悪い夏 の商品レビュー
文庫本の帯にある通り、クズとワルしか出てこないので、読んでる時も読後感も最低。そんな酷い状況にある生活保護不正受給者と役所の福祉課職員たちの騙し合い、企み、悪事などの数々。どんどん読ませるストーリー仕立てはまあまあというところ。最後の方の落とし方にはちょっと引っかかるところがあり...
文庫本の帯にある通り、クズとワルしか出てこないので、読んでる時も読後感も最低。そんな酷い状況にある生活保護不正受給者と役所の福祉課職員たちの騙し合い、企み、悪事などの数々。どんどん読ませるストーリー仕立てはまあまあというところ。最後の方の落とし方にはちょっと引っかかるところがあり、甘めの四つ星。
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本屋でお薦め本として平積みされいて手に取りました。 普通に仕事していた人が転落していく姿に何とも言えない感情がわきました。 人ってこんなにも簡単に堕ちるのかと思うけど そんなものなのかも知れないと…。
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些細なキッカケから人生が壊れてしまい、それが幾重にも重なってしまった時に何とかなっていたものも全て破滅してしった。人との関わり方を再度考え直すことができた作品。
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染井為人、そめいためひと。初めて読んだ。鈴木くんが、宿泊中のホテルジャパネスクに持ってきてくれた。悪い夏が終わる、九月に読了。最後は止まらなかった。
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どいつもこいつも…って感じね。 あぁ…あるんだろな…って思える話。 きっと事実であるよ。 結局、普通にその辺にいる人だって良い人なんて一人もいないからね。 良い人ぶってる偽善者か隠すことすらしない嫌な奴かしかいない世の中だもの。 でも作られた空想の世界に行きたいから小説読むの...
どいつもこいつも…って感じね。 あぁ…あるんだろな…って思える話。 きっと事実であるよ。 結局、普通にその辺にいる人だって良い人なんて一人もいないからね。 良い人ぶってる偽善者か隠すことすらしない嫌な奴かしかいない世の中だもの。 でも作られた空想の世界に行きたいから小説読むのだから、有り得ない突飛なエンタメの中の絶妙微妙なリアリティってのを求めたいのだが、リアル過ぎると『朝のワイドショー』を見てる感じで小説には求めてないかな…と。
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評価難しい。 序盤は登場人物らに嫌気がさして読むの止めようかと思ったけど、徐々に引き込まれていき、一気に読了。 他の奴らは自業自得、因果応報やけども佐々木と美空が可哀想すぎる。 みんな些細なことがキッカケでつまづいてしまい、立ち上がれずに転落してしまうのかな。 つまづいた後に立ち...
評価難しい。 序盤は登場人物らに嫌気がさして読むの止めようかと思ったけど、徐々に引き込まれていき、一気に読了。 他の奴らは自業自得、因果応報やけども佐々木と美空が可哀想すぎる。 みんな些細なことがキッカケでつまづいてしまい、立ち上がれずに転落してしまうのかな。 つまづいた後に立ち上がれるかが大切になるんだと実感させられた。 面白いのは面白いけど、んーって気持ちにもなる。 やっぱり評価の良し悪しつけるの難しい。
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「正義の申し子」が面白かったので、染井さんの本を他にも読んでみたくて。 「正義の〜」はバッドエンドではない終わり方だったけれど、こちらは賛否両論ある様子。多分、明るいendではないと、わかっていながらも購入。 染井さんの解説より。 『(略)そしていかに間違っていようとも、彼ら...
「正義の申し子」が面白かったので、染井さんの本を他にも読んでみたくて。 「正義の〜」はバッドエンドではない終わり方だったけれど、こちらは賛否両論ある様子。多分、明るいendではないと、わかっていながらも購入。 染井さんの解説より。 『(略)そしていかに間違っていようとも、彼らなりの言い分、正義が存在するのです。』 ↑ここだけ切り取ってしまうと意味が正確に伝わらないかもしれないけれど…最後ここを読んでさらに好きになった。 読んだ方々の言う通り、物語は散々。 登場人物も散々。 うーん、確かにクズかもしれないけど、登場人物みんな悪い、とは、私は思わなかった。 …悪いことしてるけれど、弱さとか、誰にでもある怠け心とか、運の悪さとか、そこにどうにもならないことも重なってここまで流されてきてしまった感が強くて、悪とは思えなかった。 そりゃぁ分かれ道でworseばかり選んでたら、誰だってクズになるしああなる可能性はあるだろうっていう。あ、逆かな、クズだからその選択しかできないのかな?だからますます転がり落ちる? でも止まれるチャンスは何回もあるはず。 でもそれを生かしきれないのも人間なんだよなぁ。 読んでるうちに、登場人物みんなに情が湧いてしまって。特に山田吉男なんて最初は「うぉえー」と思ってたのに人間味を感じてしまったし、愛美も嫌いになれなかったし、もちろん佐々木も、古川佳澄も(でも高野と莉華はダメだ!) マトモなニンゲンは1人もいないw 最後の修羅場に関してはドキドキとか全部通り越してマンガ見てるみたいで笑えた。 嗚呼、人生とは。 佐々木に関しても、したことも行き着いた先も悲惨で重くて後味悪いはずなのに「これも一つの人生」として読めてしまった。全くハッピーではないのに、なぜだろう軽め。 この、暗くなりすぎず、でもしっかりズシッと響いてくるの、好きだな。他にも読みたいな。
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「クズとワルしか出てこない 最低にして最高」の魅力溢れるパワーワードに惹かれ帯買いした本書....の思い出は中々古い記憶だ。長らく本棚に鎮座させてしまい、最早復活の儀を待つラスボスみたいになっていた。 目覚めの時は突然で、勇者が剣を引き抜いたその時...とかでは無く、最近皆様の...
