ペルソナ の商品レビュー
初めての中野信子氏の本でした。一般の人にも分かりやすく脳の話などを入れつつ、自身の性格や半生を書いた自伝で、一気にサクサク読めました。著書に「本の良いところは、儀礼としての意味しかもたない言辞や振る舞いを抜きにして、本質的な思考のやり取りができる点にある。」とあったが、著者の思考...
初めての中野信子氏の本でした。一般の人にも分かりやすく脳の話などを入れつつ、自身の性格や半生を書いた自伝で、一気にサクサク読めました。著書に「本の良いところは、儀礼としての意味しかもたない言辞や振る舞いを抜きにして、本質的な思考のやり取りができる点にある。」とあったが、著者の思考を覗かせてもらって新しい知識が広がったり、発見があったり、スゴく共感できるところやまた逆もあったりと、とても面白かった。思ったより人間ぽいところもあって何故だか安心した。
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大活躍中の筆者の“不機嫌な彼女”ぶりがつれづれなるままに綴られている。不機嫌だけど、単なる不機嫌さんで終わるのではなく、コミュニケーションがそれほど得意でない小さい頃の思い出や、多分毒親な母との関係に苦しみ、工夫して逃げてきたこと、男性社会の中で努力してきた経験からイライラや不機...
大活躍中の筆者の“不機嫌な彼女”ぶりがつれづれなるままに綴られている。不機嫌だけど、単なる不機嫌さんで終わるのではなく、コミュニケーションがそれほど得意でない小さい頃の思い出や、多分毒親な母との関係に苦しみ、工夫して逃げてきたこと、男性社会の中で努力してきた経験からイライラや不機嫌が、とことん言語化されているのがすごい。 他人から見える自分が演じているもの、という意味のペルソナ、それをつかさどる脳は決して一貫してないこと、要は脳は行き当たりばったりですよということなのだろうけど、彼女が表現すると、そういうことかと納得してしまう。 この世代は失われた世代、透明な存在、履歴書が汚い。ほんとそれ。同年代として投げやり感にも共感してしまった。
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「わたしのペルソナ(他者に対峙するときに現れる自己の外的側面)は、わたしがそう演じている役である、といったら言い過ぎだと感じられるだろうか?」(「はじめに」より) 脳科学者の著者が、自身の内面を、そしてこれまでの人生で感じてきた喜怒哀楽を時間を遡る形で記した。 多くの著書で、...
「わたしのペルソナ(他者に対峙するときに現れる自己の外的側面)は、わたしがそう演じている役である、といったら言い過ぎだと感じられるだろうか?」(「はじめに」より) 脳科学者の著者が、自身の内面を、そしてこれまでの人生で感じてきた喜怒哀楽を時間を遡る形で記した。 多くの著書で、様々なテレビ番組で、脳科学の知見から、的確で鋭いコメントを穏やかに紡ぎ出す笑顔の奥底にあったものが、読みやすい言葉で語られている。 時代遅れの男性原理の象徴のアカデミズムでの奮闘。 テレビ番組での大きな気づき。 テレビは、トレーニングステーションだった。 脳における「正義」のトリック。 必要なのは「マイルドヤンキー」のコミュニケーション能力。 正確さを目指す日本人、アレンジを誇るフランス人。 「誰かほかの人を介するのではなく、本を介して直接、私の頭の中と皆さんの頭の中をつなぐことができればと思っている。これなら、本が存在し続ける限り、私と皆さんとはいつでも会えるのと同じことだ」 「一隅を照らす、という言葉がある。こうして書いている一文字一文字が、闇のような世界の中で、誰かの足元を照らすことができればいいなと思っている」 中国の文豪魯迅は語った。 「生きていく途中で、血の一滴一滴をたらして、他の人を育てるのは、自分が痩せ衰えるのが自覚されても、楽しいことである」 本書を読み通したときに、この言葉が頭を駆け巡った。 偉大な知性との対話。 苦闘する英知との語らい。 「学びに年齢は関係ない。いつでも思い立ったときに始めればいいのだ。勉強したいと思ったときが適齢期、だと私は思う」 そして、読書を通して学びを通して自分自身を見つめ直す。 他人なれどもかたらひぬれば命にも替るぞかし。 学びと対話こそ、闇のような世界を照らす光だ。
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この人は何を言いたいのだろう?と思うような本。抑うつ的反芻は知性の反映かもしれない、という点は面白い。
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中野信子著書を読むのは初では無いが、こういったエッセイ形式は初めて。脳の仕組み、ペルソナとは何たるかということを期待して読んでしまった。帯にあったように自伝である。
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脳科学者の自叙伝をベースに、そのトピックに対する脳科学観点の考察とエッセー、という感じの本でした。 以前「サイコパス」を読んだので、興味を持って読み始めました。 ・アカデニズムでの時代遅れの男性原理、 ・バラエティ番組はコミュニケーションのトレーニングステーション、 ・日本人の...
脳科学者の自叙伝をベースに、そのトピックに対する脳科学観点の考察とエッセー、という感じの本でした。 以前「サイコパス」を読んだので、興味を持って読み始めました。 ・アカデニズムでの時代遅れの男性原理、 ・バラエティ番組はコミュニケーションのトレーニングステーション、 ・日本人の謎の微笑み、 の話は面白かったです。
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何気ない日常や出来事を独自の感性と世界観で綴られていて面白かった。特に世界観に関しては、不思議だなぁと言うのが正直なところ。 中野氏がお笑い芸人をすごくリスペクトしているのは意外だったし俄然親近感を持った。 自分も全く同感なので。
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おんなじこと何度も聞かれるから、まずこれ読んで!と書かれたとのこと。時間を遡って最後が子どもの時代で種明かしというんじゃなくて、「モザイク状の多面体」という結論になっていたのが良かった。
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決して分厚い本ではないけど、内容が重く読むのに時間がかかる。 闇に共感出来る箇所があったり出来ない箇所があったり。共感を求めている訳ではないからそれでいいんだろうけど。 人間、綺麗事だけでは生きていけないし、正しい人物像に従わない人への排斥の傾向もある。その中で割り切るしかない...
決して分厚い本ではないけど、内容が重く読むのに時間がかかる。 闇に共感出来る箇所があったり出来ない箇所があったり。共感を求めている訳ではないからそれでいいんだろうけど。 人間、綺麗事だけでは生きていけないし、正しい人物像に従わない人への排斥の傾向もある。その中で割り切るしかないんだろうな。
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読み応えのある自伝で、中野信子さんのイメージが変わった。テレビで拝見する限りでは、控えめで優等生的な印象を受けたが、実際はそうではなく、自己主張も強く、好き嫌いも激しい人なんだなと感じた。共感できる箇所もあれば、そうでない箇所もあったが、こんなに頭の良い人が、これほどの闇を抱えて...
読み応えのある自伝で、中野信子さんのイメージが変わった。テレビで拝見する限りでは、控えめで優等生的な印象を受けたが、実際はそうではなく、自己主張も強く、好き嫌いも激しい人なんだなと感じた。共感できる箇所もあれば、そうでない箇所もあったが、こんなに頭の良い人が、これほどの闇を抱えて、これまで生きてきたとは…読んでて心が苦しくなったが、貴重な読書体験となった。
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