1,800円以上の注文で送料無料

ウンコはどこから来て、どこへ行くのか の商品レビュー

3.7

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/11/09

今まで特に意識したことのなかった、身近であるはずのウンコが人々の目につかないようになった背景、うんこに対する人々がもつイメージの変化が真剣に語られてておもろかった。1950年代になって初めて日本にバキュームカーが登場したが以前は汲み取りで行っていたとは思わなかったので面白かった。...

今まで特に意識したことのなかった、身近であるはずのウンコが人々の目につかないようになった背景、うんこに対する人々がもつイメージの変化が真剣に語られてておもろかった。1950年代になって初めて日本にバキュームカーが登場したが以前は汲み取りで行っていたとは思わなかったので面白かった。 金を払ってまで百姓がウンコを欲しがるのは面白いと思った。

Posted byブクログ

2024/08/29

肥料として集められ市場経済まで形成した糞が、いつ屎尿として処理されるに至ったか。化学肥料の普及のせいかな、と思ってたんだけど都市サイドの問題だったんだね。あと米国の占領と五輪。 ウンコの話だから川崎も出てきた。トイレットペーパー以前に使われていた棒とか、バキュームカーなどは日本民...

肥料として集められ市場経済まで形成した糞が、いつ屎尿として処理されるに至ったか。化学肥料の普及のせいかな、と思ってたんだけど都市サイドの問題だったんだね。あと米国の占領と五輪。 ウンコの話だから川崎も出てきた。トイレットペーパー以前に使われていた棒とか、バキュームカーなどは日本民家園で4年前に開催された「うんことくらし」展でも見ていたので良い復習になった。

Posted byブクログ

2023/09/18

新書大賞2021ノミネート作品から積読になっていた一冊。しばらく通勤カバンに入りっぱなしだったけど、福岡行の飛行機で読了。 実家は俺が小学生の時まではボットン便所。祖父が週末に自分で汲み取って、畑に撒いていたことを思い出す。 名古屋の例を使った利用と処理の歴史の紐解きも興味深い。...

新書大賞2021ノミネート作品から積読になっていた一冊。しばらく通勤カバンに入りっぱなしだったけど、福岡行の飛行機で読了。 実家は俺が小学生の時まではボットン便所。祖父が週末に自分で汲み取って、畑に撒いていたことを思い出す。 名古屋の例を使った利用と処理の歴史の紐解きも興味深い。 猫見ていて思うけど、食べることと勝とも劣らず重要な排泄。汚物って一言で片づけちゃいけないなと思った。

Posted byブクログ

2023/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ウンコが現代人にとって忌避すべき存在であるが、それが忌避されるべき存在になったのかを歴史資料や文学資料、マンガまでを駆使してまとめている。 特に江戸時代は肥料として、お金を払って取引されていたが、屎尿として処理されるまでの経緯を丁寧に辿っていく研究が、彼女の本来の研究分野であるが、一番面白かった。都市化と衛生という概念が、糞尿を屎尿にしていくのは近代化の象徴でもあるし、それが今の世界中の共通認識になりつつある姿を見ると、失ってきたものの大きさを感じない訳にはいかない。 著者自身のトイレ体験から書き起こしているが、私自身、汲み取りも水洗も、また糞尿の肥料として使うのも経験していたので、この50年ほどの変化が実体験に照らして読む事が出来た。

Posted byブクログ

2021/12/30

ウンコのことをこれだけ真面目に調査した本は初めてで面白かった。 江戸時代にはウンコが売買されていたとか、武家のウンコは高値で、長屋の便所は大家さんの貴重な収入源になっていたと言う話は興味深かった。

Posted byブクログ

2021/12/04

「うんこは汚いか?」 ウンコを肥料として使っていた時代までは、ウンコは汚いものではなかった。肥料として金銭で取引されたものだった。 しかし第二次大戦後、アメリカやヨーロッパから見るとウンコは寄生虫の心配のある汚物であること、人口集中で肥料としても使いきれない量が出ることなどからだ...

「うんこは汚いか?」 ウンコを肥料として使っていた時代までは、ウンコは汚いものではなかった。肥料として金銭で取引されたものだった。 しかし第二次大戦後、アメリカやヨーロッパから見るとウンコは寄生虫の心配のある汚物であること、人口集中で肥料としても使いきれない量が出ることなどからだんだんウンコは捨てる物となり、汚いものと扱われるようになっていった。 その変化が分析されていて面白かった。

Posted byブクログ

2021/09/25

江戸時代の頃人糞は農業における肥料としてなくてはならないものだったが、今ではほとんど価値もなくなりただの汚物でしかなくなってしまった。さらに人は水洗トイレを発明しウンコを流してすぐに視界から消し去ることで、いつしかウンコを自分事として見られなくなってしまった。子どもの頃は自由帳に...

