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世界哲学史(8) の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2025/02/15

 最終巻第8巻は20世紀。普遍と文明を体現すると自ら称してきた西洋であったが、第一次世界大戦の破局に現れたように、西洋近代文明の「危機」が唱えられ、それにいかに対処するかが世界的な課題になった。そして哲学の分野では、西洋近代哲学の礎石であったはずの理性が戦争や分断をもたらしたので...

 最終巻第8巻は20世紀。普遍と文明を体現すると自ら称してきた西洋であったが、第一次世界大戦の破局に現れたように、西洋近代文明の「危機」が唱えられ、それにいかに対処するかが世界的な課題になった。そして哲学の分野では、西洋近代哲学の礎石であったはずの理性が戦争や分断をもたらしたのではないかとの苦い問いかけがなされ、「理性がその他者として周辺化してきたもの、たとえば感情や無意識、身体や性そして宗教の見直し」が求められ、また「人間中心的な理解が抑圧してきた生のあり方、たとえば動物や植物のあり方、環境や共生について、思考を促す」ことになった(「はじめに」より)。  こうした観点から、本巻では、分析哲学、ポスト構造主義、フェミニズムに加え、現代イスラーム哲学、現代中国哲学、そして日本哲学などが取り上げられる。加えて、まとまった論考として読むのは初めてだが、アフリカ哲学の状況についての概説も収録されている。  本シリーズが「世界哲学」とは何かの唯一の正解を与えようとするものではないことは十分承知した上で、全体を通読してなおそのイメージを具体的に掴むまでにはならなかったかな、というのが正直なところ。もう少し時間をかけながらゆっくり考えてみたい。

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2024/09/22

世界の各地における哲学の発祥、西洋哲学の受容と批判、思想から哲学への変遷などを扱った(と、わたしは読んできた)世界哲学史もついに本編最終巻にまできた。本巻は20世紀から21世紀の現代哲学。英米哲学(分析哲学)とヨーロッパ大陸哲学を基軸に、中国におけるそれらの受容、日本を舞台に思想...

世界の各地における哲学の発祥、西洋哲学の受容と批判、思想から哲学への変遷などを扱った(と、わたしは読んできた)世界哲学史もついに本編最終巻にまできた。本巻は20世紀から21世紀の現代哲学。英米哲学(分析哲学)とヨーロッパ大陸哲学を基軸に、中国におけるそれらの受容、日本を舞台に思想/哲学論争、そして、最近話題の(と、わたしは思う)アフリカ哲学など。ポストモダンの文芸批評とかも。

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2024/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

21世紀に入り、われわれは地球環境や気象変動に加えてヒトゲノムという人類の生存に関する持続可能な根本条件、共通条件を手に入れた。 だが、これは世界と人間の存続の条件であっても、その内実ではない。21世紀の哲学は世界と人間の内実を明らかにするものでなければならない。 その方向性として、筆者は無数の多元的な要素が互いに反発・対立しつつも同時に繋がりあい、連続しようとする多元的な世界観を根本的な図式とする。そのうえで、この図式に「無限の具体的な色彩を塗り込み、新しい思想的曼荼羅の大世界」を生み出すことが必要だと述べる。

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2024/04/27

・すべての種類が枚挙されたヒトゲノムの体系は、「象徴的な意味で」人類の遺産である。これにたいして、すべての可能性が枚挙された哲学思想のタペストリーは、むしろ具体的な意味で、人類の遺産となるだろう。それはわれわれの手にいまだ与えられていないが、しかし、われわれがいつかはきっと手に入...

・すべての種類が枚挙されたヒトゲノムの体系は、「象徴的な意味で」人類の遺産である。これにたいして、すべての可能性が枚挙された哲学思想のタペストリーは、むしろ具体的な意味で、人類の遺産となるだろう。それはわれわれの手にいまだ与えられていないが、しかし、われわれがいつかはきっと手に入れることのできる遺産であるはずである。

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2023/11/13

■細目次 https://gyazo.com/97bbad122f73271673a9cc6c300b8707 https://gyazo.com/f845fe9d93bd58fac984ab5e2c8a6b9e https://gyazo.com/e0434da79f4fe4e...

■細目次 https://gyazo.com/97bbad122f73271673a9cc6c300b8707 https://gyazo.com/f845fe9d93bd58fac984ab5e2c8a6b9e https://gyazo.com/e0434da79f4fe4e00e0bfdbc0292be7c https://gyazo.com/eccba01e09f3a93657967f88ed5c323f https://gyazo.com/bdbf6b1d60bd0d6da061f173ddb79755

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2022/08/13

【分析哲学の興亡】一ノ瀬正樹 エルンスト・マッハの要素一元論@世紀末ウィーン 思惟経済 →ウィーン学団の「論理実証主義」 →分析哲学 カルナップの原始的、AJエアの倫理 ヒュームの法則であるからべきへ→自然主義的誤謬 べき=論理的規範 クワイン「経験主義の2つのドグマ」→オーステ...

