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神さまの貨物 の商品レビュー

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70件のお客様レビュー

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2021/06/27

[出典] BOOKMARK Vol.18 (2021 SUMMER) 20210625, 紀伊国屋書店@新宿 P.9

Posted byブクログ

2021/06/29

この小さな本が成し遂げていることの大きさよ。 戦争の闇と、命の光。 この本は「愛」そのもの。 戦争の残酷さ。 過去に敷かれた凄惨なレールは誰にも変えることはできない。 だけど、これから先へと続くレールは二度と間違えてはならない。 そう心に強く思う。 本のラストに添えられた「覚...

この小さな本が成し遂げていることの大きさよ。 戦争の闇と、命の光。 この本は「愛」そのもの。 戦争の残酷さ。 過去に敷かれた凄惨なレールは誰にも変えることはできない。 だけど、これから先へと続くレールは二度と間違えてはならない。 そう心に強く思う。 本のラストに添えられた「覚え書き 本当の歴史を知るために」は、読み飛ばしてはならない、必読の部分。 ある一つの悲しい運命。 本の中で生きているその女の子のほほえみとはじけるような笑みが浮かんでは、涙する。 確かにそこに生きている生。 物語にできることの偉大さと、愛にできることのすべて。愛こそが全てと強く胸に刻む。 一人ひとり、お守りのようにこの本を抱えて生きていけたらと思う。

Posted byブクログ

2021/08/09

ホロコーストを扱った物語の一つです。子供という光が大人たちを変えていく温かい物語ですが、とてもとても悲しい物語でもあります。何も選ぶことが出来ない赤子が、一番産まれてはいけない時に生を受け、選ばれ捨てられ、それにより生き延びて行きます。 人に優しさを向ける事が出来ない、人心荒れ果...

ホロコーストを扱った物語の一つです。子供という光が大人たちを変えていく温かい物語ですが、とてもとても悲しい物語でもあります。何も選ぶことが出来ない赤子が、一番産まれてはいけない時に生を受け、選ばれ捨てられ、それにより生き延びて行きます。 人に優しさを向ける事が出来ない、人心荒れ果てた時代にこういう事もあったのかもと思う事で救われる気持ちになります。 単なるいい話ではありませんが、それだけに重みが有ります。

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2021/05/17

「覚え書き」で淡々と綴られる事実が与える、遣る瀬なさ。 帯のように「人間への信頼を呼び覚ます」「愛を信じ切った人たちの物語」とまでは思えなかった。「おかみさん」はただただ信仰深く、神の愛を信じ切る人に見えた。そういうことなのか?

Posted byブクログ

2021/05/15

幸運にも貨物列車から投げ出された双子の女の子は、ヤギのお乳で生き延びる。 赤ちゃんは泣くのが仕事。貧しい木こりは疲れているから、泣き声でイライラするけど、おかみさんが赤ちゃんを触らせた時のシーンが優しい。 そこからは、この赤ちゃんの成長がこの家族の幸せに変わる。 幼子にパプーシュ...

幸運にも貨物列車から投げ出された双子の女の子は、ヤギのお乳で生き延びる。 赤ちゃんは泣くのが仕事。貧しい木こりは疲れているから、泣き声でイライラするけど、おかみさんが赤ちゃんを触らせた時のシーンが優しい。 そこからは、この赤ちゃんの成長がこの家族の幸せに変わる。 幼子にパプーシュ!マムーシュ!と言われると笑顔になる。 双子の(本物の)お父さんは、なんとか生き残り、生きていると信じええている娘を探して彷徨う。 おくるみにされていた金の刺繍の入った布が目印で、再会できたのに、その場を去る。 その後の話はないが、そこが1番震える場面だった。 作者のお父さんが収容所のガス室に送られている。 覚え書きが衝撃的だった。

Posted byブクログ

2021/05/13

ホロコーストについては様々な伝え方があるのだろうが、昔ばなし語りというのは奇抜だ。ユダヤ人を人でなしとして貨物扱いし、残忍に排除するという事実は盛られており、歴史を騙ることなく児童文学としても成立させるなら、こうした手法が有効なんだろう。人でなし扱いする側の人間こそが人でなしだと...

ホロコーストについては様々な伝え方があるのだろうが、昔ばなし語りというのは奇抜だ。ユダヤ人を人でなしとして貨物扱いし、残忍に排除するという事実は盛られており、歴史を騙ることなく児童文学としても成立させるなら、こうした手法が有効なんだろう。人でなし扱いする側の人間こそが人でなしだと思えるものの、その時代にどちらの側に立たされようとも抗うためは命を賭さなければならない。ゲシュタポを人でなしとすることさえ、人を人がそのように扱うのならばやはり人でなしの所業なんだろう。まるで禅問答だが、過去を教訓とするしかない。

Posted byブクログ

2021/05/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第二次世界大戦中のナチスによるホロコーストの嵐が吹きあれるフランスが舞台。 童話のように柔らかな語り口で紡がれる残酷な世界と奇跡のような美しい愛の物語だった。 たった76年前にただユダヤ人であるだけで強制収容所で人間性を否定され虐殺された人々が居た事実を再認識した。 戦争も差別も未だになくならないのが悲しい。

Posted byブクログ

2021/05/04

テーマは重たいがはっきりしてる。 親という立場から見た子の幸せ。最後子どものために、どうしたんだろう、と、すごく気になるけど、そこを敢えて書かないことで、自分だったらどうするかな、って考えさせられる。 全体的にも短い文章だが、それぞれの章の区切りも短く、時の流れがゆっくりだったり...

テーマは重たいがはっきりしてる。 親という立場から見た子の幸せ。最後子どものために、どうしたんだろう、と、すごく気になるけど、そこを敢えて書かないことで、自分だったらどうするかな、って考えさせられる。 全体的にも短い文章だが、それぞれの章の区切りも短く、時の流れがゆっくりだったり、早かったり、唐突だったりもするけど、読みやすい。

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2021/04/25

2021年本屋大賞・翻訳小説部門第2位と紹介された記事を見て手に取った。短めの一冊だがテーマは思い。「神さまの貨物」を通して、登場人物それぞれが、信じること、愛すること、そして行動することが描かれる。 ナチスドイツによるユダヤ人迫害を思わせる世界。双子の赤ちゃんを授かった夫婦が...

2021年本屋大賞・翻訳小説部門第2位と紹介された記事を見て手に取った。短めの一冊だがテーマは思い。「神さまの貨物」を通して、登場人物それぞれが、信じること、愛すること、そして行動することが描かれる。 ナチスドイツによるユダヤ人迫害を思わせる世界。双子の赤ちゃんを授かった夫婦が列車に揺られている。「積み荷」として扱われ、コンテナの劣悪な環境下で、少しずつ数が減っていく。夫は生き延びることを諦めはしないが、悩んだ末にショールに包んだ赤ちゃんを窓から列車の外へ差し出す。受け取ったのは木こりの妻。

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2021/04/19

生きる糧と生まれながらの宿命と、 畏怖せざるものと愛しきもの。 追い詰められ、過ちと知りつつ、 希望をつなぐ。 再会、邂逅、離別。 通りすぎる想いは、 たったひとつだけ。

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