1,800円以上の注文で送料無料

ウンコはどこから来て、どこへ行くのか の商品レビュー

3.7

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/02/21

生きる上で一番大切なことは「食べること」と同時に「ウンコをすること」なのに現代では軽視され水に流されるだけ、という冒頭の投げかけから始まって、かっての循環経済を解説し近代のトイレ事情の変遷を語る。

Posted byブクログ

2021/01/19

下水処理後の汚泥は、肥料として使えないだろうかと思っていたのだが、さまざまな化学物質などが混ざってしまい、難しいとのことは知らなかった。生命の循環の輪が人間によって断ち切られてしまうとは、人間の罪深さはこんなところにまで及んでいるのかとガックリさせられる。 人間は自然から切り離さ...

下水処理後の汚泥は、肥料として使えないだろうかと思っていたのだが、さまざまな化学物質などが混ざってしまい、難しいとのことは知らなかった。生命の循環の輪が人間によって断ち切られてしまうとは、人間の罪深さはこんなところにまで及んでいるのかとガックリさせられる。 人間は自然から切り離されようとしているように見える。自然から離れては人間は生きてはいけなくなる日が来るのではないかと、排泄の問題だけ見ただけでも大きな問題提起をされたようだ。

Posted byブクログ

2021/01/05

「糞」とは語源的には「畑で両手でまく」という意味を持つらしい。ウンコは人々の生活に(特に農業において)かなり密接した存在だったが、都市化とともにウンコは畑に還元するだけでは有り余る量になり、様々な処理方法が模索されていったそうだ。そして現在に至る。 文字通り、僕らはウンコを水に流...

「糞」とは語源的には「畑で両手でまく」という意味を持つらしい。ウンコは人々の生活に(特に農業において)かなり密接した存在だったが、都市化とともにウンコは畑に還元するだけでは有り余る量になり、様々な処理方法が模索されていったそうだ。そして現在に至る。 文字通り、僕らはウンコを水に流してきた。自分から出るはずなのに、ウンコと自分の距離は遠い。ウンコが「汚物」へと成ってゆく歴史を知ると、自分たちがいかに固定概念の中で生きているかを思い知らされる。 たかがウンコ、されどウンコ、さすがウンコ。

Posted byブクログ

2020/12/26

タイトル買いした一冊。 前半は人糞と肥料の話がちょっと厚すぎなのだが、後半からはウンコをめぐるネタがあれこれ登場して面白くなってくる。 人糞が価値あるものから汚物となり、処理方法が河川・海洋への投棄から屎尿処理へとむかう過程はギリギリで見ることができた。ウォシュレットの登場に...

タイトル買いした一冊。 前半は人糞と肥料の話がちょっと厚すぎなのだが、後半からはウンコをめぐるネタがあれこれ登場して面白くなってくる。 人糞が価値あるものから汚物となり、処理方法が河川・海洋への投棄から屎尿処理へとむかう過程はギリギリで見ることができた。ウォシュレットの登場には、心底驚いた(もう当たり前だけど)。 著者が欧州で経験して驚いたという、線路上へ捨て去るタイプのトイレも、昔どこかで経験した記憶がある。 昔、農地が広がる地域で車の窓を開けて走っていると、口の悪い子どもたちが“田舎の香水”と呼んでいた糞(家畜か人糞かはわからない)的な臭いにおいがしてきたものだ。そういえば、めっきりそんな機会も減ったような。 男の子は基本、ウンコ話が好きなのだけれど、著者は女性。案外女の子も好きなのかも。

Posted byブクログ

2020/11/27

近世から現代にかけての日本の屎尿処理の話を中心に、ウンコに纏わるあれこれと作者のウンコ感?をまとめたもの。「人糞地理学ことはじめ」とサブタイトルにあるが、人糞地理学について本文中で軽く触れられてはいるけれど、具体的にそれがどのような学問なのかは良く判らなかった。愛知や長野のローカ...

