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ガラスの50代 の商品レビュー

3.8

22件のお客様レビュー

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2021/12/14

読んでいる間中、光GENJIの「ガラスの10代」を口ずさんでしまった世代。 酒井順子はタイトルが秀逸。抑制の利いた文章で世代、時代を語るスタイルは相変わらず。だけど、その作風には飽きがきて最近は読むのをやめていた。 なのにこの本を手に取り、投げ出さずに最後まで読んだ理由。 それは...

読んでいる間中、光GENJIの「ガラスの10代」を口ずさんでしまった世代。 酒井順子はタイトルが秀逸。抑制の利いた文章で世代、時代を語るスタイルは相変わらず。だけど、その作風には飽きがきて最近は読むのをやめていた。 なのにこの本を手に取り、投げ出さずに最後まで読んだ理由。 それは「母を嫌いになりたくないのに」の筆致。 p77 同世代の友人が集まれば、母親の愚痴は鉄板の話題となります。さんざ愚痴をこぼした後の、 「もうこれ以上、ママのことを嫌いになりたくないのに……」 という友人のつぶやきに、その場にいる全員、頚椎が痛くなるほどにうなずいたものでした。 p81 「ママって、うちの弟にはいい顔するのに、私にはわがまま放題っていうのが、ムカつく」 息子はいつまでも恋人のような「面倒をみてあげたい」存在だが、娘は「実用品」 p86 「うちの母が同級生だったとしても、すっごく仲良くなっていたと思う」 と言う人もいますが、それはレアケース。多くの人は「この人とは合わない……」という淀んだ気持ちを、母親を看取るまで持ち続けるのではないか。 p99 昔を思い出せば、相手と特別な愛情を育んでいないのについ「して」しまい、発展しないままに関係が霧散する、といったケースはなきにしもあらず。とは言えそのような時でも、相手からしたら「身体だけが目当て」などでは、決してなかったはずです。「いきがかり上」とか「据え膳感覚」もしくは「珍味感覚」で、何となくそうなったに過ぎなかったのだと思う。 ↑ こういう書き方、すごくうまいと思う。 p188 (新型コロナウイルス騒動が始まったころ) 見えない恐怖が迫りくる中で私が最初に思ったのは、「これを親が知らなくてよかった」ということでした。親が存命で合ったら、どんなに心が乱れたことか。既に親が他界している友人知人も、口をそろえて、 「親がいなくてよかった」 と言っています。 p205 日本のメディアでは今、「老人」「老いる」「老ける」「初老」といった「老」の字を使用した言葉の使用が忌避され、まるで差別用語のような扱いとなっています。「老人」は「高齢者」や「お年を召した方」に、「老ける」は「加齢による変化」となり、「初老」は「プレシニア世代」などと言われるようになりました。 ~~ この手の言い換えは、「年をとる」ことが望ましくないことだと認識されているからこその気遣いなのです。 ~~ しかし私は、ここであえて問いたい。ふけること、そして老いることはそんない悪いことなのか、と。人間の心身が自然のままに老いたり老けたりすることに無抵抗でいるのは、怠惰であり罪悪なのでしょうか。 巻末のアンケートは不要だったかも。

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2021/10/23

あ~やっぱりマーガレット酒井さま、最高であり、私の理想とする作家さんだなぁと、改めて思わせてくれるコノ・タイトル付けからキラリ光る語彙が詰まった読み応えある一冊。

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2021/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 スポーツ好きで勝負好きな性分、35歳の頃「負け犬の遠吠え」を。30代末期から事実婚との酒井順子さん「ガラスの50代」、2020.11発行。50代からの女に必要なものは三つの「キン」だとか。お金、筋肉、近所の友達。男性もほぼ同じだと思いますw。「懐かしむ」というレジャー、著者は荒井由実を楽しんでるそうです。私は昨夜「船村徹特集」を見て、「風雪流れ旅」「女の港」「みだれ髪」を懐かしみました。

Posted byブクログ

2021/07/31

環境は自分とは少し違うが、愉快に痛快に、あるある!が止まらない酒井さんの著書。「負け犬の遠吠え」の吠えておられた頃から思うと、年齢に争わず静かに老いていこうと記される最後のあたりなど、月日の流れを感じ感動的ですらあった。

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2021/07/22

暫し、酒井先生の鋭い切れ味が鈍ったように思っていたが、それは、欲深い40代から、「ガラスの50代」への大きな変化の中で、起きたことなのかもしれず、逆に50代だからこその滋味深い文章となっており、自分も50を確実に超えて共感できるめいげんのかずかずに、幾度のなく頷いて読了しました。...

暫し、酒井先生の鋭い切れ味が鈍ったように思っていたが、それは、欲深い40代から、「ガラスの50代」への大きな変化の中で、起きたことなのかもしれず、逆に50代だからこその滋味深い文章となっており、自分も50を確実に超えて共感できるめいげんのかずかずに、幾度のなく頷いて読了しました。有り難やー

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2021/07/05

まだ40前半のオッサンですが50代への連続性を強く再認識させられた,イロイロと. いやしかし最近さらに進行してきた老眼がやばい.なんでこの若さで老眼鏡を買い替えねばならんのだ.

