ブルースだってただの唄 の商品レビュー
2021.4読了 ブクログ参加前の記録。 黒人差別問題は、本当に本当に根深く苦しい。 ブラックライブズマターも、今はあまり話題にのぼっていないですが、解決したわけでもなく… 黒人の血が一滴でも入っていれば黒人。(黒人でない側の括りとして。) 肌の色ではない… 簡単ではない...
2021.4読了 ブクログ参加前の記録。 黒人差別問題は、本当に本当に根深く苦しい。 ブラックライブズマターも、今はあまり話題にのぼっていないですが、解決したわけでもなく… 黒人の血が一滴でも入っていれば黒人。(黒人でない側の括りとして。) 肌の色ではない… 簡単ではない… ちょうどこの頃、ホイットニー・ヒューストンの記録映画の一つを観て、白人よりの曲を発売したことで、ソウル・トレインでブーイングを受けていた… それも心痛むエピソードでした。 再読するかも、です。
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黒人女性の生活についての聞き書き。 かなり悲惨な話が多い。色が濃いほど差別が酷くなるなど。この時代だから、白人でも黒人でもなく日本人だから聞けた貴重な話もありそう。 白人の生活と同化することは黒人の文化を失うことになる。普遍化を目指さずに個別の話をじっくり聞く。 さすが翻訳家で文...
黒人女性の生活についての聞き書き。 かなり悲惨な話が多い。色が濃いほど差別が酷くなるなど。この時代だから、白人でも黒人でもなく日本人だから聞けた貴重な話もありそう。 白人の生活と同化することは黒人の文化を失うことになる。普遍化を目指さずに個別の話をじっくり聞く。 さすが翻訳家で文章は読みやすい。でも前評判ほどの名著なのかはわからなかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者の作品がここ数年でたくさんリイシューされており、そのうちの1冊ということで読んだ。アフリカ系アメリカンのエスノグラフィーとして興味深かった。80年代の作品なので時代を感じる側面もあるが当時からまだまだ変わっていない現状も多い。それゆえに当時の記録の持つ意味を強く感じる読書体験だった。 第一章がウィスコンシン州にある刑務所で働く臨床心理医のジュリエットを中心にそこで働くメンバーのエスノグラフィー、メンバーによる討議で、第二章がブレンダという受刑者のストーリー、さらにプラスエピローグといった構成となっている。 第一章ではアフリカ系アメリカンとしてUSで生きていくことのハードさがさまざまな立場から語られている。特に印象に残っている点は肌の色に関する議論だ。2024年のヒップホップにおける最大のトピックとなったであろうKendrick vs Drakeのビーフにおいてもカラーについてフォーカスされていたが、アフリカ系アメリカンにとって色の濃淡が人生に与える影響の大きさが語られている。それは色が濃い場合にも薄い場合にも両方それぞれにとって当事者にしかわかり得ないなやアジア系の自分には想像つかない感覚だが当事者たちの語りを読むうちに切実さが伝わってきた。当事者同士で濃淡を争うのではなく、肌の色で何かが決まってしまう社会システム自体に声をあげなければならないという話は至極もっともだった。(Kendrickは本来そういう立場だっただけにBeefとはいえカラーに関するラインは残念)また歴史の重要性も語られており、学校教育においてアフリカ系アメリカンの歴史がオミットされることで自分たちが立脚できる過去がない。そうなると今に希望を抱けなくなった瞬間あきらめてしまうという主張は無意識に過去、歴史に立脚できてしまっている自分の立場について振り返らせられた。その反動というか過去にすがれない分、今を大切にするためにコミュニティとしての結束が強いのだろう。 第二章は夫の浮気相手を殺害して終身刑で服役、そこから恩赦を受けて減刑された女性の壮絶すぎるストーリーが語られている。彼女の生き様自体が1本の映画のように思えるが、こういった人が特別ではない過酷な環境が透けて見える。ドラッグアディクション、家族との関係などストラグルしなければならないことは山積みの中、刑を終えようと懸命に生きている姿はかっこいい。特にこのラインはしびれた。 *牢獄を出てもね、それだけですぐに社会復帰がすぐにできるというわけにはいかないのよ。自分のうちなる牢獄を追い出すまでは、復帰が完了したことにならないのだものね。* エピローグも含めて本著に登場する女性たちは自分たちの人生を勝ち取ろうと必死で生きているのが伝わってくる。タイトルはまさにそれを象徴していて、ブルースのように自分のみじめな立場を歌うだけではなく、ブルースとは「ちがう唄」を歌い上げる。James Brownの『Say It Loud』が引用されているように、それはファンクでありソウルであり今となってはヒップホップなのかもしれない。他の著作も早々に読みたい。
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美しく率直な文章で、その場(話をしている場)にいるような臨場感もある。知性…。 時代も国も違うとはいえ、実際の生活の様子を聞くとやはり驚くな。
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ブローティガンの翻訳をされている方の本ということで、翻訳に関係する本なのかなと読み始めたら、アメリカに住む黒人の差別の歴史であったり、黒人女性たちが劣悪な環境でどう暮らしてきたかの聞き書きでした。 私だったら絶望してしまうだろうなと思う境遇であっても、向学心旺盛で、世間に負けまい...
ブローティガンの翻訳をされている方の本ということで、翻訳に関係する本なのかなと読み始めたら、アメリカに住む黒人の差別の歴史であったり、黒人女性たちが劣悪な環境でどう暮らしてきたかの聞き書きでした。 私だったら絶望してしまうだろうなと思う境遇であっても、向学心旺盛で、世間に負けまいとする黒人女性の姿に励まされました。とにかく純粋。 読んだ後、不思議と元気がもらえます。
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現実から目を背けず、強く生きている姿に感銘をうける。多様性の時代と言われるが、同化では意味がない。多様性を多様性のままいかに受け止めていけるのだろう。
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黒人女性へのインタビュー形式で書かれています。 彼女たちの苦しみや誇り…とても伝わります。 ただ…う〜ん…読むのが少ししんどかったな… きちんと理解すべき現実ですが…とてもしんどい⤵︎
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アメリカに暮らす一般黒人女性たちへのインタビュー。様々な人たちの暮らしのリアルは不思議と親近感と安心感を得られるので、心が不安定な時に読むといい。
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遠い国のちょっと昔の話しではない。 彼女たちの苦しみは続いている。 時を経てもなおまだ叫び続けなければならないほどに。
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リチャード・ブローティガンの訳者・藤本和子によるアメリカ黒人女性への聞き書き集。彼女たちは、アメリカで、黒人であること、女性であることにより二重にしたゲラれているという。ウィスコンシン州の刑務所でカウンセラーをしているジュリエット・マーティンを中心に、その同僚や受刑者たちに聞いた...
リチャード・ブローティガンの訳者・藤本和子によるアメリカ黒人女性への聞き書き集。彼女たちは、アメリカで、黒人であること、女性であることにより二重にしたゲラれているという。ウィスコンシン州の刑務所でカウンセラーをしているジュリエット・マーティンを中心に、その同僚や受刑者たちに聞いた話がまとめられてる。どの話も個人的で、かつ普遍性があった。公民権運動などを経て黒人の状況も改善されているのではという質問にジュリエットが答えた「戦いなんて、まだ始まってもいない」という言葉が印象的だ。
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