「クズとワルしか出てこない 最低にして最高」の魅力溢れるパワーワードに惹かれ帯買いした本書....の思い出は中々古い記憶だ。長らく本棚に鎮座させてしまい、最早復活の儀を待つラスボスみたいになっていた。 目覚めの時は突然で、勇者が剣を引き抜いたその時...とかでは無く、最近皆様の本棚でよく見掛ける様になった事で興味惹かれたという至極当然たる目覚めだ。ありがとうございます(*^^*) ーーーーーーーーーーーーーーーーー ケースワーカーの佐々木守の日常から物語は始まる。生気は無いがしっかりと受給者に向き合う姿勢の守と、その視点から見える不正受給者のクズワル具合に彼に対して秒で同情心が沸き立った。うーん、本当に面白いので内容をあまり語りたくない。なので作品説明以上の事は極力語らずに....出来るだろうか。 (´ρ`*)コホン 守の同僚〈高野洋司〉の悪事から負の連鎖がとぐろを巻き始める。被害者の〈林野愛美〉、高野を食い物にし東京進出を目論む地方ヤクザ 〈金本竜也〉 金本のパシリ不正受給者の〈山田吉男〉...に留まらず、少なくない登場人物達はもれなく負の連鎖に呑み込まれ、後の大き過ぎる悲劇として順調に成長していく。 語り手が逐一切り替わるスピーディな作品なのだが、人物描写がとても丁寧だった。誰がどんなワルかしっかり認識して読み進める事が出来る。種族のレパートリーが豊富過ぎて最早「クズワル大辞典」だ。 他人を食い物と認識すると人はここまで残酷になれるものなのかと恐ろしくなるが、如何せんこの作品に「良い奴」は存在しない。クズ×ワルの〈混ぜるな危険〉をとくと楽しんだろう くらいの俗悪的思考で向き合う方が精神は安定するかと思う。 性的暴行 麻薬 暴力 万引き....思いつく限りの「悪い事」が次々と起こるのだが、発端となるのは「生活保護不正受給」となる。勿論、不正受給は許せない。しかし、それを斡旋する地方ヤクザ金本のセリフが、人の羞恥を的確に抉り出しているように感じた。 『世間は生活保護を貰ってる奴らは楽して金を得てずるいではなく、一生懸命働いてるのに生活保護世帯よりも安い賃金しか貰えない社会はおかしいと考えるべきだ』 ....良い事言っている風だが、背景はマッチしていない。その世間の視野の狭さを嘲笑い、15時のもぐもぐタイムにしている様な人間の言葉だ。 しかし、「お言葉ですが」と返す言葉は見付からなかった。もしかしたら被害者は自ら「食べ頃」になっているのやもしれない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 常にシリアスな雰囲気で眉間のシワは刻まれる一方だ。しかし終盤は打って変わってのコメディタイム。これは決して非難している訳ではなく、リアルとどこかお茶目を感じる非現実さのバランスがとても面白い。野次馬根性よろしく大いに喜劇を楽しんでいた(注︰暗黒書物愛好家視点) 是非、白石和彌監督にエグさのテコ入れをして映像化してもらいたい。 著者の後書きにもチャールズ・チャップリンの名言を使ってこう記されている。 「『人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ。』これは、辛い事も思い返せば笑い話といった意味合いだろう。しかし、近くと遠くを自分と他人に置きかえられるのではないか。」 中々辛辣な言葉だが、自分以外の人間からしたら自分は他人だ。いつでも喜劇の対象となる。そしてそれは自分からしたら悲劇なのだ。 .....私は皆でエレクトリカルパレードが良い。 私は食べ頃になりたくない。 暗黒フィクションはフィクションのままで。悲しい連鎖は決して現実に連れ出してはならない。暗黒フィクションは防波堤だ、未来を学べる。悪夢を遮る砦だと私は常々思う。
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染井さんの作品、これで5作目だが、同じような作品はないし、どの作品もレベル高い! でも、結局最後の展開が好きじゃないんだなあ。必ずこういう風になる。現実と違ってせめてフィクションでは前向きに終わりたい・・・
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救いようのないクズばかり。 美空ちゃん幸せになっててほしい。 それぞれの視点で読めるのが面白い。
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