。 元気な等身大の50代の様で良かったです。 私自身は、女子大生の頃に負け犬の遠吠えを読み、社会人になって婚期を逃したらどうしようと慄いていた一回り下の世代にあたるので、自分がアラフォーに突入しよ...
負け犬の遠吠え以来の酒井順子さんのエッセイ。unlimitedだったので手を伸ばした。 元気な等身大の50代の様で良かったです。 私自身は、女子大生の頃に負け犬の遠吠えを読み、社会人になって婚期を逃したらどうしようと慄いていた一回り下の世代にあたるので、自分がアラフォーに突入しようというこの時期に50代の先輩女性の素直な価値観を見せて貰えるのはとてもありがたい。 何度か、「セクハラ」というキーワードに触れられた箇所が興味深かった。 セクハラが流行語大賞になったのは平成初頭。だけどそれが明らかにNGな行為だという共通認識ができるまで30年かかった、という… セクハラに明確にNOと言える若者世代の価値観を頼もしく思い、ついついセクハラ発言をしてしまう昭和・老人世代に気持ちは分かるよ昔はそうだったねと優しさを見せるバランスが、読んでいてちょうどいい。
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