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わたしの身体はままならない の商品レビュー

4.4

20件のお客様レビュー

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2024/08/24

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1827109264634343505?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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2024/05/11

東大で行われた「障害者のリアルに迫る」ゼミをまとめて書籍にしたもので、ゲスト講師だったいろんな人たちのそれぞれの話を一冊にしたということなのだと思う。 いわゆる障害者ばかりでなく、障害者の親とか研究者とか障害者ケアに携わる人とか、また、障害といっても身体障害、知的障害、性的な障害...

東大で行われた「障害者のリアルに迫る」ゼミをまとめて書籍にしたもので、ゲスト講師だったいろんな人たちのそれぞれの話を一冊にしたということなのだと思う。 いわゆる障害者ばかりでなく、障害者の親とか研究者とか障害者ケアに携わる人とか、また、障害といっても身体障害、知的障害、性的な障害、多重人格障害もあれば、レビー小体型認知症の人とかHIV陽性の人とか依存症の人とかも登場する。 こうなってくると、障害って何って感じがしてくる。完璧な人なんていなくて(そもそも完璧ってどういうこと?)、みんな何かしら偏りや欠けがあるわけで、いってみればみんな障害者じゃないか。 でも、その偏りや欠けがどういうものかによって、社会のなかで生きづらさに差が出てきてしまうわけ。この本なんか東大の人がたくさんいて、これだけ東大の人がいる中に入ると、東大生でない自分がマイノリティ=障害者みたいな気にさえなる。たとえがいまいちだけど、ことほどさようにマイノリティがつらい立場になることが多いよね。この本では熊谷晋一郎さんはじめいろんな人が障害の医学モデルと社会モデルに触れているけど、社会モデルが浸透すればそういうことは減っていくのだろうか。 数々の執筆陣がいるなかでも出色だったのが、伊藤亜紗さんと馬場拓也さん。 伊藤さんの話や文章にはしばしば目を開かされることが多い気がする。この本では、安心と信頼の違いについて書いていた内容に、なるほど!と思った。曰く「安心とは、「相手のせいで自分がひどい目にあう」可能性はゼロだと感じること、信頼は「相手のせいで自分がひどい目にあう」可能性がありながら、にもかかわらず、ひどい目にあわないほうに賭ける、ということである。」(p.152)とのこと。 もちろん、この文脈は信頼のほうが望ましいという話。そして実のところは、ひどい目にあわないほうに賭けるというよりは、ひどい目に遭ってもいいと思えるのが信頼なのだと思う。また、安心は当人だけでそう思うものだけど、信頼は「〇〇さんを信頼する」というように相手(対象)あってのことだなとも思った。 馬場拓也さんは、双子の娘が死産だったときのことを中心に書いていて泣かされた。正直なところほどよくアパレル勤めしてから親の跡継ぎで社福の理事におさまってうまいことやってる人というイメージだったんだけど、印象が変わった。この本のテーマに合うエピソードなのだろうかと思いつつ、男らしさの呪縛という障害当事者ということなのかなと思ったり。 前述したように、いろんな立場の人が書いて(話して?)いるんだけど、全体的に女性が少ない。女性から男性になった人もいるし、こういう本で性別云々するのもどうかとも思うけど、でも同じ障害をもつ人でも男性のほうが表に出てくることが多い感じがするから、もっと女性とか女性寄りの人の声も載っていたほうがいい。

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2024/02/26

こんな時に読みたい ・生きづらさを感じた時 ・生きづらさを感じている友人や家族について考えたい時 ・テレビの特集等でマイノリティーについて知った時 ・福祉・介護・障害に関心を持った時 ・自身の生きづらさと向き合いたい時 ・他の体験記等を読んだ時 ・他の人の人生経験を知りたいと思っ...

