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楽園とは探偵の不在なり の商品レビュー

3.6

141件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    51

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    3

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2026/04/02

「2人殺したら天使に地獄に堕とされる」という世界のルールの中で起きる連続殺人ミステリー。惨い状況の中で、助けて、助けられて、また助ける繋がりで解決まで向かう展開が、特殊設定のミステリーにおいても好きだった。次読む本はテッド・チャンになりそう。

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2026/03/26

初めて読んだ特殊設定ミステリ 天使の描写が非常に巧妙で、現実で見たことも無い異物なのに、実際にその存在に相対したような恐怖を感じさせる。 天使の描写が優れていると感じた一方で、主人公の過去の取ってつけたようなところが気になってしまった。 最後まで無理矢理過去の話をされている感じ...

初めて読んだ特殊設定ミステリ 天使の描写が非常に巧妙で、現実で見たことも無い異物なのに、実際にその存在に相対したような恐怖を感じさせる。 天使の描写が優れていると感じた一方で、主人公の過去の取ってつけたようなところが気になってしまった。 最後まで無理矢理過去の話をされている感じで、その感覚がかなりこの作品への没入の邪魔をしていた。

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2026/03/21

天使が降臨した世界という舞台設定はとても良かった。天使周りのルールは独特かつ明快。しかしミステリのトリックには天使のギミックが十分に活かされていない感じがして少し物足りなかった。また、主人公の身に起きた『祝福』は解明されなかったのが残念。天使は何の作為も無い存在でいてほしかった。...

天使が降臨した世界という舞台設定はとても良かった。天使周りのルールは独特かつ明快。しかしミステリのトリックには天使のギミックが十分に活かされていない感じがして少し物足りなかった。また、主人公の身に起きた『祝福』は解明されなかったのが残念。天使は何の作為も無い存在でいてほしかった。世界がどんな姿になろうとも、その世界に順応する悪人は実際に出てくるんだろうなあと思うと少し虚しい気持ちになった。

Posted byブクログ

2026/03/16

やや変わった舞台設定だが、本格ミステリに括られる作品(2021年本格ミステリ大賞候補作)。 5年前、突然、「天使」が現れた。空から光の柱が降り注ぎ、そこから天使が舞い降りてきたのだ。天使とはいうが、容姿は奇怪だった。蝙蝠のような灰色がかった骨ばった翼を持ち、手足は異常に長く、人...

やや変わった舞台設定だが、本格ミステリに括られる作品(2021年本格ミステリ大賞候補作)。 5年前、突然、「天使」が現れた。空から光の柱が降り注ぎ、そこから天使が舞い降りてきたのだ。天使とはいうが、容姿は奇怪だった。蝙蝠のような灰色がかった骨ばった翼を持ち、手足は異常に長く、人に似た灰色の身体を持つ。顔にあたる部分は平面で、目鼻口もない。外見だけを見れば、どちらかといえば悪魔である。だが人に「天使」と呼ばせる何かがあった。 この天使には1つの特質があった。殺人者を地獄に堕とすのである。しかも、2人以上を殺したものを。「地獄に堕ちる」とは、生きながら焼かれることを意味した。天使に抑え込まれた殺人者は、燃え盛る地面で焼かれ、地中に引きずり込まれる。見るも怖ろしい光景だった。 なぜ天使が急に現れたのか、それが何を意味するのか、まったく不明だった。が、人々は地獄を怖れ、世界から連続殺人が減っていった。一方で、1人なら殺してもいいじゃないか、あるいはもっと極端に、2人殺して地獄に堕ちるなら、一度にたくさん殺しても同じじゃないかと暴挙に走るものもいたのだが。 この場合の殺人者は直接手を下したものに限られた。毒入りの聖水をそれと知らずに配ってしまった牧師が地獄に堕とされる例もあった。 異常な状況だけれども、人々はそれを受け入れた、というより受け入れざるをえなかった。 神様は何を考えているのか。地獄があるなら天国もあるのか。さまざまな疑問を抱きながら。 さて、そんな世界で探偵業はあまり振るわないものになっていた。本作主人公の青岸焦(あおぎし・こがれ)もその1人。そのうえ、青岸は、天使降臨後、ある事故で探偵事務所の仲間たちを失い、心に空虚さを抱えたままでいた。 そんな青岸が、天使愛好家である大富豪が持つ絶海の孤島の館に招かれた。青岸と富豪以外に、客は6人、使用人が3人。 さて、もうおわかりだろう。ここで連続殺人事件が起こるわけである。誰も地獄へ堕ちぬままに。 これはいったいどういうことなのだろうか? 特殊設定でありながら、辻褄は合うようになっており、なかなか意欲的でおもしろい。 青岸が仲間たちを失う過去の事件が、現在の事件の合間合間に描かれ、メランコリックな読み口である。 独特の世界観にはまれる人には極上のひとときになりそうである。 *あまり読みつけない分野なのですが、「ハヤカワ文庫の80冊」特設サイトで、著者さんが、パトリシア・ハイスミスの『11の物語』に寄せていた推薦コメントに感心して1冊読んでみました。なるほど、雰囲気のある作家さんですね。

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2026/03/09

特殊設定ミステリはその設定をどう生かすかが著者の手腕の見せ所。特異な存在としての天使の活かし方は良いものの、「二人以上殺したら地獄行き」の設定は条件の開示がフェアに行われず、「実はこうでした」の後出しでのルール説明だとなかなか頭が回らなかった。合理性・公平性という観点からすると、...

