愛されなくても別に の商品レビュー
帯の生きづらい現実に1ミリでも希望を見出させてくれる作品という言葉通りであった。 不幸の度合いの比較なんて全くもってナンセンスであるが、この本を読んだ事で自分の悩みなんてちっぽけに感じたし、あんな境遇にある宮田も江永もこうして前に進む事を選んでいるのだから、自分もずっと悲観に浸っ...
帯の生きづらい現実に1ミリでも希望を見出させてくれる作品という言葉通りであった。 不幸の度合いの比較なんて全くもってナンセンスであるが、この本を読んだ事で自分の悩みなんてちっぽけに感じたし、あんな境遇にある宮田も江永もこうして前に進む事を選んでいるのだから、自分もずっと悲観に浸ってる場合じゃないと思えたし、自分のこんなはずではなかった人生にも可能性を少しばかり見出せた。 生き方なんて人それぞれであって、他人にどうこう干渉されていい領分でない事を教えてもらい、思いっきり自分だけの人生を送ってやりたいと思った。 宮田と江永、2人の友情がとても尊く、幸せに過ごしていって欲しいなと強く思えた素敵な小説だった。とても面白かった。 この話のメインのテーマとは逸れるが、個人的には友達のいない宮田と堀口との関係性が物凄く好きであり、毎回の章の初めが宮田と堀口のバイトでの会話で始まる構成がとても好きだった。堀口の考えは暴論である事が多かったが、それでも良い人柄に感じられた。特に自分より下に見ている相手には誰もが口を滑らせるから他人から侮られるように振る舞っていると言ってたのが面白く、なるほどなと思わされてしまった。また最低に見えるが生き物としては最強かも知れないと宮田が堀口に感じている部分もとても好きだ。
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2人の関係性がとても良かった。 血が繋がってるからと言って他人だが、血が繋がっていないからこそ踏み込める柔らかい部分があるのかな、と感じた。 不幸中毒とはよく言ったもので、悲撃のヒロイン症候群のように、辛い自分に酔ってしまうこともある。でもそれは辛い現実からの逃避行のひとつであるのかもしれないと感じた。 文章はとても読みやすく、普段本を読まない人でもスラスラ読めると思う。 この2人は、パズルのピースのようなもので、足りない部分をお互いで補い合ってるんだろう。
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いろんな種類の毒親がいるなぁ…と思った。 宮田と、そしてもっと苦労している江永。その2人が出会ってお互い意気投合してお互いの支えになっていく様子が、決して明るいだけの出来事ではないけれどポップに読めた。バイト仲間の堀口先輩の明るさにも救われた。
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浪費家の母と暮らす宮田陽彩は、大学生活に脇目も振らずバイトに明け暮れていた。 ある日バイト先に、同じ学科の江永雅がやってくるが、彼女はとある噂により学年中から避けられていて─。 軽薄そうに振る舞う堀口や、母から束縛される木村等、どこかに歪みを抱えたひとたちが出てくる。新興宗教や...
浪費家の母と暮らす宮田陽彩は、大学生活に脇目も振らずバイトに明け暮れていた。 ある日バイト先に、同じ学科の江永雅がやってくるが、彼女はとある噂により学年中から避けられていて─。 軽薄そうに振る舞う堀口や、母から束縛される木村等、どこかに歪みを抱えたひとたちが出てくる。新興宗教やアセクシャル、売春等の話題も出てくるけれど、文体のせいかライトな印象を受ける、読みやすい小説だった。
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どこかでありそうななさそうな話。この二人はどこへ向かうのかな。明るい場所でありますように。 宗教のシーンは今話題のあれを彷彿とさせた。おかしいって分かっててものめり込むんだろうな。
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お金の使い方や、愛され方が人によって異なることを、改めて感じた。 また、 「このままじゃ私、お母さんを殺しちゃう。」 と言った主人公の言葉にゾクッとしました。
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読み初めは主人公・宮田の環境が辛くて、読むのを止めようかと思ったけど、最後まで読んでよかった!宮田と江永の2人がお互いの存在に出会えて本当によかった。宮田と母との関係が最初と最後で変化したのも良い。登場人物たちの環境は、自分の生まれ育ってきた環境とは180°違うけど、宮田の気持ち...