こんな時に読みたい ・生きづらさを感じた時 ・生きづらさを感じている友人や家族について考えたい時 ・テレビの特集等でマイノリティーについて知った時 ・福祉・介護・障害に関心を持った時 ・自身の生きづらさと向き合いたい時 ・他の体験記等を読んだ時 ・他の人の人生経験を知りたいと思った時 もう一度読み返すなら ・haruさんの章を読み返したい。彼の文は他の方より詩的でとっつきやすかった。他の方のものは少し学術的で疲れていると読むのがしんどいものもあった。 この本を読んで得た学び ・同じ障害でも同じ経験をするわけではないし同じ症状が出るとも限らない。 ・助けを求める、とは委ねることでもあるが、疑いながら信じることなのかもしれないと思った。(伊藤亜紗さんの文から) ・障害と無関係な人はいない。→障害が社会モデルになればなるほど関係を持たずに生きられる人は減るのではないか。 「そっちの世界どうなってるの?」と投げかけた伊藤さんの話はほぼ体験談の引用と考察だけだったのが少し残念。 彼女の世界を知りたい方はこちらの本を読んでみてほしい。 「きみの体は何者か:なぜ思い通りにならないのか?」 *ブクログのガイドを使って書きました。 ・関連本→「顔ニモマケズ」

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2024/08/03

障害とは何か。障害のない人が感覚として認知していた表面的な意味ではなく、障害を生活の一部として過ごしている、当事者たちが語るリアルが詰まった1冊。 知らなかったこと、気付かないようにしていたこと、見ないフリをしてきたこと。読みながらセンシティブな部分に触れすぎて気持ちが重くなる部...

障害とは何か。障害のない人が感覚として認知していた表面的な意味ではなく、障害を生活の一部として過ごしている、当事者たちが語るリアルが詰まった1冊。 知らなかったこと、気付かないようにしていたこと、見ないフリをしてきたこと。読みながらセンシティブな部分に触れすぎて気持ちが重くなる部分もあったけれど…こういったリアルな声は発するのも届けるのも大変なはず。それぞれの著者の伝えたい想いが、障害を表面的にしか理解していなかった自分にとても刺さりました。

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2023/10/19

障害やマイノリティの立場、それらを支援する立場の人々15人が綴る、まさに「障害者のリアルに迫る」本だ。 障害者の性生活、女性ホームレス、LGBTQ+、脳機能障害、我が子の死産を経験した人…一言では語りきれないさまざまな話が、さまざまな立場の方々から溢れてくる。こんなにも多彩で、知...

障害やマイノリティの立場、それらを支援する立場の人々15人が綴る、まさに「障害者のリアルに迫る」本だ。 障害者の性生活、女性ホームレス、LGBTQ+、脳機能障害、我が子の死産を経験した人…一言では語りきれないさまざまな話が、さまざまな立場の方々から溢れてくる。こんなにも多彩で、知らないことがたくさんあったのだと突きつけられる。 なんと感想を書くのが良いのか分からないくらい、ただ綴ってくれて、教えてくれてありがとうとしか言いようがない良書だ。 一言ではこの本の良いところが表せない。 もうぜひ読んでみてほしい。それしか伝えられない。

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2023/07/18

HIV患者や精神、身体障害者、奇形な顔面を持つトリーチャーコリンズ症候群の方など色々な障害を持った方の話。 「自分の体なのに、ままならない。自由に動かせない」歯がゆさ、とても伝わってきた。 自分も吃音で、言葉がスムーズに口から出せない。普段は障害者の意識なく生活しているが、広義...

HIV患者や精神、身体障害者、奇形な顔面を持つトリーチャーコリンズ症候群の方など色々な障害を持った方の話。 「自分の体なのに、ままならない。自由に動かせない」歯がゆさ、とても伝わってきた。 自分も吃音で、言葉がスムーズに口から出せない。普段は障害者の意識なく生活しているが、広義では一種の言語障害者なのだ。 自分を障害者だと認識した時、胸がザワザワするのは何故なのだろう。 トリーチャーコリンズ症候群の石田さんがいいことを書いている。 彼が大切だと思う3つのこと。 「知識」 知らないことは誤解を生む。しかし知ってさえいれば驚きは減り、慣れていく。 それが皆が生きやすい世の中になることへ繋がっていくのではないか。 「受容」 知識を得た上で多様な人々の存在を受け入れることができる。 「思いやり」 特別に何かをしてあげる、ことよりもさり気ない何か、が嬉しい。 ただ普通に関わりながら、相手のことをちょっと思いやってみる。ちょっと手を差し伸べてくれたり、寄り添ってくれるだけで、私たち当事者は嬉しいのだ。 以上の視点は何も障害者に対してに限らず、マイノリティ、マジョリティ含めた皆が生きている社会においても大切なことだ。

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2023/06/21

障害や病気のある方のリアルなお話にふれられる一冊。 世界はどのように見えているかが率直に綴られていて、いろんな方の声をきいているような気持ちになりました。 戸惑い、とめられない行動、変化が起きたときのこと、安心と信頼のこと、、きっと文字になっているのはほんの一部で、けれどもと...

