悪い夏 の商品レビュー
26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して――。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえ...
26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して――。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえぐシングルマザー、東京進出を目論む地方ヤクザ。加速する負の連鎖が、守を凄絶な悲劇へ叩き堕とす!
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全員悪かクズという煽りは正解でしたね。 最後まで何も救われない話はあまり好きでは無いけど、話のテンポの良さと引き寄せられる内容であっという間に読んでしまいました。 映画化されそうな話でもあるので、もしあれば楽しみにしています
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確かに対岸の火事なのかもしれないが、いつどんな状況で自らに降りかかるかもしれない事なのだと思います。 遠い様で近い出来事なのかもしれない。
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読みやすい文章であっという間に読み終わった。 ケースワーカーの佐々木さんが本当に気の毒…… 読後感はあまりスッキリしなかったのと、エピローグでもう少しその後の話が描かれてたら良かったなぁと思った。 生活保護を主軸に、色々な悪人が自分の利益のためだけに行動する……人間の本性を見た...
読みやすい文章であっという間に読み終わった。 ケースワーカーの佐々木さんが本当に気の毒…… 読後感はあまりスッキリしなかったのと、エピローグでもう少しその後の話が描かれてたら良かったなぁと思った。 生活保護を主軸に、色々な悪人が自分の利益のためだけに行動する……人間の本性を見たような気がした。 悪人だらけの中で、佐々木と愛美と美空のシーンだけはほっこりとして、このまま続いて欲しいと願ったけど、最後、佐々木の元に届くたくさんの絵はきっと美空からの贈り物なんだろうな…美空は幼い頃自分を愛してくれた佐々木のことをずっと忘れていないんだな…と思うと、そこだけが救いだなぁと思った。
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本屋さんのPOPに惹かれて購入。 ハッピーエンドでもバッドエンドでもないけど、とにかく読みやすく面白かった。 さすが本屋さん、たいしたものだと思う。
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※ 初めて読む染井為人さんの小説でしたが、 何層も積み重なった社会問題がテーマで 非常にヘビーでした。 凄惨な場面や残酷な描写の重々しさではなく、 どうにもならない生活苦に喘ぐ人がいる一方で 意図的かつ悪意を持って生活保護の不正受給を 行う人が描かれていて、主人公の抱く憤りに ...
※ 初めて読む染井為人さんの小説でしたが、 何層も積み重なった社会問題がテーマで 非常にヘビーでした。 凄惨な場面や残酷な描写の重々しさではなく、 どうにもならない生活苦に喘ぐ人がいる一方で 意図的かつ悪意を持って生活保護の不正受給を 行う人が描かれていて、主人公の抱く憤りに 共感を覚えます。 ネグレクトや薬物依存、生活保護が受けれず 生きることを諦めて死を選ぶ親子、 断ち切れない負の問題が絡みに絡んでいて、 蟻地獄のようです。 夏だけで終われない、一度陥ると 抜け出せない怖さを突きつけられました。
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生活保護を題材に、役所側受給者側その他様々な人間達が織りなす物語。 5人?の視点から物語が語られ、それぞれが何を思って生きているのか、全体を俯瞰して物語が進んでいった。 中盤以降、それぞれがどうなってしまうのか、読み進める手が止まらなかったが、 最後は読むのが辛くてたまらなかっ...
生活保護を題材に、役所側受給者側その他様々な人間達が織りなす物語。 5人?の視点から物語が語られ、それぞれが何を思って生きているのか、全体を俯瞰して物語が進んでいった。 中盤以降、それぞれがどうなってしまうのか、読み進める手が止まらなかったが、 最後は読むのが辛くてたまらなかった。
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どんどんどんどん流されていく。 悪い人間ばっかり、 小さなきっかけで転がる悪循環。 うまくいかないときは、 こんな状況やろな。
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帯の惹句に「クズと悪しか出てこない」みたいなことが書いてあって、気になって購入。読んだ結果は...「なんでこんなもん読んじまったかな(-.-;」ですな(^ ^; 本当に、登場人物全員、まともじゃない。あ、クズと悪の他に「馬鹿」も出てきますが(^ ^; とにかく、どっからどう見て...
帯の惹句に「クズと悪しか出てこない」みたいなことが書いてあって、気になって購入。読んだ結果は...「なんでこんなもん読んじまったかな(-.-;」ですな(^ ^; 本当に、登場人物全員、まともじゃない。あ、クズと悪の他に「馬鹿」も出てきますが(^ ^; とにかく、どっからどう見ても「救いがない」話で(^ ^; その中で、一条の光が見えてくるも、最終的には全てバッドエンドになるという(^ ^; むしろ「ちょっといい話」がある分、落差が大きくて救いがない(^ ^; にくいことに文章力...と言うか描写力が巧みで(^ ^; やりきれない夏のクソ暑さがページからにじみ出してくる(^ ^; あぁ、暑苦しい(^ ^; ...と、これだけ文句を並べても、ぐいぐい最後まで読まされてしまう、不思議な求心力を持った一冊(^ ^; 我が国の「下の方」では、こんなことが実際に怒ってるんだろうなぁ...(^ ^;
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描写が上手く、自然と登場人物の行動や身なりが想像できます。 あと、最後のあとがきが好きです。 人生は悲劇と喜劇が共存している。そう思ったら私が悲しいと思うことも誰かにとっては笑えるものであり、心の底から幸せだと感じることも他人から見ると憎く、虚しく、悲しいものなのでしょう。今回の...
描写が上手く、自然と登場人物の行動や身なりが想像できます。 あと、最後のあとがきが好きです。 人生は悲劇と喜劇が共存している。そう思ったら私が悲しいと思うことも誰かにとっては笑えるものであり、心の底から幸せだと感じることも他人から見ると憎く、虚しく、悲しいものなのでしょう。今回の作品の真髄とも言えます。
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