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2021/05/21

タイトルを見て、ローラースケートと諸星和己が脳内再生されるなら、読めばもう、強く頷き膝を打つ事が多い内容。 基本は女性向けだが、酒井順子の飾り気の少ない読みやすい文体は、オッサンの私が読んでも。あーそうだよなー、分かるわー。と、同世代あるあるなエッセイが満載。ガラスだけに心に刺さ...

タイトルを見て、ローラースケートと諸星和己が脳内再生されるなら、読めばもう、強く頷き膝を打つ事が多い内容。 基本は女性向けだが、酒井順子の飾り気の少ない読みやすい文体は、オッサンの私が読んでも。あーそうだよなー、分かるわー。と、同世代あるあるなエッセイが満載。ガラスだけに心に刺さりまくり。

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2021/04/07

子なし48歳、仕事は充実してるけど、子どもがいないせいで「おばちゃん」と呼ばれることにも自称「おばちゃん」と名乗ることにもいまだ免疫なく、これから自分はどのように老いていくのだろうと何となく五里霧中な気分だった私にとっては、まさにガイドのような一冊だった。 老い方に迷うこと自体、...

子なし48歳、仕事は充実してるけど、子どもがいないせいで「おばちゃん」と呼ばれることにも自称「おばちゃん」と名乗ることにもいまだ免疫なく、これから自分はどのように老いていくのだろうと何となく五里霧中な気分だった私にとっては、まさにガイドのような一冊だった。 老い方に迷うこと自体、贅沢なことなのかもしれないけど。

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2021/01/17

読んだことの無い作家さんだったが、図書館の新刊コーナーで題を見てまさに私の事?と読みたくなった。 「50代あるある」が満載で、一つ一つに笑ったり頷いたり共感して読んだ。両親が健在で、母親の重さは全くないのは幸せだ。そんな日が来ることがあるのだろうか?彼女の方が私より余程外交的で趣...

読んだことの無い作家さんだったが、図書館の新刊コーナーで題を見てまさに私の事?と読みたくなった。 「50代あるある」が満載で、一つ一つに笑ったり頷いたり共感して読んだ。両親が健在で、母親の重さは全くないのは幸せだ。そんな日が来ることがあるのだろうか?彼女の方が私より余程外交的で趣味も多く、むしろ未だに私が頼っているような気もするので反省。 もう若くない自分を受け入れながら(まさに痛みと共存しながら生きて行かねばならないのかという現状)、3つのキンの中のひとつ位は何とかしなければと思う。1番今出来そうなのは筋力かなぁ。金と近所友達は私にはハードルが高い。

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2021/01/03

内容紹介 (Amazonより) グレイヘアをきらめかせ、好きに生き始めるお年頃。 なのに職場では怖がられ、恋の8050問題を抱え、母親はさらに重さを増す。 女性の生き方をリアルタイムで捉え続けてきた人気エッセイストのライフステージエッセイ、最新版。 「令和の50代」のリアル...

内容紹介 (Amazonより) グレイヘアをきらめかせ、好きに生き始めるお年頃。 なのに職場では怖がられ、恋の8050問題を抱え、母親はさらに重さを増す。 女性の生き方をリアルタイムで捉え続けてきた人気エッセイストのライフステージエッセイ、最新版。 「令和の50代」のリアルがここに! Webマガジン「ミモレ」大反響連載、単行本化 巻末に「50代読者大アンケート」結果を収録 「今、ハマっていることを教えてください」 「これから挑戦してみたいことを教えてください」 「誰にも言えない秘密を教えてください」 「50代までにしておいてよかったと思うことを教えてください」 「50代になったらやめた方がよいと思うことを教えてください」 「50代でできるようになったこと、好きになったものを教えてください」 ほか 私は著者より先に就職しているので微妙に違う部分もありますが 同学年だからか共感することばかりでした。 50も過ぎると身体のあちこちにガタがきて いつの間にか自然と老化を受け入れている自分がいましたね。50歳なんてまだまだ若い!という人もいるでしょうが 持病が見つかったこともあるのですが こうして歳をとっていくんだ...と自覚する頃でもあるんじゃないのかなぁ... そして、コロナでマスク生活になり化粧もしなくなって もうまた化粧するのなんてちょっとめんどくさいって思ってしまっています。 どちらかというと内向的なので コンサートや舞台を観に行けなくて寂しいですが 観たい映画や海外ドラマを観て過ごす日々にも慣れてきました。 会社でも年下ばかりになってきていて 話も合わないので仕事の話以外はしないし 気乗りしない付き合いも必死に仕事することもやめたら 気持ちが楽になりましたね。 仕事は自分の人生に必要なお金を稼ぐ手段と割り切っています。 会社っていろんな人達が集まるところなので 何かとめんどくさいことが多いですよね。 50歳の頃って私にとって考え方も変わった頃でした。周りを気にし過ぎても仕方ないし それって自分の人生を歩けてない、苦になることは出来るスルーはしようと考えるようになったら 自分は自分と思えるようにもなった。 自分勝手はダメだと思うけど 自分の意思は持っていたいですよね。 子育ても終わりかけた50歳頃だからこういう事を考える余裕も出来たのでは?とも思っています。

Posted byブクログ