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悪い夏 の商品レビュー

3.8

333件のお客様レビュー

  1. 5つ

    61

  2. 4つ

    138

  3. 3つ

    102

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    3

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2022/08/07

 胸糞の悪い展開の連続だが、先が気になり一気に読める。生活保護受給者の弱みにつけこみ恐喝する男をさらに強請る、そしてさらに…というどうしようもない登場人物で構成されている。最後がもうちょっと丁寧だったら満足度が高かったのに。金本、山田、高野らはともかく、せめて愛美と美空がどうなっ...

 胸糞の悪い展開の連続だが、先が気になり一気に読める。生活保護受給者の弱みにつけこみ恐喝する男をさらに強請る、そしてさらに…というどうしようもない登場人物で構成されている。最後がもうちょっと丁寧だったら満足度が高かったのに。金本、山田、高野らはともかく、せめて愛美と美空がどうなったかだけは知りたかった。  『護られなかった者たちへ』同様、本当に生活保護が必要な人へ救いが行き渡らず、罪のない子どもが犠牲になるのが痛ましい。全員が何らかの加害者であり被害者で、その状態を生み出した社会が一番の悪なのでは。

Posted byブクログ

2022/08/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」というチャップリンの名言がこの本を読むことで体験できた。 その人の行動はたとえ間違っていても、その人なりの正義が存在する。だから、自分の正義のためだと思っても間違ってる可能性があるため、俯瞰して自分を見ることも大切であるとも言える。

Posted byブクログ

2022/08/06

生活保護不正受給者、それを食い物にするケースワーカ そこにヤクザが絡み、最悪の夏が訪れ、真面目なケースワーカーが堕ちていく。 欲を出し、欲望に負け、惰性に生きる選択をし、それが絡み合い悪い方へ悪い方へと転がっていき、ページを繰る手が止まらなかった。 クライマックスのアパートでの...

生活保護不正受給者、それを食い物にするケースワーカ そこにヤクザが絡み、最悪の夏が訪れ、真面目なケースワーカーが堕ちていく。 欲を出し、欲望に負け、惰性に生きる選択をし、それが絡み合い悪い方へ悪い方へと転がっていき、ページを繰る手が止まらなかった。 クライマックスのアパートでの狂騒は、悲惨な状況だが、突き抜けて喜劇っぽかった。 井上荒野”ママがやった”のクライマックス、車内でのシーンみたいに狂った状況で笑ってしまった。

Posted byブクログ

2023/11/15

読み始めは暗めな社会の底辺を描いた小説と思ったが、徐々に登場キャラの役割が変貌し、結末の読めない内容。主人公と呼べるキャラは存在せず、またどの登場人物も共感しづらい方々であった。 kindle unlimited

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2022/08/03

ここまで悪い夏は初めて。 どんどん堕ちていく様が、湿度が、陰りが、加速する。でもイマイチ感情移入?臨場感がなく星4つまではいかないかな。

Posted byブクログ

2022/07/31

生活保護がテーマの話で、出てくる人物は社会から転がり落ちた人達だけど、作者のどんな人にも正義や言い分が存在するという考えが伝わるように、一人一人の今に至った経緯や心情がすごくリアルに描かれていた。他の作品も読んでみたくなった。

Posted byブクログ

2022/07/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

Kindle Unlimitedで読了。 本屋さんでも推されていたから楽しみにしてた。 悪い夏、ですね。 全員揃いに揃ってワルでしたね〜 最後にかけてはもうテンポ良く事がグルグル回っていて読むスピードも上がりました。 カオスな状況の中、山田の「なんで日だ!(とは言ってない)」な発言がまともすぎて思わずプッとなった。1人だけ現状に嘆く様が本人にとっては悲劇、読み手からは喜劇として捉えられました。あとがきで作者が書かれてる事はまさにここなんじゃないかと私は思いました。 みんなワルで人も亡くなってるんですが、読後感は重くないです。 ただ生活保護を受けるべき人が受けられず心中に追い込まれたことについては考えさせられる。 やっとのことで申請にきて、その時の相談相手がヤク中になった役人だったってところも運がなさすぎる… 結局最後は全員成敗されたことでしょう。

Posted byブクログ

2022/07/30

夏の狂ったような暑さに全てを焦がされ、グズグズに爛れていきそうな作品。 この世のどうしようもない理不尽の螺旋が、途方もない大きさで目の前に突きつけられているような暗闇を感じる。 クズとワル。黒が黒を呼び込み、微かな白さえも呆気なく塗りつぶしていくような絶望の負の連鎖。 そこに光が...

夏の狂ったような暑さに全てを焦がされ、グズグズに爛れていきそうな作品。 この世のどうしようもない理不尽の螺旋が、途方もない大きさで目の前に突きつけられているような暗闇を感じる。 クズとワル。黒が黒を呼び込み、微かな白さえも呆気なく塗りつぶしていくような絶望の負の連鎖。 そこに光がなくもなかったのに。こうも瓦解していく過程を見せられると頭抱えたくなる。 終盤の悪夢のような修羅場は寧ろ何のブラックジョークなのかとすら思う。崩壊していくスピード展開は凄かった。 ただ、何であれ子供が否が応でも巻き添えをくらうのは見たくないなと思いました。 色々な方向から投げかけられるものが、痛みと苦味を残してヒリヒリさせられた。

Posted byブクログ

2022/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どこからどう見ても「悪い夏」でした。 無関係に見えた人々がどんどん繋がっていくのは面白かった。だが職を失い金がなくなり、そうすると瞬く間に抜け出せなくなっていくところが恐ろしかった。この世の闇を見せられていると思ったが、いつ自分がそうなってもおかしくないのだ。それだけ失敗できない社会になっていて、一度でも集団から外れるとなかなか戻れない。そして不寛容が蔓延している。 登場人物たちの人生を通して、現実の社会に目が向いた。それだけリアルな内容だった。 生活保護の不正受給に焦点が当たっていたので身構えたが、最後金本の口から真っ当な意見がスラスラと出てきて驚いた。苦しい生活をしている国民同士でいがみ合っている構図は、どんどん自分たちの首を絞めている気がする。まさか金本の意見に頷くことになるとは思わなかった。 ラストは少し希望が見えてよかった。あまりにみんな可哀想なので…

Posted byブクログ

2022/07/26

真面目だった人までがクズになった。クズだった。 ちょっとした判断や心情の影響で、一瞬にしてクズやワルに落ちてしまう、立場逆転するという怖さを感じました。 繋がらないままクズワルの全員集合。カオスで笑っちゃいましたが、実際その場に居合わせたら笑えませんよね笑

Posted byブクログ