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神さまの貨物 の商品レビュー

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70件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2022/02/15

「むかしむかし、あるところに、子供を授かれなかった老夫婦がおりました。ある日、ひょんなことから赤ん坊を拾った二人は、その子を自分たちの子として育てることになったのです。」……… 世界の様々な童話の導入部として使い古された感もあるプロローグ。ですが、本作の赤ん坊は、神や妖精から賜...

「むかしむかし、あるところに、子供を授かれなかった老夫婦がおりました。ある日、ひょんなことから赤ん坊を拾った二人は、その子を自分たちの子として育てることになったのです。」……… 世界の様々な童話の導入部として使い古された感もあるプロローグ。ですが、本作の赤ん坊は、神や妖精から賜った存在ではなく、非情な運命を辛くも逃れたユダヤ人の赤子です。 ガス室送りになるはずだった赤ん坊と、その子を我が子同然に慈しむ夫婦。 物語は、彼らだけではなく、「赤子を列車の窓から投げ落とした」父親の目線でも描かれます。 成長する赤子。 同胞達を次々と「見送る」父親。 そんな二人の数奇な運命が交わる時、彼等が失ったもの達に思いを馳せて、愕然としました。

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2022/02/01

貧しい木こりが“小さな贈りもの”に触れる描写がある。(p75~p80)生命を感じ、慈しむ心が芽生える。“小さな贈りもの”はただ、生きようとしているだけ、でも、触れた木こりは生きる希望を得た。優しい文章で綴られているが、この物語の背景を思うとき、“小さな贈りもの”は、触れた者にとっ...

貧しい木こりが“小さな贈りもの”に触れる描写がある。(p75~p80)生命を感じ、慈しむ心が芽生える。“小さな贈りもの”はただ、生きようとしているだけ、でも、触れた木こりは生きる希望を得た。優しい文章で綴られているが、この物語の背景を思うとき、“小さな贈りもの”は、触れた者にとって“生きる”希望となる。

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2022/01/22

「むかしむかし」で始まるおとぎ話のようだけど、ひんやり冷たい土の感触も残るような文章で、「ここで語られる絶望的な状況は、別世界のものではなくこの世界で起きた事がベースになっている」という事実が胸にぐんぐん迫ってくる。私たちはこのことを忘れてはいけない、と強く思う。

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2022/01/21

文字も大きく、ページ数も少ない、おとぎ話のような文体のこの本には、私たちが忘れてはいけない、心に留めておくべきものがあふれている。

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2022/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昔話が始まるような口調で語られた 背景にユダヤ人迫害を描く物語 目を背けてはならないと意識するも 平和な時代に生まれた私は その現実があった頃から まだ70年程しか経過して居ないことに驚きを隠せない。 ヒーロー目線 子供を雪に放ったあの日 見習い医師がバリカンのみを扱うようになったあの日 全ての炎が燃え尽きようとしたあの日 木こりのおかみ目線 列車の神さまに出会ったあの日 木こりとともにしあわせな日々を送ったあの日 森で宝ものを大切に慈しみ育てたあの日 全てが終わったあの日が来て チーズを選びながら奇跡に感謝し 自我を抑えたヒーローの子供を思う愛 もう交差することがないと分かっていても… 親から子へ注がれる愛を痛いくらいに感じる作品です。

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2022/01/01

強制収容所に運ばれるユダヤ人が乗った貨物列車。若い父親が一か八かで双子のうちの一人をショールにくるんで窓から落とす。 それを子供のできない女が拾い、自分の子どもとして育てる。初めは反対していた夫も子どもを愛するようになる。しかし戦争はそれぞれの人生を否応なく変えていく。 具体的...

強制収容所に運ばれるユダヤ人が乗った貨物列車。若い父親が一か八かで双子のうちの一人をショールにくるんで窓から落とす。 それを子供のできない女が拾い、自分の子どもとして育てる。初めは反対していた夫も子どもを愛するようになる。しかし戦争はそれぞれの人生を否応なく変えていく。 具体的な名前や場所は出てこないので、寓話のような雰囲気がある。 一ページあたりの文字数も少ない。 昔読んだフィリップ・クローデルの『リンさんの小さな子』を思い出した。あれも戦争によって日常を奪われた人を寓話的に描いた本だった。 顔が半分潰れた男はグードルン・パウゼヴァングの『片手の郵便配達』にも出てきた。この作品と同様第二次世界大戦中の物語だった。戦争で頭部を負傷し、人に見られたくないと隠れて暮らした人というのはいたんだろう。 『リンさんの小さな子』も『片手の郵便配達』も名作だったので、どうしてもそれらと比べると…と感じたが、ささやかな幸せを奪い、生き残った人にも生涯癒すことのできない傷を残す戦争の悲惨さを分かりやすく力強い文章で描いており、いい作品だと思う。 本文以上にエピローグに強く訴えるものがあり、(と言っても本文を読んだからこそ響く言葉ではあるのだが)エピローグを読んで、ああ、読んで良かったと思った。

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2021/12/20

昔話のような語り口で少し昔の戦時下、一人の子どもを守ろうとした人々のことを淡々と語る物語。ユダヤ人を収容所に送る貨車から、我が子を助けたい一心の父親の手で列車の外に放られた赤ちゃん。その命を託された貧しい木こりの妻も一心にこの子を守ろうとする。本当に昔話のような展開もあるけど、収...

昔話のような語り口で少し昔の戦時下、一人の子どもを守ろうとした人々のことを淡々と語る物語。ユダヤ人を収容所に送る貨車から、我が子を助けたい一心の父親の手で列車の外に放られた赤ちゃん。その命を託された貧しい木こりの妻も一心にこの子を守ろうとする。本当に昔話のような展開もあるけど、収容所で起きていたこと、そこで多くのものを失いながら生きた人の絶望感は現実で息が詰まる。

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2021/12/19

2021年本屋大賞翻訳部門第2位の作品。 作者は児童文学者。 文字が大きく150頁位の本。 すぐ読み終わると思ってた。 しかし内容が重くてなかなか読み進まない ユダヤ人虐殺の歴史を背景とした命の大切さの物語。 目を逸らしてはいけないと思う。けど、これは読むのが辛い

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2021/11/12

第二次世界大戦中に奪われた命の中で、こんな風に救われ生き延びたケースがあったかもしれない。なかったかもしれない。 一つ確かなことがあるとしたら…とエピローグで力強く語られる、戦争と命と希望の物語。 いつもどんな時代でも痛い目を見るのは弱者。乳児でガス室。打つのも胸が痛む言葉。 あ...

第二次世界大戦中に奪われた命の中で、こんな風に救われ生き延びたケースがあったかもしれない。なかったかもしれない。 一つ確かなことがあるとしたら…とエピローグで力強く語られる、戦争と命と希望の物語。 いつもどんな時代でも痛い目を見るのは弱者。乳児でガス室。打つのも胸が痛む言葉。 あっという間に読め、短い映画を観たような気持ちに。絶望と希望を味わえた。

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2021/10/30

ブックマークのレコメンドを読んで気になったのがきっかけ。むかし話しのように柔らかな語り口で描かれている。おかみさんを通してグランベールさんが語りかけてくるようである。

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