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タクジョ! の商品レビュー

3.8

67件のお客様レビュー

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2020/09/25

小野寺作品らしい読み心地の小説です。 特別な能力や才能を持つわけではない主人公は、大卒新人1年目のタクシードライバー(女性)です。 ストーカー被害に悩む女性が、帰宅途中にタクシーを利用するも、(住所がばれるのが嫌で)途中で下車したところ、家までの間に襲われてけがをする、という事...

小野寺作品らしい読み心地の小説です。 特別な能力や才能を持つわけではない主人公は、大卒新人1年目のタクシードライバー(女性)です。 ストーカー被害に悩む女性が、帰宅途中にタクシーを利用するも、(住所がばれるのが嫌で)途中で下車したところ、家までの間に襲われてけがをする、という事件をニュースで見てから、「女性が安心して乗れるタクシーがないなら、自分がタクシードライバーになろう」と決意してこの業界へ踏み出します。 「籠脱(無賃乗車)」されたり、あわや強盗にあったりとトラブルもありますが、乗せたお客さんとの出会いや、母や、離婚した父親、父の教え子でもある見合い相手など周りの人々とのつながりの中で、自分の仕事と生き方を見つめ、自分なりの答えを出してゆく主人公。 「何が大切か」「どう生きるか」ということに「正解」はありませんが、悩みながらも自分の言葉で考え、ひたむきに生きる登場人物の姿に、あらためて日々を一生懸命に生きようと思わされます。

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2020/09/24

ほのぼの。「ひと」を描いたら天下一品。どうしてここまで心理、心の機微が描けるのだろう。職業モノも、細部までいつもまるで経験者。自分でハンドル握って都内走ってる気分も楽しむ。先週のNHKドキュメント72時間でやってたタクシードライバーと重なり脳内ビジュアル化も。

Posted byブクログ

2020/09/20

新卒女子タクシードライバー奮闘記。 十月の羽田 十一月の神田 十二月の五反田 一月の早稲田 二月の町田 三月の江古田 女性の味方になりたくて、東京でタクシードライバーになった夏子。 離婚した父の紹介で、公務員の鈴央と出会うが、仕事でぼったくりや強盗未遂にあったりと、自分の人...

新卒女子タクシードライバー奮闘記。 十月の羽田 十一月の神田 十二月の五反田 一月の早稲田 二月の町田 三月の江古田 女性の味方になりたくて、東京でタクシードライバーになった夏子。 離婚した父の紹介で、公務員の鈴央と出会うが、仕事でぼったくりや強盗未遂にあったりと、自分の人生と将来を考えてしまう。 少しずつ強くなる夏子が、道を切り開いていく。 シリーズになるのか、劇的な展開はなく、成長を見守りたいタイプの作品。

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2020/09/14

タクシーの運転手さんのお仕事ってこんな苦労があったんだと興味深く引き込まれてながら親子のしがらみや恋模様も盛り込んでパンパンになってるはずなのに決してキャパオーバーにならずむしろ深みがでてくる。やはり小野寺さんの文章のうまさなんだなぁと。 とても読みやすく次の展開を主人公とワクワ...

タクシーの運転手さんのお仕事ってこんな苦労があったんだと興味深く引き込まれてながら親子のしがらみや恋模様も盛り込んでパンパンになってるはずなのに決してキャパオーバーにならずむしろ深みがでてくる。やはり小野寺さんの文章のうまさなんだなぁと。 とても読みやすく次の展開を主人公とワクワクしながら共用しているような気分になれました。

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2020/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いわゆる「いい話」は苦手なのだが、この作家さんの作品は読んでしまうなぁ。 いちばん好きかも。 卓球が上手いと人生のちょっとした場面で役に立つのはほんと。わたしも元卓球部なのでよくわかる。

Posted byブクログ

2020/09/06

読んでいる間、ずーっと癒してくれる傑作。他作品とリンクしてる著者のファンならおなじみのサービスも健在。

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2020/08/29

人と人の縁とそこにつながる「働くこと」を描かせれば天下一品の小野寺さんの新刊は珍しく女性が主人公。 大学新卒でタクシーのドライバーになる女性、なかなかレア。女性のタクシー運転手も増えているとはいえ、めったに当たることがないような。 タクシーに限らず運転手という職場はまだまだ男社会...

人と人の縁とそこにつながる「働くこと」を描かせれば天下一品の小野寺さんの新刊は珍しく女性が主人公。 大学新卒でタクシーのドライバーになる女性、なかなかレア。女性のタクシー運転手も増えているとはいえ、めったに当たることがないような。 タクシーに限らず運転手という職場はまだまだ男社会。主人公の夏子がなぜ、タクシードライバーになろうとしたか、というきっかけとなった事件もこの男社会によるもの。 この事件、多分たくさんの「わかる」という声が聞こえる気がします。でもタクシーという密室にいろんな不安や恐怖を感じるのは客である私たちだけじゃないんだということが今回よくわかる。たしかにそうだ。運転手さんたちも常に様々な危険と隣り合わせになっているんだな。 普段あまり考えることのないタクシー業界の、あれこれを知ることができてそれも面白かった。 そして、もう一つの本題。夏子の恋の話。これ、切ないですわ。森口さん…彼とのいくつかのエピソードを超えて夏子と父親との関係が少し動いたんだな。今まで見えなかった父と母の関係とか、父の自分への思いとか、そういうのも見えてきて。そういう意味では森口さんグッジョブ。いいご縁がありますように。 そして姫野さん。いや、いいわぁ。卓球でのやりとりとか、もう夫婦漫才か!って。いいコンビだ。 いつものような涙腺刺激場面は少なかったですけど小野寺さんの優しさが隅々にまでいきわたったとても素敵な一冊。 タクシー業界にも女性ドライバーが増えて、いろんな悲しみや嫌な思いをする人が減ればいいのに。

Posted byブクログ