読み初めは主人公・宮田の環境が辛くて、読むのを止めようかと思ったけど、最後まで読んでよかった!宮田と江永の2人がお互いの存在に出会えて本当によかった。宮田と母との関係が最初と最後で変化したのも良い。登場人物たちの環境は、自分の生まれ育ってきた環境とは180°違うけど、宮田の気持ちに共感するところもぽつぽつあった。
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響け!ユーフォニアムの作者と知り驚きました。アニメを見ていたので、小説は初めて読みました。 物語のはじめから一気に引き込まれ、あっという間に読み終えてしまいました。 主人公たちが、家族や親の呪縛から自らを解き放ち、自由を掴み取っていく。 この過程は、読んでいるこちらが苦しくなる場面もありましたが、テンポの良い会話が楽しく生き生きと描かれており、読みやすかったです。 私の大学でも、学費は全て自分で払うからたくさんバイトをしなければならないと言っている人がいたことを思い出しました。 どんな人も、人に言わない、人と比べようもない、暗い部分を持っているのかも知れない、と考えさせられました。 木村と宗教の話は、読み返すことがあったとしても飛ばすと思います。 陽彩の流されやすさと、雅の芯の強さを見せるためには必要なストーリーだったのかもしれませんが。 我が子がいじめられるかもと考えることはあっても、いじめっ子になることは想像しない。その通りだと思います。 陽彩と雅のこれまでの人生は、重く苦しいものでしたが 未来が明るいであろうと思われるエンディングに、救われる思いがしました。
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武田綾乃さん初読。若い女の子の話。 よかったてす。 表紙の女の子たち実写かと思ってたら、絵だし。 主人公の受け答えが良い。 こんなに人と会話できるのは友達いなくても凄い。 途中の宗教の話はあまり好きじゃないな。 でも、ホント主人公の性的な話なくて良かったです。 東京オリンピックは...
武田綾乃さん初読。若い女の子の話。 よかったてす。 表紙の女の子たち実写かと思ってたら、絵だし。 主人公の受け答えが良い。 こんなに人と会話できるのは友達いなくても凄い。 途中の宗教の話はあまり好きじゃないな。 でも、ホント主人公の性的な話なくて良かったです。 東京オリンピックは延期しないとか思わず刊行日を確認した。微妙な時期だな。けど後から書き足してるのでは。 主人公の子はユニクロで服とか買うだなって。描かれてない部分でユニクロに行ってる。ブラトップとか買ってる。 カットソーとデニムと水色の靴下だっけ、デニムはスキニーか。 きっと、彼女たちは発達障害には優しくない場所で生きてる。よく喋るし気が利いた会話してるしさ。
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フォロワーさんの感想を読んでAmazonでポチって積読していた一冊。 評価の高い本だったので気になっていた。 これは、所謂毒親を持つ大学生の話。 宮田の両親は離婚し、母親と暮らしていた。 母親の収入は決して少なくはないのだが、使い方に問題がある。 宮田はバイトをしながら家事も...
フォロワーさんの感想を読んでAmazonでポチって積読していた一冊。 評価の高い本だったので気になっていた。 これは、所謂毒親を持つ大学生の話。 宮田の両親は離婚し、母親と暮らしていた。 母親の収入は決して少なくはないのだが、使い方に問題がある。 宮田はバイトをしながら家事も行い、家にもお金を入れて大学にも通う。 そんな宮田が、父親が殺人犯だと噂の江永と出会い、ひょんなことから同居することになる。 重たいテーマなのに、重さを感じることなく、さらさらと読みやすい。 若者の生きづらさを描いているというが、実際にこのような環境の大学生って多いんだろうか? 我が家が平和過ぎるのか?どこかこれは完全にフィクションだから、と決めつけて読んでいる自分が居る。 私には共感できる本ではなかったが、ここまで評価が高いのは、心に響く何かがあるのだろう。。。 不幸自慢しあえるほどの2人だが、2人でいられることで少しずつ変化が。 不幸には違いないのだろうけど、2人の強さなのか、生き様が清々しいのか、最後まで目が話せない物語だった。
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