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きのうのオレンジ の商品レビュー

4.4

160件のお客様レビュー

  1. 5つ

    75

  2. 4つ

    64

  3. 3つ

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2024/08/13

久しぶりに本を読んで泣いた。 登場人物がみんなそれぞれ温かくて、どうか遼賀の病気が良くなりますようにと思いながら読み進めた。 はじめて読んだ作家さんなので、他の作品も読んでみたいな。

Posted byブクログ

2024/07/19

読書備忘録842号。 ★★★★。 涙無くしては読めない・・・。 ただ、病気モノは悲しみの涙。 同じ涙でも感動してというのとはちょっと違うのです。 若干苦手・・・。 主人公、笹本遼賀33歳。 どこにでも居る極々普通の独身男性。 ちょっと胃の調子が悪い。検査した結果は胃がん。 え...

読書備忘録842号。 ★★★★。 涙無くしては読めない・・・。 ただ、病気モノは悲しみの涙。 同じ涙でも感動してというのとはちょっと違うのです。 若干苦手・・・。 主人公、笹本遼賀33歳。 どこにでも居る極々普通の独身男性。 ちょっと胃の調子が悪い。検査した結果は胃がん。 えっ?なんで俺が?誤診かもしれない。そんな訳ないよな。もしかして俺死ぬの?精密検査しないとだめ?でも仕事があるし。頭がぐるぐるぐる。胸が苦しい・・・。怖い怖い怖い!死ぬのは怖い。涙が止まらない! そして夢を見た。 15歳のころ、故郷の岡山で父と双子の弟恭平の3人で登った冬の那岐山。 そして兄弟で遭難した。恭平はパニックに。遼賀は兄として冷静にならねばと思った。死ぬことを覚悟したけど絶対に諦めなかった。ビバークして兄弟で温めあって、そして助かった。 胃がんで死ぬと決まったわけではない。絶対に諦めない。平凡で何もない人生だったけど、絶対に諦めない・・・。 平凡な青年ががんに罹り闘病を続けていく中で、自分には何もなかった・・・、内もなく死んでいく・・・訳ではなく、遼賀の存在で救われてきた人たちが闘病をサポートし、本人含め、誰一人諦めず戦っていく涙なくしては読めない物語です。 でも、遼賀は死んじゃいますけどね・・・。 なので★4つ。 遼賀に寄り添う登場人物たち。 高那裕也。遼賀が店長を務めていたレストラン「トラモント」のアルバイト店員。 甲子園を目指していた。そして肘を壊した。野球推薦で進学した高校に居づらくなってヤサぐれる。そんな裕也のバイト面接で遼賀は肘の手術跡を見ていろいろ聞いてくれた。そして採用してくれた。その恩は計り知れない。店長の店を良くしようという思いをがっつり受け止めて頑張ってきた。店長が闘病している間は俺が店を守る! こいつは良いね!一押しのキャラ。 矢田泉。遼賀が検査に行った病院で偶然再会した高校時代の同級生。看護師。 遼賀の弟恭平は野球部のエース。その陰に隠れるようにしていた遼賀。それを遼賀は何もないという。そうではない。いつも困った人が居れば親身に寄り添っていた遼賀。それを泉はずっと見ていた。卒業前の学園祭で演劇の背景画が間に合わない。周りは泉を見捨てたが、遼賀は徹夜で手伝ってくれた。そして歴史に残る背景画になった! 何もないなんてことはない!大好きだった!遼賀! 病院の看護師をやめて、遼賀を最後まで在宅で介護する道を選ぶ! 遼賀の双子の弟、恭平。 実は双子ではない。母親の双子の妹の子供。母親は恭平を産んですぐに亡くなった。 引き取ったのが遼賀の両親。 二人を双子として育てた両親。 恭平はある時気づく。自分は両親の子供ではない。 その事実がありながら、どんな家族よりも家族であり続けた両親と、何より兄の遼賀。 15歳の時の遭難は、兄が居なかったら絶対に助からなかった。兄は絶望の中でも諦めなかった。そして今も諦めていない。兄以上に、自分は諦めない! 胃を2/3切除したが膵臓周りのリンパに転移。地獄の抗がん剤治療。 岡山に戻る遼賀。 岡山に集まる諦めないチーム! それでもがんは容赦しない。 骨への転移。激痛。 そして、再び山へ。那岐山へ・・・。 15歳の遭難の時に書いた遺書を懐に入れて。 遼賀の遺書はヤバい。ヤバすぎる。目から水漏れが! 遼賀の残したものは大きい!でもこれはハッピーエンドではない!笑 ハッピーエンドが良い!ジジイはハッピーエンドを望む!

Posted byブクログ

2024/07/05

東京の洋食レストランで店長を務める主人公遼賀。 30代にして突然胃がん宣告を受ける。 恐怖、不安に押しつぶされそうになりながら、実家岡山の家族や、病院で再会した同級生の看護師に支えられて、懸命に生きていく。 15歳の時に遭難した記憶が蘇り、その時生きることを諦めなかった自分を思い...

