鳩護 の商品レビュー
小森椿は、都内の中規模の出版社で情報発信をメインとしたミニタウン誌を発行する部署で働いている。そんな彼女が住んでいるアパートのベランダに白鳩がやって来て、鳩が好きでもないのに、白鳩によって鳩を護ることを宿命づけられた「鳩護」に選ばれる27歳の日常に変化が現れてくる。
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鳩といえば新沼謙治。鳩サブレといえば豊島屋。鳩小説といえばこの『鳩護』。アラサーOL椿は、ある日ベランダに迷い込んだ白鳩を保護した。するといつも公園で見かける胡散臭い男に「お前が俺の次の鳩護(はともり)になるんだ」と声を掛けられる。戸惑う椿。鳩護ってなに??...なかなか妙な話だ...
鳩といえば新沼謙治。鳩サブレといえば豊島屋。鳩小説といえばこの『鳩護』。アラサーOL椿は、ある日ベランダに迷い込んだ白鳩を保護した。するといつも公園で見かける胡散臭い男に「お前が俺の次の鳩護(はともり)になるんだ」と声を掛けられる。戸惑う椿。鳩護ってなに??...なかなか妙な話だった。面白い所もあるけど、夢の話が多いのが個人的には微妙。夢の話って、聞くのも読むのもちょっと苦痛。一気にファンタジー寄りになってしまう。ただ作中のハトは可愛い。「鳥は大好きだが鳩だけはイマイチ」と思っていた私の心に変化が訪れる。
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『颶風の王』や『肉弾』から見ると、文章のテイストが変わっててびっくり。ラフな文章もイケるのか。河崎さん。 ハト子の体温を感じるところや、馬との関わりはリアルさを感じた。 地のライトな感じの文章に入ってきて、独特な食いつかれ方。文章から読者に食いついて来るのも変な表現だけど、そん...
『颶風の王』や『肉弾』から見ると、文章のテイストが変わっててびっくり。ラフな文章もイケるのか。河崎さん。 ハト子の体温を感じるところや、馬との関わりはリアルさを感じた。 地のライトな感じの文章に入ってきて、独特な食いつかれ方。文章から読者に食いついて来るのも変な表現だけど、そんな感じ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
鳩に"選ばれた"27歳の女性・椿。 仕事に追われる日々を送っていた椿は突然、鳩を護ることを宿命づけられた"鳩護(はともり)"になる。 今までの河崎さんとは全く異なる作風に驚いた。 過酷な自然とのリアルな闘いの物語に対して、今回は…夢とうつつの間をさ迷うファンタジー? けれどそこは河崎さんらしく、動物が直面する厳しい現実を我々読者に訴えかけることも忘れない。 鳩と言えば漠然と平和の象徴というイメージしか持っていなかったけれど、昔の戦場や新聞社における伝書鳩やレース用の鳩といった、人間に飼われる"家畜"の立場にあることを知った。 そして時に、人間の食料となることも…。 先輩"鳩護"の幣巻から「猫背」と勝手な仇名で呼ばれるくらい、いつも背中を丸めてつまらなそうにしていた椿。 会社や日常生活にいつも不平不満を抱えていた彼女も、"鳩護"の役目を通して鳩のように飛び立てたように思う。 人間がいくら鳩をコントロールしようとも、鳩はそんなに簡単に人間の思い通りにはならない。 それはとても自然なこと。 人間と動物との共存について考えさせられた。
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