近世から現代にかけての日本の屎尿処理の話を中心に、ウンコに纏わるあれこれと作者のウンコ感?をまとめたもの。「人糞地理学ことはじめ」とサブタイトルにあるが、人糞地理学について本文中で軽く触れられてはいるけれど、具体的にそれがどのような学問なのかは良く判らなかった。愛知や長野のローカルな話題は出てくるが他地域との比較がないので地域に根ざしたものなのか判断がつかない。ことはじめとあるので、そういうのは今後ということか… (江戸時代に屎尿処理の話は良く出てくるが、江戸や大阪といった都市部と農村との関係の話が多く、ではもっと田舎ではどうったんだとかいろいろ知りたいことは山ほどある)

Posted byブクログ

2020/11/21

やたら「ウンコ」という文字が連打されているので、やや辟易。内容は、フィールドワークを含め、比較文化人類学といった本。 結局、下肥として消費できないくらいの排泄量が都市で発生してしまって、排泄物から汚物になってしまったということです。 下水道は社会インフラですが、維持コストも過疎地...

やたら「ウンコ」という文字が連打されているので、やや辟易。内容は、フィールドワークを含め、比較文化人類学といった本。 結局、下肥として消費できないくらいの排泄量が都市で発生してしまって、排泄物から汚物になってしまったということです。 下水道は社会インフラですが、維持コストも過疎地域になるとpayしないので、そういった地域で、サステイナブルな循環を目指すのはよいのでは、と思った。ただし、そういう地域に自分が住みたいか、と言われると・・・なので、難しい問題ですね。

Posted byブクログ

2020/11/11

「ウンコの来し方行く末を考えることは、つまるところ、私たち人間の来し方行く末を考えることにほかならないのである。」なかなか大きく出たなあ。それにしても、「ウンコ」が多すぎる。目次4ページの中には32個、プロローグ6ページには30個もある。のっけからのあまりの多さに、思わず数えてし...

「ウンコの来し方行く末を考えることは、つまるところ、私たち人間の来し方行く末を考えることにほかならないのである。」なかなか大きく出たなあ。それにしても、「ウンコ」が多すぎる。目次4ページの中には32個、プロローグ6ページには30個もある。のっけからのあまりの多さに、思わず数えてしまった。その後も、次々とウンコが出てくる。まあ、ウンコの本だから仕方ない。僕が小学2年生まで住んでいたのは町中の家で、水洗トイレだった。3年で引っ越しすると、そこはくみ取り式。いわゆる「ぽっとん便所」だ。おつりが返って来るというやつ。それがまた臭い。引っ越してすぐ、僕はトイレが水洗になるまではうちのトイレは使わないと言っていた。まあ、がまんできるわけもなく、すぐに慣れてしまうのだが。月1回だったかバキュームカーがやってくる。それがとにかく臭い。母は、たびたびくみ取りをしてくれる人に「たばこ代」などと言って小銭を渡していた。それで、ちょっとサービスしてくれたのだろうか。何をだ?昭和40年代に建った住宅地だが、近くには田畑がわりと残っていた。そこに、肥溜めと言われるものがあった。この周りで遊んでいて落ちた子がいるという話を聞いた。いくら風呂に入って洗っても2,3日は臭いがとれなかったという。嘘か本当か。木の箱に入ったちり紙を使っていた記憶もある。かたくてお尻が痛かった。たぶん。それにしても、葉っぱでふくのは分からなくもないが、板とか棒とかなんかとっても痛そうだ。そんなものでちゃんとふけるのか。砂とか、もう考えられない。まあ、食べ物によってウンコのかたさなども違うのだろう。ほとんどふかなくても大丈夫だったのかもしれない。でも、いつでもそうとは限らないし。まあ、1章分お尻のふき方でなかなか興味深い。糞尿を肥料にするためにわざわざお金を出す、もしくは野菜などと交換していた、という話は聞いたことあったけれど、そこからお金を払って屎尿を取りに来てもらうという時代への移り変わりがおもしろい。世界各地のトイレ事情もまたおもしろい。いやあ、とにかく「ウンコ」だけで1冊できてしまったのだ。人糞地理学ことはじめ、これからの研究にも期待しよう。

Posted byブクログ