東京の洋食レストランで店長を務める主人公遼賀。 30代にして突然胃がん宣告を受ける。 恐怖、不安に押しつぶされそうになりながら、実家岡山の家族や、病院で再会した同級生の看護師に支えられて、懸命に生きていく。 15歳の時に遭難した記憶が蘇り、その時生きることを諦めなかった自分を思い出す。 その時に履いていたオレンジの登山靴とともに。 当たり前の日常がどんなに大切か貴重なのか、どれだけの人に支えられて生きているか、その人達への感謝の気持ちを忘れない大切さ、そんな事を胸に刻みながら読んだ話でした。 当然ながら癌の宣告を受けた本人と家族の精神的負荷は大きい。 経験したことがあるので、よく分かる。 どんなに辛くても、生きたいという気持ちを強く持ち、何か希望を見つけて前に進む、それは決して容易いことではない。 この主人公遼賀は、時折落ちながらも、自分の関わる人たちへの感謝の念を胸に、過去の自分が生きたいと懸命に努力したように前に進んでいく。 そんな姿がとても頼もしく、心強く感じた。 「テレビのリモコンの5にある突起のような人」、誰かを陰ながら導けるようなそんな人に憧れる。 遼賀のような。 決して明るい話ではないけど、明るさが見える話だった。

Posted byブクログ

2024/06/04

病気はこわい。悲しいけど、温かい、心がじんわりする、そんなお話でした。名曲の影響もあってか、オレンジって、なんか切なさも纏ってる色だなぁ、、なんて思いました。

Posted byブクログ

2024/05/08

藤岡陽子のきのうのオレンジを読みました。 原題は夕空のうらがわでした。 きのうのオレンジは、どういう意味か読む前は計りかねていたのですが、登山靴の色のようです。 主人公の遼賀は専門学校を出てからレストランに就職。 店長をしていましたが、堪えられない胃痛に襲われ店員のすすめもあり病...

藤岡陽子のきのうのオレンジを読みました。 原題は夕空のうらがわでした。 きのうのオレンジは、どういう意味か読む前は計りかねていたのですが、登山靴の色のようです。 主人公の遼賀は専門学校を出てからレストランに就職。 店長をしていましたが、堪えられない胃痛に襲われ店員のすすめもあり病院へ。 そこで高校の同級生の女性看護師矢田に再会します。 まさかの末期胃がん。 兄弟として育った恭平と雪山の遭難。 闘病生活とその心理が良く描かれています。 映画になって欲しいですね

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2024/04/30
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兄、遼賀の優しさが切なさを増幅させる。 優しすぎるよと何だか泣けてしまった。 癌がじりじりと迫る恐ろしさ。 新薬に挑戦しようとするも直前で引き返す辺り、勢いに流されずにちゃんと立ち止まれるあの場面に強く家族愛を感じた。大事な人なんだという想いに溢れていて好きな場面の一つだった。 弟恭平も真っ当な教師でとても魅力的だった。こんな教師が世に溢れてくれたらとつい願ってしまう。いじめの首謀者だった生徒に真っ直ぐ届いていて欲しい。 冬山の恐ろしさは私も雪国育ちなのでとても分かる。その楽しさも。 山にはその人の本性を剥き出しにしてしまう恐ろしさもあるが、山に登った全員が気持ちの良い人達で読後感が非常に良い。 いい小説を読めました。

Posted byブクログ

2024/07/11
  • ネタバレ

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働き盛りの30代でがん宣告なんて、どれほどの衝撃かと…思考が拒否して、しっかりとした想像力が働かない。それでも作中に人の優しさが散りばめられていたから、最後まで読み終えることができました。 オレンジ色の靴がキーポイントにも感じるし、実家と職場のレストランで生った蜜柑もオレンジ色、山で感じたまぶた裏の夕陽もオレンジ色…( ;∀;) 明日を生きる大切さも考えさせられました。 『不安、恐怖、後悔…。この3つを口にする患者さんが多いかな。』 『自分が無力であることを突きつけられる。それなのに、こんな状態でもまだ必死になって探している。自分にもまだ何かできることがあるのではと、その何かを探している。』 2024.4

Posted byブクログ

2024/04/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

病気の進行や対応がリアルな闘病の話なのに 終始穏やかだった。 病気になった人が優しいからだろうか… 医師の説明を受ける場面があるが 医学をかじっているせいで説明している内容が妥当だな〜と思っていると 家族が憤慨していたのに少し驚いてしまった。 確かに,自分の大切な家族に置き換えたら,そう思う人もいるのかも…と学びになった(?) 病状の伝え方ってきっと難しいのだと思う。

Posted byブクログ

2024/03/26

泣けはしなかったが、優しさがにじみ出る内容。みんなが幸せになればいいと願わずにいられない。リモコンの5の部分の突起みたいな優しさ、持ち合わせたいもんです。

Posted byブクログ

2024/03/26

日々を誠実に生きる青年が病気となり、それを支える人たちとの物語。 主人公の今までの優しさがあったから周りが当然のように更なる優しさで包み込む。 兄弟愛、家族愛、恋模様の全てが心地よい。 辛く哀しくも心温まる感動作。

Posted byブクログ