盤上の向日葵(下) の商品レビュー
真剣師と呼ばれる賭け将棋師との関わり、桂介の出生の秘密、白骨死体と高価な将棋の駒の謎、下巻には将棋の指し手も描かれていたがあいにく将棋の知識が薄くその部分はほぼ流し読みでした。知識があれば更に面白く読めたのでしょう。
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下巻は一気に事件の本質に迫っていく感じで、過去と現在がどう繋がっていくのか?願わくばキレイな形で繋がって欲しいと望みながら読み進めた。父との過去。東明重慶との関係性。プロローグにどう繋がるのか?期待値高く読む事が出来た。
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向日葵ってなんだろう、というのがこの本を読み始めた時からの最大の疑問だったのですが、なるほど、そうだったのね、と。 夏、強烈な生を感じると同時に影のように伸びる死も感じる。夏に咲く向日葵は確かに綺麗だけど、ただ綺麗なだけじゃない。魔力だったり狂気だったりを孕んでいるようにも思う...
向日葵ってなんだろう、というのがこの本を読み始めた時からの最大の疑問だったのですが、なるほど、そうだったのね、と。 夏、強烈な生を感じると同時に影のように伸びる死も感じる。夏に咲く向日葵は確かに綺麗だけど、ただ綺麗なだけじゃない。魔力だったり狂気だったりを孕んでいるようにも思う。 耳を切り落として画家仲間に送っただの、最後は拳銃自殺しただの、今でもゴッホに関する逸話はある。拳銃自殺は本当だったのか定かではないみたいですが、仮に嘘だったとしてもその話が残って語られるくらい、ゴッホは常軌を逸した存在だったのだろう。 天才は人に理解されないようで。 上条桂介は、家庭環境に恵まれず、人を信じては騙され、糞みたいな父親からは逃れられず、金金金、金によって狂っていく人が身近に複数いた。そんな人が億を超える財を築くことができたのは神様の皮肉なような気もする。 向日葵に向かって舞った桂介、らしい終わりだったと思う。
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柚月さんは何で将棋のこともこんなに詳しいの?とびっくりしてしまう。勝負師の世界、ケイスケの出生の秘密、そしてラストシーン‥。見応え十分てした。
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途中まで東明が悪人にしか見えませんでしたが、実は桂介を思う気持ちは誰にも負けない強いものであると感じました。
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柚月裕子『盤上の向日葵』上下巻読了。『孤狼の血』の作者が今回は将棋の世界を題材に書いた長編。死体遺棄事件の遺留品である名駒の行く末をベテラン刑事と新米刑事が追う形で進行。並行して実業界からプロ棋士に転向した異端の鬼才の生い立ちが描かれている。しかして作者がいちばん描きたかったであ...
柚月裕子『盤上の向日葵』上下巻読了。『孤狼の血』の作者が今回は将棋の世界を題材に書いた長編。死体遺棄事件の遺留品である名駒の行く末をベテラン刑事と新米刑事が追う形で進行。並行して実業界からプロ棋士に転向した異端の鬼才の生い立ちが描かれている。しかして作者がいちばん描きたかったであろうは下巻からの将棋の真剣師の荒唐無稽な生き様であろう。『孤狼の血』ではダーティーなマル暴刑事を中心に据えてどっぷりと魅力たっぷりに描いたが、本作では話が分散しがちで怪人物であるが今一つハマらなかった。ミステリ的にもただただ答えに接近していくばかりで盛り上がりに欠けた。
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上下巻合わせての感想 推理小説でもあり趣きとしてはどちらかと言うと主人公上条の人生録的な側面も強い 将棋の駒にまつわる小説というちょっと珍しい作品 途中途中で棋譜に関することも展開されている ドラマを見ているような感覚でその時の情景が頭にぼんやり浮かび上がるかのようだった
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藤井聡太くんの出身地が 近いので、 将棋ブームを嬉しく思う昨今。 本格的推理小説で読み応えあり。 さすが、 安定の柚月裕子さん。 同年代の女性作家は ハズレがない。 点と点だったことが 繋がり 線になっていく過程で ぐいぐいと引き込まれた。 将棋のルールは全く知らないが、...
藤井聡太くんの出身地が 近いので、 将棋ブームを嬉しく思う昨今。 本格的推理小説で読み応えあり。 さすが、 安定の柚月裕子さん。 同年代の女性作家は ハズレがない。 点と点だったことが 繋がり 線になっていく過程で ぐいぐいと引き込まれた。 将棋のルールは全く知らないが、 柚月さんが どれほど調べあげて 書き上げたのか、想像すると 本当にすごい! 作家として プロに徹している感じが好き。 文章に酔いしれることなく、 無駄がなく、 情景や 匂いまで伝わるような描写が、いい。 才能に恵まれながらも 父から虐待を受け、不遇な桂介。 ビジネスで成功し、 プロ棋士になり、 立派になった陰に あった 背景とは。 唐沢さんの将棋の手解きで 人生を救われたと 同時に 数奇な運命が紐解かれた後 待っていたのは? 上下2巻セットだけど、 一気読みできる! ちなみに 解説は羽生善治さん!!
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将棋は駒の動かし方ぐらいしか知りませんが、個性的な将棋指し達の逸話は結構好きです。 この作品も将棋指し達の“狂気”が全編通してちりばめられていて、非常に面白かったです。 読んでいて、「新宿の殺し屋」と呼ばれた将棋指しを描いた『真剣師小池重明』(団鬼六著)が思い出されました。 巻末...
将棋は駒の動かし方ぐらいしか知りませんが、個性的な将棋指し達の逸話は結構好きです。 この作品も将棋指し達の“狂気”が全編通してちりばめられていて、非常に面白かったです。 読んでいて、「新宿の殺し屋」と呼ばれた将棋指しを描いた『真剣師小池重明』(団鬼六著)が思い出されました。 巻末の羽生善治さんによる解説もとても味わい深かったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
将棋に関して全く知識がないので、序章を読んでいる間は、将棋もわからないし状況も分からないしで、私この本を読んでよかったんだろうか…という気持ちになりました。 しかし、盤上の勝負はわからなくても勝負の緊迫感が伝わってきます。その辺りは上手くかかれているのかと。 上巻の最後では、唐沢についに辿り着くかと思いきや異なる名前がでてきたために混乱しました。その混乱を持ったまま、東明と上条の過去回想があり、しかもそれが下巻の半分ほどのボリュームがある。あれ、これあとこんだけで解決するの?と思いましたが、結局警察の推理というより上条の回想でしたね。結末よりも、過去回想に重きをおいている感じがしました。 実際、過去の話や回想が長かったために、上条や東明に対して考える所が多くなりました。 ハッピーエンドでは全くないですが、好きな作品です。 以前、柚月さんの作品は臨床真理を読んで苦手意識がありましたが、今回のような作品であればまた読みたいです。 将棋のルールだけでも知っていたら、今よりさらに楽しめただろうなとは思います。
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