特殊設定ミステリはその設定をどう生かすかが著者の手腕の見せ所。特異な存在としての天使の活かし方は良いものの、「二人以上殺したら地獄行き」の設定は条件の開示がフェアに行われず、「実はこうでした」の後出しでのルール説明だとなかなか頭が回らなかった。合理性・公平性という観点からすると、ルールの明示にページを割くべきであり、主人公のバックグラウンドはどうでもよかった。ご都合主義が強すぎるトリックも残念。

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2026/01/22

「天使が存在する」という突飛な設定であるのに、リアリティがあるのが不思議でたまらなかった。また、その突飛な設定を巧みに使ったミステリで大変楽しく読んだ。

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2026/01/03

タイトルに惹かれてたまたま手にとった作品でしたが、読んで大正解でした。 初めて斜線堂有紀作品を読みましたがこんなに面白いとは。ファンタジー要素もありながら、天国地獄についても描かれていてとても楽しく読めました。 タイトルは、他の作品のオマージュなんですね。タイトルもとても...

タイトルに惹かれてたまたま手にとった作品でしたが、読んで大正解でした。 初めて斜線堂有紀作品を読みましたがこんなに面白いとは。ファンタジー要素もありながら、天国地獄についても描かれていてとても楽しく読めました。 タイトルは、他の作品のオマージュなんですね。タイトルもとても素敵でした。

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2026/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

キャラクター(悪人達以外)は魅力的で、一人一人の個性も強く描かれており読み進めやすい。青岸探偵事務所の回想部分がある事で、青岸自身の悪人への憎悪が読み手にも伝わってきた。天使が降臨したにも関わらず、悪人を裁いてはくれない、善人であっても理不尽な目に遭う事への不条理さが最後までしっかり続いていた。フィクションにありがちな奇跡がない部分もこの小説の魅力のひとつだなと感じた。

Posted byブクログ

2025/11/28

楽園とは探偵の不在なり 2025.11.28 大学図書館のビブリオバトルで取り上げられていた本。ミステリー系はあまり得意ではなかったけど、興味を持ったのでチャレンジしてみた。 第一に物語の設定が面白かった。2人以上殺したら地獄へ落ちるのにもかかわらず、連続殺人事件が起こる常世島...

楽園とは探偵の不在なり 2025.11.28 大学図書館のビブリオバトルで取り上げられていた本。ミステリー系はあまり得意ではなかったけど、興味を持ったのでチャレンジしてみた。 第一に物語の設定が面白かった。2人以上殺したら地獄へ落ちるのにもかかわらず、連続殺人事件が起こる常世島。1人殺すことが許されるが故にかえって殺人が増えてしまうことは、パラドクス的で現在のあまのじゃくのような世界情勢を表しているようにも感じた。 第二に天使という存在。一般的な天使は幸運をもたらすようなプラスのイメージを持つものだと思っていたが、物語では虚無的で残酷な不気味な生物として描かれていた。最後まで天使については詳しく分からなかったけれど、それがかえって奇妙さを表している。 もっとも印象的だったのは本文にあった以下のような文だ。(正式ではないけれど、まとめるとこんな感じだった) 知っているが姿をみせないという存在が、最も気になり忘れることのできない。ある意味では神がもっとも自己顕示欲が強いのだ。 不条理な死についても描かれて、大切な時に神は救ってくれないという残酷な現状も訴えられていた。

Posted byブクログ

2025/09/06

天使が降臨し、殺人を2回犯すと地獄に落ちる世界に。のっぺりした顔の灰色の天使はしゃべりもせずふわふわと飛んでいて何を考えているかわからない…連続殺人が起こらなくなった代わりにどうせ地獄に落ちるなら大量殺人を、と考える人たちも現れて… という設定がかなり特殊な小説なんだけど、その...

天使が降臨し、殺人を2回犯すと地獄に落ちる世界に。のっぺりした顔の灰色の天使はしゃべりもせずふわふわと飛んでいて何を考えているかわからない…連続殺人が起こらなくなった代わりにどうせ地獄に落ちるなら大量殺人を、と考える人たちも現れて… という設定がかなり特殊な小説なんだけど、その設定の上で起こるビジネスの闇、天使へのカルト的な執着、孤島での"連続殺人"事件に挑む探偵(主人公)の本格ミステリーでおもしろかったー!いやぁ、天使が絶妙に気持ち悪かったな…。主人公が色んな人に心底慕われてるのも良かったなぁ… 顔がのっぺりしてる天使、角砂糖が好きらしくて角砂糖撒くと降りてきて顔にじゃりじゃり擦り付けるの謎生物すぎて面白い。

Posted byブクログ