【分析哲学の興亡】一ノ瀬正樹 エルンスト・マッハの要素一元論@世紀末ウィーン 思惟経済 →ウィーン学団の「論理実証主義」 →分析哲学 カルナップの原始的、AJエアの倫理 ヒュームの法則であるからべきへ→自然主義的誤謬 べき=論理的規範 クワイン「経験主義の2つのドグマ」→オースティンの言語行為論 【ヨーロッパの自意識と不安】檜垣立哉 ベンヤミン「暴力批判論」「複製技術時代における芸術作品」 【ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理】千葉雅也 現代思想=否定神学システム(東) 思弁的実在論 フランソワ・ラリュエル →非標準哲学=メタ・メタ哲学 カトリーヌ・マラブー →外部なしの内在的な変化を求める破壊的可塑性 【フェミニズムの思想と女をめぐる政治】清水晶子 【世界宗教者会議】冲永崇司 「仏陀による教えとしての因果の法則」釈宗演 創造者ではなく発見者 【哲学と批評】安藤礼二 シャルル・ボードレールからなるフランス象徴主義 →ランボー、マラルメの象徴の詩学 →ベルクソンの記憶、サルトルの想像力の詩学 【現代イスラーム哲学】中田考 【現代資本主義】大黒弘慈 【中国の現代哲学】王前 【AIのインパクト】久木田水生 【日本哲学の連続性】上原麻有子 多元的対話 【アジアの中の日本】朝倉友海 【現代のアフリカ哲学】河野哲也 アルジェリア独立運動におけるフランツ・ファノン プラシド・タンペルのエスノフィロソフィー 【ラテン・アメリカにおける哲学】中野裕考

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2022/06/20

第1章 分析哲学の興亡 第2章 ヨーロッパの自意識と不安 第3章 ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理 第4章 フェミニズムの思想と「女」をめぐる政治 第5章 哲学と批評 第6章 現代イスラーム哲学 第7章 中国の現代哲学 第8章 日本哲学の連続性 第9章 アジアの中...

第1章 分析哲学の興亡 第2章 ヨーロッパの自意識と不安 第3章 ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理 第4章 フェミニズムの思想と「女」をめぐる政治 第5章 哲学と批評 第6章 現代イスラーム哲学 第7章 中国の現代哲学 第8章 日本哲学の連続性 第9章 アジアの中の日本 第10章 現代のアフリカ哲学 終章 世界哲学史の展望

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2020/10/20

世界哲学とは、哲学の広がりと感じた。哲学とは改めて他者との出会いである、と感じた。とりわけ最後のアフリカ哲学のアクチュアリティに震える。 安藤礼二の批評論も素晴らしかった。 「どのような人々の集団でも聖なるテクストをもっている。そのテクストは文字を用いて刻み込まれている場合が多...

世界哲学とは、哲学の広がりと感じた。哲学とは改めて他者との出会いである、と感じた。とりわけ最後のアフリカ哲学のアクチュアリティに震える。 安藤礼二の批評論も素晴らしかった。 「どのような人々の集団でも聖なるテクストをもっている。そのテクストは文字を用いて刻み込まれている場合が多い。しかし、そこで用いられている文字には身体の痕跡が、身ぶりと言葉(声)の痕跡が残されている」

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2020/09/08

世界哲学史シリーズの最終巻。12月に別巻が出るらしいが、一応、本巻でおしまい。 シリーズの掉尾を飾る第8巻では、「分析哲学の興亡」、「ヨーロッパの自意識と不安」、「ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理」「フェミニズムの思想と「女」をめぐる政治」、「哲学と批評」、さら...

世界哲学史シリーズの最終巻。12月に別巻が出るらしいが、一応、本巻でおしまい。 シリーズの掉尾を飾る第8巻では、「分析哲学の興亡」、「ヨーロッパの自意識と不安」、「ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理」「フェミニズムの思想と「女」をめぐる政治」、「哲学と批評」、さらには「現代イスラーム哲学」、「中国の現代哲学」、「日本哲学の連続性」、「アジアの中の日本」「現代アフリカ哲学」とさまざまな角度から「世界哲学」の現在的諸相が扱われている。それぞれ興味深い論考が並んでいたが、自分自身はやや消化不良気味。その中でもやはり日本をテーマにした第8、9章は興味深かった。 全巻読み終わって、これから、ここから、色々と自分自身の問題を考えていく必要性を強く感じる。

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2021/01/05

あんまりよくわからないけど、現代の哲学というのは、歴史的に哲学と呼ばれていたものから、経験的実証とかそういうのとあんまり関係ない世界として残ったものだ、みたいな印象を受けた。まあそれはそれでありだろう。

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