障害や病気のある方のリアルなお話にふれられる一冊。 世界はどのように見えているかが率直に綴られていて、いろんな方の声をきいているような気持ちになりました。 戸惑い、とめられない行動、変化が起きたときのこと、安心と信頼のこと、、きっと文字になっているのはほんの一部で、けれどもとてもリアルで、読みながら、内側から揺さぶられているように感じました。 読むのにエネルギーも必要だったので、読むタイミングも大切にできたらよさそう、と思いました。

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2023/04/25

計15名の当事者が語る形式。障がい者の親だったり同性愛者、難病、薬物中毒者などどの話も短いのに濃くてあっという間に読み終わってしまった。 有名な石田さんも最近youtubeで知ったharuさんも文章が上手で人となりが伝わってくる優しさがあった。他の方もみんなユニークだったりして...

計15名の当事者が語る形式。障がい者の親だったり同性愛者、難病、薬物中毒者などどの話も短いのに濃くてあっという間に読み終わってしまった。 有名な石田さんも最近youtubeで知ったharuさんも文章が上手で人となりが伝わってくる優しさがあった。他の方もみんなユニークだったりしてすごく良い。 特に同性愛の「パーフェクト」は赤裸々に語っていてインパクトがあった。ここまで素直に心情を語ってくれると清々しく生々しくとてもリアルに感じる。 「砂袋を浮き袋に」小説のよう。性同一性障害であり発達障害で解離性同一性障害のharuさん。動画で見た時の印象と同じく文面からも穏やかで繊細な印象を受けた。 対談のコーナーでは相模原事件についても語っていて盛りだくさんの内容。 冒頭の言葉にでてくる「そっちの世界はどうなってるの?」に答えてくれる本だった。 障害というのはこの社会が求める人物像から外れた時決められるものだから。というワードは印象深くその通りだと思った。

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2022/12/11

「そっちの世界、どうなっているの?」 『はじめに』のいちばん始めに置かれているこの言葉は、東京工業大学准教授の伊藤亜紗さんが、他者に関心が起こりはじめるときの気持ちだとして語ってくれたものだそう。 本書は障害のある当事者、社会的マイノリティの方々の手記や対談をまとめたもの。 ...

「そっちの世界、どうなっているの?」 『はじめに』のいちばん始めに置かれているこの言葉は、東京工業大学准教授の伊藤亜紗さんが、他者に関心が起こりはじめるときの気持ちだとして語ってくれたものだそう。 本書は障害のある当事者、社会的マイノリティの方々の手記や対談をまとめたもの。 まさに、「そっちの世界、どうなってるの?」が、たくさん詰まった、他者への扉の本。 みなさん、文章が上手く、個性的で、書きづらいことも正直に書かれているように思う。 気になったのは、ゲイでHIVに感染している桐島優太さん、咳止めシロップ依存症だった笹嶋敏さん、路上生活者である女性のいちむらみさこさん、解離性同一性障害で性同一性障害で発達障害のharuさん。 haruさんは著作を図書館で見つけたことある気がするので借りてみようと思う。 笹嶋さんは、いちばん、共感を覚えてしまった。 性格がなんだか似ている気がして、胸が痛い。 私が咳止めシロップ依存症ではないのは、その機会がなかっただけに思えて来る。 何かの本かネットに書いてあったのだが、自分と他者の共通項を見出だす性質は、原始の人々のほうが強かったらしい。 逆に、現代人は他者との差異を見つけだす傾向があるらしいです。 私は原始人なのか、と、思った。←なんのこっちゃ イラストは高野文子さん。

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2022/11/30

論説とか活動に関する話は、良くも悪くも人物不在の話になってしまうのですが、この本は語る人物をありありと感じることができました。ままならない状況、身体、けど時間は止まるわけでもないし何かとは関わらなければならない。何かをしなければならないというところから完全に逃れるのは難しいのだと...

論説とか活動に関する話は、良くも悪くも人物不在の話になってしまうのですが、この本は語る人物をありありと感じることができました。ままならない状況、身体、けど時間は止まるわけでもないし何かとは関わらなければならない。何かをしなければならないというところから完全に逃れるのは難しいのだと思うのですが、語りを傍で聞いたような気持ちに少しなりました。読み終えた今、必読と感じています。

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