江戸時代の頃人糞は農業における肥料としてなくてはならないものだったが、今ではほとんど価値もなくなりただの汚物でしかなくなってしまった。さらに人は水洗トイレを発明しウンコを流してすぐに視界から消し去ることで、いつしかウンコを自分事として見られなくなってしまった。子どもの頃は自由帳にうんこを描き、うんこの話をするだけで笑いがとれたというほど万人のヒーローであった筈のうんこも年齢が上がると自然にゴミを見るような目でしか見られなくなってしまったのはなぜだろう。うんこについての知識を深め、うんこを他人事ではなく自分事として捉えられるようにするためにもこの本は読んだ方がいいと思った。

Posted byブクログ

2021/07/03

現代生活では欠かせない電力については憂慮される問題が山積みなので今も話題が絶えない一方、下水道については多くの人が何も考えることなく日常を過ごしていると思う。しかし改めて考えると、都市の超絶膨大な人口のうんこ、しょんべんをここまで処理しているシステムってすごいことで、もう少しそれ...

現代生活では欠かせない電力については憂慮される問題が山積みなので今も話題が絶えない一方、下水道については多くの人が何も考えることなく日常を過ごしていると思う。しかし改めて考えると、都市の超絶膨大な人口のうんこ、しょんべんをここまで処理しているシステムってすごいことで、もう少しそれを個人で勉強してもいいんじゃないかって思った。 実際に下水道には糞尿以外に強酸洗剤のような危険な薬品も結構流れてる訳で、ゴミの分別とかと同じように環境に優しい下水道の使い方って何だろうって今考えている。 うんこは土に埋めれば簡単に肥料になるのは自明である一方、衛生面や強烈な臭い等、取扱厳重注意な物体であることも改めて認識することができた。 これからはウンコの処理を「他人事」として見るのではなく「自分事」として見る意識で考えていきたいと思いました!

Posted byブクログ

2021/05/11

下水道処理システムについて知りたくて手にしたけど、そんな専門的で視野狭窄なお話ではなく、ウンコ総論、そもそもウンコは汚いのか、汚いとはなんぞや、そしてウンコ史、世界のウンコ事情と、ウンコ話がてんこ盛り。我が人生においても、トイレも処理紙も大いなる変遷があった。大学受験で上京し、ホ...

下水道処理システムについて知りたくて手にしたけど、そんな専門的で視野狭窄なお話ではなく、ウンコ総論、そもそもウンコは汚いのか、汚いとはなんぞや、そしてウンコ史、世界のウンコ事情と、ウンコ話がてんこ盛り。我が人生においても、トイレも処理紙も大いなる変遷があった。大学受験で上京し、ホテルの洋式トイレに惑ってなかなか用が足せなかった友人がいた。郊外の畑には肥溜めがあり、漂う香りは田舎の香水と称していたっけ。忌避するのは仕方ないとして、改めて学ぶこと多し。椎名誠氏に世界のトイレ事情をまとめていただけば楽しそうだ。

Posted byブクログ

2021/03/21

ウンコという言葉をこの本以上に目にすることはないだろう。 そして、冒頭からいきなり、「はたしてウンコは『汚い』のだろうか」(13頁)と聞かれることも、またないだろう。 ウンコは汚いか?と問われれば、「そりゃそうでしょ」と答える人がほとんどだろう。 しかし、まずその常識を疑うのが学...

ウンコという言葉をこの本以上に目にすることはないだろう。 そして、冒頭からいきなり、「はたしてウンコは『汚い』のだろうか」(13頁)と聞かれることも、またないだろう。 ウンコは汚いか?と問われれば、「そりゃそうでしょ」と答える人がほとんどだろう。 しかし、まずその常識を疑うのが学問である。 ウンコは汚いのだろうか? さっきまで体内にあったものが排泄行為によって出た瞬間から気持ちの悪いもの、関係のないもの、となる。 それは、抜けた髪や切った爪、身体中から出る垢も同じだ。 もちろん感染症に敏感になっている今は、感染対策を取らなければならないものもあるだろうが、単純に不思議な気がする。 さっきまで、私の体であったものなのに、と。 ウンコが高値で買われ、肥料として使われていた時。 都市部に人が流入し、水洗トイレが出てきた時、ウォシュレットが使われた時…人はどんどんウンコから遠ざかる。 けれども、それでよかったのか? 私は東京育ちの人間だから、綺麗で高機能で臭わないトイレが当たり前だった。 昔田舎にあった「ボットン便所」はごめん被りたい(使ったことはある)。 しかし、子供のうんこを日々見て(嗅いで)いると、うんことは生きている証だと思う。。 ニラを食べれば臭くなるし、ヨーグルトを食べさせれば綺麗なバナナ型になる。 コロコロだったり、軟便だったり、「くっさ!」「ああー漏れているー!」「ぎゃぁ手についたぁーーー」も生きているからこそ。 あわやウンコ、なぜかウンコ。されどウンコ。 本書の最後でゴーギャンの話が出るなんて! ウンコから人類の来し方を考える良書であった。

Posted byブクログ